東方白化雪 ~ White wonder wizardry. 作:夢哉
その34
幻想郷各地に様々な花が咲き乱れる。毎年春が訪れればここで見れる光景だ。春妖精もしきりに各地に春の訪れを報せている。
しかし、今年の春は違和感を感じさせた。
***
「すごいですね……去年とは比べものにならないくらいに……」
「ええ、そうね……これは異変かしら……?」
「今までと違った異変ですね、マスター」
去年の春はここまで花は咲いていなかったはずだ。僕よりも長く住んでいるはずのアリスさんまで驚いているのだから、異変で間違えないだろう。
しかし。
「とても綺麗ですね!」
「ええ。異変だとしてももう少し続いてもいいって思っちゃうわね」
六華が言ったとおり、今までとはまた異なった異変。きっと霊夢さんたちはどう動けばいいのかわからないのではないのだろうか。
しかも、この花々には少し変な感じもした。うまく説明はできないが、違和感がある。しかし人体に影響するほどのものでもないとも思える。故に、絶対解決しなければいけない異変ではないような気もした。
「でも一応見て回るか。異変っちゃあ異変だしな」
「魔理沙さんは行くんですか?」
「ああ。何かあってからじゃあ遅いってこともあるしな。そこの巫女もあんなこと言いながらたぶんそろそろ動くつもりだったと思うぜ?」
霊夢さんの方を向くと当の本人は苦笑していた。どうやら当たっているらしい。流石は解決組だと思う。
「とは言え、別行動するつもりよ。今回の異変は範囲が広いから散らばってやったほうが早いわ」
確かに今回の異変は幻想郷中に発生しているものであろう。花は基本的にどこにでも咲いているものだ。故に霊夢さんの言う事は的を射ているだろう。
「よし、じゃあ行ってくる。お前らも頼んだぞ」
「ええ。あんたも頑張りなさいよ。白ちゃんと六華も応援してるからね!」
「すごい格差だな……」
「あ、はは……頑張ります……」
「頑張りましょうね、マスター」
***
外に出てみると、予想通りの光景に感嘆する。もしこれが異変でなければ延々とこの景色を眺め続けることができただろう。春の陽気にこの花々の景色はとても良い組み合わせだ。
霊夢さんと魔理沙さんとは別行動をするとは言っても、博麗神社の目の前は湖なのでそこまでは共に行動をした。途中チルノちゃんに会ったが、この異変のことについてはよくわかっておらず、むしろ楽しんでいる節さえ見せてきた。妖精達からしても、この異変は楽しめるものなのだろう。
「うーん……」
「どうしました?マスター?」
「んー、この異変の原因が未だにパッとしないからちょっとね」
「そうですね……」
既に二人は行ってしまったので未だに湖に残ってるのは僕と六華だけだ。あの二人には天性のというか、何かずば抜けた“直感”があるので解決に向かって手を進めていっているのだろうが、僕にはそういった能力はない。故に、出できたのはいいがどう進めればいいかわからず右往左往する羽目になってしまっている。何か都合よく異変解決の専門家さんが通りかかってくれないだろうか。
「……?貴女たちは……」
「?あ、妖夢さん」
すごい、通りかかったよ!魂魄妖夢さん!
彼女は春雪異変のときは実行側に回っていたが解決されてからはどうやら解決側に回ることにしたらしい。たびたびあの二人と一緒に行動しているところを見かけることがあった。
「こんな所でどうしたの?」
「えっと、この異変を解決しようって思ったんですがアテがなくて……」
「なるほどね。……この異変で発生しているものはわかるわね?」
「はい。この花々ですよね?」
言わずもがな、今回の異変はこの花々が主軸となるものであろう。
「うん。だけど普通はこんなに花が咲くわけない。……だけど今年は花々に霊が乗り移っているみたいなの」
「霊が、ですか?確かに少し違和感があるとは思ってましたが……」
「これは60年に一度の周期で起こってるみたいなの。幽々子様ももうこんな時期って仰ってたし。ただまあ、放ったらかしておくわけにもいかないからね」
「そうですね。情報ありがとうございました!」
「いえいえ。そっちも頑張ってね!」
「はい!」
一気に情報が増えた。
・この異変は60年に一度の周期で発生している
・この異変で発生する花々には霊が乗り移っている
ひとまず、さらに情報を増やしていくべきなのだろう。とりあえず、このまま幻想郷を周っていこうか。
お久しぶりです。生きてました。
新年入ってから挨拶もなく三ヶ月もおまたせしてしまってすみませんでした。いやもう、書けなくて書けなくて。とりあえず、最終章に入ったことですので後もう少しですがお付き合いくださいな。
さて、時系列が入れ替わっての花映塚編ですが、原作に則って進めていくつもりではありますが、出てこないキャラもいるかもしれません。許してください……
次回の更新も未定です。早く書ければいいなぁ。
それでは今回はこの辺で。ノシ