科学生徒ゼクト!!   作:天魔雅犯土

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だいぶ遅れました・・・・申し訳ありません・・・・


第十二話だ(by長谷川千雨)

 

 

 

うむ、桜の芽吹き。暖かい春の風。実に終業式にふさわしい日和ですなあ。

そんな訳で、今日は麻帆良学園中等部の終業式である。

俺がきてから終業式までまさしく光陰矢が如く。まあその分内容が濃かったけど・・・・・

しかし、相も変わらず常識の通じない登校風景だ。・・・うわっ、今度はトラックか。しかもデコトラ。常識が通用しないねえ。

「是玖賭さん!!おはよー御座います!!」

「「おはよー!!」」

「おはよーさん」

元気な先生達からの挨拶。これも慣れたもの。でもって先生とアスナが到底学生じゃあり得ないスピードで走っているのもお約束。

「それではお先にー!!」

あっという間にその背が小さくなる。しかし、ネギ先生は魔法で強化してるとしてアスナは本当脚力どうなってる?イカレてやがるぜ・・・

「ったく。遅刻でもないのに、なに元気に走り回ってんだ・・・ガキ

・・・・」

・・・何か、何だろう。とても宜しくない類いのセリフが聞こえた様な?

ふと横を見ると、髪を後ろで束ね眼鏡を掛けたオレンジ髪の女の子がネギ先生達に心底呆れた様な視線を向けていた。

あいつは・・・確か長谷川千雨、だったか?

「ふーむ」

ま、クラスメイトとの交流ってことで話してみるのも良いか。普段はあんまり話さない相手だし。

「おいおい、あんまりそう言う事は言うもんじゃないぜ」

「・・・聞いてたんですか、今の」

「まね。耳はいい方だし」

にやりと笑いかけてやる。かなり悪い笑い方で。

「碌でもない顔してますね」

「ま、態とそうしてるし」

「・・・性格は宜しくないみたいですね」

「はっきり言うねえ・・・」

ズバズバ言ってくれる。

ま、でも裏でこそこそ言われるよかマシだよな。

隠し事はしない性格みたいだ。

真面目そうだし、いやー何だ良い奴じゃない!!

・・・あれ、何か長谷川の奴、目を明後日の方向に向け始めたんだが?

「どうした?目なんか逸らして」

「・・・何でもない」(何だろう、かなり申し訳ない事をしている様な感じがする)

 

 

 

 

『フォフォフォ!!皆にも一応紹介しておこう。新年度から正式に本校英語科教員となるネギ・スプリングフィールド先生じゃ!!ネギ先生には4月から3—Aを担任してもらう予定じゃ!!』

「おぉー」

確定したか。みんなの前だから少し緊張してるみたいだな。でもやっぱり嬉しそうだ。念願の先生に成れたんだしな。

何にせよ、これで先生はこれから正式に2ーAの一員だ。

「正式採用おめでとうございます、先生」

(なっ・・・ナニィいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?)

・・・・・・・・・ん?どっかしらから悲鳴が聞こえた様な?気のせいかな。

 

 

 

その後、先生は3ーAにてHRを行い皆と会話。何か学年トップのお祝いを行う事に相成った。何か学年一位を取ったのがネギ先生のおかげという事に成っている様でソレのお祝いだそうだ。

それ、私のおかげでもあるんですよ?私高得点叩き出してましたよ?というか満点ですよ?何なの?無視なの?俺の活躍は無視なの?

ま、それはそれとして。お祝いは寮でやる様なので早速移動を・・・ん?何か微細動してるテーブルがあんだけど?

その席を見てみると、そこの席に座っていたのは長谷川だった。何かめっちゃぷるぷるしてるけど。スライムもびっくりなくらい震えてる。

・・・気になるな。朝といい何か気になる。何だ、この違和感?

あ、出てった。

ふむ・・・まあいいや。今日は用事もある。

この前、俺のブログに愚かにもハック掛けてくれようとしてくれた馬鹿門のPCを使用不能寸前に追い込むという作業が。

事情を説明すると、俺の開いているブログに春休み中にどっかの馬鹿がハッキングしかけてくれよった。

どうやら相手方が言うには別の野郎が流したデマに引っ掛かったらしくこちらに仕掛けて来たらしいのだが・・・嘘に決まっている。

俺のブログは俺開発の最高度防衛プログラムによって死守されている。ソレを突破する程の野郎だ。恐らくデマと分かって此方に仕掛けたんだろう。全く舐めてくれよる。

だがプログラム突破した段階で相手がやばい相手だと分かったのだろう。その後は音沙汰すらない。完全に沈黙。

ま、だからと言って逃がすつもりもない・・・無かったのだが。

相手の痕跡消しが巧く、おまけに足取りすら全く掴めないという間抜け。向こうさんは相当の腕のようだ。

だが、昨日ようやく相手の残した僅かなハックの跡の残りかすを辿り、相手さんの本丸にたどり着いた。昨日はそのまま力つきたので本丸を見ずに終わったが・・・今日できっちりけじめつけてやる。さて、と・・・本丸はっと。

ふむふむふむふむ?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・おい、このブログって。

いや、確かに肌加工されてるし、眼鏡掛けてないし、服装もだいぶ違うし、イメージと違うし。いや、でもこれ。

「長谷川・・・だよな?」

 

 

 

女子寮の前。先程HPを確認して、間違いなく俺にハックしかけて来たのは長谷川だと分かった。クラスメイトのHPをボッコボコにするつもりも無い。

ここに来たのはなぜあんな事をしたのか聞くためなんだが。

「まあ・・・悩んでいても仕方ないし、さっさと行って問いつめてみるとしますかね・・・?」

女子寮玄関を通り、長谷川の部屋に向かう。

っと、ここか。さて・・・まずは行儀よく。

「Knockしてもしも〜し。は〜せ〜が〜わさ〜ん?いらっしゃいますかー?」

『・・・!?あ、相場!?な、なんでこんな時に!!・・・と、とにかくちょっと待って下さい!!』

どたっ、どたどた、ばったん!!がたたっ!!

「・・・何事?」

・・・たたたたたたたたたたたた

ばん!!

「・・・はあっ、はっあ・・な、何の用ですか?」

「・・・・・・と、とりあえず中で話さないか?アンタも疲れてるだろうし」

「え、ええ・・・」

 

 

 

なんというか、えーと・・・とりあえず。

「暗くないか?この部屋」

「・・・いつもこんな感じなので」

「・・・そうかい」

まあ、部屋の使い方なんざ人それぞれだし。別に良いけど。

今回の目的はそれじゃあ無い。本題に入るとしよう。

「なあ、長谷川はネットとかやる方か?」

「・・・まあ人並みには」

「人並み・・・か」

本当に人並みなのか、とぼけてるだけか・・・・・・まあ、人並みなら俺のシステムを突破できるはずもなし。どうやらとぼける方向らしいな。ま、それが出来ない様にこっちも証拠を持って来た訳だが。

「・・・どうやらお前さんの人並みは俺の防衛システムを突破する腕が必要らしいな」

「俺の防衛・・・!!ま、まさか!?」

「春休みは・・・」

背負って来たバックパックからノートPCを取り出し、俺のブログを表示する。

「やってくれたな?長谷川さんよ?アンタにハッキングされたブログの持ち主さんだ。ったく、辿るのに苦労したぞ?」

「・・・くそっ、アンタのブログだったのか。道理で固かった訳だ」

ふむ。特に反論もなし、か。潔いのか、はたまた諦めが速いだけなのか・・・つーか口調まで変わってんじゃあねえか。

「まあ別に弾劾するつもりで来た訳じゃあ無い。そんな柄じゃあ無いしな、俺は」

「・・・じゃあなんでだよ」

「んー。まあ気になったからと言うか。理由が聞きたかった。ブログを潰すだけならウィルス流せば良いだけ。それをわざわざ俺の『防衛』を突破してまで自力でやりたがった理由が」

ぶっちゃけ一番気になったのがそこ。おれのシステムは当然ウィルス対策も完璧だ。多分今のウィルスが四世代くらい変化を遂げたとしても俺のシステムはあっさりと対応してみせるだろう。

だが長谷川はそれを知らないはず。ならウィルスでも流しておく方が楽では有ったはず。それを無視し、あえて俺のシステムを突破に行った。そこを聞きたかった。

何?先程まではぶっ潰す気満々だったぞって?聞こえんなぁ?

・・・まあ正直相手が自分の自己満足で仕掛けて来た様な奴ならぶっ潰す気満々では有ったのだが、相手が女の子、しかも中学生のPCを潰して泣かせる趣味無いんだよな・・・・・・

「・・・んで?何でわざわざハックなんぞ仕掛けたのよ?」

「・・・・・・・・・」

さあ、どう出る?

「・・・なんて言うか、あれやったのは自分でも理由が分からんよ」

へ・・・?

「わ、分からない?」

「あぁ。正直、初めあのシステム見た時はウィルスも流すのやめて、アタック諦めるつもりだったんだよ。でも・・・」

「でも?」

「あんだけ完璧なシステムを見てたら、こっちもやる気が出て来た。あれだけのシステム、どれだけやれば突破出来るのかなって。何であんなやる気出しちまったのか・・・・・・」

「つー事は、システムを突破した時点で引き下がったのは・・・?」

「満足した。そんだけ」

・・・・・・うーん、なんと言いますか、予想外だなこれは。

思ったよりも青臭い理由なのが驚いた。あのシステム突破する様な奴だからかなり打算的な理由があるもんかと・・・いや、偏見だなこりゃ。

まあ、何れにしても理由は聞けた。それも、とびっきり青臭い理由を。

「・・・うん、分かった。ありがとうな」

「それで、どうするんだ?私を」

いや、どうするって。

「どうしもしない、これで終わり」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」

「いやだからこれで終わり」

「イヤイヤイヤイヤ待てよ!?アンタ頭イカれてんのか!?ハッキングしかけたの私!!受けたのアンタ!!普通は訴える!!オッケー!?」

「NO!!」

「力強い否定だなぁおい・・・・」

当たり前よ。訴えるとかそう言う事面倒くさいしな。重いし。

被害も無かったし、理由も無い。

「それにな」

「?」

「この程度の事で訴える程狭量じゃねえんだ。女の子の悪戯くらい笑って受け止めるのが男ってもんだろ」

「・・・・・・」

それくらい出来ない是玖賭さんじゃありませんよ?

「・・・変わってんな、お前」

「そうか?普通じゃない?」

「普通じゃねえよ。イカれてる」

「そっか」

まあそれならそれで良いさね。今の状態がイカれてるってんなら、俺はそのままでもいい。

今のままの俺が一番良いと、俺が信じてるからな。

「まー、どうしても償いがしたいってんならよ。おれ、ハードに比べてソフトが弱くてな。そっちのトラブルをたまに持ち込んでも良いかね?」

「・・・はっ、土下座でもしたら考えてやるよ。是玖賭」

「ははっ、いいね。その性格、キライじゃあ無いぜ」

 

 

 

 

 

 

「そういやブログのあれは趣味か?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・趣味だ」

「趣味か。良いんじゃねえの?衣装も良い出来だ」

「・・・・・・アリガトウ」

 

 

 

 

 

 

この後、俺が出てった後、ブログの撮影に戻った長谷川の部屋に長谷川を探しに来たネギ先生がコスプレをした長谷川と遭遇。一悶着あった、的な事を後日長谷川から聞くのだが。

まあ、俺は知ったこっちゃ無い話である。

 

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