魔法科高校の劣等生 -彼のこれからは-   作:レイヴェル

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どうも、レイヴェルです。


神綺の現状

パチンッ

 そうレイブンが指を鳴らすと神綺達のいる一室の一角に二人分の椅子とテーブルが現れた。

「な!?」

 レイブンが急に現れたのもそうだが、現実では考えられないようなことがここでは起こるようだ。

「まぁ座ってくれ」

 そう言いながらレイブンは片方の椅子に腰かける。

「...わかった」

 神綺はここではなんでもありだ、と自分に言いかけながら腰かけた。

「さ、じゃぁあの世界での君の処遇...というか立場を説明しようか」

「....そうだな。なぜ俺が傷だらけなんだ?」

「それはさっき言った組織が関係しているね。君はその組織の人体実験によって改造された人間だ」

 とレイブンはサラッと恐ろしいことを言う。

「....は?人体実験?改造だと!?」

「あぁ。組織名は『ground』、そして実験内容は....ただの人間を魔法師に近しい存在にまで発展させること」

「おいおい、待ってくれよ...魔法師?魔法って...」

「概ね君の想像しているので合ってると思うよ。....先に君の世界事情を説明した方がいいか」

 そうレイブンは言うとまたパチンッと指を鳴らせる。すると今度はホワイトボードが現れた。

「....なんでもありだな」

「そりゃぁ神が作った空間ですから」

「さぁ、まずあの世界は魔法が体言化され、素質あるものならばだれでも魔法を使用することができる世界なんだ」

「魔法が....体言化...」

「ま、色々制約もあるけどね.....試しに使ってみるかい?使い方は教えるよ?」

「....使えるのか?俺に....さっきの話だと魔法師って素質がないと無理なんじゃないか?」

「すごい分析力だね....そこまで冷静に分析されるとは思わなかったよ....ま、そこに関しては大丈夫さ。私の方でどうにかするさ、それ」

 とレイブンはまたパチンッと鳴らすとなにやら腕輪の様なものがレイブンの手の上にあらわれた。

「はい、これをどっちでもいいから腕にはめて」

「...わかった」

 少なからず興味があった神綺は少しためらったがすぐに腕にはめた。

「うん。それがあの世界で言うCAD....魔法を使用するのに必要な補助機の様なものだ。それにそうだな....自分の中にあるエネルギーの様なものを感じてその腕輪に送るイメージをしてくれ」

「....なんとも曖昧だな...仕組みもわかってないのにできるわけないだろ」

「いいから、体の中にあるエネルギーの流れを感じ取って、それを腕輪に集めることをイメージして」

「.....」

 観念した神綺は目を閉じてレイブンの言ったエネルギー?を感じようと試みる。

「.....」

「どうだい?」

「....取りあえずやってみるぞ」

 なんとなくだが、それっぽいものを感じた神綺は腕輪を付けた左腕を前方に構えながら感じたモノを送り込むイメージを再度試みた。すると、

「っ!」

「おぉ!これはすごい」

 かすかだが、腕輪が光を帯びた気がした。

「それができれば後は簡単だ。それ腕輪を今見たいに出して」

「...わかった」

「よし、それじゃぁ....はい。もう一度流してみて」

 とレイブンは腕輪に付いているボタンの様なものを複数押した。

「.....っ」

 神綺はレイブンに言われた通りもう一度イメージする。すると、

いつの間にか神綺の前方に現れていた板の様なものがドンッという音と共に破壊された。

「これはっ....」

「おいおい....まさか壊されるとは思ってなかったよ」

「す、すまない...」

「いやいいさ。....で、今のが魔法。狙った対象に衝撃を与える低ランクの魔法さ...ま、壊されるほど強力なのが出るとは思わなかったけどね...」

 と苦笑いでレイブンは破壊された板だったものの残骸を見る。

「...これが魔法か」

「そ、どうだい?心躍るかい?」

「....いや、そういったものは全く」

「なんだって?そりゃぁなんでだい」

「....今レイブンは言ったよな?低ランクの魔法だ、と」

「言ったね」

 何を聞くんだ、と言った表情でレイブンは答える。

「...低ランクでさえこの威力だ。それを日常的に使える環境なんて....危険すぎる」

「まぁね、だが安心してよ。自衛以外での魔法の無断使用は犯罪として処罰される」

「....そうか」

 それを聞き多少は安心した神綺だったが....

「だが、それを抜けるように不正使用する輩だっているんだろ?」

「....どうしてそう思うんだい?」

「簡単だ。俺を人体実験するような危険な組織が野放しになっている時点でなんらかのモノが一枚、いや沢山噛んでいると考えるのは普通じゃないか?」

「なるほど....ま、その通りなんだけどね....」

「悪いが世界事情とやらはなんとかわかった。それで?groundとやらは俺をどう実験したんだ?」

「....ただの人間、まぁ君はあの世界では孤児だったからね。組織が君を引き取って、魔法師にしようとあの手この手で改造したのさ」

「....それで?俺は...捨てられたのか?」

「いや、捨てられてはいないよ....逆だ。君は実験に成功、見事魔法師として認められるほどの力を手に入れた」

「....わからないな。それじゃぁなぜ俺は傷だらけで気を失っていたんだ?」

「簡単さ。君が組織から逃げ出したのさ」

「逃げ出した?」

「そ、傷だらけだったのも君を捕獲しようと追ってきた追手と戦闘になり、その時についた傷さ」

「....なるほどな。それで?振り切れたのか?」

「あぁ、君の魔法でね」

「っ...俺はもう魔法が使えたのか!?」

「言ったろ?君は実験に成功した、と」

「......それで?俺の使える魔法とやらは?」

「ふむ、まぁいいか。教えよう。まず、君が追手を振り切ることができたのは....空間転移という魔法さ」

「空間転移....」

「そ。A座標からB座標に瞬時に移動、転移できる。というものさ」

「.....それこそチートだな」

「ま、実験の恩恵かな。それで君は転移してあの家の前に降り立ったというわけ。んで、ここで注意しておくよ」

「....なんだ?」

「空間転移は誰でもできるわけではない。そして、できるのは君だけということだ」

「なっ!?」

「続けるよ?んで、使い過ぎには注意しろ。一回しようするだけでも相当の負担が体にくるからな」

「....ノーリスクとはいえないのか」

「勿論。なんせ無理やり体を弄って魔法を使ってるんだからね。使い過ぎると脳がグチャグチャになるからね?」

 とこれまた恐ろしいことをサラッと言ってくる。

「わかった」

「そして、ある程度の低難易度の魔法なら君は難なく使えるよ。高難易度となると無理だけどね。あと....もう一つ。君の本来の体質からくる魔法だ」

「....それは?」

「君は元々目が特殊でね。所謂魔眼と呼ばれる類いだ」

「.....」

「効果は1つ。その目で睨んだ対象は消滅する」

「...は?」

「ま、驚くのも無理ないね。現にそれですでに2人消してるよ?」

「ちょっ ちょっと待ってくれ....消滅って...」

「言葉通りさ。その場からパッと消えるのさ」

「.....それで、2人?」

「あぁ。ま、無意識でしかも逃げるのに必死だったからね」

「そうか.....となると殺した....ということか」

「そうだね。ま、君を実験した組織の人間だ。特に悔むことも...」

「そうはいかないだろっ!殺したんだぞ!?この俺が!」

「だから....因果応報だろ?君を捕まえなければ消えなかったんだから」

「違う!そうじゃない!....俺は....人殺し.....」

「...はぁ。いいかい?君が今までいた世界は死や殺しとは無縁な世界だったけどね?この世界は魔法による実力主義。そしていつ死んでもおかしくないような状況なんだ。....最後に言うけど。組織を潰すってことは、組織の人間を残らず皆殺しにすることだからね?」

「っ!?」

「....逃げるんじゃないぞ?逃げたら彼女達の所には戻れないからな?」

「...くっ......」

「慣れろ。そうとしか言えない」

「.......」

「...はぁ、もういいか。続きは今度また話そうか。今回はこれでいいだろう。じゃぁね」

「あっ!?待て!」

 そう言いレイブンは振り返り霧になって消えてしまい、部屋には神綺一人が残ってしまった。

 だが、すぐに神綺も意識が遠のくような感覚が遅い、意識を手放した。

 




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