今回は宿屋で合流~になります。
今回は飛鳥の事を掘り下げているので、少ししか進展してません…!
最近寒いですねぇ…で、朝が辛い…!!
皆様も、風邪にはお気を付けください!
・・・
飛鳥が宿屋に向かうと、カロルが居た。カロルは飛鳥に気づくと、声をかける。
「あ、アスカ!もう、いいの?」
「ん、うん」
「……ねぇ、アスカ」
「うん?」
「カルボクラムで、逃げるのは悪くないって言ったよね?」
「うん、言った。だって、うちらは、人間やもん。よっぽど恐怖を抑え込むような訓練してるだとか、怖い体験を嫌という程してきたか……そんなヤツじゃなきゃ、そう簡単に恐怖なんてなくならない」
カロルの問いかけにそう答えた飛鳥は、どこか遠くを見ていた。あぁ、この目は、いつか見た、あの目だ。遠いところにある何かを見る目。一体、どこを見ているのだろうか。それに、どうしてそのようなことがいえるのだろう。まだ、カロルには「アスカ」の事がわからない。
「……」
「それに、うちから見たら、カロルだってとっても強い子なんやで?」
「…………え?」
予想外の言葉に、カロルは長い沈黙の後に聞き返す。
「だって、うちは戦うのは苦手やもん。うちよりも、年下なのに物知りで、手先も器用でさ。おまけにその歳でそんな武器を使える。うちにはできひんことや」
「そ、そんなことないよ!ボクは、ギルドにいたことあるからだし…手先が器用なのも、やってたからだよ?武器はアスカだって、銃とワッカの武器使ってるじゃん」
「うちは、不器用やで。武器だって後衛向きのやつだしね。カロルやユーリみたいに前衛でなんて、無理。できっこない」
自分を卑下する飛鳥。カロルは飛鳥があきらめているように見えて、でも、どこか迷っているようにも見えた。だが、そこでリタが現れた。
「あら、あんたたち、先に来てたの」
「あ、リタ。そうなんだ」
「もういいの?」
「ええ」
すると、間もなくユーリとラピードが揃い、全員が宿屋に集合した。今日のところは疲れているだろうとのことで、エステルに会うのは明日になった。確かに色々とありすぎて、疲れている。部屋に行き、眠りについた。
・・・
気が付くと、飛鳥は暗闇に立っていた。それがわかった途端、飛鳥はため息をついた。
(あぁ、“いつもの”か……)
そう、飛鳥はこの夢が、夢であると知っているのだ。明晰夢、という夢が夢である、と自覚している状態になっている。その上、この夢を見るときに限って、そうなのだ。そして、その頻度はこの世界にきてから多少なりとも上がっている。
(……うちは、何すりゃええん。まぁでも。せっかくココに来たんなら)
飛鳥は銃をいつもの場所から取り出し、撃つ。どうせ、何もない空間に放り出され、さらには明晰夢なのだ。何もしないだけでは暇である。残念ながら、頬をつねっても痛みを感じても目覚めない。時間経過でしか目覚めないのだ。
だが。いつもなら、何もないはずのその真っ黒な空間。そこに、声が響いた。
―あなたは、自分の力をもっと使いこなすべきです。さぁ、コントロールを覚えなさい
(は……え?)
―あなたも、わかっているでしょう。原作とは、少しずつ違うことを
(……まぁ、そりゃね)
―ならば、もうすぐあの子があのチカラを使う……その時にあなたも影響を受けるでしょう。そして、あの子の力だけでは、うまくいかないでしょう。わかって、いるでしょう?
(え、……まじかよ)
―あなたも、使えるのですよ、癒しの力を。手遅れになる前に、修正を……
(なら、なんでうちを選んだ!!!うちより、うまくやる奴なんで腐るほどいたやろ!!!)
飛鳥は、叫ぶ。まだまだ、飛鳥はキャパオーバーしたままなのだ。そして、確信していた。この声の主が、自分をこの世界に飛ばした本人だということは。そして、薄々の正体にも。
―でも、あなたを救いたかった。あなたは、だれよりも、優しくて、強いから。あなたは、あのような環境下に置かれても、何一つ歪まず、堕ちず、自分を捨てなかった。
(抵抗したって無駄やん。あんなの。でも、無抵抗は、負けた気がして、嫌やったから…せやから、うちはできる範囲で、抵抗してただけや)
―だからです。普通の人であれば、抵抗すらやめていたでしょう。自殺していたでしょう。道を踏み外したでしょう。周りを恨み、自分を捨ててしまったでしょう。何より、堕ちていたはずです。
(………)
―でも、あなたは、自分を守った。大丈夫です。あなたは、もう、救われて良いのです。少しくらい、弱音を吐いたって構わないのですよ。いい加減、自分を赦してあげなさい。
その声は、優しかった。まるで、母親が、駄々をこねる幼子に言い聞かせるかのように。だからだろうか。飛鳥は、
(うち、は……イラナイコなんやろ!!?その誕生を、誰からも望まれてなかった!!!!そんなら、うちって何!!?ねぇ、教えてよ!!!わからへんよ!!!うちにできることなんて、知らんもん!!!)
感情を爆発させた。きっと、一度取れてしまった蓋は、そう簡単には閉められないのだろう。今までずっと固く固く蓋を閉め続け、押し込めてきた感情は、そう簡単に修まりなどしてくれない。
―大丈夫です。あなたは、必要な存在です。何度でも言いましょう。あなたほど、この世界を救える人はいません。それに、あなたの力は、念じれば使えます。お守りに念じなさい。あなたには、周囲に漂うエネルギーを別エネルギーに変換する力と、その子のチカラを抑える力があります。
(………)
何も言えなかった。自分がそんな力を持っていることにも驚きだが、何よりエステルのあのチカラを抑える術を自分が持っていたという事に。
―あなたはとても強く、優しい子。あなたは月城飛鳥。自分が受けたことがあるからこそ、人のイタミをわかってあげられる子。さあ、いきなさい。あなたを縛るものは何一つないのだから――
その声と共に飛鳥の意識は薄れていく。そして、声の主は飛鳥が消えてしまってから呟いた。
―飛鳥、あなたならきっと…救ってくれる。そして、ごめんなさい。きっと、優しいあなたには、荷が重いお願いをしていることも……さぁ、シャドウたち、覚悟なさい。飛鳥はもう、お前たち負の感情の塊には負けませんよ。これから、幾度となく立ちはだかろうと、飛鳥はきっとお前たちに負けたりはしないでしょう。
・・・
飛鳥は、飛び起きた。だが、覚えている。ハッキリと、夢であった出来事を。ペンダントを取り出しておく。
「……やれやれ、面倒なこって……」
苦笑したが、飛鳥の目は穏やかなものだった。
そして、準備が整い、宿屋を出ようとしたときだ。妙な音が聞こえた。聞くと、どうにもここの
しかし、ユーリも気になったのだろう。
フレンにそのことを伝えに行くユーリ達。しかし、かなり大きな振動に襲われ、急いで
そこで、飛鳥は悟った。あぁ、自分の役目だ、と。リタのすぐ近くに駆け寄り、深呼吸をする。そして。エステルも治癒術を使うようだ。
「あんた、何してんのよ!!?」
「リタは手を休めなんな!!――せーのっ!!!」
飛鳥は、自分の手を突き出し、エアルを吸い込み、そして念じた。
―この、力でユーリら含めた周囲の人に、シールド!!!
すると、爆発する、ちょうどその瞬間に、一瞬だけ。うすい青い膜がはられ、どうにか爆発で死ぬ、という未来は防げたようだ。だが、いきなり無茶して力を使ったからだろう。飛鳥はその場に膝をついた。ごっそりと何かが持っていかれる感覚がしたからだ。同時に、両手の甲に、焼き付く痛み。手袋も破けてしまっているが、そこで、自分の手の甲にあらぬモノを見つける。
―あぁぁぁ、もうっ……!!!間に合って良かった、けど……ひっさびさに体中いてぇ……あと、これ何……!?あ~~、力覚醒しましたよっていう、証か……
今は黒の紋様でわけのわからない線だ。そして、とても痛む。いや、痛むのは手だけではないが。シールドを貼ったとはいえ、爆心地にいたのだ。ボロボロである。そこで、ユーリとフレンが駆けつける。
「ほら、飛鳥、いくぞ!」
「あはは、大丈夫やで。エステル運んだって。うちは、これくらいなら、歩けるよ」
「何言ってんだ!全身にヤケドがあるじゃねぇか!それに擦り傷も!!」
「はいはい、歩けるからまだ平気。歩けないエステルのほうが重症」
飛鳥はそれだけ言い、そのままスタスタとフレンの後をついていく。が、やはり、怪我の事もあり、歩みはのんびりだ。
―マジでいてぇぇぇ……!!!んとに、久々だぁ……ユーリ、ごめんね、でも。間違っても、うちとそんな距離つめるようなこと、すんな。うちが勘違いする。んでもって、マジで体中ボロボロって言っても、これより酷いのはたくさんあったからな。まぁ、こんな話するのは、きっと、ずっと後だろうし……あぁ、はやく寝たい
色々と考えていたら、リタを寝かせた後に出てきたフレンにより即座にお姫様抱っこでベッドに運ばれたのは、此処だけの秘密である。
飛鳥覚醒回でした!
とはいえ、あまり飛鳥をチートにするわけにはいきませんので、この覚醒したチカラには、それなりにデメリットをつけますので、ご安心を。
本音を言えば、オリ主無双!をしたいのですが、自重します(笑)
次回はリタが寝かされているところ~になります。