革命機ヴァルヴレイヴ 〜改 VVV計画の呪い〜   作:がんしん@ゆーき

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第1章 呪いは再び

「なぁ、知ってるか?VVV計画って。」

どこからともなく、そんな声が聞こえてきた。

(知らない奴なんかいるわけないだろうが。バカなのかアイツは)

少年は、声の主の方へ目を向ける。声の主は9〜11歳ぐらいだろうか、態度の割に幼く見える。

(知ったかの自慢か、バカな事言って後で馬鹿にされたらチョーウケるよな。)

少年は、そんな事を考えながら自らの脚を動かし目的地へと足を進める。

(VVV計画・・か、あんな計画ただの研究者の自己満足じゃないか)

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VVV計画・・それは今から200年ぐらい前に行われた人間を超えた霊長類を作り出すための計画だった。

マギウスと呼ばれる生命体を中に閉じ込め人間と契約する事で起動した、戦闘用人型起動兵器だ。この計画にはジオールのモジュール77、咲森学園の生徒達が実験台としてヴァルヴレイヴに対応出来るよう、受精卵の時点で調整されていた。

ヴァルヴレイヴには最大の欠点があった。ヴァルヴレイヴ自体というよりも、中に閉じ込められたマギウスの欠点と言うべきか。ヴァルヴレイヴの燃料は物質ではなくルーンと呼ばれるものであった。ルーンはパイロットが人間の血を吸う事。そしてパイロット自身の記憶、命から得るものだった。ヴァルヴレイヴ最初のパイロットである時縞ハルトもルーンの大量放出により命までを使い死亡している。

 

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「なぁなぁ、時島ぁ」

学校の休み時間、友人の万丈目に声をかけられる。

「いいよなぁ時島、字が違うけどさぁ、ときしまだぜ?」

万丈目はいっつもそうだ。

「いいなぁと言われてもな実際、時縞ハルトとは全くの無関係だしなぁ」

「お前も世界と戦う少年になれよ、時縞ハルトじゃなくて

時島ハルヤ、なんてさぁ」

「今時、何で世界と戦うんだよ」

ハルヤが鼻で笑うと、

「わっかんねぇぜ?もしかしたら今急に新生ドルシアにせめこま・・」

最後の何文字かを言い終える前に街は巨大な爆発音に包まれる。

「う、うそだろ⁉︎」

ハルヤが絶句し、

「せ、せめこまれた」

万丈目もまた絶句しているが、どこか楽しそうなところが感じられる。

「なぁ、どうする⁇」

万丈目がハルヤにつぶやくと、

「わかんねぇよ、どうすりゃいいのかなんて。だけど、どうだ?お前の言うとうり戦ってみるか?」

「で、出来んのか?ドルシア相手に」

当然すぎる万丈目の質問にハルヤは、

「可能性はゼロじゃない。」

一言そう呟き、自宅のガレージに向けて走り出した。

 

ハルヤの家のガレージ前で万丈目は感嘆の声を漏らしていた。

「いつ見てもムダにばかデケェなぁハルヤんちのガレージ」

「ほんと、ムダにデカいんだ。だけど今だけはこのばかデカさと、俺のムダな機械知識にメチャメチャ感謝してんだ。」

そう言うとハルヤはガレージに入っていった。ハルヤを追いかけてガレージに入った万丈目は目の前に信じられない物を目にし、目を丸くしていた。

「ヴァルヴレイヴ1号機・・・・⁉︎」

「そう、去年拾ったんだ。そんで自分なりに修理、改修した形だ。」

「まさかハルヤ、これを使うつもりじゃ」

「使う気が無かったら、ここまでこねぇさ。」

そう言い残し、ハルヤはヴァルヴレイヴのコックピットに飛び込んだ。

「ピノっつうんだっけ?出てきてくれ」

ハルヤはコックピットに入るなりコンソールパネルに声をかけた。すると今まで真っ黒だったコンソールが蛍光色に発行し3Dの少女が現れた

「呼んだ?」

「あぁ、呼んだよ。なぁ悪いんだが時縞ハルトじゃないがコイツ起動できないか?」

「できる‼︎」

ハルヤの質問にピノは元気に答える。

「ハルトとエルエルフの意思まだこの中にある。」

ピノが呟いた。

「そりゃぁ、頼もしいね。」

そして、コンソールを見てハルヤは絶句した。これは時縞ハルトの意思なのだろうか。コンソールにはハルヤの知るニンゲンを辞めるかのフレーズではなく、同じような羅列で記されていた。

 

 

ニンゲンシンジマスカ? YES/NO


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