【トリップ】それでも、私は生きている   作:月乃夜桜

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遅くなってしまい申し訳ないです…!

今回はハルルの樹を見に行くところ~となります。




11戦目

・・・

 

ハルルの樹を見に行ったユーリ達はその樹の大きさに圧倒される。飛鳥もさすがにここまで大きな樹は見たことがなく、思わず声が出た。無理もない。何故なら、飛鳥の住んでいた現実世界にもあるには、あるが飛鳥が済んでいた近辺にはなかったからである。普通の大きさの木であれば、そんなに驚きはしなかったのだろうが。と、そんな風に飛鳥が樹を眺めていると、ユーリの言葉が耳に入る。

 

「なあ、どうせ治すんなら、結界の方にしないか?」

 

「え?」

 

飛鳥は、エステルが怪我人を治すということに対して、そう言ったのだろうと思って何も言わず、成り行きを見ていた。その間、何故かラピードがこちらを睨んでいたが、ここでどうこう言ったところで何も変わらないだろうことはなんとなく察していたのでできるだけ目を合わせないように、樹を眺めているのだった。すると、そこへうつむいたカロルがやってくる。元気がないカロルに、エステルが声をかける。一緒に樹を治すのを手伝ってほしい、と。すぐ近くにいた老人も、原因を調べてくれているといった。しかし、なんだ、とそんなことは知ってるとでも言いたげな返事を返すカロル。どうやら樹が枯れてしまった原因を知っているようだった。

 

「理由なら知ってるよ。そのためにボクは森でエッグベアを……」

 

「ん?どういうことだ?」

 

「土をよく見て。変色してるでしょ?」

 

カロルの言う通り、足元の土を見てみる。確かに、よく見てみると土が変色していた。彼が言うには、街を襲った魔物の血を土が吸い、その血を吸った土が樹にとって毒になっているのだと話す。原因を話してくれたカロルにエステルは物知りだと言い、カロルも

 

「……ボクにかかればこんくらいどうってことないよ」

 

と言うのだが、その顔は暗いまま。飛鳥はこの先の展開もある程度は把握しているし、今のカロルがどのような状況かというのも、一応ではあるが知っている。が、正確なところまでは覚えていないところも多数あるため、断言はできない。おそらく彼が所属しているというギルドが関係していると思われるが。

ユーリが樹の原因になっている毒を取り除く方法はないか、とカロルに尋ねる。カロルはある、とは言うが誰も信じてはくれないと言ってまた俯く。そんな彼にユーリは近づいて目線を合わせて問う。ユーリの目を見たカロルは、自信な下げではあったが答えてくれた。それは、パナシーアボトルという道具で、それがあれば治せるとのこと。それがわかればと、ユーリ達はよろず屋に行き、パナシーアボトルを買いたいというが、ちょうど切らしていてないのだそう。材料があれば合成できると聞き、その材料を聞く。ユーリはまた材料がそろえば来るとだけ言って、近くにいたカロルをクオイの森に行くと誘い、クオイの森へと足を運ぶのだった。

 

・・・

 

クオイの森に再び足を踏み入れ、進むユーリ達。途中で何度か戦闘があったが問題は何もなく、進んでいく。そこで、カロルが質問を投げかける。

 

「ねえ、疑問に思ってたんだけど、ふたり……ラピードもなんだけどなんで魔導器(ブラスティア)持ってるの?普通、武醒魔導器(ボーディブラスティア)なんて貴重品持ってないはずなんだけどな」

 

「カロルも持ってんじゃん」

 

「ボクはギルドの所属してるし、手に入れる機会はあるんだよ。魔導器発掘が専門のギルド、遺構の門(ルーインズゲート)のおかげで出物も増えたしね」

 

「へえ、遺跡から魔導器を掘り出してるギルドまであんのか」

 

「うん、そうでもしなきゃ帝国が牛耳る魔導器を個人で入手しようなんて無理だよ」

 

その話を聞き、飛鳥は引っかかりを覚える。そう、遺構の門にだ。そしてすぐその原因がわかり、納得する。

 

―あぁ、そっか。あれなんだっけ。まぁ、ずいぶん先だし、忘れてそーやなぁ…まぁでもそのほうがいろいろと余計なこと言わなくて済むし…

 

ぼうっとしながら最後尾を歩いていると、急に声をかけられた。

 

「ね、アスカも持ってるの?」

 

「え?私ですか?持ってませんよ」

 

「えぇ!?持ってないの!?」

 

カロルに驚かれ、首をかしげる飛鳥。特におかしいことは言ってないはずだ。なら、何故彼はこんなにも驚いているのだろうか。

 

「ん?そんなに驚くことか?さっき自分で言ってたじゃねえか。武醒魔導器は貴重品だって」

 

「だって、アスカ動きがすごかったじゃん!あれが武醒魔導器なしの動きとは思えないよ!それに、技名とか言ってたでしょ?それで発動してたし…」

 

「……私、技なんてありませんよ?身体能力も悪いほうですし…」

 

飛鳥は思わぬところで突っ込まれ、内心慌てる。が、それを表に出すことなどしない。それに、掛け声的な意味で「当たれ!」「はっ!」などの声を出す事はあるが、ユーリの「蒼破刃」やエステルの「ファーストエイド」のといった技を繰り出したり、術の詠唱をしたりということはしていない。何故なら、飛鳥はいまだにユーリやエステルの持つ、術や技を習得していないからだ。

動きに関しては、ようやく前後にステップができるようになったかもしれないという程度で、本当にできているかは怪しい。ガードは武器があるためか、一応できるようだがそれでもしないほうが多い。加えて言うなら、飛鳥は武器が銃とチャクラムだ。どちらも遠距離で戦うための武器のため、前線に出て戦うこともめったにしない。チャクラムを使っているときは近距離戦もできなくはないが、今の所はしたことがない。

となれば。何がおかしいのだろう?飛鳥は頭をひねる。どうしてもカロルの言う、おかしい、というその「動き」がわからない。

 

「嘘ぉ!?じゃあ戦いなれてるの?」

 

「…どう、でしょうか……生憎と記憶がないので…わかりませんね…」

 

「そ、そうなの!?」

 

「ええ。なので、慣れているのかすら…わからないんです」

 

「そっか…早く記憶が戻るといいね!」

 

「はい」

 

飛鳥も、カロルに言われて自分の衣服を軽く探ってみたが、特に何もない。ユーリやエステルのような腕輪もラピードのようなリングのようなものを身に着けているわけでも、カロルのような埋め込まれているものを持ち歩いているわけでもない。となれば、自分は持っていないと判断すべきだろう。カバンやチョーカーといったものに埋め込めるものであるため、持っているということもあり得るかもしれない。だとすれば。

 

―うちの持ってるもんだったら、銃のホルスター?それとも腰のベルト?でも特に何の変哲もないやんな…宝石とかついてないし…ベストとかも何もないしなぁ…

 

もしも、持っているのならば。ならば、まだ技や術を覚えてるレベルに達していないだけなのかもしれない。残念ながら自分が今ゲームで言えば何レベルになっているかというのは全くわからないが、まだ序盤という事もあって、9か10あたりだと思いたい。普通にレベル上げもせずに進んだのであれば、もっと低いのかもしれないがゲームではないのでこの戦闘回数がレベル上げをしている部類に入るのかそうではないかすらわからない。

 

―んー…まぁ、どうせうちは術なんて使わんやろーし、技は…まぁあってほしいけどなくても皆がどうにかしてくれる……いや、一騎打ちイベを組み込まれたら死ぬ!!決定打がないと相手にやられるし!

 

もんもんと考え事をしつつ、再び森を進んでいく飛鳥だった。

 




というわけで、今回はあまり進んでいませんが、ハルルの樹を見に行くところ~クオイの森へエッグベアを探しに行くというところまででした。

次回は引き続きクオイの森~となります。

夢主のレベルは今で10くらいです。


※ネタバレしておくと、一応夢主は武醒魔導器は持ってます。どれだとかどこだとかまでは明かしませんが(笑)
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