東方白化雪 ~ White wonder wizardry. 作:夢哉
Side 白
紫さんと霊夢さんの指導のお蔭で、弾幕を作ることも空を飛ぶ事もできるようになった。弾幕については紫さんと霊夢さんの二人に教わったけど、空を飛ぶ練習では紫さんにお世話になった。霊夢さんの場合は能力によって空を飛んでいるらしい。
そして僕は、その“能力”がとても気になった。
「あの、霊夢さん」
「どうしたの~?」
「え、えっと、“能力”って何なんですか?」
「ああ、能力…能力っていうのは妖怪には大半、人間には極少数が持つ“特異の力”のことよ」
「なるほど…ちなみに僕にはあるんですか?」
「あなたは半人半妖だから、たぶんあるわよ」
僕は霊力と妖力、二つを持っているので半人半妖と扱われるようだ。…ちゃんについてはもう諦めようかな…
「白ちゃんの能力って何か“ものを消す”類の能力かしら?」
さっきまで神社の中にいたアリスさんと魔理沙さんがやってきた。
「どういうことだぜ?」
「彼女、一度妖怪に襲われていたのよ」
ああ、あの時か………あれはかなりトラウマ…
「そうだったのか!?」
「ええ。私が応戦してたんだけど何体か残っちゃったのよ。その時勝手に妖怪たちが消えたのよね」
「なるほどね。だから彼女には能力があると」
アリスさんが妖怪を倒しきれず、逃げている最中に僕が考えた事…確か『消しゴムで消したように真っ白く』だった。ざっくり言ってしまえば、『白紙に戻す』。即ち、『なかったことにする』という事だ。まさか成功するとは思わず、驚いていながらも喜んだ記憶もある。
紫さんが興味深そうに僕を見つめる。
「…そうね、まず目を閉じてみなさい。“もし、能力がある場合”はその能力名が浮かび上がってくるわ」
紫さんが言うならばやってみよう。
やり方は空を飛ぶ時にやった方法と同じ。集中力を高める。神経を落ち着けると、周りの音すらも一切何も入ってこなくなる。
そして浮かび上がった文字、そこにはこう示されていた。
―――――白にする程度の能力
“程度の能力”という意味はわからないが、この能力名に不思議と違和感を持たなかった。何故か、それはきっと一度経験した事だからだろう、『相手の存在を
目を開け、判明した能力をみんなに告げる。
「能力名が、わかりました」
「そう。それは一体なんだったかしら?」
「『白にする程度の能力』です」
「白にする…だからあの時…」
アリスさんがなるほど、といった感じに頷いた。
「皆さんも能力を持ってるんですか?」
「ええ。私は【主に空を飛ぶ程度の能力】よ」
まずは霊夢さんが答える。…この能力のお蔭で空を飛べていたのか…だけど“主に”っていう部分が気になる…後で訊いておこう。
「私は【魔法を扱う程度の能力】ね。この人形を動かしているのもこの能力よ」
「シャンハーイ!」
アリスさんの能力は魔法…前の世界じゃあ魔法なんて幻想のものだった。それがここに存在するとは…流石は幻想郷だなぁ…。
「私は【魔法を使う程度の能力】だぜ!」
?魔理沙さんの能力も魔法…?一体どういうことだろうか?
「魔理沙さんの“魔法”はアリスさんのものと同じなんですか?」
「ああ、私の場合は主に攻撃に使う魔法なんだぜ!今度見せてやるよ!」
「おお!楽しみです!」
「そうかそうか!」
魔理沙さんは僕の頭を撫でてくる。うぅ…それはやめて欲しいです…。
「私の能力は【あらゆる境界を操る程度の能力】よ」
「境界…ですか?」
「ええ。ものには全て“境目”が存在するわ。無論、人間にも妖怪にもね。幻想郷を外の世界と
とてもすごい事を言われた。“外の世界と隔離する”。つまり、外の世界から切り離されていたのだ、この幻想郷は。…どうりで生前は知らなかった訳だ。どういう訳でこの世界へ流れ着いたのかはわからないけど…。
それに気になったのは………
「“スキマ”ってなんですか?」
「さっき見たじゃない。私がここに来るとき」
あの空間が割けてできた穴の事…あれは本当にびっくりした…。
「気をつけなさいよ、もしかしたら私生活を覗かれてるかもしれないから…」
「そんな事…!」
「ないって言えるかしら?」
「………」
ああ、だから覗き魔って言われてたのか…でも本当にそんな事をする人には見えないんだけどなぁ…。
皆の能力も教えてもらった。これからどうしようか…。
「ああ、そうだった。まだ一つやってない事があったわね」
「やってない事ですか?」
「ええ。<弾幕ごっこ>よ」
弾幕ごっこ………この世界で“殺傷一切無し”の決闘方法だったっけ…。もちろん、打ち所が悪ければ死んでしまう事もあるらしいけど…。それにしても殺傷一切無しなんて、よく考えられたなぁ…。
「白ちゃんはもう弾幕も出せるし空も飛べる。弾幕ごっこはもうできるのよ。後は<スペルカード>だけね」
「すぺるかーど?」
「ええ。まあ、これを見て頂戴」
霊夢さんに渡されたのは一枚のカード。大きさとしてはトランプよりも少し縦長。そして絵が描かれていた。その下には“霊符「夢想封印」”の文字。
「魔理沙、ちょっと受けてくれないかしら?」
「いいぜ!だが本気でやるなよ?」
「もちろんよ。それじゃあ見ててね」
霊夢さんと魔理沙さんが上空へと浮上し始める。
「いくわよ。霊符『夢想封印』!」
霊夢さんがスペルカードを掲げ、宣言する。すると周りに七色のホーミング弾が展開され、御札が大量に展開させた。
「魔符『スターダストレヴァリエ』!」
魔理沙さんもスペルカードを宣言した。大きめの星の形を模した弾幕と、それに連なるように小粒の星屑のような弾幕が大量に展開された。
その二つの弾幕を見て共通することは一つ。
―――――とても美しい事だ。
<弾幕ごっこ>では美しさも競う。だから、二つのスペルカードを見て、とても美しいと思った。
「まあ、こんなものよ。白ちゃんも創ってみなさい」
笑顔で戻ってくる霊夢さん。そして三枚のスペルカードを渡された。よし、頑張って創ってみよう!
~少女作成中~
とりあえず二つは出来上がった。後一枚はどうしても思いつかなかったので後で作ろうと大切に懐へしまって置く。
「できたかしら?」
神社の中で作業していた僕に声を掛けてくるアリスさん。その顔には期待感が見て取れる。楽しみにしてくれているようだ。
「とりあえず二枚はできました。後一枚は保留ですね…」
「そう。それじゃあ皆に見せてあげたらどうかしら?」
「ええ」
そうして、僕とアリスさんは境内へと向かう。そこには楽しみそうにうきうきしている霊夢さんがいた。魔理沙さんと紫さんはそんな霊夢さんを見て苦笑いしていた。
「えっと、完成しました。二枚ですが…」
「見せて頂戴!」
「は、はい…」
とりあえず背中に羽を作り出し、上空へと飛び上がる。そしてまずは一枚目のスペルカードを掲げる。
「雪符『ホワイトアウト』」
白い弾幕を大量に展開し、相手の身動きを取れなくして、一斉にその弾幕を相手にぶつけるスペルカードだ。吹雪をイメージして作った。
「よく作ったわね。結構鬼畜よ、これ」
紫さんが苦笑いしながらそう言う。…確かにこれは少々鬼畜かもしれない…。
「二枚目は、白化『一面広がる銀世界』」
ある意味で、ホワイトアウトの強化版のようなものだ。唯一違うのは、この場合は吹雪ではなく景色をイメージして作ったということ。なので、大量に展開して発射するのではなく、設置していく感じだ。
後一枚は未定。何かの拍子で思いついたら創ろうと思う。
「完成したようだな!」
魔理沙さんが笑顔でこちらへとやってくる。だが目がギラギラと光っている。これを意味するのは…
「私と弾幕ごっこやろうぜ!」
やっぱり………これはきっと疲れるよ…。
こんばんは。今回はきっと、霊夢さんを普通に書けたと思います。
さて!今回は白ちゃんのスペルカードを二枚作成しました。後の一枚はまたいずれ…絶対に出しますよ。
次回は魔理沙との弾幕ごっこ回かと。紅い館編だとか言っておきながら物語はさほど進んでいませんでした…申し訳ありません…。
それでは次回もお楽しみに!ノシ
~更新情報~
H27.3.7. スペルカードを訂正