いやー、長かった!
今回は最終戦〜になります。
・・・
武器をかまえ、何とか戦うユーリ達。だが、膝をつかせても、まだ尚、立ち上がるデューク。そして、アスカに問い掛けた。
「余所者が、どうしてそこまでやる?そんなにボロボロになってまで。それに、お前はこの世界に破滅を呼んだ者。さらに言うなら、1番の足でまとい。それなのに、何故そこまでする?」
「おい、何ってやがる!アスカは「うちは!!」――!」
「うちは、確かに
「それを果たすために、ここまで来たと?」
「せや!!1番の足でまとい?んな事、とっくの昔に分かっとるわボケ!ふざけんなよ、自分のことが分かってへんよーな奴じゃないんやからな!!」
「アスカちゃん……!」
デュークに言われ、アスカは自分の思いをぶちまけた。口が悪いのも、気にしなかった。もう、取りつくろうだけの余裕がなかったのかもしれない。既に2度もデュークに膝を付かせたにも関わらず、それでもデュークは、新たな力を得て、立ちはだかる。
そんな中、アスカは、やはりユーリ達のようにはなれず、ボロボロで。立つのもやっとだ。だが、それでも諦められない。だから頑張るのだ。どこまでやっても、何かを成す事をしなかった自分が。諦めていた自分が、ここまで頑張ったのだ。今更諦めるなんて出来やしないのだ。
「それを果たしたとして、お前はどうするのだ」
「んな事知るか!消えるなら消えるでかまへん。それでも、もし。もし、生きてていいなら。それなら、それで全力で頑張るだけや!」
そう言ってアスカは、技を放つ。だが、デューク相手に当たるはずもなく、防がれてしまう。そして、反撃を食らい、派手に吹き飛ぶアスカ。だが、それでも追撃にきたデューク。ユーリたちはアスカに駆け寄ろうとした。しかし。アスカはそこでオーバーリミッツ解放。そして。
「もう許さへん!!覚悟しぃや!!『アミナスオブフィーネ』!!」
ゼロ距離のまま、銃を乱射し、チャクラムで切りつける。そして、距離をとってすぐにチャクラムを投げる。戻ってきたチャクラムを回収しながら進み、最後に思い切り蹴り飛ばしたのだった。
だが、それで倒せると思っていないアスカは、すぐに防護壁を貼り、反撃を無効化する。だが、既にボロボロの状態で使ったが故に、口から血が垂れる。だが、袖で乱暴に拭う。心臓が痛い。だけど、立てなくもない。だからこそ、アスカは頑張ってあとを託した。
そうして、結局は全員がボロボロになりながらも何とかデュークを倒すことに成功した。地面に倒れるデューク。
「すまぬ……エルシフル……約束……守れそうにない……」
「エルシフルがどんなヤツだったかもしらねぇオレが言っても説得力ねぇけど、人魔戦争で人のために戦ったエルシフルってヤツはダチのあんたに人間を否定して生きる事なんて望んじゃいないと思うぜ」
「エルシフルの望み……世界を守る事……いきとしいける者、心ある者の安寧……」
デュークは、そのまま目を閉じた。生きてはいるようだが、かなりの力を使った後だ。消耗しているのだろう。
「ユーリ!急がないと!」
「ああ、やるぞ!」
「いくわよ……エステル、同調して。ジュディス、サポートお願い」
「「はい!/了解よ」」
「ユーリ、いくわよ!」
「ドキドキなのじゃ……」
「……」
「頼むぜ〜。大将〜」
「……」
「ああ!」
ユーリが剣を掲げ、世界中の
「くそっ、あと少し、なのに……!」
「馬鹿な、私の力でも足りぬというのか!」
「――“我が身に宿るは月の力!光に寄り添う力なり!集え!!我が下に!”
アスカは、間髪入れずに詠唱した。そして、空気中に漂う力を収束し、ユーリの持つ剣へと送る。すると、ユーリの持つ剣が変化する。そして、ついに
皆が集まっていて何も異常がなかった。
だからこそ、アスカは1人、離れたところにいて銃を構えていた。わかっていた事だ。ここまで何もしてこないなんておかしいと思っていたから。
ガキン!!
どこからか、そんな音がする。それは、皆に対しアスカの防護壁が作動した証。ユーリを中心に、薄い青色の半円の壁が出来ている。すぐ後に銃声が聞こえ、ユーリ達に危害を加えようとした魔物は倒される。
だが、そこまでだった。アスカは膝を着いて喀血した。それも、かなり激しくだ。ヒューヒューと喉に異物がある時の音がしている。
「「「!?」」」
「ゲホッゲホッ……!ゴボッ…!!」
尚も、喀血するアスカの目の前には、あの黒い魔物が現れた。それは、これまでのような大きさではなく、かなりの大きさだ。
「死ヌガイイ」
ユーリ達が武器を構えていた。防護壁は、攻撃を防ぐものであって、行動を制限するものでは無い。しくじったな、なんて思ったアスカ。動けないし、別にここで死んでも構いやしない。そう思っていたのに、ユーリ達が庇う。
「アスカ、大丈夫です!!?」
「……っ、はぁ、はぁ……!カハッ……!」
気持ち悪さが渦巻いて、心臓が痛くて痛くてたまらない。少し息をするだけでも、すぐに血が溢れてくる。意識が段々と遠くなり、気がつけば足の方がうっすらと透けている。
「「「!?」」」
「何ヲ驚ク必要ガアル?」
「アスカ、なんで消えて……!!」
「やか、ら……言ったやん、か……うち、は……余所者だって…………出来ることなら、一緒に生きたかった、な……」
途切れ途切れに言ったアスカは、目を閉じた。流石に限界だった。意識を保ってられなかった。もう消えても死んでもいいや。そう思って抗うこともなく、そのまま意識を手放した。最後に呟いた言葉は、誰にも聞き取られませんように。そう、思いながら。
「おい、アスカ!こんな所で死ぬとか許さねぇからな!」
アスカに声をかけるが、彼女は答えない。完全に意識がないようだ。
その間にも、黒い魔物も攻撃を仕掛けてくる上、アスカも消えてきている。
「嬢ちゃん、分かっててやったわね!?」
「アスカ姐が居ないから、攻撃が通らんのじゃ〜!」
そう、アスカが居ない為にユーリ達はピンチに陥っていた。唯一ユーリはペンダントを持っているからか、何となく攻撃が通っているが、それでも相手の力の方が強く、押されている。すると、突然ペンダントが光り出す。
光が収まると、そこには金髪緑目の、緑の衣装に身を包んだ女性が居た。魔物の攻撃を防ぎながら、ユーリ達に、アスカに向けて話し出す。
「貴女の、本当の願い。叶えてみせます。私が、許しますから……ですから、貴女も、もう赦してあげてください。そして貴方は、アスカの心の闇の具現化。世界の修正力だと、飛鳥は思っていたようですが……でも、貴女は、負けなかった」
「アスカの心の闇の具現化?」
「ええ。この子は、ずっと人から虐げられて生きてきました。それでも、死ぬのは逃げた気になって嫌だ、と必死で生きて来たのです」
「じゃあ、アスカしか効かないのも、アスカ自身の事だから?」
「ええ。そうです。ですが、もう大丈夫です。まぁ、もしも闇の者に殺されていたのであれば、この世界は滅んでいたでしょうね」
なんて、さらっと爆弾発言をする女性。しかし、その女性がアスカに手をかざすと、消えかかっていたアスカは元通りになり、すぐに目を開ける。
「っ、あ、れ……?うち、は……消えたん、ちゃうの……?」
「いいえ、私が許します。だから、生きて下さい。貴女はまだ、人の温かさを、優しさを知らない。それを知っても尚、死にたいと願うなら仕方ありません。ですが、もう少し彼らと生きてそれを知っても良いのではありませんか?死ぬという選択をするのは、その後でも遅くはありません」
「生きてて、いいの……?うちなんかが?」
アスカは問う。ずっとずっと、聞きたくって、でも本気では聞けなかったことを。奥底にしまい込んで、気付かぬフリをしていたその問い。
「この中にアスカが生きる事に反対なやついるか?」
ユーリがその場にいた皆に問いかける。だが、誰一人として「反対だ」と声を上げるものはいなかった。
「わたし、アスカにはまだ、教えて欲しいことがまだまだ沢山あるんです。わたしからも、お話したい事が沢山あるんです!聞いてくれますよね?ですから、死ぬなんて、悲しいこと、言わないでください!」
「私もよ。あんたのその力があれば、きっともっと楽に戦えるはずよ。それ以前に、仲間でしょ。死ぬとか止めてよね!次そんな事言ったら、許さないんだから!!」
「そうだよ!ボクを凄いって言ってくれて、逃げても、ちゃんと帰ってくるならそれでも良いんだって教えてくれたのは、アスカだよ!今度は、ボクが言うんだ!聞いてくれるよね?」
「貴女には、助けて貰ったわ。たくさん、ね。貴女がこの世界で生きる上で、また誰かが敵として立ちはだかるなら、その敵は私が倒すわ。それにまだ、私も貴女と旅がしたいわ。ダメかしら?」
「アスカ姐は、うちが沈んだ時も気にかけてくれたのじゃ。それに、サイファーの事も、助けてくれたのじゃ。だから、今度はうちがアスカ姐を助ける番なのじゃ!」
「君はいつもそうやって、自分は後回しだった。短い間だったけれど、それでも君がどういう人かはわかってるつもりだよ。僕も、君がこの世界で生きる上で何かあるなら、手助けを約束する。僕も、君に救われた事もあるしね」
「ヒヤヒヤさせないでよね。アスカちゃん。俺には生きろって言っておいて、自分は死ぬって?そんなの許さないよ。人に生きろって言ったんなら、自分も生きなきゃダメでしょーが。おっさんも、出来る限り生きるから、アスカちゃんも、生きてよね」
「これまでの旅でお前には沢山助けて貰った。特にアレクセイにぶっ飛ばされた時とか、ザウデから落っこちた時とか。お前の力がなかったら、きっとオレは死んでた。オレには、オレたちにはお前が必要だ。この、
皆からの、言葉。それは、ずっとアスカの心の奥底にあったものを、溶かしてくれた。
というわけで終わらせたかったんですが終わりませんでした(--;)
次回が最終回、かなぁ?と言ったところです。