東方仙道録   作:ノルドの風邪

3 / 4
夢中になって書いてたら文字数が増えてしまいました。読みにくかったらすいません。


第2話 友情の波紋疾走!

豊郷耳神子の道場の朝は早い。毎日仙人を目指し厳しい修行に身を投じる門下生が後を絶たず、全員の面倒を見るにはこの時間からの開始が必要があるのだ。

そしてその道場の創設者兼師範の豊郷耳神子は朝早くから道場に赴き最低限の掃除をするのが日課になっていた。今日も神子は日課の掃除を終えそろそろ来るであろう門下生達を待っているのだが

 

「おかしいですね。そろそろみんな来るはずなのに誰も来ません。別に定休日でもないのに」

 

生徒どころか側近の布都すら来ないのだ。もしかして自分が間違えたのだろうかと思い始めていると

 

「残念だが待っても誰も来やしないぜ豊郷耳神子」

「はっ!何者です」

 

突如聞こえてきた男の声に彼女は反射的に攻撃を放つ。しかし、その一撃は空を切ることなる。

 

「誰だって顔してんで自己紹介させてもらうぜ」

「…」

 

180センチ以上はある大柄な体に、スーツの上からでも分かるほど鍛えられている胸筋。顔を斜めに横切るように傷が付いており相当の修羅場を潜り抜けてきたことを窺わせる。

男は被っているシルクハットを直し胸を叩いて宣言した。

 

 

「俺はお節介焼きのスピードワゴン!!あんたの道場の看板を貰いに来たぜ!!」

 

 

第2話 波紋疾走

 

 

「なっなっなな…俺が豊郷耳に喧嘩を売るうううう!!か…かか勝てるわけがねえ!!」

 

ジョースターさんから作戦を聞いた俺はあまりの無茶振りに腰を抜かしてしまっちまった!けどそれは仕方ねえことだ!ジョースターさん達みたいに仙人の修行を積んでいないただの人間の俺にジョースターさん達が束になっても勝てない相手に喧嘩を売れなんて!腰を抜かして当然だぜ!

 

「スピードワゴン!別にタイマンを挑んで勝ってこいって言うわけじゃない。ただ豊郷耳の気を引いて欲しいんだ」

「つまり囮役ということじゃよスピードワゴン君」

「囮役…俺にそんな大役務まるのかよジョースターさん!」

「スピードワゴン…君しかいないんだ。僕達の目的は1つだろ。可愛い女の子の恥ずかしがっている姿を見るために、エロ本の規制の激しい幻想郷で見るエロを求めるも誓ったあの時から!」

「ジョ…ジョースターさーーん!」

 

あの日のことを忘れていなかったなんて…エロ本の規制の激しさから人里のスラムで荒れていた俺に手を伸ばしてくれたあんたの手の平の大きさ…俺は忘れたことはないんだぜ!

 

「覚悟は出来たかいスピードワゴン君!わしらの目的のために豊郷耳のエロい顔を見るために!力を貸してくれ!」

「おう!覚悟はとっくにして来たんだぜ!俺はどうすればいいんですかジョースターさん!」

 

そこからジョースターさんの話した作戦はシンプルかつ大胆な物だった。俺が豊郷耳の気を引き、旦那が豊郷耳の動きを封じ、ジョースターさんがその隙にジョースターさんが豊郷耳の性感帯を調べる。かなりのシンプルさ!

 

「しかしそのシンプルさが逆に期待を膨らませやがる!やれるって思わせてくれるんだぜ!」

「この作戦は僕達のコンビネーションに全てが掛かっている。しかしスピードワゴンがどれだけ彼女の気を引きつけられるかが作戦の成功率に大きく関わってくる」

 

ジョースターさんの両の手が俺の肩に。ジョースターさんなんて真っ直ぐな瞳!

 

「僕らの命…君に預ける。スピードワゴン。君が頼りだ」

「…へへ。ならこの俺様の華麗な演技を見せてやるとしますか!あんな女一発で騙し切ってやりますぜジョースターさん!」

 

 

 

(なんてジョースターさん達に大見得張って来ちまったんだ。完璧に騙し切ってみせる。この女のエロい顔を見るためだ!やってやるぜ!)

 

「スピードワゴンさん…ですか…」

「おうよ!人里の貧民街からやってきたぜ」

「なるほど、道場破りといっていましたが私の情報もある程度は調べてきたようですね。私の能力の射程距離を把握しているとは」

「心の声を聞くなんて絶大な情報源を持つあんたに卑怯なんて言われる筋合いはねえぜ豊郷耳!」

 

その言葉を皮切りに俺に明確な敵意をむけてきやがった!なんて威圧感!今まで様々な人間を見てきた俺には分かる!こいつは本気で俺を敵と見なしやがった!さっきまでとは目が違う!

 

「見たところ仙道を嗜んでいる訳では無いようですね。言っておきますけど能力を使った訳ではありません。その程度聞くまでありません」

「へっ!確かに俺は仙道は使えねえ!だけどな!仙道が使えなくとも戦うことは出来るぜ!」

 

シュバァーーン(シルクハットから刃が出てくる音)

 

「てめーの骨ごと切り刻んでやるぜ!スペルカード!『貧符!貧民街の掟(ルール)』チェケラー!!」

「…」

 

スピードワゴンの放ったシルクハットは一瞬の内に無数!空間を切り裂く様に不規則な弾幕!コマのように回転するそれはスピードワゴンのスペルカード!

 

「こいつの刃は当たれば大木をノコギリで切断するようにズタズタにてめーの肉体を切り裂く!そしててめーのその位置では囲うように配置したこの弾幕を回避するのは不可能!スペルカードすら構えてねえあんたじゃ防御するのが最善策のはず!これでチェックメイトだぜえ!!」

 

豊郷耳は抵抗しない。すでに抵抗するのは不可能!そしてスピードワゴンのスペルカードは豊郷耳のいた場所に着弾!回避は不可能!道場の床をズタズタにしたことにより煙を撒き散らすことになる!

 

「や…やった…のか。本当に俺が勝ったの「これで終わりですか?ならば期待はずれですね」なっ…なんだ!俺は勝利の喜びから来る幻聴でも聞いてんのか!!」

 

晴れていく煙!そしてそこには無傷で変わらず佇む豊郷耳の姿!何故!スピードワゴンの脳裏にはそんな疑問が過る!

 

「おっ…俺の弾幕は完全にあんたの逃げ場を封じていたはず!どうやって逃げやがった!」

「簡単ですよ」

 

豊郷耳は服に着いた埃を手で叩きながら答える!その姿からは少しの焦りをない!間違いない!彼女はスピードワゴンを取るに足らない相手だと判断したのだ!

 

「あなたの弾幕は確かに四方そして上もカバーしていました。しかし軌道が悪かった!全ての弾幕が私の足下の床に着弾しました。それもほぼ同時に」

 

自慢気にスピードワゴンの弾幕を解説する豊郷耳!そしてスピードワゴンはその言葉と同時に確信した!豊郷耳の眼を見て確信した!

 

(こいつ…完璧に厨二病を患ってやがる!しかも無意識!プライドが創り上げた純正品!これはそうとういい反応が見れそうですよジョースターさん!ツェペリの旦那!)

 

「つまりあなたの弾幕は全てが方向は違えども全て同じ軌道だったと言うこと。なら全ての弾幕の軌道を予測することは赤子の手を捻るようなものです」

 

豊郷耳は完全に自分の世界に入っている!スピードワゴンは確信した!自分のチンケな弾幕を放つことによって豊郷耳の注意は完全にこちらに向いている!厨二病は自分の世界を人に聞かすのが好きなのだ!かまってちゃんなのだ!やるしない!今がチャンス!絶好のチャンス!

 

スピードワゴンの放った弾幕はただの弾幕でも注意を引くための物でもない!それは合図!外にいる仲間に送る豊郷耳の能力に邪魔されない合図!

 

(やっちまえーー!!テェペリの旦那あああ!!)

 

 

 

道場の外

 

(スピードワゴン君の放った弾幕の着弾した音!そして弾幕勝負慣れした豊郷耳ならほとんどその場を動かずに回避するはず!)

 

ツェペリは道場の外で豊郷耳の能力の範囲に入らないように大きめに距離を離し、静かに道場を眺める。もちろん波紋の呼吸は怠らない。より練度の高い波紋を放つために!そしてそれを豊郷耳に放つために!

ツェペリは深く呼吸する。それは彼の能力である波紋を使用するための準備!

 

(スピードワゴン君…わしは君を軽んじておった。まさかこれほどの大役を完璧にこなすとは!君との友情!その友情とわしの波紋も呼応して練度をあげておる!)

 

内部の状況はほとんど分からない。スピードワゴンが大きめに音を出すために床を大袈裟に抉ったため辛うじて位置を特定出来ているだけ。もしかしたらすでにスピードワゴン君はやられているのかもしれない!

 

(君がわしを信頼してくれたように!わしも君に命を預けたぞ!)

 

練り上げた波紋を腕に一点集中!テェペリの波紋を纏った拳はまるで木のような茶色の光を帯びる!これで全ての準備は整った!

 

(これがわしらの友情の一撃!受けてみよ豊郷耳!!)

 

「ズームパン〜チ!!からの木を通して伝わる波紋!『茶色の波紋疾走(ブラウンウッドオーバードライブ)!!』」メメタァー!!

 

(伝わるのじゃあ!わしらの友情の波紋疾走(オーバードライブ)!!)

 

 

 

道場の中

 

 

「私の回避方法は簡単。屈んでバックステップしただけです。何故バックステップだったかと言えば貴方からの追撃を警戒したからであったビビった訳ではありません。聞いているんです」

「…すまねえな。昔からくそ長い説法が始まったら居眠りし続けたせいかもしれねえが、どうにも頭に入ってこないのよ!説法ってやつはよ!」

「なるほど。なら居眠りする生徒への対応は、寺小屋の先生を見習い体罰でやらせて頂きますよ。それともさっさと尻尾を巻いて逃げてもいいんですよ」

 

(そう言いながら一歩また一歩ゆっくり距離を詰めてきやなる!後数歩動かれたら奴の能力の射程距離に入っちまう!)

 

スピードワゴンは少しでも時間を稼ぐために後退しようとする。しかし彼の足は動かない!

 

(硬直してやがる!まるで針山に磔にされてるみたいにまったく動かねえ!!なんて威圧感!

まさに絶体絶命!このままでは恐らく俺は助からねえ!だが!俺は恐怖を感じちゃいない!自分でも不思議だ!俺の足は完全にビビっちまってるのに心は全く折れてねえ!これも2人との友情が俺を支えてくれてるからだ!)

 

豊郷耳の歩みは止まらない。そして後一歩。後一歩近付かれればスピードワゴンは豊郷耳の能力射程距離に入ってしまう。しかし、スピードワゴンはその一歩に笑みをこぼした。豊郷耳はその笑みに一瞬足を止める。スピードワゴンが反射的に浮かべた笑みは豊郷耳を警戒させ、そしてその停止は。

 

(たく!美味しい状況だぜツェペリの旦那!)

 

「なっ!!こ…これは…」

 

ツェペリの『茶色の波紋疾走(ブラウンウッドオーバードライブ)』を直撃させることになる。

 

 

豊郷耳は焦っていた。自分の能力を超えての不意打ち。スピードワゴンに気を取られ注意を怠っていたせいで能力の範囲が狭まっていたことを彼女は今気付いていた。そしてもう1つ彼女を驚かせていることがあった。

 

(この私の動きを止めた!!私には博麗霊夢ほどの力は無くてもある程度の攻撃には自動的に結界が作動するはず!それにこの道場は私の空間!私に対する敵意を持った攻撃はそもそも通さないはず!私の二重の防御を作動すらさせないなんて!どんな能力!)

 

豊郷耳を護ってた結界。波紋には結界を超える能力はない。なら何故ツェペリの波紋疾走(オーバードライブ)は豊郷耳に届いたのか。それはただ一重にツェペリ黄金の精神(純粋な下心)が成した必然。ツェペリ達の純粋なエロに対する情熱は敵意も無ければ攻撃でも無い!

そしてその黄金の精神(純粋な下心)持つ者はツェペリだけではない!!

 

「そしてこれが!僕らの友情の結晶だあああ!!」

「なっ!上」

 

(拳に溢れるピンク色の波紋!あれこそがジョースターさんの十八番!!)

 

「受けてみよ豊郷耳!これが僕の!ジョナサン・ジョースターの波紋だああ!!」

 

落下してくる195センチのボディ!豊郷耳はツェペリの波紋により動けない!そして彼の黄金の精神(純粋な下心)に結界は無意味!

 

(行くのじゃああ!!ジョジョおおお!!)

「行けえええ!!ジョースターさあああん!!」

 

「桃色の波紋疾走(エロティズムオーバードラアアアイブ)!!」

 

ドキュウ〜〜ン!!




スピードワゴンに()を使わせると地の文いらないんじゃねってなります。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。