25層のボス戦は凄惨なものとなった。24層のボスに比べて予想を遥かに上回る強さで、戦線は早々に乱れた。そしてボスモンスターを担当していた《アインクラッド解放軍》に大きく被害が出たことも大きな要因だった。その後は正に地獄とも言え、ヒースクリフ…アスナのギルドリーダーとエギル、そしてディアベルが壁を務め、私とアスナがじりじりとHPを削ることでやっとのことで倒した。喜びよりも疲労が勝ったのは1層よりそうなかったため多くのプレイヤーがドロップアイテムの確認も忘れ、その場に座り込んだ。
そんなボス戦を経て私も責任を感じずにはいられなかった。口にはしなかったものの、誰もがキリトがいればと思っていただろう。そしていない原因の一端は私が握っているとも。誰かに何かを言われたわけではないが、何層かぶりにケープを被り、人を避けるようになった。そして淡々とクエストを攻略しレベリングをする。そうすることで平静を保っていたように思う。
狼は夜行性だから夜に良い狩り場が出現する。
そう、NPCが教えてくれたのはいつだったか。もちろん 「夜にあの谷に近づいちゃいけないよ。」とか何とか言う台詞だったかと思うが。それは逆に言えば危険は伴うが効率の良い狩り場と変換できなくもない。殺到されて順番待ちするのが嫌だったため暫くは利己的になってしまえ、と始めのうちこそ一人で夜な夜な狩りをしていたが、最近は大分人も増えてきた。見慣れた赤い髪の、戦国武将のような集団も度々見かけた。
「よぅ!セツナ。」
クラインの対人スキルと言うか人当たりの良さと言うか、ただ単に私なんかより大人なだけなのかもしれないけれど、本当に見習わなければならないと思う。
「こんばんわ。せいが出るわね。」
「そっちも遅くにご苦労なこったぁ! ちょっとは休んでもらわないと全然追い付けねーや。」
前線が28層になる頃にはレベルは48を数えたところだった。もちろんクラインは私の正確なレベルなんて知らないはずだが、軽装な割に減らないHPを見てのことだろう。自分では停滞してるなと感じていたが、そうでもないらしい。
「私もソロを貫くからには死にたくないもので。負けるわけにはいかないよ!」
当然、一切手を抜くつもりはない。
「しかしセツナよぅ。キリトとはもう組まねぇのか。」
頭を掻きながら言い出しそうにクラインは言った。その話題を攻略組が出すことは24層攻略会議以来無かった。ふいをつかれて言葉につまった。
「…分からない。私が悪いのか、キリトが私を諦めたのか。」
それは正直な気持ちだった。メッセージに返事をしなかった。様子を見に行って声をかけなかった。いくらでもやりようはあったかもしれないのに何もしなかった。でもそれはキリトも同じで【暫く一緒に行動できない】ただそのメッセージだけで他には何もなかったのだ。それからもう一ヶ月半以上過ぎていた。どうしてこんなことになってしまったのか自分でも分からないのだ。例え25層以降の3層が無事にクリアできていても攻略組の動揺は消えることはなかった。それだけビーターとしての彼より攻略組として黒の剣士は大きな存在になっていたのだ。
「…さっきキリトに会ったよ。」
クラインが見かねたように口を開いた。
「そう…。」
彼のことだからレベリングを欠かしていないことは予想はついていた。クラインはばつが悪そうにその先を続けた。
「ギルドに入ったの、セツナは知ってたのか?」
緑のカーソルに並ぶギルドのマーク。それを見て私は声をかけられなかった。何も言えずに頷いて返した。
「あー…なんかもっと簡単に考えてた。すまん。」
誰にも何も話していなかったため、喧嘩して顔を合わせられないだけ、そう思われてても不思議ではない。現にクラインは今日の今日までそう認識していたのだろう。
「別に…私も何言わなかったし。」
だから謝られる道理は特に無かった。
「なんでまたあいつだけギルドに?」
クラインの疑問はもっともなのだが、
「それが分かってればこんなことにはなってないよ。」
それは私が一番知りたいことで、今までこの世界で誰にも涙を見せたことはなかったが油断をすると瞳から溢れ落ちそうだった。
「俺、俺よう。セツナのことぐちゃぐちゃ言うやつがいたらブッ飛ばしてやるよ。」
「ありがとう。でも言いたい人には言わせとけば良いよ。所詮私はビーターなんだから。」
クラインの気持ちが嬉しくて、本当に泣いてしまいそうになったため、ケープを目深に被りその場を後にした。彼がいなくても攻略組トッププレイヤーでいること。それは私のプライドだった。だから簡単には人に涙を見せる自分なんて許せなかった。
そろそろ新しい武器が欲しい。そう思ったのは前線が30層に到達した頃だった。色んな層に出向いてプレイヤーの鍛冶屋を探す。鍛冶屋にも得意な武器や得意なタイプがある。戦闘時の武器に好みがあるのと同じで。例えばアスナはスピード系の細剣。私の場合は重量系の長槍…出来れば薙刀型であれば望ましい。ランスやハルバードのような重装備型の槍ではなくあくまでも長槍で。といった好みがあるのでそれにあった武器を作ってくれる鍛冶屋を探さなければならない。
あまり行きたい町でななかったが商人や職人系のプレイヤーが集まっている11層にも降り立った。夜は静かでレトロだったが昼間は、大きく雰囲気が違うのが助かった。ところ畝ましとプレイヤーショップが並びそれに集う客たちで随分賑やかだ。
鍛冶屋を見付けては一件一件店頭に並ぶ武具を確認し、好みの職人を探した。
「おねーさん。不景気な顔してるね。」
そんな時ふいに声をかけられた。女の子の声だ。声の方向へ視線を落とすと焦げ茶色の手の加わっていない髪の色をしたミディアムヘアの女の子がいた。どうやら彼女も職人クラスでマットの上には多数の武器が置かれていた。
「あなた…得意な武器は?」
細剣や片手剣に混じって槍の存在を見付けたためだめもとでもきいてみる。
「細剣が一番好きかなー。でも長槍も次いでぐらいには!」
私の武器を確認してか、答えとしては上々だ。ならばと背から愛槍を抜き彼女に提示する。
「これより強いのが欲しいんだけど。」
挑戦的になってしまったか、様子をうかがうと嬉々として武器を手に取りステータスを見始めた。
「スプレンダーグレイブか。モンスタードロップ品のレア武器だねー…強化は10S7Q3Dか。凄いね。」
頷きながら私の武器を分析し、少し考えたあと、少女は一振りの槍を取り出した。
「薙刀型じゃないけど、これはどう?」
金色の刀身の長い槍だった。全体の3分の1ほどもありそうな抜き身にはロングソードを思わせられ、使い手を選ぶことが窺えた。
「一番の自信作だけど売ろうと思ったことはないんだ、使えそうな人に会わなかったから。」
いい武器をくれと言われても売る人を選ぶ、それは彼女の矜持なのかもそれない。
「少し、触ってみても?」
「どうぞ。」
受け取ると刃先を重心にズシッとした感触。それでも耐久値を強化している今の武装よりもやや軽い。要求値は問題なくクリアしてそうだ。ステータスウィンドを開くと、
"リンキングガーディアン"
そう表示された。特殊性を見ても今の武装よりもハイレベルであることは間違いなかった。しかし不思議と手に馴染み、どう動けば良いかも簡単に想像できた。
「いくらで譲ってもらえるのかしら。」
売ろうと思ったことはない、彼女はそう言った。果たして私には権利は与えられるのだろうか。
「その子の強化素材を集めてこれたらそれと交換、でどう?後は手数料だけで強化までしてあげる。」
挑戦的に少女は言い放った。無理だと言いたいのかもしれない。
「素材は?」
「27層迷宮区にあるって聞いてる。」
今いる層は11層。中層プレイヤーには到底無理だろう。しかし。
「分かった。約束ね! 他の人に売ったら承知しないから!」
前線をソロで駆る私にはそう難しいことではない。簡単にそう返事をすると、少女が目に見えて慌てた。
「ちょっと! 無理だと思って言ってるのに! 危ないわよ!」
そう言われて久しぶりに人前でケープを外す。すると息を飲む声が聞こえた。
「…その髪!」
「心配しないで! 大丈夫だから。」
少女があっけにとられている間に再び髪を覆い、27層へ直ぐに発った。そのあと溢れ落ちたのは少女のため息だった。
「《舞神》…だったなんて…。」
27層迷宮区。そう強い敵がいた覚えはないがとにかく隠し部屋とトラップが厄介だったことは覚えていた。あの少女に提示された素材は聞いたことのないものだったからレアドロップ品か隠し部屋にしか生息しないモンスターのドロップかもしれない。しらみ潰しに歩き回ることを覚悟し、自分からトラップをわざわざ踏んで回ることにした。
隠し部屋に入るとまず閉じ込められる。そして通常より少し強い敵が出る。それがパターンだった。閉じ込められるのは精神的に少し辛いが言っても最前線ではないし私の安全マージンは取りすぎも取りすぎなので特に問題はなく歩き回れた。少しずつ指定されたものの一部が集まりだす。なかなか意地の悪い仕組みになっている。あまったらエギルに高値で売り付けよう。そう考えを巡らせていると、なにやら揉めているパーティーが前方に見えた。
片手剣使いが二人にメイス使い、そして槍使いに短剣使い。ソロの私が言うのもなんだがバランスの良いパーティとは言い難い。どうやら隠し部屋に宝箱を見つけ、開けるかどうかで揉めているらしい。
…ちなみに私なら"No"だ。何もない隠し部屋ですらあれだけのトラップ。宝箱があるとなるとなおさら怪しい。だからこそ今まで残っていたと考えるのが自然なわけで…結局隠し部屋へと入っていくパーティに驚き、そんな経験則すらないメンバーなのかと心配になり慌てて後を追った。
「ちょっと! あなたたち!」
私が部屋に滑り込んだところでちょうど先頭メンバーが宝箱を開いたところだった。…間に合わなかったかと落胆する間もなくけたたましくアラームが鳴り響いた。
ビーッビーッビーッ
無情にも扉が閉まり、閉じ込められる。そして四方八方から大量のモンスターが雪崩れ込んできた。まずい。積極的に罠にかかってきた私もこれまで見ていない。考えられるのはさらにランクが上のモンスターだと言うことだ。
そんな状況下、知らないパーティをどう守るかメンバーを見渡すと予想もしなかった人物がそこにはいた。
「キリト!?」
「…セツナ!」
しかし驚いているような猶予がある状況ではなかった。どうにでもなれ、と見知らぬパーティメンバーに指示を飛ばした。
「転移結晶! 早く!!」
呆気にとられていたメンバーたちは直ぐにポケットやらポーチやらを探り結晶アイテムを取り出した。
「転移! 《タフト》!」
そして何度もその言葉を繰り返す。しかし、結晶は静かに光を称えるだけだった。それが示すことはひとつ。
「結晶無効エリア…。」
キリトのその言葉にパーティメンバーは混乱に陥る。でも、今は混乱している場合なんかじゃない。私は今出来る最上位のソードスキル《トリップ・エクスパンド》を四方八方へめちゃくちゃに放った。スタンの追加効果のあるこのスキルをこの状況下修得していて本当に良かったと思う。
「今から道を開く!全員角に寄れ!」
怒鳴り付けると混乱していたメンバーたちもようやく意識を取り戻したようだった。
「キリト!」
「分かってる!」
2ヶ月以上も離れていたのが嘘かのように、なにも言わずとも、私たちは同時に突き系のスキルを発動し、一筋の壁際への道を作った。角に寄り壁を背にすれば後ろからの攻撃は防げるし、何より一部に集中することで全員を一度に守りやすくなる。後はどうにか数えきれないモンスターを倒すだけだ。
前に出ようとするとそれはキリトに遮られた。
「俺がやる。」
そこからは見事だった。暫く本当に前線を離れていたのか。効果的に技を繰り出し敵を凪ぎ払う。無駄がなく、最低限の労力で敵を倒していく。そんなキリトのお陰で取り零したモンスターを叩くぐらいの余裕は残りのパーティーメンバーにも出てきた。その辺りで私は未だ鳴り響く宝箱に気付き、叩き潰した。
彼女のみたことのないソードスキル。《舞神》とは誰が呼び出したのか、それを見て本当に彼女の切っ先は舞うのだと感じた。艶やかに、大胆に敵を屠ふるのだ。キリトは今まで何を意地を張っていたのだろうかと目が覚めたような思いをした。彼女の怒声を聞いて目を冷ましたのは俺もだった。彼女の思考が手に取るように分かる。それが噛み合った時、やはり自分の居場所はそこにあると感じた。彼女が全力で俺たちを守ることも何もかも見通せた。だからこれは俺の懺悔なんだ。今までギルドメンバーにひた隠しにしていた上位のソードスキルを解放して、俺はモンスターの殲滅に走った。
戦闘が終わり、扉が開いても暫く誰も口を開かなかった。疲労とあるいは情況に混乱してのことだっただろう。
「さてと。」
立ち上がりその場を離れようとしたセツナを俺は止めなくてはならなかった。
「待って!」
しかしそれをしたのは俺ではなく、ギルドメンバーの紅一点、サチだった。その言葉にセツナは足を止め、振り返る。
「あの、ありがとう。助けてくれて。」
もじもじと言葉を紡ぐサチにケープの下でセツナが薄く笑ったのが見えた。
「どういたしまして。ここ、トラップ危険なダンジョンだから気を付けてね。」
それだけ残すと再び去ろうとするセツナを今度こそ引き留める。
「セツナ!」
俺のその声に足を止めたが振り返ることはしなかった。ギルドメンバーたちが知り合いなのかと驚くのも気にしない。
「話したいことが、あるんだ。」
何を言って良いかなんて分からなかった。ただ話をして、分かり合わなきゃいけない。
「…私はここには素材集めに来ただけだから。」
取り付くしまもない回答に、俺はセツナの方へと足を進めた。
「俺にチャンスをくれ。」
そして、彼女にデュエルを申し込んだ。
「俺が勝ったらセツナは話を聞く。セツナが勝ったらセツナの言うことを聞くよ。」
すると少し考えた後、彼女は頷き《初撃決着モード》を選択してデュエルを了承した。
ギルドメンバーには何が起こっているか全く分からないだろう。それでも俺はやらなければならなかった。1分間のカウントダウン。やるべきことを巡らせた。
11層の転移門広場でケイタを迎えた。ギルドホームを買いに行った彼に今日貯めたコルを渡すと驚いていた。俺以下皆少し誇らしげに、そして恥ずかしげにしていた。
「ケイタ、俺大事な話があるんだ。」
本来ならこんな場所で話すべきことではないのかもしれない。ただ他のメンバーにはもう話したことだった。
「なんだよ。改まって。」
ギルドホームにそれを整える資金。ケイタは上機嫌で答えた。
「…今日限りで《月夜の黒猫団》を脱退させて欲しい。」
しかし俺がそう言うと固まって直ぐには返事は帰ってこなかった。
デュエルはセツナの勝ちだった。勿論、負ける気なんて毛頭なかったがリーチの長さで勝り、ずっと前線で戦い続けてきていた彼女にあっさり勝ちを譲ってしまった。…実際どこから飛んでくるか予想しにくい攻撃軌道に成す術もなかった。負けた俺は罵られることを覚悟した。初めこそ何の返事もないセツナに苛つきはしたものの、どう考えても何の相談もなしにギルドに入った俺が悪かった。だから、もう私に関わるな、なんて言われることすら覚悟したし、こんな反応されるとは思ってなかったんだ。
「…帰ってきて。」
小さな声で呟かれたその言葉は俺の望みで。
「え…。」
幻聴かと一瞬信じられなかった。
「前線に戻ってきてよ…。」
小さく震える肩にケープをめくると赤い瞳は潤み、頬は瞳よりも紅く染まっていた。
彼女の強さにずっと隠れていたから知らなかったんだ。いくら強くても、セツナだって女の子には違いないってこと。…当たり前のことなのに。思わず抱き寄せると、ハラスメント表示が出ているのもお構いなしにセツナは暫く俺の肩で涙を流した。暫くは呆気にとられていた《月夜の黒猫団》メンバーにはからかわれたのは勿論、事情を説明しなければならず、大変な思いをした。なんせ《舞神》様は本人が思っているよりも随分と有名だって俺は中層に降りて気付かされるような存在でもあったし、ずっとひた隠しにして来たソードスキルを全てオープンにしてしまったのだったから。
そんなことがあり、他のメンバーはもう折り込み済み。あとは俺をこのギルドに勧誘してくれた彼に本当のことを話さなくてはならない。
「今まで嘘をついていて悪かった。俺、本当は攻略組で…元ベータテスターなんだ。」
さすがに自分でビーターと言う気分にはならずそう言うとケイタは思い当たることがあったようで、出迎えメンバーの一番後ろに控えていたセツナの姿を認めると、ややあって口を開いた。
「もしかして…ビーター…黒の剣士。」
それは答えずとももうケープを被っていなかったセツナの存在がケイタに示していたようだった。すると諦めたように彼はいった。
「そっか。なんで嘘をついて今まで一緒にいてくれたかは聞かないよ。キリトのお陰で随分強くなれたのは間違いないし。」
いなくなって戦力ダウンは免れないけどなと快く笑う彼の笑顔は俺がギルドに入った時と全く同じだった。
「…ありがとう。」
彼の温かさが何より嬉しかった。
「…彼女は…。」
答えは知っているのだろう。プラチナブロンドの槍使いはアインクラッド屈指の有名人だ。
もう、迷うことはなかった。
「…俺のパートナーだよ。」
振り向かなくても後ろで彼女が笑ったのが分かった。
結果、ギルドのメンバーを引き抜いてしまった私は彼らにたまに会いに行くことを約束した。キリトの元ギルドメンバーたちは私の友人にもなった。知り合いのあまり多くない私にとってそれは非常にくすぐったく、嬉しいことであった。女の子がいたのが何より嬉しかったし。サチは今は片手剣士だが以前は槍使いだったらしく憧れてたの、なんてなんの恥ずかしげもなく言われてこっちが恥ずかしくなってしまったぐらいだったが。
27層へ出掛けたときはこんなことになると思わず、足取り軽く鍛冶屋の少女の元へ向かった。
「ただいま。」
声をかけると少女もおかえりと返してくれた。
「何か、吹っ切れたみたいね。」
「まぁね。」
そう答えるとリンキングガーディアンを彼女は差し出した。そして予想だにしないことを言うのだった。
「今のあなたにならあげる。その代わり、きちんと私に見せに来ること。」
それは専属の約束のようだった。そう言われて私の方が戸惑っていると
「表情が見違えたもの。今なら託してもいいよ。…それに《舞神》に宣伝してもらえたら良い効果になりそうだし!」
と照れ隠しか本音か商魂を最後に覗かせた。
「有りがたく頂戴するわ。私はセツナ。あなたは?」
鍛冶屋の少女の名前を知らなかったこと今更ながら気付いた。
「セツナ…ね。私の名前はリズベット。リズでいいわ。」
今日はなんて日なんだろう。友達が沢山でき、日常も帰ってきた。それはもしかしたらこの新しい相棒との出会いのお陰かもしれないと思った。
今度はこの愛槍に見合うよう、私が守る番だ。
「今度友だちも連れてくるよ!」
そうリズに伝えると転移門で待つキリトの所へと向かった。
背中では金色に光る刀身が鮮やかに夕陽を反射していた。
《月夜の黒猫団》編終了です。
二人の間にあるのは恋愛感情ではないと考えてます。
サチがセツナに憧れている設定はもうちょっとちゃんと書きたかったので後日番外編的に書けると良いなと思います。
セツナLv45→48に訂正しました。