東方白化雪 ~ White wonder wizardry. 作:夢哉
今回もまた、異変終了後の宴会が行われた。いつもと同じく、異変を解決した霊夢さんたちが内容を報告したり、新しく幻想郷へと入った針妙丸や黒の紹介、そして乾杯の音頭をとる。
みんながそれぞれお酒や宴会料理、はたまた会話や境内で酔った勢いの弾幕ごっこに楽しんでいた。
***
Side 白
宴会の最中、一人で考え事をしていた。ここからなら神社の前の湖が一望できる。
今回の異変で、何かが大きく変わってしまったような気がする。今まで、この世界で霊夢さんや魔理沙さん、アリスさんや六華たちと、様々な人たちと関係を結んでくることができた。
―――――これからもそうしていけるのだろうか
そんな漠然とした不安が、心の中でもやもやと残り続けた。
「どうすればいいんだろ……」
ポツリと、言葉が溢れてしまうほどに、自分の中で大きな問題となっているようだった。
「よう、こんなところで何してるんだ?」
「あ、魔理沙さん。魔理沙さんこそどうしたんですか?それに、珍しく酔ってないんですね」
「はっはっは、まだ宴会は始まったばかりだ。こんなに早く酔い潰れちまったら損だぜ。……ってもまあ、少し涼みたいからここに来たんだけどな」
「そうですか」
秋になりつつある今は涼しい風が吹き始めていた。
「……まだ気にしてるのか?」
「……はい」
「はぁ……あのなぁ……?」
魔理沙さんの溜め息に申し訳ない気持ちでいっぱいになり、思わず俯いてしまう。魔理沙さんの顔を見ることができない。
「お前のあの状態は、言わば不可抗力みたいなもんだ。意図してやったわけじゃないんだろ?」
「それはもちろんです!」
「なら問題ないだろうに。いいか?お前自身は許せないかもしれないが、私たちはもうその事を許したんだ。だから周囲の奴らにこれ以上申し訳ないって思う必要なんてないんだ
」
恐る恐る魔理沙さんの顔を見る。そこには、いつもの笑顔があった。
「魔理沙さん……!」
「ああ。辛かったな。よく頑張った」
その言葉を耳にした瞬間に、堪えていたものが決壊した。
これからやらなきゃいけないという重圧感を、周囲に迷惑を掛けてしまった申し訳無さを、親しい人に嫌われてしまったのではないかという恐怖感を、全部魔理沙さんが受け止めてくれた。
だから、目一杯泣いた。
***
「よし、落ち着いたみたいだな。」
「……はい」
一度気持ちを全て吐き出してしまえばある程度のつっかえは取れる。取れてしまう。故に、魔理沙さんに飛びつき、泣き喚いてしまったことに、さらにその間ずっと頭を“いいこいいこ”されていたことに羞恥の気持ちが生まれてくる。きっと、今の僕の顔は真っ赤に染まっていることだろう。
「さて、そんじゃ私は宴会に戻るぜ。白もさっさと戻って来いよー?」
「わかりました」
まだ、変わらなきゃいけない、という気持ちはある。だけど、魔理沙さんのお陰でそれが和らいだ。
少しずつでいいから、僕は僕なりに精一杯頑張っていこうと。そう思ったんだ。
まさかの1000文字ちょっと。しかも宴会とか言いながら全く宴会のシーンがないという……
とりあえずこれで輝針城編はお終いとなります。次は日常か何かを挟んでいくと思います。
それでは今回はこの辺で。ノシ