東方白化雪 ~ White wonder wizardry.   作:夢哉

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その6

 

 

Side 白

 

 

「ちょっと!まだ白ちゃんは弾幕を出せるようになったばかりでしょ!あんたは手加減できないんだから駄目よ駄目!」

「ちぇー。いいじゃないか、な?白」

 

魔理沙さんに弾幕ごっこを申し込まれ、断るにも断れない笑顔を向けられていた。正直、自身の今の実力を確かめるには願ったり叶ったりな状況なのだが、何分魔理沙さんの目が「手加減は無用だぜ!だって私は手加減できないからな!」って言っているようだった。しかもそれは思い込みではなさそうな訳で、

 

「え、えっと…」

「いいじゃないかー!」

「………」

 

アリスさんにヘルプミー!と視線を投げかけるが、残念な事にアリスさんは紫さんと話しこんでいる。何故だ!!!

 

(ここは受けるべきなのかな…。魔理沙さんにはここに送ってもらった恩があるし…)

 

「わかりました。やってやりますよ!」

「おお!わかったぜ!」

「ちょっ、白ちゃん!?」

 

霊夢さんが慌てて僕の肩を揺さぶる。

 

「大丈夫ですよ。流石に魔理沙さんも相手の命を奪うほどの攻撃はしないでしょ?」

「ま、まあそうだけど…」

 

どうしたものか、と霊夢さん。そしてそのまま霊夢さんは魔理沙さんの元へ行き、

 

「いい?白ちゃんに何かあったらただじゃ済まないわよ…?」

 

それはもう、鬼の様だった。そんな心配しなくてもいいのに………。でもそう思ってくれているだけでもとても嬉しい。

 

「わーってるよ!そんじゃ白、いっちょやろうぜ!」

「はい!」

 

魔理沙さんは箒に跨り、僕は翼を創造し、上空へと浮遊する。

 

「私は審判役を受けるわ。いい?互いの残機は一、スペルは二よ。白ちゃんが二枚しかないからね」

「わかった」

「わかりました」

 

魔理沙さんは不敵な笑みを浮かべている。それによって僕はとてつもない圧力を受けていた。きっと今の僕は緊張でガチガチになっているであろう。

 

一度、目を閉じ深く深呼吸をする。そして目を開け―――

 

「それじゃあ―――始め!」

「いくぜ!」

 

魔理沙さんが星型の弾幕を展開してくる。密度はあまり多くない。あくまで自分の感覚で、だけど。きっと魔理沙さんなりの手加減なのだろう。

 

対抗するように僕も弾幕をいくつか展開する。力の量は制限されているので途中途中で休まなければならない。

 

「なんだなんだー?もうちょっと派手に来てもいいんだぜ?」

「ぜぇ…ぜぇ…」

 

やはり弾幕を出し続けると疲れる。一旦休まなければ………

 

「魔符『スターダストレヴァリエ』!」

「!!!」

 

魔理沙さんから大型の星型の弾幕が展開され、そこから小粒の弾幕が大量に展開されていく。だが、それは一度見た。

 

一旦魔理沙さんとの間を開け、力を回復させる。そして、

 

「白化『一面広がる銀世界』」

 

設置型の弾幕を10個設置し、そこからいくつもの弾幕へと分裂させる。そして魔理沙さんの弾幕へぶつけ、相撃ちにさせた。

 

「ほう、面白いな!だけどまだまだいくぜー!!!」

「まだ負けませんよ!」

 

先程よりも密度の高い弾幕が展開される。

 

「はぁ…はぁ…!」

 

流石に翼の制御と弾幕を一緒に出し続ければ息が上がる。弾幕を出すのをやめ、避けるのに専念する。そうすることで力の消費を抑える事が出来る。

 

「避けるだけじゃつまらない…ぜ!」

「なっ…!」

 

明らかにこれは今の僕には避けきれない量だ。―――――攻めて来い、と言っているのだろうか。

 

「ならお望みどおり行きますよ!雪符『ホワイトアウト』!」

 

こうなったら自棄(やけ)だ。僕自身が持つ全部の力を出し尽くし、弾幕に変化させ魔理沙さんにぶつける。

 

全ての力を消費したために、もう翼を作り出す力も残っておらず、地面へと落ちていく。

 

「なるほどな。白、お前は天才だぜ。だけどまだ私には勝てないな!恋符『マスタースパーク』!」

 

極太のレーザーが僕の放った弾幕を全て呑み込む。その光景を見て僕は最後の力を振り絞って言葉を紡ぐ。

 

「参りました―――」

「白ちゃん!」

 

霊夢さんが慌ててキャッチしてくれた。それを最後に僕は意識を手放した。

 

 

 

 

 

 ***

 

 

 

 

 

「………よ!」

「…た……ぜ」

「二人とも………さい」

 

「っ…!」

 

何やら声が聞こえてきたので慌てて上半身を起こす。ありがたいことに布団に寝かされていたようだった。辺りを見渡すとそこにはアリスさんと、何やら怒っているらしい霊夢さんと、怒られている魔理沙さんがいた。

 

「あら、目が覚めたわね」

「えっと、おはようございます」

「ふふ、おはよう」

 

ニッコリと笑顔を浮かべるアリスさん。それはとても可愛らしく、大人びている笑顔だった。

 

「あれ、紫さんは?」

「帰ったわよ。もし起きたらお大事にと伝えておいて欲しいって言われたわ」

「そうですか………」

 

紫さんには本当にお世話になった。今度会った時にはきちんとお礼をしなければならない。

ふと、外を見てみるとすでに暗くなり始めていた。

 

「あの、アリスさん、僕ってどれくらい寝ていました?」

「ざっと三時間ね。」

「結構寝てたんですね。後、ここに運んでくれたのは…?」

「ああ、霊夢よ。あの後あなたをキャッチしたら一目散に神社の中に入って布団を敷いてあなたを寝かせたわよ。あの速さは異常だったわね」

「そうだったんですか…。それにしても三時間って、ずっと霊夢さんと魔理沙さんはあの調子なんですか?」

「まあ、ね」

 

アリスさんは苦笑を浮かべた。三時間も怒る事が出来る霊夢さんって凄い………。

 

「あれは、止めた方がいいんですかね…?」

「そうね。魔理沙がそろそろ泣き出しそうだし…」

 

そう言われ魔理沙さんを見ると、目尻に涙を浮かべていた。余程言われているのだろう。

 

「ちょっと行ってきます」

「ええ」

 

アリスさんに一言告げ、霊夢さんと魔理沙さんの元へ向かう。

 

「えっと、霊夢さん」

「…?ああ!起きたのね!」

 

霊夢さんは喜ぶなり僕を抱きしめてきた。苦しい………。

 

「く、苦しいです…」

「ああ、ごめんね」

 

開放され、はぁ、と息を吸い込む。危なかった…酸欠になるところだった。

 

「えっと、霊夢さん、魔理沙さんを開放してあげてください」

「!!」

 

魔理沙さんは、それはもうこれ以上にない程の輝かしい顔を向けてきた。霊夢さん…どれだけ怒ってたんですか…。

 

「だけどあれは魔理沙がやりすぎたのよ。すこしはこうやってやらないと」

「あれは僕の力不足ですよ。大丈夫です、今はこうやって普通に話してるんですから。魔理沙さんも相手をしてくれてありがとうございました」

「ああ!こちらこそだぜ!」

 

笑顔でそう言ってくれる魔理沙さん。嬉しい限りだ。

 

「まあ、白ちゃんがそう言うならいいわ」

「そうですか。それと、ここまで運んでくれてありがとうございます。霊夢さん」

 

笑顔で感謝の言葉を告げる。すると霊夢さんは顔を俯かせ、ぷるぷると震え始める。横から魔理沙さんがちょんちょんと突付いてきて一言、

 

「逃げた方がいいぜ?」

「え?それはどういう………」

「いいのよ白ちゃん!!!!!」

 

ぱぁ!っと、満面の笑みを浮かべ、先程よりも強い力で抱き込んできた。

 

「んー!んー!」

 

あ、あのね、僕の身長が今かなり低いからね、霊夢さんのその…胸に顔が…

 

「うふふふふ!」

 

これは駄目だ…ああ、意識が………

 

再び僕は、暗闇へと意識を手放した。




こんばんは。えっと、気付いている方もいらっしゃると思いますが、題名を変更させていただきました。結構、内容に関わる事かもしれなかったので。

さて!今回は魔理沙さんとの弾幕ごっこ回でした。白ちゃんが勝つかと期待していた方、すみませんでした。やはり幻想郷の実力者には叶わないです。そうですね、今なら中級妖怪までなら倒せるくらいの実力です。きっと。

そして霊夢さんに抱き込まれる白ちゃん、結構羨ましいです。ええ。

次回は何しようかなぁ…と考えています。もしかしたら別作品も新作として出す可能性があります。(予告

それでは次回もお楽しみに!ノシ
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