Re ハイスクールD×D 黄金転生のロンギヌス   作:めんどくさがりや

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日常の始まり

この世界に転生して十数年が経った。神のおかげかは知らないが今世の体は聖餐杯のような役割を持っていた。それはすなわちこの体でも聖遺物を扱えるという事である。

さらに身体スペックも全盛期まではいかないまでもそれなりに高い。

 

「この世界で全盛期程の力があると早々に目をつけられてしまうな」

 

ちなみに現在の状態は前世のような金髪金眼ではなく、茶色がかった髪に蒼い瞳をしている。流石に日本で生まれたというのに金髪だったらおかしいだろう。蒼眼だというのも充分おかしいだろうが。

 

「しかし、あの神も随分とおかしな真似をするな」

 

そう苦笑していると、下の階から声が聞こえてくる。

 

『イッセー、朝ご飯出来たわよー』

 

イッセー、漢字に直すと一誠。

 

そう、自分は主人公である兵藤 一誠へとなってしまったのだ。

 

 

□■□

 

 

ご覧の通り容姿は多少異なるが自分は兵藤一誠へと転生した。

いや、だからと言って原作のように女の胸で露骨なまでに騒いだりするわけでもない。前世ではたしかに女は駄菓子と言っていたが今世でもそのように過ごしているわけでもない。

普通、とは言い難いが今の生活はこれはこれで気に入っている。

 

前世では黄金の獣として全力を出すことを願い、戦った。

友と共に聖槍十三騎士団を率い、ツァラトゥストラと衝突し、敗北して女神の守護者の一角へとなった。

今でも守護者という立場は変わらないがここへ転生した事は騎士団の面々も知っている事だ。そしてその時にツァラトゥストラーー藤井 蓮に言われたのだ。

 

 

 

『お前も一回は何の変哲もない日常ってのを味わってみろよ』

 

 

 

ラインハルトとなる前の記憶などもはや消えたも同然。故に新鮮に感じる。

 

「まさか私が斯様な日常を過ごすとはな」

 

だが、それもいいのかもしれない。彼の言った何の変哲もない日常とやらを満喫するのも。そう思っていると、

 

「父様?どうかなさいましたか?」

 

そのような事を言われる。そちらを向くと一誠に似た少年がいた。だが勿論彼もただの少年ではない。聖槍十三騎士団黒円卓第六位イザーク=アイン・ゾーネンキント。今世では、『兵藤 玲誠』と名乗っている。何故彼がここにいるのかと言うと、のイザークは城の核として生きていたために碌な人生じゃなかった。まあそれは騎士団全員に言える事だが。騎士団の中で比較的年が低く、マシな部類に入るという事と、イザークにも日常とを経験してもらうため友に頼みこの世界に来させたのだ。

 

「いや、ただ考え事をしていただけだ。それと、今は父ではなく兄だ」

「わかりました兄様」

 

様もつけなくていいのだが。まあそれは見逃そう。

 

「しかし幼い姿で城に行った時はなかなか面白かったな」

 

一度、子供の状態で城に行った時があったのだが、その時には騎士団全員が愉快な表情であった。ベイやシュライバーなどは口をあんぐりと開け、カールに至っては笑いを必死に堪え、あのマキナまでもが呆然としていた。

ちなみにザミエルは鼻血を吹き出して倒れた(何故か恍惚とした表情をしていた)。

 

「城の中は混沌としていましたが」

「あれはあれで未知だったろう?っと、そろそろ行くか」

「はい」

 

そう言うと二人は学校へと行く。

 

 

□■□

 

 

しかし、自分が転生して全てが順調にいくわけでもなかった。

兵藤一誠になった時に一つだけ問題が起きたのだ。

 

「(赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)が消えた・・・一体どういうことだ?)」

 

そう、元々兵藤一誠が持つ筈だった神器(セイクリッド・ギア)神滅具(ロンギヌス)の一つである赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)が存在していない。いや、違う。

 

『正確には、俺を封印していた器と俺自身の魂が分かれてしまったというのが正しいな』

 

突然そのような声が聞こえてくる。

この声の主は最強クラスの力を持つ『二天龍』の一角であり『赤龍帝』二つ名を持つ竜、『赤い竜(ウェルシュ・ドラゴン)』ーードライグ。

 

神器に魂を封印されていたはずなのだが、聖遺物に引き寄せられラインハルトの軍勢(レギオン)に加わってしまったのだ。

 

『はっきり言って相棒は規格外にも程がある。人の身で数百万以上の人間の魂を宿しているうえ二天龍の魂をも取り込んじまうんだからな』

『窮屈な器にいるよりは幾分かマシであろう』

 

そのように話をしていると学校に着いた。

 

「それでは兄様。私はこれにて」

「ああ」

 

そして玲誠(イザーク)は一年の教室へ、一誠(ラインハルト)は二年の教室へと移動する。その途中、

 

「あ、イッセー君おはよう」

「木場か」

 

彼は木場 裕斗、この学園での友人の一人だ。と言っても彼は人間ではないのだが。

裕斗だけでなく、この学園には複数の悪魔がいる。こちらからは接触していないが、生徒会長すらも悪魔だ。

悪魔の友人というのもなかなか面白いものだ。

 

『木場きゅん×兵藤君‼︎』

『どっちが攻め⁉︎』

『兵藤君が王道でしょう‼︎』

『いや、意外と木場きゅんが攻めかも‼︎』

『夢が広がる‼︎』

 

「「・・・・・・」」

 

見ると木場が苦笑している。まあ、趣味は人それぞれだしな。

 

「それじゃあ、僕は行くね」

「わかった」

 

木場と別れ、自分の教室に入っていく。

 

「よーイッセー貸したDVDどうだった?」

 

彼は松田。見た目は爽やかスポーツ少年だが変態だ。

そして、

 

「あれさえあればお前でもこちらへの道に踏み込む事間違いなしだ」

 

こちらは元浜。メガネを通して女子の体型を数値化できるという全婦女子を敵に回しかねない能力を持つ変態だ。

 

「「で、どうだった?」」

 

その様子に苦笑して言う。

 

「卿らは相変わらずだな。あのDVDなら玲誠が粉々にした後焼却処分したぞ」

「「あァァァんまァァァァりだァァァァ!!!!」」

 

頭を抱えて悲鳴を上げる。

 

「ま、まだだ‼︎次はこれだ‼︎」

 

そう言うと松田は一誠の机の上に卑猥なDVDや本を積み上げる。ザミエルが見たらすぐさま焼却してしまうだろう。

 

「おおおお‼︎これ全部限定品じゃないか‼︎」

「おう、俺の血と涙の結晶だ‼︎これらを揃えるためにどれほどの犠牲があった事か・・・‼︎」

 

そう言うと松田は涙を拭う。

 

「ちょっと‼︎一誠君を最低な世界に引き摺り込まないで‼︎」

「うっせー‼︎脳内で犯すぞ‼︎」

 

などと最低な事を言っている。

 

「これは言うなれば聖遺物‼︎さあイッセー‼︎俺達の世界にカモォォォォォン!!!!」

「砕け散るがいい」

 

そう言うとイッセーは卑猥なグッズを窓から放り投げる。

 

「「あああああああ!!??俺達の聖遺物がああああああああ!!??」」

 

悲鳴を上げて窓から身を乗り出す。

 

「卿らが常人より性欲が旺盛なのは仕方ないしあのようなものを見るのも構わないが、時と場所を考えろ」

 

そう言うと松田は血涙を出しそうな表情で叫ぶ。

 

「うるせえ‼︎こちとらお前と違って入学以来全くモテねえんだよ‼︎」

「そうだ‼︎なんだよラブレター130通って⁉︎俺達はラブレターどころか女子から消しゴムも借りれねえんだぞ‼︎だから俺達はアレに頼るしかねえんだ‼︎」

「女に好かれないからといって変態になる。本末転倒ではないか?」

「だまらっしゃい‼︎モテない男子の敵め‼︎どうせ女子が選び放題だからって、女は駄菓子にすぎない(キリッ)、とか言ってんじゃねえか⁉︎」

「・・・・・・そんな事はない」

「「その間はなんだ⁉︎」」

 

前世の言葉を言い当てられたので思わず目を逸らす。

その時、教室に誰かが入ってくる。彼は赤みがかった髪に紺色の瞳を持つ少年だった。

 

「来栖 龍星。木場 裕斗、イッセーと並ぶ駒王学園三大イケメンの一人」

「曰く、情熱的な奴で木場、イッセーとは違ったベクトルで人気の高い奴だな」

「顔立ちが整った者は敵、と言っている割にはよく知っているな」

 

すると、

 

「おはよう、三人とも相変わらずだな」

 

龍星が挨拶をして来る。

 

「うるさい‼︎イケメンが話しかけるな、こんちくしょう‼︎」

「滅びろ‼︎リア充め‼︎」

「卿らのその発言がさらに好かれない原因になっているという事に気づかないのか?」

 

一誠が呆れ顔でそう言うが、届いていない。

 

『・・・・・・?』

『ドライグ、どうかしたか?』

 

何やらドライグの様子がおかしい。

 

『・・・いや、少しな。後で話そう』

『わかった。・・・さて』

 

ドライグとの会話を終えると一誠はいまだ呪詛を吐いている二人へ向け、腕を突き出し、

 

バチイィィン!!!!

 

「「でらべっぴん⁉︎」」

 

頭部にデコピンを放つ。二人はあまりの威力に倒れる。

 

「いい加減落ち着け」

 

友人等を止めると、一誠はため息を吐く。

 

□■□

 

時刻は少し前に遡る。此処は一年の教室であり、玲誠が所属するクラスである。

 

「(おそらく今日も父様に奴らは卑猥な物を渡すだろう。発見次第処分しなくては)」

 

玲誠が初めてそれを見つけたのは一誠が高校に入ってからの事だった。一誠のカバンから一枚のDVDケースが入っているのに気づいた。玲誠は尊敬する父、もとい兄がどのような物を見ているのか気になったので取り出した。AVだった、絶句した。

 

何かの間違いだと思い、一誠に確認をとったところ、友人から半ば強引に貸し出されたと言った。その事実に安堵すると同時にそのような悪影響を与えるものを渡した人物に憤りを感じた。

 

「(私個人としては出来れば縁を切ってほしいのだが仮にも父様の友人だ。そのような事は言えない。どうしたものか)」

 

そう考えていると、

 

「玲誠君、どうかした?」

 

そちらに目を向けると一人の少女がいた。白髪に整った顔立ちの女子生徒、名前は『塔城 子猫』玲誠の友人と呼べる者である。

 

「なんでもないよ、子猫」

 

そう返事をして窓に目を向けると、卑猥な本やDVDが落ちてきていた。

 

「・・・またあの二人か」

「・・・最低です」

 

おそらく二人の心境は同じであったろう。

 

これが、二人の日常であった。

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