東方白化雪 ~ White wonder wizardry.   作:夢哉

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その36

 

 

ここへ来る前、実は何度か近所の子供のおもりをしたことがあった。その経験がまさかここで活きてくるとは思いもしなかったんだけど……。

 

感情的になってしまった人には、何を言っても恐らく通じないだろう。それこそ何か言い返すものなら火に油を注ぐ結果になってしまうに違いない。だからこそ、その人が吐露する言葉を一つ一つ受け止めてあげることで落ち着かせることができる。

 

そうして、彼女(メディスン)をなんとか落ち着かせることができた。話の内容は、

 

 「人間に棄てられた」

 「人間に復讐してやる」

 

というものだった。これを、何度も繰り返すように吐き出していたのだ。恐らく、彼女は付喪神となってまだ日が浅いのだろう。だから、手に入った力を以て仕返しをしてやろうという考えが先行してしまっている。しかし、そんなに甘くないのが現実だ。それこそ、感情の赴くままに復讐に走ってしまったら最悪封印すらもありえてしまうのだ。彼女には毒を操る能力が備わっているが、そういった能力を持つ妖怪はたいして珍しくないのだ。だから人里に住む人たちはこういった妖怪の対処法を持っているし、あそこには守護者もいる。更に言えば霊夢さんや魔理沙さんといった妖怪退治の名手すらもいる。

 

言ってしまうと悪いが、メディスンが彼女たちに勝つことは間違えなく不可能であろう。能力はかなり高いレベルであるが、妖怪になりたてということが相まってまだまだ使いこなせないだろう。

 

ここまで延々と考えてきたが、はっきり言うと彼女にこういった思いを抱いてほしくない。ここまで激昂するということは……それは、彼女にとっては余程のことだったに違いない。

 

「メディスンは」

「……?」

 

彼女の目を見て、伝える。そらしてはいけない。

 

「今までにどれくらいの人と会って、話してきたの?」

「それは……」

 

口籠るメディスンを見て理解できた。やっぱり彼女は、あまりにも人と接してきてなさ過ぎる。

 

「メディスンが棄てられた時の気持ちを僕はわからない。だから無責任に、人間を憎むなとは言えない。だけどね、人里に行ってみれば沢山の人がいる。それぞれがみんな、違うんだ。悪い人だけでもないんだよ」

「……」

「それに、僕は半人半妖なんだ。僕はメディスンが憎む人間の半分を持ってる」

「っ!」

 

驚いたようにこちらを見るメディスンに、先に言っておくべきだったかと後悔する。だけど僕はメディスンと友好的に接していきたいし、彼女に人間には悪い奴しかいないなんて思ってほしくない。

 

この異変を止めて、彼女には人里に行って見てほしいと思う。その時は僕と六華で案内してあげたいな。

 

「……わかった」

「うん?」

「ちょっとだけ、白を信じてみる。……だけどまだ人間は信じてないから!」

「う、うん……?」

 

これは……いいのだろうか。うん、前進したと思っていいんだろう。……いいよね?

 

「でも、信じてもらえてよかった。今度、異変を解決した後に人里を案内するよ」

「……うん!」

 

だが、辺り一面に咲く鈴蘭は恐らくこの異変によって発生したものだ。ということは解決してしまえば鈴蘭は枯れてしまうかもしれない。そうなると彼女の居場所は……

 

「……私はさっき感情的になっちゃったけど、異変は解決されるべき……なんだよね?」

「……うん」

「だったら、しょうがないのかな。すーさん達はまた、春の楽しみにするよ」

「そっか」

「だから、ちゃんと解決して人里を案内してね。白、六華!」

 

もちろんだとも。必ず案内してあげるよ。

 

その後別れの挨拶を交わし、異変解決に向けて出発した。




めっちゃ短いし、六華が思いっきり空気でした。ごめんなさい。
次は何時投稿できるかなぁ……。それでは今回はこの辺で、ノシ
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