今回は帝都〜になります。
ちょっと夢主の事で寄り道しすぎてほぼ進んでません……ごめんなさい!!
・・・
フレンと別れてから、帝都を目指していたユーリ達。いざ帝都に入ってみると。ヨーデル殿下の言っていた通り、植物は巨大化し、水も毒々しい色になってしまっている。
「オレから離れるなよ。特におっさんとアスカ」
「ん?どうしてうち?」
「お前、自分の力の事忘れてねえよな?」
「あー……」
確かにユーリの言う通りであった。自分は、力の関係上エアルの影響を人よりも多く受ける。だが、わざと今のうちに慣れても良いのでは?と思わない訳ではなかった。なぜなら、飛鳥は不安で仕方がなかったからだ。
自身の力に関して。確かに、旅を通して飛鳥自身も強くなった。
それは、力の使い方もそうだ。エステルの力を自身の取り込んだエネルギーにより相殺したり、自身に取り込む形で抑え込むことが出来るようになった。遠隔操作もできるようになった。防護壁だって、何度か貼ってもバテなくなった。広範囲に貼ることもできるようになった。1回の攻撃で破られなくなった。咄嗟に思い描いたように貼れるようにもなってきた。
取り込んだエネルギーを武器に付与する事によって、飛鳥以外のメンバーでもあの世界の修正力とやらにも攻撃を通す事が可能になった。
だが。それでも。それでも、肝心のエステルの力を抑える、相殺する力を発揮出来なければ、ダメなのだ。飛鳥の役目は原作ではリタがどうにかしてエステルの力を抑えたのを、代わりにか手伝いとしてやらねばならないはずだ。きっと、リタがやってくれるだろうが、予想外な事が起きるに違いない。
そして、きっと。ユーリが一刀両断する、アイツ。アレの時にきっとなにかが起きるはずだ。世界の危機はエステルの力の制御と、
「アスカ姐、大丈夫かの?」
「………」
「アスカ?」
名前を呼ばれても反応を示さない飛鳥は、ぼーっとしているようだが目に光がなかった。おかしいと思ったユーリが強めに名前を呼ぶ。
「おい、アスカ!」
「ねぇ、どうしよう。うち……!ぅ……ぁ……!!」
しかし、飛鳥は目に光を宿さないまま、ポロポロと涙を流し始めた。どうしよう、と言いながら。今の今まで泣いた姿を見たことがないが故に、驚く一行。
「何をどうするわけ?そんでもって、落ち着きなさいよ!泣いたって分からないでしょーが」
「いきなりどうしたの!?」
「どうしよう、うち……こわい。こわいよ。どうしよう、失敗したら。ねぇ、どうしたらいい?」
同じ言葉を繰り返す飛鳥を見て、レイヴンがそっと頭を撫でた。何かを悟ったのだろう。荒れていた飛鳥を見ていた事がある彼だからこそ、何か感じる所があるのだろう。ユーリもドンから聞いた話を思い出し、錯乱状態とやらになってしまっているのだろうか。と思考を巡らせた。
「っ…!!」
「大丈夫、アスカちゃん。失敗したって、俺達がいるでしょ?何をそんなに怯える必要があるのよ?」
「だって。だって、だって!!うちは、何にも出来ない」
「“飛鳥”。ちったぁ落ち着きやがれ」
「そうよ、“飛鳥”ちゃん。ほら、深呼吸して」
言われるがまま、深呼吸をすると。1度目をつぶる飛鳥。そして。
「―――。ごめん、復活。“トリガー”引いたわ」
「お、戻った?おかえり。どうしたのよ?珍しいじゃない」
「あー、うん。この先の事を考えて、不安になりすぎてプッツンした。ごめん。ダメだなー、大丈夫な筈なのに。ほんっとにこのポンコツ」
頭を抱える飛鳥は元に戻ったようだ。どうやら、目をつぶって深呼吸すると、気持ちを切り替えるよう、自身に暗示でもかけているようだ。戻った飛鳥はやはり、いつも通りの飛鳥だ。目に光も宿っている。
「ねぇ、アスカの事話してくれない…?そんなになるまで抱えてるの、しんどいでしょ?」
「確かに、しんどいよ。今すぐにでも、死んで逃げてしまいたいくらい。だけどね、それは出来ないから。それをしちゃうとさ、使命が果たせなくなっちゃう。こんなポンコツ野郎でも、救えるって言われたから、頑張るよ」
「アスカ……ダメだよ!頑張るんじゃなくって、休憩するの!訳わかんなくったっていい!ちゃんと気持ち吐き出してよ!!アスカ言ってたでしょ!!本気で辛い時、悲しい時、吐きだせって!」
カロルに言われてきょとんとする飛鳥。すると、飛鳥の中のどこかで、パキン、と音がした。どこかで、暖かい何かに包まれた感覚がした。きっと、自分が言って欲しかった言葉を言ってもらったからだろう。
「…………じゃあ、ちょっとだけ」
「全部!」
さんざん悩んで、少しだけと言った飛鳥にカロルは全部だと、そう告げる。ついでに「これは
「っ、〜〜〜……絶対聞き流してね。今からうちが言うのは、ただの独り言だから。 ……どうして、うちを選んだの?どうして、うちみたいなヤツを選んだの?ねぇ、どうして?どうして、うちみたいな出来損ないを選んだの?なんで?うちみたいなのを、救おうとしたの?うちは、なんにも出来ない、引きこもりなんだ。何にもできないクズなんだ。 なのに、どうしてそんな事ないって言えるの?ねぇ、どうして?うちには、そんな事出来っこないのに、どうして出来るって言うの?」
次第に、飛鳥の頬を伝う涙。だが、それを拭おうとはしなかった。ひたすらにどうして、繰り返す飛鳥。自分が何も出来ない奴だと認識しているが故に、周りがどうして自分が何か出来る奴だと、強いと言うのかが理解出来いようだ。
「ずっと、そんな思いを抱えていたのね、貴女」
「だって、急に世界を救えなんて言われて!!うちの世界には、魔法も剣術もなかった!!こんな魔物なんていなかった!そんな世界に飛ばされて!!何をどうしろって言うんさ!!?」
「アンタはしっかりやってるじゃない!無茶しがちだけど、アンタの力で救われたことは何度でもあるわ!!もっと自信を持ちなさい!このあたしが言ってあげてんのよ!?」
「…………」
「アスカちゃん、何を抱えてるの?」
「言えない…!言えないよ…!!だって、言っちゃったら、変わるかもしれない……!怖い…!」
レイヴンが抱えてるモノが何かを問うと「言えない」と言う。
「“飛鳥”、何をそんなに怯えてんのかわかんねえけど、話してみろ」
「……ある事を、知ってる。だけど、その通りに行くかどうかは、わかんなくて。あの通りに行くかどうかは、うち次第。だから、とても怖い」
「あの通りにならなかったらどうなるんだ?」
「きっと、世界が滅ぶ」
「「「!」」」
半ばユーリに誘導尋問されるように、自身が未来を知っている事、結末通りにしないといけないと、世界が滅ぶであろう事をギリギリ、はっきり言わないようにしながら言う飛鳥。
「……使命がなんかのか知らないって言ってたよな?」
「知ってるよ。どんな使命か。きっと、アレを何とかして、それから“その時”に力を使えばいいの。ただ、それだけ」
「それだけなのに怖いのか?」
「怖いよ。ううん、大丈夫。どうせ、うちは―――」
飛鳥は涙を拭って、大丈夫だと告げた。そして、こっそりと呟く。
「この世界から、消える筈だもん」
その呟きは誰にも聞き取れなかった。ただ、ラピードには、しっかりと聞こえており、「ワン!」と抗議の声を貰った。それを聞き取った飛鳥は悲しそうに笑って、そして、「秘密だよ」と告げた。
そしてユーリ達は、異界と化した帝都を進み、何とか城への出入口わ見つけ、中に入る事に成功したのだった。
というわけで、トリガーを引いちゃった飛鳥ちゃんでした。
次は城の中〜になります。