東方白化雪 ~ White wonder wizardry.   作:夢哉

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その9

 

Side 白

 

 

美鈴さんと別れ、霊夢さん、魔理沙さんと共に館の中に踏み込む。やはりと言うべきか、館の中も外装と同じように紅一色だった。…目がチカチカします…。

 

「さて、入ってみたのはいいけど…どっちに行けばいいかしらね」

「全くだ。真っ直ぐ進めば上へ続く階段、右はそのまま通路、左に進めば…地下へ、か」

「大抵黒幕さんって館だと上にいますよね」

 

思った事を言ってみた。これでも生前は娯楽とかには少なからず手を出していたため、そう思っただけだ。…いや、決して王道(ベタ)だからとかは思ってません。

 

「そうね、白ちゃんが言うとおり、過去の経験から見てもそう思うわ。…それじゃあ私は真っ直ぐ進むかしらね」

「それじゃあ私は右だ!なんかお宝のにおいがするんだぜ!」

「それじゃあ僕は左ですか…」

 

なんか、こういう館の地下って…何か居そうな気がするんですけど………。気のせいですよね?

 

「護符を使い切ると私の元に予め籠めておいた霊力が届くわ。そしたら即!駆けつけるわよ!」

「お前、そのテンションで助けに行って逆に破滅させるなよな」

「あはは………。でも、ありがとうございます。それじゃあ、行ってきますね」

「ああ。頑張れよー!」

「何かあったらすぐに駆けつけるわよ!」

 

二人の声を聞き、僕は左、地下へと続く階段へと向かった。

 

 

 

 

 

 ***

 

 

 

 

 

地下へと続く階段、それはどこまでも続くような錯覚を感じた。とても、長いのだ。階段が。それはもう、博麗神社の階段みたいな長さだ。体力などを強化してないために、息が上がってきた。それもこれもこの姿のせいで…!

 

「はぁ…はぁ…。ま、まだですか…?」

 

流石に体力が限界です…。階段がやっと終わり、目の前にはそれはもう、とても大きな扉があった。それは、まるで地下牢を彷彿とさせるものだった。

 

「…入ってみようかな」

 

扉に手を沿え、奥に押し込む。とても重い扉だったが、なんとか開ききった。それと同時に目に入る数々のぬいぐるみ。だが、そのほとんどは壊れていた。

その光景が、とても不気味に感じられた。

 

ぬいぐるみから視線を外し、部屋を見渡す。壊れたぬいぐるみを覗けば、然して変わったところはない。豪華な部屋にしか見えなかった。そこにポツンと一つの陰。それは僕と同じくらいの少女だった。

 

「?誰か来たの?」

 

その少女がこちらへと顔を向ける。サラサラと透き通った金色の髪、くりっと可愛らしい紅い瞳、背中には羽…と言えるかわからないが、虹色に光る宝石のようなものには目を奪われた。

 

「あ、ああ、お邪魔します。僕の名前は水上白と言います。階段を下りてきたらここに繋がっていたので入ってみました」

「そうなの。私の名前はフランドール・スカーレット。皆からはフランって呼ばれてる。ねえ、お姉ちゃん」

 

もう気にしない。もう気にしない。もう…もうやだ!!!

こんなに純粋な少女からお姉ちゃんって言われたらもう泣きそうになりました…。

 

「貴女は()()()()()()?」

 

そう訊かれた瞬間、とてつもない悪寒を感じた。これは、身の危険の合図だ。

 

「っ!」

「ねえ、お姉ちゃん」

「………僕は」

「ねえ、おねえちゃん」

「?!」

 

フランの口が三日月型に歪む。笑っているのだ、不気味なほどに。だが、何故か違和感も感じられた。

 

「…わかった。その遊びは?」

「んーとね、弾幕ごっこだよ!」

「僕、あまり強くないからつまらないと思うんだけど…」

「そしたら終わりだね!」

「怖い子だね!」

 

なんでこんなに純粋そうな子が怖い事を言うの!?ああ、あれですかね、純粋故にこうなっちゃったんだ、っていう。

はぁ………。やらないとダメそうなのかな…?

 

「………わかった。それじゃあ、やろう。その代わり、どちらかが被弾したらその場で終了。これでいい?」

「うん!」

 

今度はフランの顔に純粋に笑みが浮かんだ。これなら大丈夫…かな?

 

「それじゃあ早速やろ!」

「わかったよ!」

 

フランは背中の羽のようなもので空へ浮遊する。僕も背中に翼を作り出し、浮遊する。そしてフランはスペルカードを掲げ、宣言する。

 

「禁忌『クランベリートラップ』!」

 

特大の弾幕が周囲に現れ、徐々に接近してくる。だが、後ろへ下がれば何とか避けれるものだった。

 

仕返しとばかりにいくらか弾幕を展開してみる。…だが、フランはなかなかに素早く、思うように被弾しない。

 

「あはは!たのしいね、おねえチゃん!」

「…っ!」

 

また、フランはさっきの不気味な笑みを浮かべた。その刹那、高速弾幕が飛んできた。たまらず僕は霊夢さんから貰った護符を使う。すると、目の前に霊力で構築されたバリアが展開された。かなり協力なバリアなようで、フランが発した弾幕を全て防ぎきった。

 

「すごいすごい!それじゃあ次はこれ!禁忌『フォーオブアカインド』」

「フランが四人に…?本物はどれ?」

「「「「当ててみてね!」」」」

「それじゃあ纏めて弾幕をぶつけてみれば…!雪符『ホワイトアウト』!」

 

雪を模した弾幕を大量に展開させ、四人にぶつける。…これが失敗だったのか、かなり力を消費してしまった。

 

「はぁ…はぁ…。これでどう…?」

 

煙が徐々に晴れてくる。力を消費してしまったため、これ以上は続けたくないのだが…。

 

―――――そんな期待は裏切られ、四人のフランは笑みを浮かべていた。

 

「「「「すごいよお姉ちゃん!だけど私もそう簡単にはやられないよ!禁忌『カゴメカゴメ』」」」」

 

四人になっているフランの声は、僕を絶望へ追いやるには十分だった。

 

僕の周囲に現れる数々の弾幕、「カゴメカゴメ」は遊びの中でも怖いもの、と言われていたが、この事を指しているのだろうと思った。

 

堪らず僕は二枚目の護符を使用する。先ほどと同じように全ての弾幕を防いでくれる。これでなんとか態勢を…

 

「「「「またこれー?同じのはつまらないよ!こんなものは…」」」」

「!!!」

 

恐怖で身体が動かなくなった。さっきみたいな“不気味な笑み”よりも、もっとおぞましい、狂ったような笑みを僕へ向けていた。

 

「あっ…ぁ…!」

 

フランは手をバリアの方へ掲げ、掌を開く。それを…

 

「「「「きゅっとして………ドカーン」」」」

 

ぎゅっ、と閉じた。その瞬間に、バリアはガラスが割れたような音を発しながら分裂した。

―――――そしてまだ展開されたままだった弾幕は僕の方へ押し寄せてくる。

 

恐怖しかない。…だからかもしれない、瞬時に一枚のスペルカードが創れたのは。

無意識に、そのスペルカードを掲げ、宣言。

 

「白紙『ゼロへの還元』」

 

能力を模したスペル、スペルの名のとおり、その場に存在するものをゼロにする。

 

幾分か、体力は回復した。これなら………。

 

「…まだいける。いくよ!」

 

余っていたまっさらなスペルカードは、さっき使ってしまった。ならば、今あるスペルでどうにかするしかない。

 

「白化『一面広がる銀世界』」

 

力を込め、一気にフランとの間合いを失くす。そして、設置型の弾幕を設置。そして、展開。

 

「「「「あはは!すごいよ!」」」」

 

四人のフランが弾幕から逃れるように動き回る。だが、徐々にフランは一人ずつ消えていく。…だが、本体に被弾しない限りはこの弾幕ごっこは終わらない。

 

三人の分身が消えた。従って残りは本体ということになる。もう僕のスペルカードは無い。なんとか、間合いを詰めて弾幕をぶつけることが出来たら…

 

だが、フランは何故か下降している。なぜ?と思いながらも近づいてみると、

 

「………寝てる…?」

 

寝ているようだった。慌てて抱きかかえ、床へと着地する。部屋にベッドがあったのでそこへ寝かせる。さっきみたいな狂気染みた笑みを浮かべた少女とは思えないほど、その寝顔は可愛らしいものだった。

 

寝てしまったのなら仕方ない、とその場から離れようとする。…だが、フランは僕を放してくれなかった。まるで、行かないで、と言わんばかりに。

 

「はぁ………わかった。それじゃあ起きるまで一緒にいるよ」

 

そう呟くと、フランの顔に少し、笑みが浮かんだ。それは、安心しきったような笑みだった。




こんばんは。最近体調が優れない夢哉です。
更新が遅いのは申し訳ありません。熱を出してしまい、思うように動けなかったのです…。

さて、今回はフランと弾幕ごっこを行いました。フランは、少し情緒不安定、という状態にしておきました。やっぱりほのぼのですし…((

そして新しいスペカなんかも出したりしました。これは前々からフラン戦で出そうと決めていたのでこのような出し方に。能力を使ったスペルですね。元ネタはとある歌からです。

次回は………未定ですね。プロットが存在しておりません!
それでは、次回もお楽しみに!ノシ


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