いきなりオリジナル展開です。
なのでご注意ください!!
なぜ主人公ちゃんがラピードに嫌われてるのかというのは後々明かしていくのでそれまでお待ちください。
ではでは、どうぞ!
飛鳥は迷う。テイルズシリーズには出てきていない魔物である故に、自分では対処の仕方が分からない事に。だがココで迷っていては、攻撃されるだろうことは予想がつく。飛鳥が迷っていると、ラピードがいつの間にか短剣を口にくわえて目の前の黒いドラゴン型の魔物を睨みつけていた。それを見て、飛鳥は決心する。
「ど、どうしよう!!アスカ…!!」
「ウ~…!!!ワンワンワン!!!」
「……ラピード。うちはさ、戦うのなんて初めてやねん。だから、足手まといになると思う。でも、町の人達守るために一緒に戦ってくれへん?」
「……ワン」
ラピードは仕方ないな、とでも言うように飛鳥を見ながら一吠え。だが、先ほどとは違い落ち着いている声であるため、飛鳥もそれが了解の意だと受け取り、右腰にあるホルスターから銃を抜いて、構える。
だが魔物と目があった、その瞬間。
飛鳥の身体に何かが突き刺さった。しかしソレは、目に見えるものでも、体を傷つけるものでもなかった。ソレは、とある感情だったのだ。ソレは、飛鳥にとっては既に整理をつけていた感情だったが、何故か身体が震えてまともに立っていられなくなるほどに影響を及ぼした。
だが、飛鳥は膝から力が抜けていくにも関わらず無理矢理に力を入れて、しゃがみこまないようにする。そして震えている手を見て、これまた無理矢理力で震えを止まらせた。
「っ…!!」
それでも抑えきれなかったのか、声が微かに漏れた。飛鳥に突き刺さったモノ――感情は、『恐怖と孤独感』だった。同時に無理矢理二つの感情を感じさせられた飛鳥は思う。
―この、感情は…最初の最初……に感じた…モノで、もう整理は…つけた…はずなのに…
すると、今度は苦笑して呟く。
「弱いなぁ…ホント、うちは弱すぎるね…」
と。だが、そこで気付く。こんなことをしている暇はなかったと。急いで顔を上げると、魔物はまだそこに居た。が、何故か口元に短剣を銜えたラピードが早く来い、とでも言いたげに吠えた。だが飛鳥は足が震えて、一歩踏み出すだけでもしゃがみこみそうだった。
「ワウ!!」
「ラ、ピード…ごめん…うち…今…!」
「アスカ?どうしたの!?顔が真っ青だよ!?」
自分も怖いはずなのに、テッドは飛鳥を心配する。心配された飛鳥はわずかに目を見開いたが、すぐに大丈夫、と言って改めて黒のドラゴンを形取った魔物に向き直った。
「テッド、私は大丈夫。だから、皆を、動けない人たちを町の奥に、避難、させてくれる?アイツは、私、とラピードで、どうにかするから」
「……わかった」
テッドを見送っていると、サイド、ラピードから催促がかかる。
「ワン!!!ワンワンワン!!!」
「………わかった、よ。アイツを倒さなきゃ、いけないもんね…」
その声に返事をしながら、息を深く吐き出す。すると、どうだろう、震えていた身体が少しずつ治まっていく。
「ごめん、ラピード、援護…頼める?」
「ワン!!」
ラピードの隣まで来た飛鳥は銃を構えて狙いを定める。
「技とかないけど、これで消えて…!!」
飛鳥はそう言って続けざまに撃つ。撃ったのは全部で3回。撃った弾は全部命中した。
でも、倒れてはくれないようで黒いドラゴン型の魔物は口を開ける。飛鳥は何か来る、と重い身構えたがそうではなかった。
「キエロ…」
「っ……」
黒いドラゴン型の魔物が声を発した。その声はノイズが入り、壊れた電子音みたいな音が混じった、おおよそ人間が発せるモノではない声らしきもの。それを聞いた飛鳥は突然吐き気に襲われ、その場でフラつく。幸い、そこまでひどいものでもなかったため、すぐに回復した。
「うっ……く、お前なん、か…邪魔なんだよ…!」
飛鳥が銃を魔物の額らしき場所に向けて撃ったと同時にラピードが近づいて顔あたりを斬り裂く。すると、魔物は消えた。それも始めからそこにいなかったかのように、体が霧のようになって消えた。それを見た飛鳥は腰が抜けてしまい、その場に座り込む。すると、ラピードが隣に来て座る。どうやらラピードも怖かったようで、
「…クゥン……」
と鳴いた。飛鳥は自分の知っているラピードとは違う面を見て、何とも言えない気持ちになった。
「?……ラピードも、怖かったの?」
「…ワフゥ」
思わずそう問いかけると、ラピードが力なく答えた。すると、飛鳥は何故か、ラピードに対して、“素顔”をさらけ出していた。
「そっか…ゴメンな。でも、もう大丈夫。次はもうアイツが出てきても恐怖とか孤独とかの感情に流されて足がすくむ、なんてことにはならへんから。一回体験してしまえば、対処できる」
飛鳥が笑いかけると、ラピードはもう普段通りになっていてわん!と一吠えした。
―…こっちに来て、少しだけうちにも出来そうな事がある。それは、ポーカーフェイスでどんなことも乗り切る事。悲しくても、怖くても、寂しくても、辛くても、痛くても泣かない事。猫を被って、無口でいてあまり話さない事。大丈夫、うちは慣れてる。全部、人より慣れてるから、大丈夫。
飛鳥はそう思って何時の間にかうつむいていた顔を上げる。すると、ラピードが唸っていた。理由が分からず、飛鳥は首を傾げた。
「……ウ~」
「?…ラピード?」
「ワン!!」
「わ!?ちょ、うちなんか悪いことしたん!?」
「ウ~…ワンワンワン!!!」
「……?」
いきなり吠えられて驚いた飛鳥はポーカーフェイスでいようと決めた傍から素の方の話し方になっていた。と、そこでハンクスが来て飛鳥に話しかけた。
「ん?アスカじゃないか。こんなところで座り込んでどうしたんじゃ?」
「え?あ、ハンクスさん。黒い魔物、倒せたんですけど、腰が抜けてしまって…でも、もう大丈夫です」
「!…お前さんがあの黒い魔物を倒したんか?」
「えぇ、といってもラピードのおかげですけど」
「そうかそうか。おーいみんな~!もう出てきても大丈夫じゃぞい!!」
ハンクスがそう叫ぶと、町の人たちが段々と外に出てくる。と、そこでラピードがいきなり走って行ってしまった。飛鳥はその方向を見て思う。ユーリ達かな、と。だが、そこでもう一つ気付く。
ユーリ達が帰ってくるのは、夜が明けてから
ということに。
「おーいたいた。って、なんでこんなところで座ってんだ?」
「あ、ユーリさん。と、そちらは?」
「私はエステリーゼっていいます」
「…アスカです。よろしくお願いします」
「あ、そうだ。水道魔道器の魔核泥棒捕まえねぇと。アスカ、お前も来るよな?」
「え?あ、はい」
と、飛鳥が返事をした時だった。ユーリの名前を叫びながら下町に降りてくる人影が3つ。その声の主を知っている飛鳥はこの後に起きる出来事を想像し、小さく声を上げるだが、下手に動けない。ここで飛鳥が動いてストーリーが変わってしまってはどうする事も出来ないのだ。
「ユーリ・ローウェ~~ル!よくも可愛い部下を二人も!!お縄だ、神妙にお縄につけ~!!」
「ま、こういう事情もあるからしばらく留守にするわ」
「やれやれ、いつもいつも、騒がしいやつだな。アスカもアイツの面倒をみることになるんだろうが、頑張れよ」
「はい!ありがとうございます」
いきなり声をかけられた飛鳥だが、きちんと返事をする。と、途端に人ごみにのまれた。その中でどうにか抜けようとしたところ、一人の男性が飛鳥に声をかける。
「嬢ちゃん、これ持っていきな!大した武器じゃないけど、これで護身用にはなるだろ?」
「え?いいんですか?」
「おう。もう使わないから」
「ありがとうございます」
男性は飛鳥に何十本かがセットになっているスローナイフをずい、と押しつける形で渡すとすぐに人ごみにまぎれて言った。どうして、飛鳥はなんとか人ごみを抜ける事が出来た。すると、ある光景を目にする。
「ユーリさんはとても愛されてるんですね」
「冗談言うなよ。厄介払いができてうれしいだけだろ?って、おい…!誰だよ!金まで入れたの!こんなの受け取れるか」
それは、原作通りの会話。それを見た飛鳥はほっとする。が、エステルが飛鳥に気付いて声をかけた。
「アスカさん。よかったです!はぐれてしまったのかと…」
「心配してくれてありがとうございます。あの、私の名前、呼び捨てでいいですよ」
「はい!じゃあ、アスカって呼びますね」
と、そうこうしているうちにユーリが帰ってきた。そして、飛鳥は思う。
―これから、どうなるんだろう…
と。
なんとか書き上げました。
かなり長くなった気がする…
では、また次回にて会いましょう!