ALDNOAH.ZERO~ある火星騎士の物語 (休載中)   作:jorjue

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いやぁ、キノコ狩りまで全て書き終えるのに時間かかってしまった…はぁ、文才ほしいなぁ…(涙)


反逆の学生たち -Rebellion of Students-

地球の少年…界塚伊奈帆の報告を受け、ジョルジュはまず現場に先行しているシエルへ通信を開き近くのビル、または立体駐車場で大型の車を調査するよう命じた。

そしてアセイラム姫の生存を確信したジョルジュはコクピットから出て侍女を侍らす女の子の前で臣下の礼を執った。

 

「アセイラム姫殿下。軌道騎士37家門が1人、ジョルジュ・バートン只今お迎えにあがりました」

 

その発言に周囲は驚き、女の子は光学迷彩を応用した偽装を解除、真の姿を見せた。それはあの忌まわしいミサイルによって殺されたかに思われたアセイラム姫本人だった。

 

だが伊奈帆は未だに信じきれてなかった。火星の人なのは確かなのはこの光景でわかる。だが本当にこの人はアセイラム姫なのか?

 

「君の疑惑は最もだが、彼女…殿下は確かにアセイラム姫ご本人だ、少年」

 

「え…なぜ僕の考えていることが?」

 

「これでも人の上に立つ立場だ、配下の者たちの考えを聞いてくうちに聞かずとも最近は分かってきた」

 

なんてデタラメな人なのか…周りはそう思っても伊奈帆の抱く疑惑を何一つ答えていない。よって伊奈穂はさらに追求する。

 

「それで、彼女が本物と言える証拠は?たしか、ヴァース皇族はアルドノアドライブの起動権を持ち、配下の者に起動権を貸し与えていると聞いています。この人が狙われてる理由は大体の察しがついています。だから━━」

 

「私のカタフラクトを止めてみせろ、か」

 

伊奈帆の疑惑は最もだが、ジョルジュはあまり受け入れ難い提案でもある。既に地球は大き過ぎる損害を受けている。親衛隊が離れている今、姫がアルドノアドライブを停止させて彼らからの応報を受けた場合姫を守りきる自信はない。

 

「すでにこの地には私の親衛隊が存在している。一機をもしものためにここへ向かわせる。それでいいか?」

 

「妥当ですね。先のダンゴムシが引き返さないという保証もない」

 

ジョルジュが連絡してものの数分でリジェクトが到着し、ガラティンのアルドノアドライブは姫により一時的に停止。姫が本物とわかり、界塚伊奈帆の信頼を得た。

 

 

アルドノアドライブをもう一度起動してもらい、彼らを基地まで送り届けると丁度、ジョルジュはシエルの報告を受けた。

 

『ジョルジュ、あったわ。地球側か火星側かはわからないけどミサイルを積んでいたと思われるトラックよ。いま画像を送る』

 

それは既に証拠隠滅のため爆散されており、元の形状を留めてないが部品やミサイルの仕入先、消えて入るだろうが指紋や地球の少年…界塚伊奈帆の言っていた誘導先を受信する電子機器を調べれば割り出せるだろう。

この街の責任者はクラウディアが既に見つけて保護している。連合軍もこちらの意を汲んでくれ、調査にも協力的だ、悪いことにはならない。名前はたしかダルザナ・マグバレッジ大佐と…鞠戸孝一郎大尉だったか?

 

ダルザナ大佐は周りが見えているから指揮官としては優秀だ。是非とも協力していきたい人物だ。

そして鞠戸大尉は15年前のヘブンズフォールの目撃者で恐らくオルレイン子爵のデューカリオンと交戦し生還した兵士だろう。我々の力を知っているからこそ慢心を抱かない。PTSDを患ってなければ間違いなくエース級の実力がありそうだ。

 

姫様は地球の…界塚伊奈帆に興味を持ち、私自身危険な地にこれ以上姫を残らせたくはないが…姫の意向を汲むのも軌道騎士の務め。守りはシエルに任せ、私は揚陸城に戻るか…?シエルの防御能力ならば大抵の危機は逃れられるだろう…

 

 

 

 

そして、残る問題は

 

(あのトリュフをどうするかだな…)

 

必要以上に殺戮行為をしたあのトリュフいや、キノコのことだ、私が離れたら仕掛けてくるだろう。クルーテオに念を押すのもいいがあれはあれで堅物だ、わかってくれるかどうか…

そしてキノコの行動を咎めない主のザーツバルム伯爵は何をしているのか?姫暗殺により地球人を本気で滅ぼすつもりか…?あるいは彼が黒幕だとしたら?

 

 

━━揚陸城を降下させないのは地球全体を監視するため?

 

キノコをクルーテオ城に食客として送り込んだのはスパイ目的?スパイを排除させるため?はたまた両方か?

 

確かオルレイン子爵とザーツバルム伯爵は婚約していた筈では?ギルゼリア帝が強引に地球侵略を推し進めたからオルレイン子爵は死んだ、つまり皇族への禍根も持っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや、暴論だな。あの聡いザーツバルム伯爵がここまで幼稚な考えで動く訳が無い」

 

確かに皇族への禍根はあるだろうが、彼はレムリナ姫という御仁を匿っていたはず。レムリナ姫がどういう人かはわからないが彼女を立ち上げ新たな国を作るくらいのことをする筈。

この思い違いがジョルジュの人生最大の危機を招く事になるとは当人でさえ想像もつかなかっただろう…。

 

今は彼らの保護を優先する、並行して姫の生存を火星に伝え皇帝陛下に即時休戦を進言、か。

だが…ザーツバルム伯爵がどう動くか…間に合えばいいが。いや、まだ敵となったわけじゃないのだ。落ち着かねば。

 

そして、伊奈帆らを基地へと送った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、伊奈帆らはジョルジュに基地まで送ってもらった。そして、伊奈帆があのカタフラクトを『足止めする』ためにアセイラム姫や界塚ユキが保護していたライエ・アリアーシュという女の子、網文韻子にカーム・クラフトマンを連れ、トレーラー一台を借りて学校に戻っていった。

ダルザナはカタフラクトが学校にある練習機しかなく、パイロットもいないこの状況を悔やんでいる。学生に頼るしかないこの状況を。だが手立てがそれしかないのも事実。鞠戸大尉の報告では紫色のカタフラクトは攻撃が一切効かない相手の様で、学校へ向かった貝塚伊奈帆もそれを考慮に入れた作戦を立てているという。どちらにせよ、

 

「彼らが無事に帰るのを待つしかないようですね」

 

こういう時こそ、上に立つ者として冷静にならなくてはならない。そう考えれるダルザナはやはり優秀な指揮官であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして学校へ向かった伊奈帆ら5人はアセイラム姫から聞いた火星の話をしていたが火星の実情を聞いた皆の顔は暗くなっていた。いや、二人を除き。ライエは父を殺され火星の話など聞きたくない、拒絶を見せ伊奈穂はいつもの通り表情が変わらない。あれでも彼なりに哀れんではいるのかもしれないが唯一伊奈帆の表情に見分けがつく姉のユキがここにいないので誰もわからない。

 

学校についた伊奈帆らはネットワークルームへ足を運んだ。大画面ディスプレイが設置されているこの部屋はまさに簡易的なブリーフィングルームとしての機能を果たしている。

 

「早速だけど、あのダンゴムシの撃退方法を皆で探りたい。鞠戸教官からアイツとの交戦データがあるからそれを見てみよう」

 

伊奈帆主導で始まった作戦会議では鞠戸教官ら数機のカタフラクトが為すすべもなくダンゴムシにやられた交戦データの見ることから始まった。

 

「やっぱりこの攻撃を受け付けないこれは何とかしないと…」

 

「韻子、それなんだけどアイツにはどんな攻撃も装甲も消してしまう。さらにこの機体は赤外線で狙っているのに反応もない。レーダーにも映らないこれはあらゆる物を消失…吸収する壁なんじゃないかな。バリアて言ってもいい」

 

「だけどアイツはどうやってユキ姉を追ってきたんだろう?」

 

それは鞠戸大尉の特攻も無意味なものになった後のこと。ライエを助けるべくユキ姉のアレイオンが市街地の物陰を利用して逃げてもあのダンゴムシは正確に追ってきていた。

 

「つまり…あいつは逃げた先までわかるってわけ?」

 

一言も喋らなかったライエが口を開いた。しかし伊奈穂の答えは否だった。

 

「それだと相手の先の行動を予測してることになる。そんなことができたら交戦している時に攻撃を外したりはしない。きっとほかのカメラかなにかの映像を見て動いているんだ。だから物陰に隠れても追ってこれたんだと思う」

 

まとめるとあのダンゴムシ…ニロケラスはすべてを吸収する無敵のバリアを持ち、外部に設置したカメラのデータを受信して行動を他の視点から見ているため隠れる事は不可能という事だ。

 

「だけど」

 

だけど?

 

「そんな奴にも弱点は必ずある」

 

伊奈穂の目に確信が宿る。

━━━既に作戦はできている。後は誘導するだけ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何故バートン伯爵にあの地の調査を任せられたのですクルーテオ伯爵!?」

 

帰還したトリルランはすぐさまクルーテオのいる執務室へ向かった。自分にはザーツバルム伯爵からスパイの抹殺を命じられクルーテオの食客になった。トリルランの心境は瀬戸際まで追い込まれている。生きて名誉を掴めるか一族郎党皆死ぬか、なのだから。

そんな事など知らないクルーテオ。自分にも得手不得手があるのは理解している。堅物なのもザーツバルムが何度も指摘しており自覚はしている。だからこそ頭の回るジョルジュに任せた。クルーテオからしてみればトリルランの意見は筋の通ってない話だ。

 

しかし━━━

 

 

 

 

それは偶然だった。

 

「ならば私も調査隊にお加え下さい!」

 

発言したトリルランも言ってから気づいた…これは筋が通ってると。

長らく食客としてクルーテオに養われ、そのご恩を果たそうにもジョルジュに邪魔された。ならば自分が加わればいい。トリルランの目的はあくまで新芦原にいる子ネズミなのだ。

 

「ふむ…それならばバートン伯爵も喜んで引き入れてくれよう。許可する」

 

クルーテオも許可してくれた。これで邪魔者はいない。

 

そしてその30分後、クルーテオ城からニロケラスを積んだスカイキャリアが飛翔した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダンゴムシを補足した伊奈帆らは出撃の準備を進める。あいつは僕らの居場所がわかっていない。つまり、イニシアチブはこちらが握っている…焦る必要はない。作戦通りにやればいい。

 

そして5人の少年少女はやってくる絶望に抗う。

 

トレーラーにはライエ、アセイラム姫…もとい変装アセイラム姫、伊奈帆が。スレイプニール2番機に韻子、3番機にカームが。

 

作戦開始の合図…赤玉信号弾を銃に込める伊奈帆。そして上空に向けて三発放った。意味は…『戦闘開始』

 

 

 

それを見たトリルランはその先を見る。するとトレーラーには仕留めそこねたネズミがいるではないか。

 

「見つけた…!カタを付けるぞ!」

 

ライエはこちらに向かってくるニロケラスを横目にトレーラーを走らせる。その後ろには韻子とカームのスレイプニールが。

 

時は来た。

 

「作戦開始」

 

伊奈帆の号令により二機のスレイプニールは上空に向けて煙幕弾を放った。それは、ニロケラスのバリアが鉄壁すぎて自身からのカメラも見えなくなる弱点を解消すべく上空に配置したカメラの視界を無くすためだった。

 

「おのれ!まさか…!?」

 

鷹の目をどう見破ったかは知らない。が、結果は視界を塞がれ移動できない。次元バリアがある限りニロケラスは無敵だがこれではネズミの処理ができない。次から次へと放たれる煙幕弾。

 

「このクソネズミどもがぁぁ!!」

 

トレーラーの補助席に座るアセイラムも煙幕弾を放とうとするが、使い方がわからない。見かねたライエが使い方を教える。

 

「セーフティーを外す、構える、撃つ。簡単でしょ?」

 

それを聞き、車の窓を開け大空へ銃を構える。乾いた音というより空気の抜ける音とともに弾頭は銃身から離れ、空中で炸裂、煙幕が広がる。

 

初めての事だったのか、嬉しがるアセイラム。

 

そんな中、ニロケラスを積んでいたスカイキャリアがこちらに転進してきた。

 

「トリルラン卿!これはいったい!?」

 

搭乗者のスレインは濁った空を見て駆けつけたようだ。

 

「トレーラーだ!」

 

いきなり何のことか、一時的な思考停止状態になったスレインの返事は

 

「…は?」

 

礼節を欠いた返事になるのも仕方ないことだろう。

 

「道を教えろ!奴はどこだ!」

 

漸く説明されトレーラーを探し出す。煙幕の中ではあるが広く見る『鷹の目』と違いスカイキャリアは戦術輸送機、索敵能力は並ではない。程なく、街の中心部に向かう車を見つけ出した。

 

 

 

 

 

だがそれも束の間、トリルラン卿に伝えた直ぐにカームのスレイプニールがスレインの乗るスカイキャリアに発砲してきた。だが、カタフラクト操縦技術の低いカームではマシンガンのエイムが上手ではないようで、スレインの榴弾砲により逆にスタビライザーがやられた。

 

「カーム!」

 

支援に入った韻子がグレーネードランチャーをスカイキャリアに発砲する。

すると主席の伊奈帆に噛み付く程の実力を見せた。命中率の低いグレーネードランチャーを見事スカイキャリアの主翼に命中させ、『コウモリ』を落とした。

 

『電圧チェック、油圧チェック、温度チェック、回転数ノーマー…』

 

暗いコックピットに、少年の声が響く。

 

『フォートレスフィードバック、チェッキングプログラムスタート…』

 

伊奈帆は淡々と機体をチェックする。ユキ姉の激励の言葉が綴られたシールを剥がし、ポケットにしまう。

 

『エジェクションシート正常、IFF確認…戦術データリンクアクティベート』

 

そして、戦神と名高いオーディンの愛馬の名前を借りた機体は目を覚ます。

 

『システムオールグリーン』

 

そして、伊奈帆のスレイプニールは目覚める━━

 

 

 

そんなことがあった中、トレーラーに肉薄するニロケラス。トレーラーは橋を通るルートを取り、ニロケラスのバリアを纏った腕に当たらないように必死に回避運動を続ける。しかし、ライエの限界が来たのだろう、反応が鈍くなり、車の振り戻しなどといった原因により後輪がニロケラスに触れてしまい、車が進まなくなった。

 

「…ここまで、ね」

 

しかし

 

「いいえ。まだ合流まで54秒、私が時間を稼ぎます」

 

時間を稼ぐ━━━

 

ライエは皮肉な顔をした。

自分は火星人で、お父さんを殺した同類。

火星人は、みんな敵。そう思っているのに今は火星人のアセイラムに助けられる状況なのだ。

 

そんなことは知らない変装したアセイラムはニロケラスの前まで歩みを進める。

 

「見苦しいな!今更になり命乞いをするか、地球人?」

 

「控えなさい!」

 

凛とした声が橋の上に響く。その声には確かな覇気が籠っている。

 

「目に余る狼藉、許しません」

 

そして、彼女は偽りの姿を解く。そこには、ヴァースの…

 

「ヴァース第一王女の名において━━」

 

「な…ッ!アセイラム・ヴァース・アリューシア姫殿下!!」

 

ヴァース帝国の第一王女が、存在していた。

 

「下がりなさい!無礼者!!」

 

「バカな…!そんなバカなぁ!!?」

 

ニロケラスが後退する。そこにミサイルが降り注いだ。揚陸艇…伊奈帆たちを心配して鞠戸大尉がマグバレッジ大佐に進言し、救出に来たのだろう。しかし、ミサイルもやはりニロケラスのバリアにより触れた瞬間消えてしまう。

 

 

 

…だが、偶然放たれたミサイルが功を奏した。

 

ここで、伊奈帆の目的を話そう。伊奈帆はニロケラスの次元バリア攻略のためニロケラスの外部カメラの視覚データを奪い、時間を稼ぎ橋の上で待ち伏せる…理由は、

 

「ええっと…マスターアームスイッチ、ファイアコントロール…ダンパー下ろして…」

 

『韻子急げ!』

 

「ああ、もう!!ファイア!!」

 

韻子のスレイプニールのショルダーに格納されてたカタフラクト用の大型狙撃銃でニロケラスが立っている橋を砲撃する。1発目、命中…しかし橋の部分的な崩壊には至らず。2発目…命中、だが崩壊せず。だが6発目には橋がニロケラスの重さに耐えられずニロケラスの地面が割れ、ニロケラスとその部分の地面が落下した。落下先は川…つまり全周に水が次元バリアに干渉し、消失する。

 

 

『カーム』

 

「えっと…あ、足の裏?」

 

伊奈帆がカームに聞いている内容…それは次元バリアの隙間だ。そして、それは見つかった。

 

「見つけた!水が吸い込まれない…!背面装甲インテーク右下…ツメの隙間!!」

 

そして、伊奈帆のスレイプニールはニロケラスに肉薄する…右手にナイフを持ち、水が吸い込まれない、次元バリアの『穴』にナイフを突き刺す。すると、次元バリアに干渉されなかったナイフは確かにニロケラスの装甲を貫通した。

 

「お前のバリアに隙間があるのはわかっていた…例えば接地面。足の裏にバリアを張ったらお前は立つことすらできない。だから、そのバリアで全身を覆いきれない…そして、」

 

ナイフの切り込み口に、マシンガンの銃口を向ける。

 

「外部カメラのデータ受信部。バリアの隙間の一つさ」

 

伊奈帆はそのナイフで傷をつけた装甲を見つめ、確かな殺意を持ちマシンガンを放った。そして、ニロケラスのバリアは解除され、ゆっくり前から倒れる。

 

伊奈帆は橋の上を見る。そこには、姫が。

 

「火星の…プリンセス…」

 

何はともあれ、これで追撃はなくなった。だが、この地球上で逃げる場所など。一体どこにあるというのだろうか…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…まさか…!」

 

スカイキャリアのパイロット、スレインはアセイラム姫の姿を見つけた。それは、姫のために動くスレインにとって、死んだと思われた主君が生き残っているのだから一先ず安心できただろう。

 

望遠鏡をしまうと川からトリルラン卿が現れた。おそらくニロケラスがやられた…?

 

「トリルラン卿!ご無事で!?」

 

「嫌味か貴様!今まで何をしていた!?」

 

「スカイキャリアの応急修理を…」

 

「案内しろ!さっさとここを離れるぞ!!」

 

「お待ちください!!アセイラム姫が生きておられます!」

 

この時のトリルランは冷静ではなかった。だから、つい言ってしまったのだろうか。ここで言わなければ運命は『あれほど』狂わなかっただろう…

 

「知っている!だから殺すのだ!!今度こそ、確実に!!」

 

…エ?

 

コイツハイマ、ナントイッタ?

アセイラムヒメヲ、コロス?

 

「どこまで愚かなのだ劣等人種!?アレを生かしておけば我らは一族郎党逆賊であろうが!!」

 

…ヒメノアンサツハ…ヴァースノダレカナノカ…?

 

固まるスレインを放置し、どこかへ向かうトリルラン。しかし、スレインはトリルランの腰にあるホルスターから銃を抜き取りトリルランに構えた。だが、その手は震えている。

 

「貴様、何のつもりだ?」

 

スレインは答えない。

 

「よこせ」

 

一歩、スレインに近寄るトリルラン。そして、引き金は弾かれた。

 

「ヴォォォォオオ!!」

 

腹部を打ち抜かれ、地面に手をつくトリルラン。そして、思考が戻ったスレインが問いかける。

 

「あの…パレードは…!!姫様を…暗殺しようとしたのは!!」

 

地球はやはりアセイラム姫を歓迎していた…そして、軌道騎士の誰かがアセイラム姫を暗殺しようとした…それを悟ったスレインに逆賊であるトリルランに容赦はせず、

 

「後悔…する、ぞッ…!」

 

その言葉が、トリルランの最後になりスレインによって死亡した。




忠義の騎士はその怒りに。真実を知った少年は主君のために動き出す。次回、騎士たちは。天才の騎士は、何を思い、どう動く。
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