今回はリタにユーリが話しかけるところ~になります。
ノール港まで行けるかな…
・・・
リタの様子を見てくる、と言って
「……なによ、これ。こんなのありえない……満開の季節でもないのに花がこんなに咲いて……。結界もずっと安定してる……ほんとに、エステリーゼがやったの?」
「なんで、エステルなんだよ」
「アスピオを出る前にカロルが口滑らせたでしょ。あんたがはぐらかしたけど」
「ばれてりゃ世話ないな」
「こんな真似されちゃあたしら魔導士は形無しよ」
「商売敵はさっさと消すんだな。そのためについてきてんだろ?」
「そんなわけないでしょ!?あたしには解かなきゃならない公式が……!」
と、そんな調子で怒っていたリタだが、ふと、1人でユーリが来たからには用件があるのだろうと思ったのか、落ち着きを取り戻し、ユーリに聞いた。
「あぁ、今ので半分すんだ」
と言ったので用件を聞き、エステルたちのところへ戻ってみると。なんと、ルブラン達がエステルたちを囲んでいたのだ。さらに、ルブランは飛鳥のことも手配書で見て知っているらしく、おとなしくしろ、と言っていた。それに対し飛鳥は
「こんな所で捕まってなんていられないから!」
と言ってチャクラムで応戦していたのだ。しかしルブランもユーリを見つけると、そのままユーリの方へ向き直り、捕まえようとする。エステルがユーリは悪くない、というもののわかってもらえず、結局戦闘になるのだった。
執拗に飛鳥のことを狙ってきたボッコスとアデコールだったが、飛鳥はどうにかやりすごし、チャクラムを飛ばす。
―う~~!!マジで勘弁してくれへんかな!?
どうにかユーリがオーバーリミッツを使って2人を倒してくれたものの、飛鳥は体力的にしんどかった。しかし、一息つく間もなく、前に見た暗殺集団が居たのでルブラン達に任せ、ノール港に行くためにエフミドの丘に向かうユーリ達だった。
・
・
・
無事エフミドの丘についたユーリ達だが、何やら騒がしい。近づいてみると、何かの機会が壊れていた。リタがさらに近づいてみてみる。その間にカロルは周辺の人々に話を聞いたらしく、その話によると「竜使い」が現れたそうだ。その話を聞いて飛鳥はその人物がだれかすぐにピンときた。
―あぁ、ジュディスとバウルね……。あぁ、ジュディスは鋭そうやなぁ……あぁ、なんてはぐらかそう……
なんて考え事をしているうちに、ぐい、とユーリに引っ張られ、そのままされるがままに走る飛鳥。全員が合流したところで改めて声をかけられ、飛鳥はようやく気付いたようだ。
「大丈夫か?」
「!?……あ、う、うん。だい、丈夫……」
「それが大丈夫な返事?あんた、ここにきてからぼーっとしてるけど、本当に大丈夫なんでしょうね?」
リタにまで言われ、あせる飛鳥。何故か、元居た世界での記憶がフラッシュバックする。
―きゃはは!!だーいじょーぶぅ??―
―大丈夫だろ!だって、なぁ?―
ため息がでそうなのを飲み込み、大丈夫だと告げる。
「ごめん、大丈夫。少し、疲れただけ、だから」
飛鳥はそこまで言って、敬語が外れてることに気づいた。しくじった。敬語にしておかないと、まずい。そう思い、次の話す言葉は敬語にしなくては。そう思っていると、エステルから
「アスカ、やっと警戒を解いてくれたんですね!」
とキラキラした目をしながら言われてしまったのだ。心底安心していて、それでいて嬉しそうな、そんな目を見てしまえば、再び敬語を付けられるはずがない。観念した飛鳥はエステルに違うと答える。
「え、いや……警戒してたわけじゃ、ないよ。けど、いきなり敬語外すのは、まずいかと思って……」
「どうしてです?アスカはもう友達ではありませんか!」
再び、キラキラした目。どうにも耐えられなくなって、飛鳥はありがとう、とだけ言って黙るのだった。
―あぁ、エステルといると、調子狂うなぁ……友達って、こんな簡単になれるものだっけ?
疑問を抱えつつ進んでいくと。どうにも狼が巨大化した魔物とその子どもと戦闘になった。苦戦に苦戦を重ね、あと少しで倒せる、と思った瞬間。あの黒いドラゴンを模した魔物が飛び込んできた。
「!!」
「何よ、あの黒い魔物は!!」
「こんな魔物、本でも見たことないです!!」
「こんな時に……!!」
ユーリ達は驚く。こんな魔物が居たのか、と。同時にやばい、と。こちらは苦戦し、この黒い魔物を倒すだけの余裕はない。知っている魔物だったらまだしも、このような真っ黒な魔物はお目にかかったことがない。そう、ユーリ達が思っていると。
「ユーリたちはあの魔物を頼んだ!あの黒い魔物は、うちに、任せて」
「任せてって…あんた、あの魔物を知ってるわけ!?」
「ううん、知らない。だけど――」
言葉を切った飛鳥は銃を抜くと、黒い魔物の眉間を狙って撃った。すると、どうやら眉間をきれいに撃ちぬいたらしく、黒い魔物は声を上げてその場から霧のように消えてしまった。倒せたことにホッとし、気を抜いた飛鳥。が、それがいけなかった。大きな狼のような魔物が、飛鳥へと襲い掛かる。
「――っ!!」
「アスカ!!」
咄嗟に飛鳥は銃で頭を狙って、引き金を引いた。バン!という音がして、魔物が倒れる。どうやら、またもや眉間を撃ちぬいたらしい。だが、流石の飛鳥も限界のようで、その場に座り込んでしまった。
「はぁ、はぁ……!!」
「アスカ!!大丈夫です!?」
「うん、大丈夫……驚いて、腰が抜けただけだから……」
「あんた、あの黒い魔物の事、知ってんでしょ」
「知らないよ。あいつらの事なんて。遭遇したこが何回かあるだけや」
飛鳥の言葉が、いつもの声音とは違ったのもあり、ひとまずは納得したのだろう。リタはそれ以上追及はしてこなかった。
―こいつらは、きっとこの世界の修正力そのもの、なんだろうな……イレギュラーである、うちを排除するために現れた存在。もしくは、うちがこの世界を救うとかいうのは気に入らんってことで、うちの存在を消すための存在……どちらにせよ、あの黒いのはうちしか狙わないみただし、ユーリ達に何も危害が加わらないのなら、それでいいや。
飛鳥は、あの黒い魔物が自分を消すために行動しているのだと理解はしていても弱点があるのか、ないのか、あのドラゴンを模した形の魔物以外は、でてこないのかなど、疑問に思う所はたくさんあった。
だから飛鳥はリタに対し、知らない、と言った。嘘だ。本当は、自分の消すためにだけに出てくる魔物だ、と答えられた。しかし、ただでさえ、面倒を抱えているのだ。これ以上面倒を増やすわけにはいかない。そう思って、飛鳥はふと顔を上げる。すると、そこには、海が広がっていた。
「わぁ…海か。久々見たな……」
きれいで、思わずつぶやく。そして、ここで例の頭痛。顔をしかめつつも、とりあえず収まるのを待つ。見えた映像は親子三人でここの景色を見に来た、というもの。両親の顔は見えないため、生きてるのかすらわからない。仮に生きていたとしても会いたいとは思わないが。
しばらくして、ユーリ達は休憩をはさみ、なんとかノール港に足を踏み入れることができたのだった。しかし、そこはザアザアと雨が降り注ぎ、活気のある場所ではなかった――。
というわけで、なんとかノール港へと着きました!
長かった(笑)
これでまだ第1部も終わってないんですよねぇ…(遠い目
さて、次はあの夫妻と出会う所~になります。