一狩りを終えて、そのままモガの村に帰った俺は、村長にナバルデウスが怪しいとだけ告げて、色々と聞かれる前に俺はクエストへ向かった。獲物は、ギギネブラ。一言、キモい。
凍土へと向かい、船での道中は特に何も無く着き、BCの支給品BOX中から応急薬だけ取り出し、ギギネブラがいるような洞窟へと向かう。
……まあ、途中で止められてしまうのだが。
「あぁ!助けてくださいっ!」
誰かが、そう言いながら俺の後ろに回り込んで来た。その声は、さっき――約半日前――会って別れた筈のロアルドロスの声だった。
「あんた、そこ退きな」
そして、前には終焉のような黒い髪を揺らしながらやってくる女性。服も目も黒で、黒ずくめの女性、そいつはゆっくりと歩きながら近づいてくる。
「退かないって言ったら?」
太刀に手を掛けて威嚇する。しかし女性はニヤリと笑って、手を此方へ向けた。
「バイバイ」
そう言った直後、女性の手から炎が出た。それが飛んでくる。
「ハァ!?」
「おわっ!?」
似たような反応をしながら、二人で飛び退く。
その炎は、生半可な熱ではないのを感じた。直撃したら骨まで溶けそうだ。
「凄いね。まさか避けるとは」
「あんたもモンスターか何かなのか?」
無表情で褒められても全く嬉しくなかったので、一つ訊いてみた。
「まあ、そうだけど」
やはり無表情で答えた。興味が無いのか。
「んじゃ、レナは?」
だから、不意打ちをしてみた。すると、予測通りポカーンとした顔になった。
そりゃそうだろう。今ここにいない奴の名前を突然出したら、話に追いつけないだろう。
「知ってんの?」
「え?知ってるのか?」
そして、ある意味では追いつけない会話となっただろう。
「……友達だけど?」
渋々といった感じで話す。どうやら、好意的では無いらしい。
「俺は……知り合いって所か?」
とりあえず、話してくれたので応える。礼儀という奴か。
「あ、そうだ。名前何?私はアンナよ」
さっきとは打って変わってニヤリと笑いながら言った。だからあえて本名では無く二つ名で返してみた。
「
ニヤリと返した。今の俺は、絶対にニヤけている筈だ。別に嬉しい事じゃないが。
「ふぅん……ソルか」
ズバリ当てられたのである。まあ、レナの友達だというのがせめてもの救いか。
そして、アンナと名乗った女は、また真顔になって言った。
「それで、ちょっと失礼かもしれないけど、一つ良い?」
そう前置きしてから言った。
「ギギネブラ狩ってくれない?」
多分、俺がギギネブラ以外を狩りに来ていたら、太刀を投げていただろう。
すっかり忘れていたロアルドロスと一緒に――アンナが眼で脅していた――ギギネブラを探すハメになった。
因みに、ロアルドロスだと呼びにくいからと、アンナがご勝手にロアと名付けてしまった。本人は不服そうだったが仕方がない。
暫く暗闇の中を彷徨っていると、紫色の小さな光が二つ見えた。遠くにギギネブラがいる。
「フルフル消えろぉ!!」
妙な事を叫びながら小石を投げ始めた。阿呆みたいだからやめてほしい。
そして、その声に反応したのか、天井を歩いてギギネブラが接近してくる。
「コノヤロウ!!フルフル退散ッ!」
近づいてきて、止まった直後アンナは剣を投げた。それは、翼――飛んでる姿を見ないと、イマイチ判りにくい――を掠った。そして、手元が狂ったのか、落下しかてきた。
「じゃあ遠くで観戦してるねー!」
「武器も無いから避難っ!」
そして、同時に二人が遠くへと逃げた。
取り残された俺は、抜刀しながら腹目掛けて刀を振り下ろす。しかし、同じタイミングで、横に転がりながら起きた
為、うまい具合に弾かれる。
一気に引き、その勢いで後ろに跳ぶ。ギギネブラが、俺目掛けて毒ブレスを飛ばそうとしていたからだ。
毒ブレスは、確実に俺がいた場所に落ち、霧散した。それにより、ギギネブラが見えなくなった為、反応が遅れた。
毒の霧を通過し、また毒ブレスが飛んできたのだ。今度は横に躱す。そして、俺がいた場所の少し後ろに落ち、また霧散。
さっきのブレスの霧が無くなっていたので、ギリギリ躱せたのだろう。天井から落下してくるギギネブラに気がつけたのは、知識のお陰か。兎に角、落ちてきたギギネブラを全力で躱す。踏まれたら痛い目に遭うっていう程度の事じゃない。
それから、今度は弱点である頭に一刺ししてやろうと接近し、振り下ろそうかと思ったが、やめた。腹の下に毒の霧を溜めている。多分、風圧でそれをバラ撒くんだろう。
そして、ギギネブラは少し跳ねる。すると、着地と同時に毒の霧が広がる。迂闊に接近は許されそうには無い。
………なので、奥の手を使わせてもらう。
ポーチからとあるアイテムを取り出し、地面に設置する。そして俺はそこから少し離れて、地面に設置した例のアイテムが、俺とギギネブラの一直線上になるように位置取る。そして、馬鹿な事に歩いて――走ってるのかな?――俺に近づいてきた。そして、途中で不自然に身体の動きが止まる。
――これで終わりだっ!
シビレ罠に掛かったバカネブラを殺す為に近づき、横から太刀を大きく振りかぶり、薄く丸い頭を真っ二つにした。血がドバッと溢れる。
「おおっ。中々ハンターらしい戦術!」
アンナが、笑顔で岩陰――に見えるが、岩では無くギギネブラの卵である――から出てきながら褒めてくれた。まあ、内容がイマイチだが。なので、卵に着いては触れず、笑顔でこう返してやった。
「ああ、ギギネブラはちゃんと倒したよ」
それとほぼ同時に、卵から一匹ギィギが生まれた。それは、ギギネブラの翼を小さくして、頭の丸みを強くした感じか。後は、目なぞ無く、口が大きいという所か。
そんなギィギは、目の前に立っている美味しそうな獲物に飛びついて、脚にくっついた。口で。
「ヒヤァァァッッ!?」
情けない声を出して、脚を出鱈目にブンブン振り回した。
耐えれなくなったギィギは、ポーンと空を舞い、壁に激突。すると、今度は俺に近づいてくる。そして、例の如く飛びかかってくるが、俺の肩に乗った。
――首は無いよな?
結論は無かった。頭上によいしょと登り、そこで止まってしまったからだ。
「凄いわね……その姿」
そんな声を聞いた時、気持ち悪いけど気にする程でも無いかと思い、同時にこれが取れるまで迂闊に村へ帰る事はできない。
………結果、俺は変な二人(?)と暫く凍土に残る事になったのだ。
超短い……ギギネブラ戦以外まともに書いてないし、肝心のギギネブラもソルの敵じゃない結果こうなった。
アンナ……フルフルとギギネブラは無理なお方です。
ロア……何か、格好いい気もするけど、メスのような気がしない。
次回……今回の事もあるから真面目に長々と書こうかと。あ、今回も真面目に書きましたよ。
次回もよろしくです。