モンスターハンター 最弱で最強の少年   作:夢の天鱗

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青熊獣アオアシラ

ユクモ一式、古ユクモノ双剣。俺の所持品はこの程度だ。後はせいぜい砥石がある程度か。

BCで、俺はさっき会った少女の事を考えていた。ついでにさっきの話も。

さっきの話というのは、村長にこのクエスト「青熊獣アオアシラ」の事を話してもらった時の事。

アオアシラが、最近何かから逃げるように村の近くに出没する頻度が上がっているらしい。

勿論、そんなことは狩ってから考えれば良い。

気になる事は、ネコタクチケットが支給品から消えている事。俺がクエスト完了して、タクトや村長と話したたった少しの時間に行き違いになったというのか。

まあ、それも後回しか。

アオアシラがいそうな水辺目指して俺は走った。

 

アオアシラ、見た目はざっくり言えば熊。

体毛は青というか緑というか……まあ、青だ。

腹や腕は硬く、腕にはトゲトゲがある。まあ大猪なんかよりは強いが、雑魚だ。

勿論、図に乗って弾かれて致命傷なんかは初心者には多かったりする。

軟らかいのは尻だ。つまり、どれだけ効率良く後ろから攻撃できるかという勝負でもある。

また、二足歩行になったり四足歩行になったりする。まあ、四足歩行してる時は、突進程度しかできないが。二足歩行してる時は、爪で引っかいたり、ヒップドロップしたりする。

ヒップドロップは、何気初心者殺しだ。

大きさはまあまあ。二足歩行してる時は、少し自分より少し大きい程度だ。

 

そんなアオアシラは、水辺で魚を獲っていた。タイミングよく爪ですくい投げる。強いて言えば、あれが特技だろう。

好物は、ハチミツか魚なのだが、何故その二つかがいまいち解らない。

アオアシラは美味しそうに魚を食っている。だから……

 

「せりゃあぁ!!」

 

双剣を抜刀して、尻をクロスさせて斬る。

血が飛ぶ。アオアシラは痛みと驚き――多分だが――に転がる。が、直ぐに立ち上がり、四足歩行で突進。

突進程分かりやすい技は無い。当たる直前まで引き付ける。そして、当たる直前に斜め前に跳ぶ。すれ違いざまに片方の剣を、腕に当てる。

部位破壊。壊せる所を壊すと、そこに関連する素材が報酬に追加される。

それを狙ったが、流石に一回では無理だった。

弾かれたが、その勢いを使って反転。

アオアシラは、突進を、手、足、尻で止める。だが、尻見事に斬られているため、突進を止めれない。だから()()()()。転んだんじゃない。何故解るか?それは、直ぐに立ったからだ。

 

――あれは普通じゃねぇ!!

 

直感が告げている。あのアオアシラはその辺の奴より強い。

だが、俺は近接武器を持っているから、近づかないといけない。

俺はアオアシラに突っ込む。アオアシラは右腕を下げてから、体を左に回しながら引っ掻いてくる。避けなければ、頭が体とお別れするだろうが、勿論避ける。

俺はしゃがんで避け、右側に回る。尻は見事に俺の目の前へ。

普通に考えたらそこで斬るだろうが、バックステップした。そして、俺がいた場所にアオアシラが座り込んだ。ヒップドロップだ。

まあ、傷口を地面を思いっきりつけたので、また転んだ。

今度こそ転んだが、俺から距離をとるように無駄に転がる。

逃がすワケもなく、追いかけて仰向きに倒れてるアオアシラに乗って、腕に一撃。

やはり弾かれる。その反動で飛び降りた。そして、アオアシラが立ち上がった。

どうせ降りなくても、落とされてたので判断は正しかったといえるだろう。

 

――ヤバイな。

 

不意にそんな事を考えた。何故か?まだまだ新米そうなハンターが近くに来たからだ。アオアシラの後ろ側に。

多分、新米らしきハンターは、新米ならアオアシラのケツに向かって一直線だろう。

まあ、そうならないのを祈るが。

 

アオアシラはまだ気付いた様子は無く、ジャンプしてきた。

落下地点は、俺のいる所。アオアシラを受け止めようなんて考えは無いので即座に退避。

見事に空振りで終わる。そして、それと同時に新米ハンターが片手剣で跳び斬り。

 

「あ……」

 

止めようと思ったが、既に跳んでいる。もう遅い。

アオアシラは即座に起き、振り向きながら引っ掻き。ハンターの装備――俺と同じユクモ一式。鎧とかでも無いし、頭も傘を被ってるだけなので貧弱――を抉り、ハンターの体から紅い液体が散る。

まさか……な。

幾らユクモ一式が貧弱でも、一撃で殺られる程の紙装甲ではない筈。それを、あのアオアシラは一撃で………

名も知らぬハンターはそのまま飛ばされて、気絶。まだ死んでない。そう思いたい。

 

「おい!テツオ!テツオ!!」

 

仲間だろうか。誰かが新米に声をかけている。

ならば、新米は彼に任せよう。そして、俺はこいつを狩る。

アオアシラは、改めて俺を見る。そして何を思ったか、突進してきた。それをさっきと同じ方法で避ける。が、アオアシラは止まらず逃げて行った。

 

――ハメられた!

 

多分、突進が俺に通用しないのを解ってやったんだ。その上で逃走。考えてやがる。

新米も気になるが、アオアシラを追いかける。あんな凶暴なアオアシラがこんな所を彷徨いてたら大変な事になる。

 

そして、俺はアオアシラが逃げた森へと行った。そこは、俺がさっき来たばかりの森。ハチミツを採った木もある。

まあ、ハチミツに未練は無いので、アオアシラを探す。

本音を言えば恐い。だからハチミツを採取するばかりだったが、今はもう違う。

そう言い聞かせながら探すが、見当たらない。

まさか森も通り過ぎたのか?

いや、そんな元気があれば逃げない筈。

そして、俺はあることを見逃していた事に気が付く。

血だ。尻から垂れた血がある筈。水辺に戻り、改めて森に入る。そして地面には血が数滴落ちた跡がある。

血痕を追ってたどり着いた場所は、例のハチミツの木だ。そこで途切れている。

それだけなら、何故に?で終わっただろう。だが、今俺はとてつもなく動揺している。

アオアシラの代わりにいたのは、少女だった。アオアシラ一式の。

倒れている。息はしているが荒い。

 

――これはまさかの……?

 

まさかまさかまさか、そんな事が?

まさかを連呼するような推測は一旦無視して、少女を担ぎ上げて、ベースキャンプへと走った。

 

ベースキャンプの支給品BOXを漁る。確か、応急薬が支給されている筈。

応急薬は、回復薬と同じ効果だ。支給品かそうでないかの違いしかない。

ビンに緑色の液体が入っている。これだ。

ベッドに寝かした――BCにある物は、BOX二つとベッド一つ。他にあれと言って何もない――少女に飲ませる。正確には、零れないように口に突っ込む。

だんだん応急薬が減ってく。飲んでいる。

中身が空になったのを確認して、ビンを納品BOXに入れる。

 

「起きろ。おい」

 

少女を揺さぶる。案外、それだけで目を開いた。

そして、目が会った瞬間。

 

「殺さないで!殺さないで!」

 

じたばたしながら叫んだ。勿論、全身ガッチリホールドしてるから、逃げられないが。

まあ、推測が当たってる事を全身で表現してくれた少女に、念のため訊いた。

 

「あんた、アオアシラだろ?」

 

少女は、それを聞いた瞬間大人しくなった。

青い瞳で、じっと見つめる。

そして、逆に彼女が訊いてきた。

 

「解ってるなら……どうして殺さないの?」

 

「………」

 

理由はある。

一つ、元から殺る気は無い。捕獲して、ギルド遠い場所に離してもらおうと思っていた。

一つ、この全く想像していない展開への対処を考えるのに精一杯だから。

まず、彼女に幾らか質問。

 

「なあ、あんたはユクモ村近辺に来たのは何故だ?」

 

彼女は、戸惑う様子も、考える素振りもせずに答えた。

 

「ジンオウガから逃げてきた」

 

ジンオウガ、知らないモンスターだ。が、村長さんの予測は的中していた。逃げてきたと言ってるのだから。

 

「んじゃ、人を襲う気は?」

 

むすっとした表情となり、言った。

 

「そっちが襲ってきた。だから攻撃した」

 

返答を纏めると、つまりこうなる。

居場所があればそれで良いと。だったら、それは簡単に手に入る。難しい話しじゃない。

 

「あんたがさ、ジンオウガを狩れば良い」

 

奪われたなら、取り返す。これはモンスターの考えに背いてるかもしれない。

弱肉強食な世界で、それは簡単にできない。

それを解ってるんだろう。少女も言った。

 

「ジンオウガを狩れるのなら、逃げたりしない」

 

ただ………その考えは間違ってる。

そう、アオアシラがジンオウガを狩るんじゃない。じゃあ何かって?

少女から少し離れて、右手を彼女に差し出し言った。

 

「あんたも、ハンターになればいいんだ。俺は歓迎するぜ?」

 

そう、この様子からして、人の姿と獣の姿、自分で切り替えれるんだ。

だったら、人間のふりして()()になればいい。それなら、きっとどんなモンスターだって狩れる。

彼女は、目をパチクリさせて呆けてる。

 

――唐突過ぎたのか?

 

そう考えるしかない。仕方ないか。

だから、俺は「やっぱ何でもない」と言おうとしたが、ある変化に気が付いてやめた。

泣いてる。

 

――地雷踏んだか?

 

モンスターに人間になれって、その言葉がプライドを傷つけたのか?

もう土下座でもして見逃してもらおうと考えたが、それもする必要は無かったらしい。

 

「……解ったよ」

 

彼女は静かにそう言った。

そして起き上がる。それから俺を抱き締めた。

………へ?

そ、そんなに嬉しいんかぁぁあい!

と、心の中で叫ばしてもらった。

 

結局、例の新米ハンターは死んだらしい。

彼女が罪悪感を感じる必要は無いが、というか殺したのが本人なのに、少し泣いていた。

 

まあ、ユクモ村に入っての今回の第一声は、「彼女でも出来たのか?」というタクトの声だった。

それを聞いた少女は、ビクリと全身を振るわせてから、動揺しながら言った。

因みに、現在地は温泉である。

 

「ち、ち、ち、違いますぅ!」

 

「「………」」

 

冗談で言っただろうタクト、そしてまさかそんな反応が来るとは思ってなかった俺。見事に呆けた。

今、他に誰もハンターがいなくて良かったと思う。

余談だが、ユクモの温泉は混浴だ。

 

そして、マイハウスへ逃走した。が、タクトもついてくる。勿論少女も。

 

「そういやさ、あの女の事を一回も名前で呼んでないよな?」

 

そしていきなり痛い所を突いてくるタクト。

少女はそうもそうと言わんばかりに頭を縦に振る。

 

――いや、あんた名前無いだろ?

 

アオアシラに名前がついてるワケないし、あったとしても教えてもらってない。

まあ、敢えてこのタイミングで訊くのもありかもしれない。

 

「いや、そいつに名前を教えてもらってないんだよなぁ……」

 

「……アシラですけど」

 

――それはあかん!

 

「アシラ……まるでアオアシラじゃん」

 

――やべぇ、バレる!!

 

そして、アオアシラの少女はとんでもない爆弾を投下してくれた。

 

「そうですけど」

 

それから、俺はタクトに全てを放すハメになり、呼び方まで一緒に考えるハメになった。

更に、この事が後の面倒事に繋がるハメになってることを、まだ彼は知らない。




アオアシラ擬人化……それの謎を解明するハメになる。
ハメ……今回多い。
新米死んだ……ネコタクは間に合いませんでした。ハンターって命賭けてると思うので、犠牲になってもらった。
ちょっと強いアオアシラ……上位レベルの強さだったり。村クエでそれは駄目だ。
アオアシラの好物……ハチミツなんてくまの●ーさんではないか。
クエの報酬……剥ぎ取り分以外ってギルドが持ってるんだろうな。
殺る気無し……捕獲したモンスターってどうなるんだろう?捕獲報酬分を考えると、ギルドが止めさしてるかも。
ドスジャギィ&ドスファンゴ……こんな雑魚共をカミトが狩るワケない。なので出番無し。
温泉……カミトは入るタイミングを間違えてる。が、リアルだったら疲れを取る為に入っても可笑しくない。
早速タクトにバレる……カミトは嘘が苦手です。少女は更に苦手です。

次回もよろしく。
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