モンスターハンター 最弱で最強の少年   作:夢の天鱗

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誇り高き最強夫婦

現在地、凍土。

凍土は、文字通り寒い。雪が常に積もっている程である。しかも夜だから寒い。

ユウには黙って抜け出してきたのだ。

あの波乱の狩りから三日間、俺達は狩りをしなかった。ギルドにクレームしたら逆に説教はされ、クルトの奴にもモンスター擬人化の件も態々説明。更に更に、俺が狩りをした事を何処かから聞きつけて俺を褒めちぎって――という名の説教になったのだが――華麗に去る教官。

ユウがハチミツ食べたいと騒ぐからユクモ農場――当然俺の領域内だけだが――案内して、ユウのテンションがMAXになり、その暴走を止めたりもした。

……あまりにも疲れた為、気分転換にアオアシラの上位互換、ウルクススを討伐することにしたのだ。

ウルクススは、アオアシラを白くして、細長い耳を上につけたようなものだ。行動も、突進が腹滑り――これが案外速く、しかも直ぐには止まらない為、ウルクススを狩るときは剣士ならきっとおいかけっこになる筈。と、クルトより――に変わっただけだし、苦戦する相手じゃない。

そして、ついでに奥の手を久しぶりに使えるか確認しようとも思う。

この凍土は当然寒く、スタミナを奪われてしまう。それをカバーするのが、ホットドリンクだ。これを飲むと、暫く暖まるので平気である。

ホットドリンクを一気に飲み干して、俺は初の凍土での狩りへの一歩を進めた。

 

ウルクススは、直ぐに見つかった。洞窟の中にいた。凍土には天然の洞窟があり、そこは基本的にギギネブラというモンスターの住処になっている。が、運良くいない。帰ってくる前にウルクススを狩らないといけない。

アオアシラやウルクススは音爆弾に弱い。その理由は耳が良いからだ。だから……

 

「ギシ」

 

足音を鳴らしてしまった。ウルクススは俺に気が付き、威嚇してくる。

 

――悪いが、速攻で終わらさせる。俺とウルクスス以外な全てを頭の中から出す。双剣を抜刀する。その刀身は赤く輝いている。

鬼人化。双剣使いしかできない技だ。スタミナの消耗が激しくなるが、確かな速さと威力が得られる。

 

「そりゃ!」

 

真っ直ぐ突っ込んで行き、斬るふりをして後ろに回り込む。俺の動きが見えなかったようで、ウルクススは反応が遅れた。その隙に、尻へ回転しながら何回も斬る。血が回転している方向に飛ぶ。

二回転した辺りでやめて、回転の勢いに任せて飛ぶ。

ウルクススが幾ら弱くても反応するだろうから逃げた……というのもある。だが、充分なのだ。

鬼人強化。鬼人化した時に、沢山相手を攻撃すると起こる現象。一時的に身体能力が上がる。

そして、リラックスさせて鬼人化を解く。これはあくまでも準備段階だ。

ウルクススは得意の腹滑りで突進してくる。鬱陶しいので、跳びながら音爆弾を投げる。

キィィンと高い音が鳴り、ウルクススは見事すっ転ぶ。

全ての事を、頭から無くす。無心になる。

 

――この感覚だ。

 

何も無い空間に様々な感情が押し寄せる。

こな技は、とういうらしい。鬼神狂化。

息が切れる。もうスタミナの殆どが無くなってきてるらしい。

だから、一歩足を踏み出すだけでフラっとする。

二歩、三歩。それだけで充分だった。双つの剣を重ねて一閃。四歩、ウルクススは真っ二つになり死んだ。

 

「よし………」

 

声を出す。集中が途切れて鬼神狂化は終わる。

ポーチに入れれるだけウルクススから素材を剥ぎ取る。

もう良いか。と、BCに戻ろうとした時だった。

 

「あんたがカミトか」

 

洞窟の外から、真っ赤に燃えるような赤い髪をした、俺と同じと思われる男が姿を現した。

服は革で出来てるいかにも初心者ハンターな格好。

直感で感じた。

 

――こいつ、ヤベェ。

 

と。

だから、俺の得意技逃走が炸裂した。洞窟を廻ってでも逃げようとした。だが、できなかった。

だって……だって……

 

――凍土なのにどうして炎の壁ができるんだぁぁ!!

 

つまり、炎の壁があったからだ。

 

「まさか逃げようなんて思ってないよな?いや、鬼神狂化を使えるような強者が逃げるわけがない……よな?」

 

「ッ!」

 

彼は、俺が鬼神狂化を使ったと言った。

実はこの技、ギルドでは秘匿されている。理由は、スタミナの消耗が鬼人化の比ではなく、それによって死者がでるのが困るからである。

俺をカミトだと言い当てて、しかも鬼神狂化を知っている。

なので、単刀直入に訊いてみた。

 

「あんた、何者だ?」

 

単刀直入に返ってきた。

 

「リオレウスだが……まあ普通なら信じないだろうが」

 

「はぁ?そのリオレウス様が何故色々知ってんの?」

 

リオレウス……空の王者と呼ばれる。

飛竜種と言えば誰もが最初に答えるであろうモンスターだ。雌はまたリオレイアと呼ばれ、陸の女王と呼ばれる。

特徴は、空を良く飛ぶ事と、炎のブレスを吐くことだ。火球だが。

まあだから何だ?だが。それが俺のことなどを知ってる理由とは関係ない筈だ。

彼は、腕を組みながら言った。

 

「何故だろうな?」

 

「んで……何の用だ」

 

スルーしてみた。多分、彼の考えでは俺が深追いするのを予想していたんだろう。だから挑発的にはぐらかしたんだろう。

そして、彼は見事そこでズッコケた。

 

――印象って大事だな。

 

そんな事を考えさせられるシーンだった。

立ち上がって、やれやれといったふうに言った。

 

「明日、あんたを殺す」

 

いきなりの死刑宣告。これは酷い。

 

「どうしてさ?」

 

「強いからだ。強者を殺して、二度と人に力がつかないようにする」

 

――あ、ごめん。皆からしたら俺は雑魚だよ。

 

なんとなく心の中で謝ってしまった。謝るべきシーンじゃないのに。

そして、それを悟られないように睨む。彼もまた、俺を睨む。

それが何分続いたか、寒くてギブしそうになった時、闖入者が彼の後ろから現れた。

 

「コウガって……そういう趣味……だったの?」

 

「何か大変な勘違いをしてないか?」

 

その闖入者は彼に場違いな事を言い、コウガと呼ばれた彼は冷静に返す。

その闖入者は、彼と同じくらいの年齢――見た目的に――の女性で、髪の毛は爽やかな緑で短い。格好は彼と殆ど同じ。

そして、悟った。

 

――陸の女王までお出ましか……

 

あれはリオレイアだ。様子からして、一緒に行動してたワケでは無さそうだ。というか、探してたようにも見える。

俺と彼の顔を交互に五回見てから、彼の前に立った。そして、思いっきり叩いた。

 

「私の事心配するのは良いけどね、そうやってこんな場所まで来て、無理し過ぎ!」

 

「……何の話だ?」

 

「どーせ私に傷をつけたハンター探してるんでしょ?残念ながらあの人は違うしね」

 

……纏めよう。

つまり、彼は、彼女の事を思って所謂復讐をしようとしていたと。

今日殺すとか言わない辺り、ゆっくりと尋問する気だったのだろう。……分かり易い男だ。

そして、彼女を見てみる。だが、傷は見当たらない。

 

――傷非リンク説は合ってたのか。

 

変な感想を抱いてると、彼女が俺に対して言った。

 

「そんないやらしい目付きで見て……そんなに見たいの?傷?」

 

どうやら、傷を確認することはいやらしいらしい。

彼女は更に言った。

 

「ハンターって皆血が好きなんだね……」

 

「何か大切な勘違いをしてないか?」

 

ツッコまずにはいられなかった。そして、妙な既視感を感じた。……が、気の所為だろう。

そして、ほぼその直後、彼はつまらなそうに言った。

 

「明日な」

 

それだけで、後は何も言わず、体が光り、赤き空の王者の姿に変わって飛んで行ってしまった。

 

「お、おい待てよ……」

 

当然、返事は無い。そして、変わりに返ってきた言葉は、俺をある意味で震え上がらせた。

 

「……帰れなくなったから、私を君の家に連れて行ってほしいな」

 

翼がボロボロで飛べないリオレイアことセイカさんの要望にノーと答れる度胸は無かった。

 

 

「はぁ………」

 

凍土に行ったのが夜で合ってただろう。家に着く頃には昼になっていた。

まあ、理由はガーグァ車のガーグァが逃亡して代わりのポポを捕まえるのが大変だったということだが。

もし夜の内についていたら、ベッドの取り合いになってただろう。

 

「うー……眠い」

 

どんな顔して家に入ろうか悩んでいた俺に寄りかかってくるレイア様。

曰く、もう直ぐ産卵期らしく、遊んでばかりいられないだとか。いや、遊ぶってなんだって思ったけど、一応納得したのは良いのだが……

まあ、私はその重さが来るとは予想してなくバランスを崩して、家の前に立っていた俺は倒れる形で入る事になった。

その上、中ではユウが寝間着から――何時から持ってたんだ?――装備に着替えてる途中で……

その後の事は察してください。

 

二人+αで俺達は孤島に行った。

村長に渡されたのだ、「貴方宛の依頼が来てますわよ」と言いながら。

孤島。文字通り島で、船を使わないといけない為、移動が面倒だ。

 

――しかし、また何故俺はレイアレウス同時狩りなどやんなきゃいけないんだ!

 

装備は、俺はウルクスス装備に新調して、双剣もウルクススベースの物に強化した。

そう、防寒対策がされていて()()()()ウルクススの防具に、何方かと言えば()()()()氷属性の双剣に変えてしまったのだ、このタイミングで。

しかもこれまた、狩る筈のリオレイアをレウスがいる所までご案内しないといけないのだ。

もう少し早くハンターとして頑張ってればと今更後悔しながらもレウスを探す。

因みに、ユウは朝の一件とは関係なく不機嫌だ。まあそりゃあレウスレイアに挑むなんていう超高難度に挑むのだ。仕方ないだろう。

 

「やっと来たか。遅いぞ」

 

「いや集合時刻とか無いから、言われてないから」

 

俺は、レイアの巣の近くに立っている男の発言にツッコむ。

彼は、コウガという名前のリオレウスだ。そして、依頼書を俺に渡せと言って村長に依頼書渡した本人だ。

自作自演だが、それも俺を殺る為である。手段は選ばない……選んでください。

そして、セイカはコウガの元に突っ走って、石に躓き、転んだ。

 

――陸の女王って本当かよ。

 

勿論、レウスやレイアなど幾らでもいるが、あのザマを見ると撤回しろと言いたくなるのは俺だけか。

 

「阿呆か、立て」

 

そう言いながらも、手を差し伸べるコウガ。流石夫婦というべきか。

 

「こ、この程度平気だもん」

 

ちょっと子供っぽく言うセイカ。やばぃ、今一瞬可愛いと

 

「目付きがいやらしいですよ」

 

ユウにまで言われた俺は人生オワタかもしれない。

ユウに言われた事をショックに思いつつも、彼に問いた。

 

「始めるのか?」

 

それで充分だ。

 

「ああ……」

 

彼もそれだけで理解したらしく、竜の姿へと変わり、戦いの始まりの合図となるブレスを吐いてきた。

 

二頭のコンビネーションは最高だ。何方かが大技を放つ時は、必ずもう一方がバインドボイスで拘束してくる。

まず、レイアの大技と言えばサマーソルトだ。

ホバリングしてから、空中で一回転させて毒のある棘を持つ尻尾を当ててくる。

レウスの大技と言えばワールドツアーだろう。

姿がギリギリ認識できる程高く飛び、周りながらブレスを何回もして、トドメに急降下。

何方も何回か当たり、朝買ったばかりの解毒薬と回復薬グレートを殆ど使い果たしてしまった。なので、多少リスクはあるが引き離した。

そして、現在に至る。

低空飛行しながら周りを飛びブレスを乱発して、スキ在らば滑空攻撃。

避けて地面に着いたので、チャンスと思ったら全身を横に回転させながらの尻尾攻撃。

それからまた空に逃げて………の繰り返しに見事ハマっている。

鬼神狂化しようにも、鬼人強化するのが前提であり、一撃でも加えないといけないが、一撃も当てれない。

すると、初めての行動を見せた。少し高く飛び上がったのだ。

何が来るのかわからないので、鬼人化しておく。

改めてリオレウスを見てみる。

リオレウスには手が無い。その分大きな翼がある。翼に小さな爪があるが気にするものではない。胴体からは長めの尻尾が生えており、先が少し大きくなっていて、棘がある。短めの首から頭に続いている。

使ってない部位がまだ一つだけある事に気がついた。そして、リオレウスは予測通りの行動をしてきた。

脚から急降下してきた。そして、ピッタリ俺の真上で一瞬止まった。

 

「そこっ!」

 

半円を描くように、右手の剣で左から右に斬り、左手の剣で追うようにもう一度。そしてそのまま流れるようにステップ回避。

俺のいた場所を、血を撒きながら引っ掻いていた。

意識を完全に今の攻撃に集中させた結果、たったの二撃で鬼人強化に成功。

更にそこから鬼神狂化に繋げる。

リオレウスは、上空に撤退しようとしていた。だから、翼に向かって双剣をぶん投げた。

見事に貫通して、バランスを崩して落ちてきた。

地面に触れる直前に体が光り、人の姿に変わった。

 

「……完敗だ」

 

苦笑いしながら彼は言った。だけど、俺が鬼神狂化をしなければ確実に負けていた。

そう思って言った。

 

「あんたは強い。だからよ……」

 

 

私は今、逃げ回っています。

リオレイアが何度も何度も火球を吐いてくるので近づく事もできません。

きっとカミトだったらこなくらいへっちゃらだと思います。避けて近づき、一閃。

でも、私にはできません。無理です。

リオレイアは、やっと火球を吐くのをやめました。

今しか無い。

そう思い、私は走りました。リオレイアは疲れた様子です。今ならいける。

 

「やぁぁあ!!」

 

軽めに跳んで、背中から抜刀。重量にまかせながら斬る。

けれど、狙ったのが頭だったのが運の尽き。一歩下がっただけで避けられました。しかも、その動きはサマーソルトの予備動作でもある。

私は、サマーソルトを見事にくらって空に打ち上げられる姿を想像して、目を閉じました。

痛みは幾ら待っても来ませんでした。代わりに音が聞こえました。

変だと思い、目を開けたらリオレイアは倒れてました。死んでもいないけど。

そして、声が聞こえました。

 

「一つ貸しだよ?おねーさん♪」

 

全身がブルりと震えました。今此処にいる筈の無い者の声がしたからというのもありますが、それがイビルジョーのものだったからという方が大きいです。

 

「もう、あたしが滅龍弾ブチ込んで無ければ今頃どうなったんだろうね?」

 

血のような紅い瞳で私を見ながら訊いて来ました。そんなの、言われなくても解ります。

 

「……ありがとう」

 

つまりは、助けてやったからお礼言えという事だと解釈しました。なので一応言いました。

 

「別にあたしと話してるのは問題無いけど……前見たら?おねーさん、危ないよ?」

 

彼女の忠告通り前を見たら、本当に危なかったです。殆ど目の前で火球を撃つ直前だったからです。

急いで大剣でガード。その直後、また聞き慣れない音。

 

「ふぅ、やっぱり徹甲榴弾の方が気持ちが良いや」

 

リオレイアの翼に何かが刺さっていた。何だろうと思ったら、それが爆発しました。

リオレイアは倒れ、体が光り、セイカさんに戻りました。

 

「参りました」

 

「むぅ……殺り応えが無い」

 

さらっとセイカさんに対して恐い事を言うイビルジョー。

そして、私を見てニコリと笑って言いました。

 

「ちょっと腹ごしらえしてくるから、逃げちゃダメだよ?おねーさん。逃げたら……お・し・

お・き♪だからね?」

 

やはり恐い事を何でもないように言って、ある物を置いて去って行きました。

それは、イビルジョーの尻尾のような形のものから良く解らないものがついていて、そこから鎖が出ていて、次の少し曲がってる棒状の先に鎖が繋がっていて、その次に棒状の真ん中から先が細くなっている長めのものがくっついています。色はイビルジョーの体色と同じで、棒状の部分だけギザギザに赤いラインが走ってます。

その良くわからない物を見ていて、思い出しました。

ボウガン。私は全く気にしていなかったのですが、カミトが紹介してくれた武器の一つで、弾を撃って攻撃するらしいです。

触ろうと思って、直ぐやめました。イビルジョーの機嫌を損ねて食われてしまったらお終いです。

だから、私は……

 

「えーと……セイカさん」

 

セイカさんと適当な話をして、時間を潰しました。

 

 

どうしてこうなった。

今思った言葉はそれだけだ。目の前で――少し距離はあるが――ロアルドロスがイビルジョーに食われている。

隣のコウガは、少し顔を蒼くしている。

 

「……逃げるか」

 

「……意見一致」

 

もう、それだけで充分だった。後ろを向いて全力疾走して、その場を離脱した。

そして、レイアの巣の近くまで来たら、ユウとセイカが仲良さそうに話していた。

ただ気になるのが一点。何故イビルマシーンがある。

イビルマシーンは、イビルジョーの素材から作れるライトボウガンだ。

だが、俺達にはガンナーはいないし、ご夫婦に至っては武器さえ持ってない。

 

――誰のだよ!?

 

心の中でツッコむ俺。本来ある筈の無いボウガンに対するツッコミ。でも、多分その疑問は俺しか抱いてないだろう。

なので、気力でスルーして二人に近づく。

そして、いきなりだった。セイカが目の前まで来て正座した。そして頭を下げて言った。

 

「仲間にしてください!私もハンターにさせてください!」

 

「「………は?」」

 

少し後ろにいるコウガと見事にハモる。

 

「や、やっぱ……ダメ?」

 

今の反応をどう受け取ったのかは知らないが、俺は疾すぎる展開に追いつけず呆けただけだ。

ニヤと笑って言った。

 

「歓迎するぜ?人手は多い方が助かるしな」

 

「ありがとう!大好き!」

 

そう言ってセイカが俺に飛び掛かろうとした瞬間、小石がセイカのデコにヒットした。

しかも威力あったらしくよろめいた。

そして、今聞こえる筈の無い声が聞こえた。

 

「汚物は消毒!あたしのおにーちゃんに触れるな!」

 

全身が硬直した。後ろのコウガ殿は、「誰だ?」と呟いただけだったので、教えてあげた。

コウガの更に後ろで前とは全然違う格好をしてるけどやっぱり紅くなってる少女を指差して言った、「あいつ、イビルだから」と。

コウガは、それを聞いた瞬間真っ青になる。

それをみたイビルは、クスッと笑って言った。

 

「ロアルドロスって水分が多くて肉が少ないから、食い足りないんだよなぁ」

 

「………カミト、どうにかできないのか」

 

蒼から赤に一周した顔で俺に助けを求めるコウガ。だが、実際の所イビルが満腹になるのはありえない事である。

つまり……

 

「冗談はやめたらどうだ?イビルのクソガキ」

 

ある意味では本当の事を言っているが、それを態々言うあたり、嫌がらせだろうと認識。

 

「あたしはレナだよ?それにホントは解ってるんでしょ?マジって事♪」

 

イビルジョー――レナというらしい――は、それを言いながらイビルマシーンに近付き、「よいしょ」と言いながら担いだ。

それから笑顔で言った。

 

「あたしユウちゃんの事助けたんだよ?」

 

絶句した。多分真顔で俺はユウに「嘘だろ?」と訊いた。しかし、返ってきた答えは……

 

「本当の事です。悔しいけど、それは認めます」

 

肯定だった。

 

「ね?だから〜、私も仲間に入れなさい!嫌とは言わせない!」

 

「………コウガ、助けてくれ」

 

「………解った。此処はお互い様だな」

 

 

この日からだろう、俺が仲間を猟団と言うようになったのは。

そして、やはり一番のトラブルメーカーはレナだった。そりゃあ、イビルジョーですから。

本人曰く、人の姿で捕食した方が食べた量を多く感じるだとか。

なので、暇な時はクエストに行かせてる。捕食させに。

 

そんなこんなであの日から一週間。

俺とユウ以外はベッドに入れない為、皆床で寝てる。相変わらずレナはいなかった。

そして……殴られる。俺から順番に、ユウ、セイカへと周る。

つまり、起こされたワケだ。コウガに。

この猟団で一番まともなのがコウガである。

起こされた後は、皆で店に押しかける。腹が減ってはなんちゃらという事だ。

そして皆装備に着替えるのだが、何だか、セイカもコウガも自分と同種の一式にして落ち着いてる。

武器は、ユウが大剣からヘビィに変えて――危なっかしいから強制――コウガが代わりに大剣、セイカは片手剣、レナはハンマーぶん回してる。

そして、その日村長にある事を言われた。

 

「今、この村に危機が迫ってるの」

 

「ジンオウガ……か」

 

この辺りの地域にいない筈のモンスター、雷狼竜ジンオウガ。

俺達猟団の次の狩りは、ジンオウガ狩りだ。

 

 

あたしは、おにーちゃんが好きだ。おにーちゃんはとても優しい、けれど冷酷。

本人でも意識してないかもしれないけど、カミトはとても冷酷。

勿論、だから好きってワケでは無い。けれどそれもまた良い。

そんな事を考えながら、あたしは渓流を散歩していた。

そして、突如聞こえた咆哮。

 

――ジンオウガか。

 

解る。その程度。

多分、誰かが交戦中。それを確認して、私はその誰かが足止めしてくれることを願いつつ、カミトの元へ向かった。




急展開……夫婦の次は犬。少し早過ぎた気もする。
カミト……レナが言ってる(?)ことは暫く謎に包まれるとか何だとか。
名前……ネーミングセンス無くてすみません。
ウルクスス……瞬殺。カミトの敵では無い。
凍土のレウス……そんなのいないです。多分、確か、きっと。←記憶が曖昧。
急展開2……早ければ次の次の次で村ジエンに喧嘩売りに行く猟団。
書き直し……最後の方は一回書き直した。書き直す前は世界観崩壊寸前だった。

グダグダですが、次回もよろしく。
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