魔法科高校の劣等生 -彼のこれからは-   作:レイヴェル

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どうも、レイヴェルです。
今日も投下します。


入学編 9

 あの後、いつもより強く神綺の腕に抱きついていた雫を離すのに苦労したがほのかのお陰でなんとかなった。

 そして駅で別れる際、彼らとプライベートナンバーを交換し、解散となった。

 

 

 翌日、普段通りほのかと雫と一緒にリムジンに乗り一高を目指していると雫が不意に、

「あっ ここらへんで止めて」

「了解しました」

「ん?どうしたんだ雫?」

 今神綺達の乗るリムジンは昨日達也達と別れた駅から一高までほぼ一本道となっている通りを走行していた。

 すると雫は桐山さんに止まるよう指示し、その指示通りにリムジンは路肩へ寄って停車した。

「エリカ達がいたから、偶には歩いて登校しようと思って」

「なるほどな、ほのかはどうする?」

「私は任せるよ。私は乗させてもらってる側だから」

「そうか...なら行こうか」

 リムジンはエリカ達が歩いている場所よりも先で停車した為、神綺達はリムジンを降りてから待つことにした。

「それではお嬢様方、お気をつけて」

「ありがとうございました、桐山さん」

 そう言うと桐山は会釈をしてリムジンを発進させた。

---------------

「...おや?」

 徐々にエリカ達の集団が見えてきたのだが、そこで神綺はある違和感を覚えた。

「どうしたの?」

「いや......あぁ、これは驚いたな」

「ん?」

「七草会長がいるぞ。道理で人数が多いなと思ったわけだ」

「え?...ほんとだ」

 どうして真由美がここにいるのかが疑問でしかない。それも達也と何かを話しているようだが、どういうことなのか....

「おや、神綺達じゃないか。おはよう」

「え?あ、ほんとだ。3人共おはよう~」

 集団の中でいち早く達也が神綺達に気が付き、業とらしくそう挨拶をしてきた。様子を見るになにかしらの話題転換がしたかったんだろう。

「おはよう。達也達が後ろにいたのが見えたから待ってたのさ。....遅れましたが七草会長、おはようございます」

「はい、おはようございます。神綺君」

 とまた真由美が神綺を名前で呼ぶ。

「...失礼ですが七草会長、私と会長は昨日が初対面...ですよね?」

「はい。そうですが....なにか?」

「いえ...私は自己紹介をした覚えがありませんでしたので....」

「あぁ、神綺君のことは噂になってますよ?」

「噂...ですか」

 なにか昨日の件以外で問題らしい問題を起こした覚えはないが、神綺は眉をひそめた。

「はい。入試試験の理論で一科生を抜いての2位。それはもう教師陣や私達の間でも話しにあがったりしてますよ」

「はぁ....そうなんですか」

 手ごたえがあったとは感じていたが、まさか2位だとは思わなかった。逆にいえば2位と取っているのに二科生なのだ。どれだけ実技が優先され、そして神綺が実技でどれだけ点を落としているかが良くわかる。

「えぇ!?神綺君2位なの!?」

「まじかよおい...」

 エリカ達が驚愕する中、真由美は続ける。

「七教科平均100点満点中94点。そして極めつけは魔法理論と魔法工学、合格者平均が70点に達していないのに対し両教科共満点ですよ?」

「ま、満点....」

「まじかよ...」

 もはや心ここにあらずといった表情でエリカとレオが途方に暮れる。

「そうでしたか....となると、1位は達也ですか」

「あら?よくわかったわね」

(本当にそうなのか....すげぇな)

「ちなみに?私は達也に何点離されたかわかりますか?」

「えぇ、総合でたしか....14点差だった気がします」

 と真由美はデータが入ってるのであろう端末を起動し、確認をし始めた。

「合ってますね。14点差です」

「そうですか、ありがとうございます」

(敵わないか。どれだけ勉強してるんだよあいつ...)

 神綺は達也に軽く呆れながら真由美に一礼した。

「たったの14点!?」

「ははっ はははっ もう次元が違うわね~」

「え、エリカちゃん!?」

 遂にエリカが耐えきれなくなったのか焦点の合ってない目で空を見上げていた。

「そうそう神綺君」

「なんでしょうか?」

 おかしくなったエリカを苦笑しながら見ていた真由美が急に真顔になり、神綺を見た。

「今日のお昼、時間空いてるかしら?」

「今日の昼...ですか。どのようなご用件で?」

 できれば雫達と昼を過ごしたい為、すぐ終わる要件ならば終わらせたい所だ。

「実は昨日の件でね....摩利、風紀委員長が君と達也君の二人と話がしたいって言うのよ」

 うわ、と神綺は確信した。面倒くさいことになりそうだ、と。

「それでね?いつも摩利は生徒会室でお昼を食べてるのよ。だから神綺君も....生徒会室に来てくれないかしら?」

「もし....お断りした場合はどうなりますか?」

「私はなんとも思わないけど....多分摩利自身が神綺君達の教室に出向くでしょうね」

 まずい、これは非常にまずい。もっと面倒くさいことになる。そこで神綺は苦肉の策で少し話を逸らす。

「ちなみに...達也はなんと?」

 さっき真由美は確かに言った。風紀委員長が自分と達也と話がしたい、と。そこで聞いてみたのだ。

「達也君は深雪さんに説得されて行くことになってるわ」

(おい!?なんてことだ....いや待てよ?達也だけで行けばなんとか....いや、それはまずいな。もし風紀委員長が決めたことを曲げない性格の人だった場合、絶対に教室に来る....それかは呼び出しかもしれん。....くそ)

「わ、わかりました....お邪魔させていただきます」

「うん、お待ちしてます」

 と真由美は誰もが見惚れるような笑顔をした後、達也の方へと歩いて行った。

 それと入れ替わるように

「....ねぇ、神綺?」

「なんだ?」

「....鼻の下伸ばした?」

「...は?」

 雫が拗ねた顔をしながら神綺を睨んできた。

「神綺ってあういう人が好きなの?」

「ちょっと待ってくれ。どういうことだ」

 神綺は全く鼻の下を伸ばした覚えがないのだ。というか終始嫌な顔しかしていない。勿論気がつかれないくらい微々たるものだが

「だって神綺が楽しそうに話してるんだもん」

「あれのどこで楽しそうに話している風に見えるんだ.....雫と話してた方が何倍もいいんだが」

 あんな厄介事しか持ってこないような人とはあまり付き合いたくないのだ。

「えっ...えっと、その....」

「えぇ....」

 すると雫は顔を赤くして俯く。もう神綺には雫がなにをしたいのかが全くわからない。

「どうやら神綺も捕まったようだな」

 と後ろから同情する様な目で達也が肩を叩いて来た。

「勘弁してくれよ....達也も深雪に説得されるってどういうこと?」

「....すまない。あの目で迫られたら断れん」

「お、おぅ....」

 達也がここまで弱弱しくへこたれることもあるのだな、と神綺は軽く驚いた。

「それで?...神綺は妹を口説いてるのか?」

「どこをどう見たら口説いてるように見えるんだ?」

「なんだ。雫が顔を真っ赤にしたからてっきり口説いているのかと思ったんだが」

「俺に妹を口説く趣味はないぞ?...たしかに血はつながってはいないがな。俺は雫をそんな風に見た覚えはないぞ?」

 達也の冗談に軽く呆れた神綺だったが、それを聞いた雫は急に顔の赤みが引き、神綺を睨んだ。

「....なんで雫は睨む?」

「なんでも....神綺なんて知らない」

「あ、おい!」

 神綺が引き留めようとするがそれを聞く様子もなく、エリカ達の方へと行ってしまった。

「なんなんだよ....」

「難儀なもんだな」

「まったくだ....そういえば会長はどうしたんだ?」

「生徒会長なら先に行ったぞ。だから俺はこっちに来たんだ」

「なるほどな...にしても風紀委員長は俺達と何を話すつもりなんだか」

「さぁな」

「昨日のことを詳しく聞かれるとか?」

「それはないだろ。昨日不問と言っていたろ?それも生徒会長と同席している場でそんなことしないだろう」

「そうだよなぁ....案外風紀委員の勧誘.....とか?」

「...あまり信じたくないな。深雪も呼ばれたがそっちは生徒会の勧誘だ」

「げぇ....だが俺らは二科生だぞ?ないだろ」

「だと思いたいな」 

 と二人揃って肩を落とした。しかしこの時はまだ知らなかった。

 それが本当にそうだったことを。




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