魔法科高校の劣等生 -彼のこれからは-   作:レイヴェル

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どうも、レイヴェルです。


記憶

「う.....ん...?」

 神綺は目が覚め、なんとなく目を開けると目の前には

「......誰だ?」

 ボーっとした感じの顔でこちらを見る女の子がいた。

 今神綺はベットに寝たままの為、どうやら前かがみになりこちらを覗きこんでいるようだ。

「....大丈夫?」

 神綺を見ていた女の子は神綺の言葉を無視し、容態を聞いてきた。どうやら心配してくれていたらしい。

「あぁ、大丈夫だが....どうしてここに?」

 そう言いながら神綺は上体を起こす。まだ体は痛いが、先ほどよりは楽になった気がした。

 それにしても神綺には彼女がここにいる理由がわからなかった。パッと見回してもこの部屋にはベット以外なにもないのだ。

「ちょっと心配だったから覗いてみたの。そしてらすごい魘されてるみたいだったから」

「そうか....魘されていたのか.....うっ!?」

 自分が魘されていたことに軽く驚きながら手を開いたり握ったりして感触を確かめていると、急にとてつもない頭痛が神綺を襲った。

「がっ!なんだっこれは!?」

 今まだに体験のしたことないレベルの頭痛の為、無意識に両手で頭を押さえる。

「え!?だっ 大丈夫!?パパ呼んでくるからっ!」

 女の子は慌てながらそう言い部屋を出て行ったが、神綺には聞こえていなかった。

 

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「本当に....大丈夫なのかい?」

 そう心配そうに言うのは潮だ。

「えぇ....もうおさまりました。それに、この頭痛のお陰か記憶が戻りましてね」

 そうなのだ。頭痛が引いたと思ったら自分では体験した覚えのない、おそらく意識を失う前の記憶が鮮明に浮かんできたのだ。勿論、レイブンの言う組織と思われる所に居た記憶もある。

「本当かい?....とりあえず、夕食を用意してあるんだ。君の分もあるから、先に食べよう」

 そう言い潮は神綺の手を取り案内しようとするが、

「いえ、すみませんが遠慮しておきます。これ以上お世話になるわけにもいきませんし、なにより私がここにいるとあなた達が危険だ」

 と神綺は手を引っ込めた。

「なんだって...?それはどういう....」

「失礼だとは承知していますが、すみません。時間がありません、玄関へと案内してもらえないでしょうか?」

 潮が戸惑うが、神綺は見てしまったのだ。逃げている途中、追手の一人が生きていればどんな方法でもいいから捕まえろ...と。

 もしそれで今も奴らが捜しているとすれば....見つかった場合の被害は予想できない。

 その為何としても無関係のこの人達を巻き込みたくはなかった。

「....ちょっと待ちなさい」

 だが、そこで潮の後ろから女性が部屋へと入ってきた。

「....なんですか?」

「あなた。魔法使えるでしょう?」

「....は?」

「恍けても無駄よ?私も魔法師でね....なんとなくだけどわかるのよ、仲間が。それで君も私と同じ魔法師の感じがするのよ」

「えっ...それって本当なの?ママ」

 とそこで反応したのは神綺ではなく潮を呼びに行ってくれた女の子だった。

「のはずよ....どう?」

 と女性は嘘はつかせない。といったような威圧感のある目で神綺を見る。

「っ....確かに俺は魔法を使えます。....ですがそれがどうなるんです?」

「不思議なのよ。君はまだ雫と同じぐらいの年齢に見えるけど.....どうしてそこまでサイオンを扱いなれているの?」

「........」

 と女性に言われるが、神綺はなにも言い返せない。

 勿論、ついさっきまで魔法そのものに触れていなかったのだ。感覚的にしかつかめていない。

 だが記憶が戻ったことにより、少し感覚が鋭くなったかな?程度だ。

「だんまり?」

「すみませんが、感覚的にしかサイオンを感じられていないもので...扱いなれていると言われても困ります」

 としょうがなく神綺は本当のことを言う。すると女性はニヤッと笑いながら。

「へぇ、感覚でそこまで.....面白いわね」

「...本当に時間がないんです。もうそろそろお暇したいのですが」

「まだダメよ。聞きたいことはいっぱいあるわ?あの傷は魔法でできた傷よね?なにかあったの?」

 と女性は聞いてくる。おそらく好奇心と心配、といった感情からの質問だろう。だが、

「....なにもお答えすることはありません」

「そう。なら、最後にひとついいかしら?」

「....なんですか?」

 やっと終わる。そう安心しながら待つと

「君の名字を教えてちょうだいな。まだ神綺君としか聞いてないわ」

「.....」

 条件反射的に名乗りそうになったが、神綺は喉元まででてきた言葉を飲み込んだ。

 偽名でもなんでもいえばそれでよかった。だが、今まで平和な日本にいたせいか、嘘をつくのに抵抗があったのだ。

 そして悩んだ末、神綺は

「....東山....神綺です」

 この世界での名前である東山を正直に名乗った。

「東山神綺君...か。ありがと。それじゃぁ....ごめんね」

 そう言うと女性はスマホの様な物を取りだして神綺の方へと向けた。

「?」

 最初は何かと疑問に思った神綺だったが、すぐに頭が警告を鳴らす。

 なんとそれは...

「ママ!?」

 CADだったのだ。女性が画面を操作すると同時にスマホの様な物が光を帯び、その周りにリング状に文字列が浮かび上がってきたのだ。

「なっ!?」

 普通ならここで魔法が発動され、標的となっている神綺になんらかの作用がもたらされる。しかし、

 

その瞬間、神綺の頭にノイズが走る。

(ザザッ...振動系、座標...本体。危険レベル3、硬化魔法式ロード)

「なんだこれは!?」

 神綺は戸惑いの声をあげるが、それでも体は勝手に動き自分の体が発光し始める。魔法式が構築され、発動したのだ。

「うそ!?」

 それにより、女性の起動させた魔法は神綺へと届くが、

「......なにも感じないな」

 そう。痛くも痒くも、そしてただベットが軋む音が響く。

 やがて魔法が効力を失ったのか、軋む音は消え、そこには唖然とする潮と女の子、そして魔法を発動した女性がただただ今起こった状況を理解できず立ちつくしていた。




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