東方白化雪 ~ White wonder wizardry.   作:夢哉

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その4

Side 白

 

 

紫さんの指導で弾幕を作り出し、飛ばす所まではできるようになった。これを見た霊夢さんは「おめでとう!」と猛ダッシュで駆け寄り、抱きついてきた。…そういったものに耐性がないからかなり危なかった…

 

紫さんにその後どうすればいいかと訊ねると、今度は弾幕を手のひら以外で、複数個作り出せと言われた。今はまだ手のひらに1個しか作れないけど練習してもっと作れるようになろう!

 

「作り方に関してはさっきと変わらないわ。変わるのはどこに力を集めるか、よ」

「と、言うことは自分の周りに弾幕を作り出したいときはそこに力を集めればいいんでしょうか?」

「そういうこと。それじゃあ、頑張ってね」

「はい!」

 

やはりこの微笑みを見て疑問に思う。が、まずは弾幕を作り出すことだ。一つ作った時と同じ容量で体の周囲に霊力と妖力を合わせた力を集めていく。

 

―――――数は10個だった。

 

「すごいわね…」

「ええ…この子には才能があるのかもしれないわね」

 

と、言ってはもらえているけど、正直かなり疲れた。そこまで僕には霊力と妖力が多くないのかも…

 

「いいえ、それはないわね。少なくともあなたは一般人よりは多め。初めて複数個作り出す練習をして10個作り出せたとしても疲れているのなら、それは無駄に霊力と妖力を使っているという事よ」

 

そういう事か。無駄に使っている…ということは今使った量を抑えてやればもっと作り出せる。

 

休憩して、ものは試しとさっき使った量の半分の霊力と妖力を使って10個作ってみる。すると先ほどよりも断然疲労感がなかった。単純計算すれば、後10個作れるということ。霊力と妖力は増えていくことは普通はないようなので、元からある量でやりくりするしかないようだ。…ということは霊夢さんや紫さんたちの霊力や妖力は桁外れな程に多いということ…すごい………。そして羨ましい…いやいや!自分に出来る事をまずやるのが基本だ!

 

「弾幕については大丈夫そうね。それじゃあ次は…空を飛ぶところかしら?」

「そうね…っ!これは…」

「…ええ、そうね…これは破壊力抜群…」

 

空を飛ぶ…!アリスさんや魔理沙さんが空を飛んでいるところを見て憧れていた事だ…!楽しみだなぁ…って、二人ともなんで鼻血出してるんだろうか…?

 

「あ、あの…大丈夫ですか…?」

「ああ…可愛い…!」

「ええ。大丈夫よ」

 

霊夢さんは軽く暴走、紫さんは何か悟りを開いたような顔をしてサムズアップしていた。どうしたんだろう…?

 

 

 

 

 

 ***

 

 

 

 

 

「危なかったわ…これ以上行ったら…二度と戻れない域だった…」

「そうね…」

 

霊夢さん、紫さんがそれぞれ言葉を放つ。なんとか二人の鼻血を止め、次へと進めようとしたのだが、二人ともずっと何かうわ言のようなものを呟いていて進まなかった。

そしてやっとこっちの世界に帰ってきた。

 

「それで、空の飛び方とは?」

「そうね、あなたは空を飛ぶもの、と言われると何を思い浮かべるかしら?」

「えっと…」

 

空を飛ぶもの…鳥、飛行機、ロケット…この三つしか思い浮かばなかった。だけどやはり一番飛んでいる、というイメージが強いのは…

 

「鳥、ですね」

「そう。それじゃあ鳥はどんな風に飛んでいるかわかるわね?」

「ええ。翼を使ってますよね」

「そう。それじゃああなたが持つ霊力と妖力を翼の代わりとして使ってみなさい」

 

え…?いきなりそう言われても…。…でも、もし、このやり方が弾幕を作る容量でできるとしたら?これは弾幕を作ることの応用だ。形はまるで違っても、さっきやった体の好きな部位に力を集めて弾幕を作る、というやり方を使えば…できるかもしれない。

 

「よし…」

 

背中に霊力と妖力を混ぜ合わせた力を集め、弾幕ではなく翼の形を形成する。恐らくこれはイメージが一番大切だろう。きちんとしたイメージを持たないと変なものが出来てしまう。それはさっき弾幕を作っているときに経験した事だった。

 

イメージが固まった。次はそれを形成する。目を閉じて集中力を高め、それを実行する。

 

―――――すると、背中には弾幕とはまた少し違った色の翼が形成されていた。

 

弾幕の色はどちらかというと青紫色。そして翼の色は赤紫色だった。なぜ色が違うのだろうか…?形は鴉をイメージして作った。まあ、それはいいとして。

 

作った翼をはためかせ………空を飛んだ。

 

「やった!飛べた!!」

 

力の制御が少し難しいけど、それでも満足と言える飛行を楽しんだ。

 

 

 

 

 

 ***

 

 

 

 

 

Side 紫

 

 

外から来たという少女、水上白。私は霊夢の悪口によってスキマから出て、そこで出会った。…お嬢さんと呼んでなぜか彼女は顔を赤くして震えていたが…。彼女は礼儀が正しく、とても好感を持てた。

 

そして霊夢は彼女に力の使い方を教えてあげて欲しい、と頼んできた。正直、初対面ではあるが彼女を気に入ったので、

 

「いいわよ」

 

と一言発し、その頼みを承諾した。

 

 

 

 

 

 ***

 

 

 

 

 

まずは弾幕を作り出すところからだ。これをまずやってしまえばこの後にやる、空を飛ぶ練習がかなり楽になる。外の世界から来たというのでわからないとは思っているが、とりあえず訊ねてみる。

 

だが、やはり力の使い方はわからないと言う。それは仕方のないことだ。

 

そして彼女には人間の持つ霊力と妖怪の持つ妖力を持ち合わせていた。人間と妖怪のハーフは、この幻想郷にいるので、このケースは特に珍しくはない。だが、二つあるということはやり方が大きく二つに分かれる。“別々のもの”として使うか、“合わせたもの”として使うか。

 

彼女は“合わせたもの”を使うという。それは()()なら何時間も掛かるやり方だ。それは、霊力と妖力を合成させる過程に時間がかかる。別々のものとして使えば、霊力の使い方と妖力の使い方を覚えてしまえば簡単に扱える。だが、合わせようとすると、最初の内はそれぞれの力が反発するのだ。いくらこの幻想郷でこのケースが多いとしても、別々の力を合わせるということはそれなりに時間がかかるのだ。

 

―――――だが、彼女はそれを一発でやってのけた。

 

これは天才の域、だろう。少なくとも私が生きている間にこれを一発で成功した人を見たのは三度だ。そして、これが四度目となる。

 

この事から、私はますます彼女を気に入った。

 

複数個作ることも、息を上げながらではあったが成功させていた。だが、その数は10個。この世界で頻繁に行われる決闘、<弾幕ごっこ>でこの弾幕数では心もとない。なので、彼女に弾幕に消費する力を抑えて数を増やすといい、とアドバイスした。すると、同じ10個でも最初とは違い、息を上げていなかった。

 

―――――面白い、と思った。

 

彼女が成長していく姿を見て、私は面白いと思った。これまで幾度も外来人は見てきた。その中でここに残る、と言った者には同じように霊力の力を教えてきた。もちろん、その者たちが「できた!」と達成感に浸っている所を見て微笑ましいと思った。

 

だが、彼女は更に面白いと思わせた。明確な理由は今のところ見つかっていない。けれど、もっともっと、彼女が成長していく所を見たいと思ったのだ。

 

そして次に空を飛ぶ方法を教えると言うと、彼女はその整った顔で、太陽のような笑顔を向けてきた。…反射的に鼻血が出てしまった私は悪くないと思う。隣にいる霊夢なんかかなり危ないレベルに達していると思った。

 

なんとか鼻血を止め、彼女に空を飛ぶ方法を教える。これは弾幕を複数個作ったときと同じ容量でやればできる事だ。彼女はそれをわかっていたようで、背に力を集め、なんとまた一発で鳥の翼を形成させたのだ。

 

彼女はできた!とはしゃいでいたが、私と霊夢は時が止まったかのように固まっていた。それほどまでに、彼女の成長速度は速かった。そして意識を戻し、密かに思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――彼女は幻想郷を揺るがす存在になる、と。




まず、お気に入りが30件となっていました!皆さん、ありがとうございます!創成録を大きく超えました((

今回はようやく白ちゃんが空を飛べるようになりました。そして紫パートもやってみたりしました。いやー、紫パートだと会話がほとんどありませんでしたね…

そしてラスト、何やら意味深な事を書いてみましたが、あくまでこの作品は基本ほのぼのです。本当に白ちゃんが…?と、自身でも思ってたりしました。

白ちゃんはチートキャラにするつもりはないんですけど…やはり微チート辺りになってしまうのかも…(嫌だ!!!
ほのぼのにチートはさほど必要ないのでは、と自分は思っているのですが、どうなのでしょうか?

次回は…そうですね、紅い館編にいきたいですね。妹様ときゃっきゃうふふさせたい…と思いつつ閑話になるかもしれません。

さて、長くなりましたね。それでは次回もお楽しみに!ノシ


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