魔法科高校の劣等生 -彼のこれからは-   作:レイヴェル

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どうも、レイヴェルです。挿絵を作ったのはいいんですが、ちょっと線が薄いですね....後日線を濃くしたのに更新致します。
下手ですので、見たくない方はスルーしていただいて結構です。


入学編 6【挿絵あり】

「っ...図に乗るなよ、ウィ―ドの癖に!」

「事実を言ったまでだ。反論はあるか?」

 だが胸倉をつかんでいた手を離した限り、自覚はあるのだろう。

「お前達がこの狭い一高という中で天狗になるのは俺は別にどうってことないんだ。だがな?家族のひと時を邪魔するのは頂けない」

「さっきからなんなんだお前は?!家族だ家族だって」

「司波深雪さんが言ってたぞ?お兄様、とな。ここに司波達也と言う兄がいる。そして司波さんが兄と一緒に食事をしようとここに来たのにそれを止めたのはお前らだ」

「っ」

 そこでようやく理解したのだろう。虫の居所が悪い顔をする。

「どんなに才能があろうが....人間としての人格を疑われるぞ?」

「くっ.....すまなかった。司波さん、余計な事をした」

「い、いえ....」

 と神綺に突っかかった生徒は深雪に謝罪をして頭を下げた。

(ほぅ...謝れるのか。思ったよりは腐ってないんだな)

 と神綺が内心評価を少し上げていると

「...それじゃぁ北山さん達も行こう。それこそ邪魔になるだろう?」

(訂正だ。なにもわかっていない屑だったか)

「何言ってるの...?私達もここに残る」

「え?....なんでだい?」

 すると雫が立ちあがり神綺の腕を抱き寄せる。

「....は?」

 神綺は戸惑ったが雫は気にせず、

「神綺は私のお兄ちゃん、それにほのかも友達だもん。.....あなた達はさっきの神綺の言葉で何を思ったの?」

 

【挿絵表示】

 

「お、おい雫...」

「...ちっ」

 そう舌打ちをすると先頭に居た生徒が踵を返して去って行った。

 他の連中もそいつについて行く様に去っていくのであった。

 

 

「すまない....ついカッとなってしまった」

 連中が去った後、神綺は場の空気が悪くなるのを承知で頭を下げた。

「い、いえ....」

「でも意外だなー あの神綺君が怒るなんて」

「本当はもっと穏便に済ますつもりだったんだが....相手の態度が気に食わなくてな。すまんなレオ、止めた俺がこの体たらくだ」

「いや、俺だったらもっとやべぇことになってたと思うぞ」

「でも危ないですよ北山君....あのまま殴られでもしたら」

「それはないさ。あいつらはエリート、悪く言えばおぼっちゃまだ。周りの目を気にする奴が、自分が極端に不利になる状況は作らんさ」

「でも危険だぞ、神綺。これで目をつけられたらどうするんだ?」

 と達也が冷静に指摘する。

「その時はその時さ、狙われるとしても学校外だろ」

「それのどこでそんな楽観視できる部分があるんだ....」

「簡単だ。CADがあれば負けることはない」

「...え?どうして?」

「神綺は干渉力が強いの。だから自分自身に硬化魔法を付与すればまず負けない」

「は?....え?自分の体に付与するのか!?」

 そこで人一倍の動揺を見せたのはレオだ。

「え?そんな驚くこと?」

「当たり前だ!自分自身に硬化なんて....息すらできなくなるじゃないか!」

「その説明が間違いだ。俺は自分自身に硬化を付与しているわけではないぞ?」

「え?」

「俺の体の周りに繭の様な物を作ってそれを硬化させているだけだ」

「...そうだったの?」

「あぁ」

「なんだ....それなら納得いくぜ....」

「てかなんでレオがそんなこと知ってんだ?」

「え゛いや、その..だな」

「大方自分で試したんでしょ?」

「うっ...」

「おいおい...硬化魔法の性質は知っているだろう?しかしよく自分に反映されたな、それ」

「どういう意味?」

「普通俺達魔法を使うやつは無意識のうちに肉体の構造、まぁエイドスだな。それを自動で保存してバックアップみたいのを取ってるんだよ」

「ふんふん、それで?」

「所謂情報強化の一種なんだがな、そのバックアップがあるお陰で魔法師の肉体そのもののエイドスを改変する魔法は効きにくいはずなんだが....」

「ん?どうして効きにくくなるの?」

「体が改変されそうになると自動的にバックアップのエイドス情報を読み込んで通常の状態へ書き変えるのさ、だから効きにくいってこと」

「ほぅ、良く知ってるな神綺」

「知識はあるつもりなんでね...それでだ、どうしてレオはそれがモロに効いて窒息してるんだか...」

「馬鹿だからでしょ?」

「んだと!?」

「はいはい、エリカはいちいち茶化さない....ま、もうそんな無茶はしてないんだろ?」

「あぁ、あんときは覚えたてで調子乗ってたからな」

「なら問題ないね」

 となんとかいつも通りの雰囲気に戻ったことに神綺は安堵しながら食事を終えた。

 

 

 

 

 そして第二幕....食事を終え、午後の専門課程の見学をしている時だった。

 通称「射撃場」と呼ばれる遠隔魔法用実習室では、3年A組の実技が行われていた。

 生徒会長の七草真由美、が所属するクラスであり新入生が大勢この実技を一目見ようと押し寄せていた。

 生徒会は必ずしも成績で選ばれるものではないのだが、今期の生徒会長は遠隔精密魔法の分野で十年に一人の英才と呼ばれるほどの実力者の為になおさらだろう。

 そこでだ、大勢押し寄せたとしても見れる人数には上限があり、入りきらなくなってしまう。

 そこで普通の二科生ならば一科生の為に遠慮をして諦めるのだが、神綺達はそんなこと気にすることもなく最前列を陣取って見学していたのだ。

 それを周りの一科生が快く思うわけもなく、悪目立ちをしていた。

 

 

 その後に第三幕だ。これが今現在進行中で繰り広げられている問題で、美月が啖呵を切っている最中だ。

「いい加減に諦めたらどうなんですか?深雪さんは、お兄さんと一緒に帰ると言っているんです。他人が口をはさむことではないでしょう?」

 神綺達は実習を見学している内に深雪と仲良くなり、互いに名前で呼ぶようになったのだ。

 そして美月がそう言った相手は一科生の一年生。昼に食堂で見たメンツだった。

 

 

 おっと、今の状況を説明しよう。

 放課後になり、深雪と帰ろうとして達也が深雪を待っていたのだ。そして深雪が来たのはいい、そのあとが問題なのだ。

 深雪は達也と帰ろうとしてきたのだが、その後ろにクラスメイトが数人くっついてきたのだ。

 そしてそのクラスメイトが難癖をつけ始め、口論へと発展した...というのが現状だ。

 ちなみに難癖をつけ始めたのはくっついて来た内の一人、女子生徒だった。

 男子生徒もいたのだが、周りの目か深雪の目を気にしたのか最初は黙って見守っていた。しかし、ドンドンヒートアップした為、男子達も加勢し、面倒くさい事態へと発展してしまった。

「別に深雪さんはあなた達を邪魔者扱いなんてしていないじゃないですか。一緒に帰りたいのならば、ついてくればいいんです。何の権利があって二人の仲を切り裂こうとするんですか!」

 一科生の理不尽な行動にレオやエリカが最初に出ると思いきや、美月が最初に切れた。

 丁寧な物腰から正論を容赦なくバンバン叩きつけ、今現在も美月は臆することなく一科生に雄弁をふるっている。

 ....だが、段々と美月の言っていることはずれていき、

「引き裂くとか言われてもな....」

 彼らから一歩離れた所で達也は呟いた。彼は、どうみても言っていることがずれているな、と思いながらも悪い方向へと行かないよう見守っていた。

「みっ 美月は何を勘違いしているんでしょうね?」

 そして兄とは対照的に深雪は柄もなく慌てていた。

「深雪?...なぜお前が焦る?」

「えっ?いえ、焦ってなどおりませんよっ?」

「そしてなぜに疑問形..?」

 渦中の兄弟もいい塩梅で混乱している中、同じく一歩離れて見守っていた神綺は、

(おいおい面倒くさいことになったなぁ....そして雫、助けてと目でコールサインをするな)

 そう、一科生の集団の中に雫とほのかもいたのだ。といっても二人は神綺と帰ろうとこっちへ来ただけの為無関係だが...雫の助けてサインを見て見ぬふりをして見守っていた。

 そんな神綺達を横目に、思いやり?にあふれた友人達はマスマスヒートアップ。

 そして深雪のクラスメイトであり一人の男子生徒が、

「僕達は彼女に相談することがあるんだ!」

 彼は神綺にどついた馬鹿だ。神綺は内心でまたこいつか、と冷ややかな目を向ける。

「そうよ!司波さんには悪いけど、少し時間を貸して貰うだけなんだから」

 貸して貰うとはこれいかに...てか悪いと思ってんならよせよ。と心の中でツッコミを入れる神綺。

「ハン!そういうのは自活中にやれよな!ちゃんと時間取ってあんだろ?」

 とレオが威勢よく笑いながらそう言う。

 そしてそれを援護するようにエリカが、

「相談だったら本人の同意を得てからにしなさいよ。深雪の意思を無視して相談も何もあったもんじゃないの。それがルールなの。高校生になって、そんなこともわからないの?」

 と皮肉たっぷりの笑顔と口調でお返しする。

「な、なに!?」

 神綺はあーあ...と半ば現実逃避しながら諦めた。今エリカが言ったのは男子生徒、つまり昼の時に神綺に馬鹿にされ真っ先に吠えた人間だ。そいつがまた煽られれば

「うるさい!他のクラス、ましてやウィ―ドごときが僕達ブルームに口出しするな!」

 案の定吠えた。その様子に神綺は、

「あーめんどくさ」

 ついに心の中では仕舞い切れずにそう漏らしてしまった。

「そう言うな神綺....俺だって嫌さ」

「お兄様....」

 少女は達也の制服の裾を軽くつまみながら助けてほしい、といった感じでそう言った。

「...はぁ」

 こんな感じで冒頭の会話があったのだ。

 そしてこの一科生の暴言に真っ先に反応したのは、やはりと言うべきか美月だった。

「同じ新入生じゃないですか!あなた達ブルームが、今の時点で一体どれだけ優れているといんですかっ?」

 決してレオ達ほど大きい声ではなかった。しかし、美月の声はよく響きわたった。

「あらら....」

 達也はそれにまずいことになったな、という思考が声として漏れた。

 対して

「まずいな...」

 神綺も同様に美月が言ってはならないことを言ってしまったことにより、軽く焦り声が漏れた。




閲覧ありがとうございます。
前回を少ない分量で切ってしまった為、少し多めにしました。
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