「よっし、ゴーレムは倒した。後は脱出だ」
「そうですね。急ぎ脱出しないとテストに間に合いませんしね」
とりあえず滝の裏へと急ぐ。すると、滝の裏側に確かに重厚そうな扉が有った。
「非常口?・・・・・随分と現代チックな入り口だな」
「言っている場合じゃないでしょ!!急がないと!!」
まあ確かにその通りな訳だが。さっさと扉を開けて戻らないと。
「む、待つでござる。扉に何か書いてあるでござるよ」
何?扉に問題だと?
「『問1 英語問題 readの過去分詞の発音は?』です」
「ええ〜っ!!何ソレ!?」
「そんな事いきなり言われてもー!!」
ほう、これは問題が解けないと扉が開かないパターンですかい?スリルな仕掛けじゃないか。
「ちょっと待つアルよ・・・ムムっ、これ分かるアルよ!!答えはredアルね!!」
「おおっ!!」
ピンポーン!!
ギィイイイイイイ・・・・・・
「開いた!?」
「よーっし、レッツゴー!!」
クーフェイが答えた、だと?これは・・・むっ?
「クーフェイ、その本」
「さっきアスナから受け取ったアルよ。これ持ってたら何となく分かったアル」
なるほど。間違いないな。この本は本物らしい。
馬鹿レンジャーとして名高いクーフェイが回答できたあたり、ほぼ間違い無しか。凄いもんだ。
っと、通路を抜けたか。
「うわっ!!何コレッ!!」
「おおっ!!これは凄い、螺旋階段か。これを登って上まで登って行くようだな」
「これ全部登るの〜!?」
こいつぁヘビーな運動になりそうだな。やれやれ。
「言っていても始まらないアル!!登るアルよ!!」
「これは覚悟を決めないと行けませんね・・・・・・」
とりあえず、登って行く。
カッカッカッカッカッカッカッカッカッカ・・・・・
・・・と。
「また石の壁と問題が!?」
おやおや、またかい。
重厚そうな石の壁が行く手を遮っている。そしてそこには、またも問題が。
今回は数学か。まったく、仕掛けが充実してんな。まあ、なんというかバリエーションに欠けるが。
「『問2 数学問題 下の図でXの値を求めよ』だそうです」
「急いでいるって言うのにー!!」
まあ、急いでいるのは此方も同じ。どれ、ここは一丁・・・
「本を貸すでござるよ。うーん・・・X=26かな」
おおぉっ!?長瀬まで!!
「おおお!?長瀬さんまで!?」
ガコォン・・・!
「おぉっ!!開いた!!」
こいつぁすげえ・・・こりゃあ、この後にどんな問題が出ても問題無しだな。
別にのんびり行っても問題無いくらいだな。・・・順調すぎて怖くもなって来るが。本当に、怖いくらいだ。
「『問9 [探す]の英訳となる熟語は?』!!」
「あっ、わかるよ!『look for』!」
「おー!!」
「『問10大化の改新で重要な役割を果たし藤原氏の祖となった人物は?』!!」
「任せて!『中臣鎌足』!」
「おおおおっ!」
その後も、石盤に書かれた問題に順調に答えて行く皆様。やっぱり順調だな。
このまま行けば脱出も容易いか・・・
「凄いです、馬鹿レンジャーの皆さん!!」
いやおみごとおみごと・・・あっ、
「木之香さん足下」
「へっ」
ガっ
「あうっ」
「このか!?」
木の根か、こんな所に。
「こんな所に木の根が・・・あ、足くじいてもうた〜」
「ええ〜!?」
ダニィ!?足をやっちまった!?
「登れそうか?木之香さん」
「登る分には問題ないけど、走るのはちょっと・・・」
そう、か・・・よしっ!!
「分かった。俺が背負って登る!!」
「ほえっ」
よいしょっ!!
「おおっ!!」
なかなかに、重い・・・・・・
「あ、相場君」
「まあ俺にどんと任せて・・・」
しっかりと足に力を込めて・・・
「ふんっ・・・!!ふんっ・・・!!」
のしっ、のしっ、のしっ・・・・・・
「・・・あたしが背負おうか?」
「・・・お願いします」
情けねぇ・・・・
はぁ・・・はぁ・・・
つ、疲れた・・・登り始めて1時間は立つが・・・
「もう無理〜・・・へとへと〜」
「佐々木!!頑張れ、後少し・・・だと思うから頑張って!!」
まだ上は見えない。どころか・・・
「『問29 語句を並べて文章を完成せよ This is a picture ア on september 21 イ took ウ We』!!」
仕掛けはだんだん難しくなって行くばかり!!このまま行くと高校レベルの問題が出てくるんじゃないか!?
「ウ−イ−アです!!」
「ナイス!!」
さあ急がないと!!まだ先は・・・いや!?あれは!!
「エレベーター!?」
「という事は!!これに乗れば地上に出られる!!」
つ、ついにここまできた・・・!!
「「帰れるぞ〜!!」」
「ああ・・・」
「皆さん!!乗り込みましょう!!」
急ぎエレベーターにのりこ・・・待て、このエレベーターこの人数乗せられるか!?どう考えてもそこまで大きく無いな・・・
「よーしっ!!乗った!!」
「やったー!!相場君も早く!!」
ブブー!!
《重量オーバーデス》
ああっ、やっぱり・・・
「「「い、いやああああああああああーっ!!」」」
「地底図書室で二日間飲み食いしすぎたアルかー!?」
「まき絵さん、今何キロです?」
「わ、私はやせてるよっ!!ソレを言うならアスナとか長瀬さんの方が〜!!」
「スペース余ってるやん、根性無しのエレベーターやな〜」
「同感だな・・・一時間くれれば改造してパワフルにしてやろう」
「流石って言いたいけどそんな時間無いわよー!!」
ならしょうがない。時間は掛かるが、リフターで一人一人地道に運ぶしか無いか。この手段、最終手段だったんだが・・・・・・ん?待て、この上。
「て、天井!?しまった、魔法使いは飛べるのだからそりゃ飛行対策の一つや二つしてるか・・・・・・」
脱出する手段はただ一つ、このエレベーターか・・・仕方ない!!
「アスナ!!30分寄越せ!!このエレベーター改造して強力にしてやる!!」
「ええいもう!!ソレくらいしか方法思いつかないし・・・頼むわよ!!」
「任せろ!!」
と、意気揚々と取り組もうとした。
その瞬間だった。
ズドォン!!
階段の下の非常出入り口が吹き飛んだ。
・・・・・・って、は!?吹き飛んだ!?
爆弾か!?何が有った!?
下から上がる土煙、その煙を突き抜けて現れたのは、
『ふぉっふぉっふぉっ!!逃がさんぞ〜!!』
巨大な蛇型のゴーレムだった。
「・・・ノォォォォォォォオ!?何ですかいアレ!!」
「さっ、さっきのゴーレムのお友達!?」
「そんな事言ってる場合じゃ有りませーん!!」
しかし、蛇型か・・・成る程、階段を登るのに最適な形に仕上げて来たという訳かね。
「面倒だな・・・あのゴーレム、すぐにここにたどり着くぞ!!」
「ええっ!?」
「蛇は高所に登るのが得意です。あの柔軟性を生かしてスルスルと登ってきますからね」
ちっ、この状況にさらに時間制限がついたか。おっのれー!!
すると、アスナがある事に気がついたように、片足を外に一歩出して言った。
「みんな、持ってる物とか服を捨てて!!ホラ見て、片足出すだけでブザーが止まる・・・後ちょっとなのよ!!」
「ホンマや!」
「おお!脱ぐアル、脱いで軽くするアルよ—————!!」
・・・・・・はっ!?えっ脱ぐってちょっと
「えいっ!」
「これでどうアル!?」
バサっ!!バササっ!!
う、うわあ・・・///
「やっぱりダメアル———−!!!」
「もう捨てる物無いよ——————!!!」
・・・が、眼福なんだろうか?ここまであけすけ?だと素直に喜べない・・・
『フォ〜フォフォフォフォフォフォフォフォフォフォフォフォフォフォフォフォフォフォフォフォフォフォフォフォフォフォフォフォフォフォフォ!!!!先程はやってくれたのう!!!!許さんぞぉお!!!!』
と、様子が尋常じゃないゴーレムが登って来た。くそっ、万事休す・・・っ!!
こうとなれば・・・俺が囮にっ!!
Sideネギ
僕は何をやっているんだろう。
クーフェイさんが、是玖徒さんが必死になってゴーレムを打ち倒して。
皆さんが、皆で頑張って仕掛けを解いて。
足をくじいた木之香さんを是玖徒さんが必死に運ぼうとして。
アスナさんが、なんとしても上に戻るために必死に抜け道を探していた。
僕はその間、何も出来なかった。
生徒の皆さんを、僕は守らなくてはならなかったのに。
・・・ううん、落ち込んでる場合じゃない。今こそ、僕が頑張るときだ!!
魔法が使えなくても、例え何も出来なくても。
生徒の皆さんに怪我をさせたく無いから!!
僕は先生だから、アスナさんが、是玖賭さんが、認めてくれた先生だから!!
僕が生徒を守るんだ!!他の誰でもない!!僕が生徒を!!
「僕が降ります!!みなさんは先に行って明日の期末を受けてください!!」
SIDEOUT
「ゴーレムめっ!!僕が相手だっ!!」
気づいた時には、ネギ先生が飛び出していた。
「なっ!!ネギ先生何を!!」
「ネギく〜〜〜〜〜ん!?」
「ネギ坊主・・・・!」
『フォフォ、良い度胸じゃ!!今のワシは手加減聞かんぞ〜!!』
ゴーレムが、鎌首を擡げネギ先生に迫る。ネギ先生はそこから一歩も動かない。
その姿は生徒を守る先生の様にも、蛇に睨まれ動けない蛙の様にも見える。
助けなければ———−そう考えたその時だった。
俺の後ろから手が伸びる。その腕はネギ先生の襟首を引っ掴み、エレベーター内に引き込んだ。
「アスナ!!」
「アンタが先生に慣れるかどうかの期末試験でしょ?アンタが居ないまま試験受けてもしょーがないでしょーが」
「アスナさん・・・」
その時、アスナが俺に魔法の本を手渡し蛇の方に視線を向けた。
・・・・・・・・・なるほど。
「ガキのくせにカッコつけて。もー、馬鹿なんだから!!」
「でも、このままじゃ・・・あのゴーレムに」
「是玖賭!!」
「あいさぁ!!」
思いっきり振りかぶり、
「チェイサー!!」
魔法の本を蛇の方へ向けて投げ飛ばす。
「あーーーーーーーーーーーーーー!?ま・・・魔法の本がー!?」
本は蛇の方へと飛んで行き、ソレと同時に扉が閉まる。
『フォッ!?ワシまたこんな役柄っ!?フォオオオオオォォォォォ・・・・!?』
外から哀れな老人の断末魔が聞こえたその直後、重量オーバーは解消され、俺たちは地上に脱出する事が出来た。
その後、睡眠と改めて食事をとった後、俺たちは急ぎ期末テストに望む事となった。この時、ネギ先生が何かしてくれたらしいが俺が詳細を知る事はなかった。
そして、クラス成績発表の時がきた。のだが。
俺はその日自分の部屋で惰眠をむさぼっていたのだ。だから、俺が起きてネギ先生に追いついた時、どうやらネギ先生のクビ問題は、ネギ先生の続投で決着がついていたようだった。
「是玖賭さん!!」
「是玖賭。アンタ今日休みじゃなかったの?」
「そんな訳がなかろう」
長瀬とクーフェイ、佐々木に綾瀬。皆それぞれなかなかの点数を取れたようだ。
みんな一様にどことなく嬉しそうだ。
そして頭にでかい絆創膏貼付けた妖怪。
「違うと言うとろうに!!」
「申し訳ないね学園長」
もとい学園長がいた。どうやら俺たち遅刻組の点数を伝えていたらしい。
「そう言えば学園長、相場さんの点数は何点なのですか?」
「あっ、そういえば」
「アンタ全然勉強してなかったでしょ?もしかして良くない点数だったり!?」
各人俺の点が気になるらしい。まあ、俺は大体予想はついてるが。
「あー、そのー」
「学園長が言えなくなる程酷い点数なの!?」
「これは?相場は私達に感謝するパターンアルか!?」
いや、多分今回のテストは・・・
「相場君は、そのー・・・満点じゃ」
「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」」」」」
馬鹿レンジャーが唖然とした表情を浮かべている。ま、だろうな。
「ま、満点!?」
「うそよ・・・・・・・こんなのうそよ・・・・」
「これは、やられたでござるなぁ」
「アイヤー!!ノー勉強で満点アルか!?」
「そう言えば相場さんの居た中学校って一応名門でしたね」
「あの程度のテストなら問題なく解けるね」
自慢ではないが、元いた学校では成績は不動のトップだ。この程度解けないようじゃあの学園でやってはいけない。
「いやはやネギ先生よかったですねぇ。先生続けられて」
「は、ハイ!!これからもよろしくお願いします!!」
「えぇ。此方こそ。ご教鞭よろしくお願いしますね」
こうして、ネギ先生のクビを巡る一連の騒動は、幕を閉じたのだった。
何とか三月中に投稿できました・・・・・・・・・・・・