東方白化雪 ~ White wonder wizardry. 作:夢哉
「こんばんは」
「白ちゃんね!いらっしゃい!」
「むぐぐ……!」
息が……できな……
「霊夢、あなたはまた白を気絶させる気なのね」
「へ……?」
驚いたことで抱きつきに伴う腕の力が緩和される。新鮮な空気を取り込み、なんとか意識を喪失せずに済んだ。…本当に危なかったです。
「ごめんなさい白ちゃん!」
「いえ……大丈夫ですよ…?」
宴会のたびにこういったことをされているのでもはや慣れっこだ。霊夢さんも異変の疲れをこれで癒すことができるというのならば身を任せるのもいいと思っている。……ただ、やられるたびに呼吸困難へと陥るのは勘弁願いたいけれど。
「ああ、天使なのねこの子は……」
「はぁ……。それで、会場はどこかしら?」
「いつもの部屋よ。そこの部屋ね。もうみんな集まってるわ」
「わかったわ」
案内された部屋にはもうほとんど人でいっぱいだった。魔理沙さんなんかもうお酒を飲み始めていた。
そんな中、出会ったばかりの少女が目に映った。それはあちらも同様なようで。
「あ!白ちゃんだ!」
「さっきぶりだね、こいしちゃん」
「案外早く会うものなんですね。驚きました」
本当にさっき、また会おうね、と約束した少女と再開するなど、露にも思わないだろう。
「白お姉ちゃああああああん!!!」
「ちょっととm……ぐふっ!」
さらにはフランまでいた。加えて毎度の事ながらの突進によって肺の中の空気が全て放出された。
「はぁ……フラン、白に突っ込むのはやめなさいって言ったでしょ?」
「えへへ、ごめんなさい、白お姉ちゃん、お姉様」
それでも次の結果も変わらないだろう。可愛らしいから許すけども。
「白ちゃん、その子は?」
「フランだよ。たまに一緒に遊んだりする仲かな?」
「むー……それだけ?」
「え?」
頬を膨らませて不満を顕とするフランにどう対応すれば良いのだろうか。というか、何が不満なのだろうか。間違った事は言ってないと思うんだけど……。
「あはは。白ちゃんとフランちゃんは仲がいいんだねー!それに私を一度で見ることができたのもすごいね」
「うーん?でもこいしちゃんはちゃんと見えてるよ?」
なんで?と首を傾げるフランに気にしなくていいよと声を掛けるこいしちゃん。案外、この二人は早く仲良くなれる気がする。
向こうではレミリアさんとこいしちゃんのお姉さんであろう方が話していた。なぜわかったかと言えば、こいしちゃんと同じような目が存在していたからだ。
……どうしてか、みんな幼いようにしか見えない。実年齢を100で割ったら見た目相応の感じになる。
一旦彼女たちと別れ、会場内を六華とふらふらと出歩く。頻繁に宴会が行われているのに、変わらず参加しているのだから、みんな本当に宴会が好きだと言う事がわかる。六華と宴会料理を分け合いながら、宴会を楽しんでいると、案外早く時間は経つものだった。
***
「お、白か。ちょうどいい。これを飲むんだ」
とりあえずうろうろしていたところに、魔理沙さんから声がかかる。顔が若干赤いところを見ると、酔っているようだった。そして勧められているのは―――――お酒だ。
毎度の事ながら宴会の最後の部分の記憶を消失させるもの――――お酒。
これには若干に恐れを示してしまう。だがそれでも魔理沙さんがぐいぐいと勧めてくる。飲むしかないのだろうか、いやしかしここで飲んでしまってはまた記憶が消えるような気がする。
「ったく、ノリが悪いなぁ…?飲む気がないなら無理矢理にでも飲ませるだけだぜ…?」
「魔理沙さん!それ以上したらマスターが!」
「むぐっ…!んんんーーー!!!」
酒瓶の口が無理矢理口に押し込まれ、酒が流される。ああ、視界が黒く染まる―――――
***
やばいな。どうにも私は酔うと自制心が弱まっちまうらしい。目の前で倒れてしまった白を介護しようと手を伸ばす。だが、それよりも早く白が上半身をむくりと起こす。
だが、焦点は定まっていない。六華はこれはまずいと慌てている。
「……まりささん~!」
「ちょっと待て!悪かった!私が悪かったから落ち着いてくれ!!!」
「にゃはは~!にがしませんよぉ~」
「この声は!」
さらに面倒な事になった。霊夢が気付きやがった!しかもその声に反応し、全員が気付いた。
「ああもう!やっぱり白ちゃんは可愛いわね!!!」
「れいむさん~」
全員が鼻血を噴出した。むろん、私も例外ではなく。
次回からは気をつけなければならないと、どうせ守りもしない約束を自分に課して酔いに身を任せた。
上手く締まらないなぁ、なんて苦笑しながら書いてました。人が酔った状態って上手く書けないですね。
それでは、次回もお楽しみに。