おにぎりも食べ終わり。
俺はリフターにある指令を出していた。
もしかしたら、床崩落のあの時ゴーレムも一緒に落っこちて来ているかもしれないのだ。
油断は出来ないので、俺の部屋の地下収納スペース(かってに作ってしまいました。管理人さんゴメンちゃい)に納めてある俺の秘策を持って来る様に指令を出しているのだ。
それを受け、リフターが舞い上がり上へ消えて行った。
ふうっ。これで一安心だな。
「さて、これからどうしようか」
飯も食ったし、体も万全。秘策が来るまで・・・・ん?
「・・・・・(すんすん)」
体が・・・臭うな。
そう言えば、暫く風呂に入っていない。汚れが溜まっているのだろうな。
「流石に女子がいる場で臭っているのは恥ずかしいな・・・・・・・良し」
近くに水場もあるし、水浴びと行こうか。
三人称SIDE
さて、相場がこんな事を考えている時、他の物達は何をしていたのだろうか。
「イヤー、気持ちいいでござるな」
「サイコーアルな!!」
「でしょー!!ここいい感じの温度だから気持ちいいのよー!!」
実を言うと、相場が考えていた事を既に実行していたのである。(一部の者が)
女と言う者はやはり自分の身なりを気にするもの。そう言った事には聡い。
そんな訳で、皆で水浴び中だったのだ。
「しかし、我々はテストまでにここから出られるのでござろうか?」
「うーん。それは分からないよー」
「そんな事、私たちが考えてもしょーが無いある。今は水浴びを楽しむアルよ♪」
結構気楽に楽しんでいる様子の女子グループ。
水が気持ち良さそうだ。
さて、そんな三人娘だが、ここで佐々木がある事に気がついた。
(あれ?あそこにいるのって・・・・・・相場君、だよね?)
そう、彼女らが水浴びをしている場所から10m程離れた場所に沈んでいる本棚の上に、今回の遭難グループの中でただ一人の男子生徒、相場が立っていたのだ。
ネギと余り変わらない小柄な体、灰色のつんつん頭が上から差す光を受けて鈍く光る。
水の反射を受け肌には水の文様が浮かんでいる。
(あんな所で何やってるんだろ?)
佐々木が気になって見つめていると。その小柄な体が宙に向けて飛んだ。
(!!)
ドボォン!!
驚きつつもその姿を目つめている彼女の前で、彼は空中で姿勢を整え頭から水に真っすぐ突っ込んだ。
その姿勢は何処までも真っすぐで、美しい芸術作品を思わせた。
着水も美しく、水面にとても綺麗な波紋を広げ、水柱も余り立っていない。
(わー・・・・・綺麗)
佐々木は、その光景に魅入っていた。この地下図書館の風景と相まってどこか幻想的なその光景に。
相場SIDE
「ふう・・・・・うん。気持ちいーなー」
やっぱり水の中は気持ちがいいな。サイコーだ♪
うーん・・・・・あー
しかし、ここに到着してから何つーか、うん、どっと疲れた。
まあ、人間輸送なんぞと言う大仕事やってのけたんだし当たり前かね。アレは本当に精神使う・・・・・・と言うか削る。
力を抜きつつ、さらに現状を考える。
落ち着いて考えれば何とかなるかもしれん。が、しかし・・・・・・
「現状脱出の手段無し、時間制限あり、探索専用の道具も一つ限りか・・・・・・・詰んでいるとは言わんが・・・・・・・・・厳しいねえ。探索の道具を新しく作る時間はない、時間を延ばすのはそもそも不可能、脱出の手段を探すにしても、もうちょい道具が欲しいが・・・・・時間がない。悪循環だな」
何とも絶望しそうな程レベルが高い。こんなルナティックLevelのミッション受けた覚えは無いんだがな・・・・・それでも
「まあ、何とかして見せないと始まらないか。まあでも今は・・・・・・・」
ふー・・・・・・・・・
「くつろぐゾー!!全力でくつろぐゾー!!ようやっと落ち着ける時間だー!!」
そんな訳で、伸びなんかしてみる。ゔぁあああああああ・・・・・酷使された筋肉が伸びるのが気持ちいいいいいい・・・・・・・・
はあああああああああ・・・・・・・・・のーんびりしてるわー・・・・・・本当にのんびりしてるわ・・・・・・・
ここに来てから体と神経を酷使しっ放しだかんな。ま、それも人生の中の楽しみとすれば良いか。
浮かびつつ、関節や、筋肉をほぐしていく。
・・・・・のだがゴキゴキと酷い音がしている。これどう考えても十代の若者がさせちゃいけない音だろ・・・・・・
「テンション下がるな・・・・・・・俺って苦労人」
はぁー、とため息をつきながら解しを続行。暫くすれば、ガチガチだった体がいつもの感じに戻って来た。
「ふいー・・・・・・・・さて、と。こんだけ広い場所だし、泳ごうか!!」
久々に全力だ。県大会3位の実力を発揮するとしよう。
良しっ!!
「のっしゃああああああああああああああああ!!!!」
加速開始っ!!全力でっ!!クロールをっ!!水面にっ!!叩き込むっ!!
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!」
ザバッシャァー!!!
水面を割るがごとき勢いで泳ぐ。因に昔はプール割りのモーセと呼ばれていました。すいません、嘘です。
「ヒャッホーーーーーーーーーーーーーーー——ウ!!!」
イヤー、気持ちいいなー。やっぱ水の中は気持ちいいわ。え、一回言ったって?それくらい気持ちいいんだよ。
そんな訳で、しばし水の中で戯れる俺であった。
(相場君て、はっちゃける時ははっちゃけるよね。本当)by影から見ていた佐々木。
「・・・・・・あー、泳いだ泳いだ」
疲れきりましたわー。全力もって泳いだので体がだるい。
・・・・・・・・・・・って体を洗いに来たのに全力で泳いで疲れ果ててどうするんだよ、本当。馬鹿みたいだな、俺。
リフターに迎えに来てもらおうか、いやいや今居ないだろ・・・・・・ん?
「・・・・・・・・・あー!!そうだ!!リフターで落ちた所迄皆を運べばいいんじゃねえか!!この方法を何で今迄思いつかなかったし!!馬鹿だ、馬鹿だよ俺!!」
情けねえわ・・・・・・・・・・これじゃ落っこちたアスナや佐々木を笑えない。うわー、マジ自己嫌悪。
・・・・・・・・している場合ではないな。思いついたら即実行しなければ。
まずは運ぶための籠を・・・・・・
「って俺の馬鹿ああああああああああああああああああ!!!籠、上において来ちゃったじゃん!!どうすんだ、どうすんだよ俺!!」
ああ・・・・・・・・せっかく脱出の手段が思いついたと思ったらこれかよ。
「・・・・・・・・・・何か駄目駄目だな俺」
何とか打開策を見つけたと思ったら使用できない物で、結局徒労に終わっただけって・・・・・・はあ。
あ、でも一人ずつリフターで持ち上げれば良いことか。時間は掛かるが・・・・
今すぐ脱出するためにはそれしか無い。
とりあえず急いで水から上がって、準備を整えるとしよう。
そう思ったのだが・・・・・・・
「ネギくーん!!相場くーん!!ヘルプミー!!」
不意に上がる佐々木の悲鳴。
状況は俺に優しく無いらしいな!!
「佐々木!!どうした!!」
声のした方に走る。そこには・・・・・・
『ふぉーっふぉっふぉっふぉっふぉっふぉっふぉっふぉ!!』
「イヤー!?」
長瀬とクーフェイ。さっきのゴーレムに捕まった佐々木の姿がって何ぃ!?
「ご、ゴーレムだと!?巫山戯んな!!」
どうやら先程一緒に落ちていたらしい
これはマズい、あいつ対策の兵器はまだ届いていないのだが。
リフターもそれを取りに行ってていないし・・・・・・・
仕方ないな!!
ドドドドドドン!!
持って来ていたモデルガンを手首と指に向けてに向けて連射する。
『フォッ!?あ、指が!!』
連続で弾が当たり、手首と指に対する衝撃で指が緩み佐々木が抜け落ちる。
「イヤー!?」
落ちた佐々木を
「ほっと」
長瀬が回収。お見事。身体能力高いね。
「まき絵ー。大丈夫?」
「無事ですか!?」
「ってまたあのでっかいの!?」
「ゴーレムですよ!!アスナさん!!」
ネギ先生達も来たか!!よし、これで何とか・・・・・・
「ネギセンセ!!援護頼む!!アスナ!!俺が突っ込んでアレの注意を引きつけるから、皆を安全な所へ!!」
ネギ先生の魔法なら、何とか俺の貧弱な戦力も補えるはず。
・・・・いくら先生だとしても年下の子供に頼るのは情けなさ過ぎるが、今はそんな事言っていられない!!皆を助けるためだ!!
「・・・・・・・・・・・・・相場、残念なお知らせなんだけど。ネギの奴、今アレを使えないのよ」
「・・・・・・・・・・・・・What?」
「ごめんなさい!!ちょっと今封印しちゃってまして!!」
「何だとぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」
まてまてまてまてまてまてちょっと待って今考えるからいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやあり得ないあり得ないあり得ないあり得ない落ち着いて行こういやまず俺が落ち着こう!!
え!?まさかの魔法封印!!?Oh My Got!!Iいや、俺仏教徒だからゴットはマズいかいやそんな事言ってる場合ではないんだけどな!!
とんだ緊急事態だ!!ネギ先生の魔法が無いだと!?戦力大低下!!ゴーレムがどうにか出来る相手からラスボスにランクアップ!!
「いやなんでこのタイミングで封印してしまったんですか!!ネギ先生!!」
「すいませーん!?このテストの間、生徒の皆さんと生身の一教師としてぶつかるために魔・・・アレを封印したんですけど、ダメでしたか!?」
「良い心がけですね!!でもタイミング最悪過ぎますよ!!後封印することは無かったのでは!?使わない様に心がければ良かったのでは!?私も協力しましたよさらに言うなら!!」
「本当にゴメンなさーい!!」
ええい!!ネギ先生は良い人なんだけど間が悪いな!!まあでもこんなこと起こるとは思わないし仕方ないかな!?
「封印て何アルか?」
「でござるか?」
「さあ!?何だろうね!?」
しょうがない!!プラン変更だ・・・・・・こうなれば俺一人で撹乱するしかないか。
くそっキツいな。たった一人で石像相手か。しかもこんな貧弱な武装で・・・・気が重い。胃が痛い。
しかし秘策が到着する迄の辛抱と思えば・・・・・・・
「先生・・・皆を連れてどこかへ避難を。俺が何とか食い止めますから」
「是玖賭さん!?」
「いやまあ大丈夫でしょう。死ぬことは無いですよ」
そう信じたいですが。
「イヤ、相場が頑張ること無いアルよ!!中国武術研究会部長の力!!見せるアルよ!!」
といきなりここでクーフェイが前へ出て、飛び出すと同時、ゴーレムに接近しその拳を全力で叩き込んだ。
ドゴォン!!
ってオォイ!!人類が発生させちゃマズい音が拳から聞こえたんですけど!?
アンタパンチ力いくらですかぁ!?そもそも骨折れないの!?
衝撃でゴーレムさんぐらついてますよ。しかもゴーレムの足にヒビ入ってますが。何か、アンタの拳は岩をも砕くってか?
「以外に脆いアルな!!」
「女子中学生が言うべき台詞ではないな・・・・・」
「まあクーフェイさんですし。大丈夫でしょう」
「綾瀬、お前さんも酷いな」
クーフェイ、恐ろしい子・・・・・・・
どさっ
ん?ゴーレムから何か落っこちて来たな。今の衝撃のせいか?
ってこれは!!
すぐにそれを広い、
「アスナ!!パス!!」
「えっ!!何っ!?・・・・これ、魔法の本!!」
「どうやらゴーレムに引っ掛かってたらしいな。それがあればテストも大丈夫だろう」
「うん!」
『フォッ!?しもうた!!』
よし。目的も達成。これで問題なく撤退できるな。
「アスナ、みんなを連れて撤退!!俺が囮になる!!」
「いやする訳無いでしょ!!アンタ一人残して行くってあたしはどんな外道よ!!」
「・・・・・・えっ?」
「いや、どういう意味よ!!あんたも来るの!!」
いや、みんな逃げたら誰がゴーレムの進行止めるんですか、神楽坂さん・・・?それともこのまま後追わせると?無謀でしょ!?
「却下だ馬鹿者。どうすんだよ、ここで誰も残らずに逃げたら。後からあんな石像が追ってくんだぞ。なら誰かが残んないとダメでしょうが!!」
「いやアンタ!!アレの相手するつもりなの!?」
「いや、相手をするつもりは無いが。足止めくらいは出来るだろう」
「いやダメでしょ!?いいからあんたも来るの!!」
「ええい、頑固な・・・・」
『とゆーか返すのじゃー!!』
石像の戯言は無視。
ならどうする、手持ちの兵器ではどうしようもないし。せいぜい足止めが良いとこ。
だからと言って、無謀な特攻は意味が無い。
秘密兵器も到着してない今、奴を打倒することは少々と厳しい・・・・・・いや、先程のクーフェイの能力を考えれば倒せないことは無いだろうが。
でも俺と同じ同級生の、それも女の子をあんな石像の相手を務めさせるのは罪悪感どころの話じゃない。
あ、いや。先程ネギ先生に頼ろうとしたのは・・・・・・・アレだ!!ネギ先生はこういう事の専門家では!?と思って頼ろうとしただけですよ。いや本当。
だからここは俺が囮になって他の皆は撤退をしてもらいたいんだが。
しかし・・・・・・まだ戻って来ないのか、リフターは。これは間に合わないか?
・・・ぃいん・・・・・・
!! この音は、来たか!!リフター!!
準備は整った。これなら決着を付けられる。
「神楽坂、作戦変更!!あのでかい石像ここで片付ける!!」
『フォッ!?』
「はあ!?アレぶち壊すって」
「いいから下がってろ!!此方の切り札が今到着する!!」
《マスター、指定されたコンテナを輸送しました。》
「上空から投下!!」
《了解》
ヒューッ・・・・・・ズドォン!!
「「「キャアっ!!」」」
俺の目の前に大きなコンテナが落ちて来た。
「よし、この番号。間違いないな。パネルはっと」
コンテナの側面に埋め込まれているパネルを操作しコンテナを開ける
上部の蓋が開き、それに連動して側面の四つの壁が開いた。コンテナの壁に沢山のパーツが固定されている。
急ぎこれらを組み立て、秘密兵器を作りたいのだが・・・・・しかしながら相手もそれを待ってくれる程甘くは無いだろう。
なので・・・・・・・
「リフター!!迎撃頼むわ!!十分持たせろ!!」
《了解》
「全武装の弾を使い切って構わん!!むしろ逃げるときは重くて邪魔だ!!使いきれ!!」
《了解》
「頼むぞ!!」
リフターに迎撃を任せ、まずは土台を組み立てる。パーツが最も多く組み立てにくい場所だが急ぎ組み手立てに入る。
これを組み立てる事が出来た最短の時間は大体六分半。砲台の事を考えると時間をさらに縮めねばならない。最長でも五分切らねば・・・四分五十秒、いや四分半ぐらいに縮めねば。
「・・・・・・・・おしっ!!」
パシッ
間に合うかどうかは分からん・・・・・・それでも。
「一八だ!!」
行進が遅れた事。大変深くお詫びします。