「それで、一体何の用なんだ?」
連れて来られたのは、訪れるのは二度目の世界樹前広場。
俺は階段の上から二人を見下ろす形で対峙している。
「ま、分かりやすく言えば・・・貴様に興味が湧いた。刹那と互角に渡り合いあまつさえ勝ってしまう程の実力にな」
「・・・・・・そうか、この前上から見てたのはお前らか」
「そうだ。面白い見物だったぞ?」
「はあ」
そうか、だから声をかけて来たのか。だが・・・・・それだけでは納得しきれない部分がある。
まず、こんな遅い時間に声をかけて来た事。こんな遅い時間でなくとも昼に声をかけてくれれば良かったのにと思うのは普通の事のはず。
それに、俺の実力に興味がわいたと言う点にも疑問がある。普通は生き方とか、生活態度とか見てて興味を持つと思うのだが。
そして・・・・・・この、異常なまでの圧力。
もはや殺気と呼んでいい程の圧力。
ただ、クラスメイトに興味を持って話を聞くだけなら、ここまでの圧力は要らない。
だが、俺のある考えが当たっているのならば・・・・・・その疑問は全て氷解する。
おそらくは・・・・・
「だから、こうして戦いに来たわけかね」
「何だ、分かっているのではないか」
やっぱり。
「はあ・・・・・・しかし、入ったときから思ってたけど本当に妙な奴が多いよな、この学校」
「何?」
「分かるんだよ、昔っから勘は良くてな。普通と違う奴は何となく分かるんだ・・・で、アンタもそう感じた奴の一人」
「ほう・・・・だから分かったと?私の用が」
「まあ、な。後、何となく桜咲とやり合ったときと感じが似ていたから」
「そうか」
しかし・・・・・それが分かった所で、俺がそれを断れる訳も無い。
だって、こういう状況は・・・・・・・絶対戦闘を強制されると相場が決まってる。
なら大人しく、相手をするだけだ。
「ったく。バトルジャンキーが多いね。この学校」
「言うではないか。ま、否定はせんよ!!」
言うや否や、後方から絡繰が突っ込んで来る。
結構なスピード。桜咲程ではないが、それでも結構な速さだ。
何をしてくるのかは知らないが、このまま放っておく程、俺は馬鹿ではない。
腰に巻き付けていた、最近はいつも装備していた万能ポーチに両手を突っ込む。
そして、桜咲戦で使った改造モデルガンを取り出し、
「シュウッ!!」
ドドドドドドドドン!!
横っ飛びしつつ連続でぶっ放す。(ちなみに、今回は2丁拳銃でお送りしております)
その弾丸を一歩下がって上体を少し反らす事で躱す絡繰。
その隙に天より相棒を呼びつける。
「テイクオフ!!リフター!!」
呼びつけた5秒後に、
ブォン!!
リフターが飛んで来た。優秀だね。
すぐに飛び乗り、上空へ移動。相手と距離を取る。
しかし、桜咲の時の例がある。相手がどれくらいの身体能力を持ってるかも分からん。空に居るからと言って油断はしない。
「さーて・・・・・・強襲できるかな。桜咲と同じ様に出来れば良いんだけど」
「不可能かと思われます」
「やっぱりー?・・・って何ぃ!?」
ふと気がつけば、絡繰が目の前に居た。しかも・・・・・・
「絡繰、お前さんて・・・・・・人間か?」
「いいえ。正確に言えば、私はガイノイドと呼ばれる物に分類されます」
後ろからバーニア噴かして。・・・・・最近の女の子って。
しかし、ガイノイドか。アンドロイドと似たようなもんだっけ?
ここまで人間に近い物を造れるとは・・・・・相当の技術者だな。俺とはベクトルが違う奴だが、会って話を・・・・・ってのんびりしている場合じゃない!!
「リフター!!主砲準備!!威力をLevel2に変更!!ゴム弾も効果Level2の物を使え!!」
《了解 条件に合わせ主砲準備》
「そうはいきません」
絡繰が俺に掴み掛かって来る。
だがこんだけ隙を見せるんだからそこを当然突かれる。それに対する対策は講じてるよ!!
「エネルギフィールド展開!!」
《了解 フィールドを展開します》
バチィ!!
「これは・・・・・・エネルギフィールド、それもかなり硬質な物ですね」
フィールドにぶつかり、弾き返された絡繰が言う。
「まあな。元々こいつに搭載されてたんだが、柔すぎて使い物にならなかったんだよ。だが、ネギ先生から魔法の事を聞いた時から魔法の事を俺なりに研究してな。短時間、しかも少ない情報しか得られなかったが、欲しい情報は手に入ったんだよ」
「・・・・・・なるほど。結界ですか」
「そうだ。俺は東洋、西洋の魔法に置ける結界の情報をかき集めその情報から得た『結界』と言う結果を科学で出来るだけ再現したのがこれだ。結界が本当に存在すると知ったときは心躍ったよ。ようやくこの機能が完成する、と思ってね」
「・・・・・・魔法的な要素を一切加えずにここまで結界を再現するとは。お見事です」
「そう褒めるなや・・・・主砲!!発射ぁ!!」
《了解》
ズドン!!
絡繰の腹にゴム弾が命中し、その体を吹き飛ばす。
・・・・・かと思われたが、絡繰は後ろのバーニアを全力で噴かせ上昇。これを難なく避ける。
「っち!!やっぱりそう簡単には行かないか!?」
「申し訳ありません。マスターより出来るだけ戦いを長引かせる様に申し付けを頂いているので。出来れば勝つ様にとも」
「そうかい!!」
そうして。
麻帆良の暁の空にて、俺対絡繰の空中戦の火ぶたが切って落とされた。
「手加減するから勘弁しろよ!!主砲、てぇっ!!」
ドドドドドドドン!!
「照準ロック。バレットM82、発射」
ガウン!!ガウン!!ガウン!!
「ガトリング砲準備・・・・うわっ!!いつの間に後ろに!?ええい発射あ!!」
ガロロロロロロロロロロロロ!!!
「反応を発見。自身の下方より接近。FA-MASにて迎撃します」
ボボボボボボボボボボボボ!!!
「げっ!!あんなもん喰らったら・・・・げ、迎撃だリフター!!」
「パンツァーシュレック準備。発射」
ドドン!!
ドシュッ!!
ドォン!!
俺と絡繰の武装が天を焦がす。
此方の装備は、2丁拳銃(改造モデルガン デザートイーグル)と機関砲、ライフル砲がいくつか。
対する絡繰は。
対物ライフル、バレットM82。FA-MAS、ブルパップ方式マシンガン。パンツァーシュレックなどなど。
・・・・・・火力差が酷い。
っていうかおかしいじゃねーか!!対物ライフル撃ってほとんど反動無いじゃん!!火力差とか言う以前にこいつチートだよ!!
「くっそー・・・・・・流石はガイノイド。人間離れしてやがるぜ」
だが・・・・・・・・この前とは違う理由で戦っているとはいえ、今回も負ける事は避けたい。
だって・・・・・・・基本俺負けず嫌いだし。
「よぉし・・・・行くぜ!!」
「どうぞ」
絡繰と平行してリフターが高速移動する。
「そりゃぁ!!」
ドドドドドドン!!
とりあえず、平行している絡繰に2丁拳銃をぶっ放す。この距離だから、普通は当たるとは限らずとも擦りはするはずなんだが・・・・・・・・
「回避行動に移ります」
あっさりと躱されてますよはい。擦りもしません。
「チートだよなー・・・・・・・本当に」
機動力もそうだが、一発だけ弾丸が当たったが全く物ともしてなかった。おまけに高速で飛びつつ此方を正確に狙ってきやがる。ありとあらゆる事がおかしい。
でも諦めませんよ、勝つまでは〜
「ガトリング砲準備!!発射ぁ!!」
《了解》
ガロロロロロロロロロロロロ!!!
幾度目かのガトリングが火を吹く。
ガトリングの弾圧を持ってすれば擦りはするかもねー・・・・・・なんて幻想はもう捨てた。全力で当てに行く!!
「当たれぇ!」
ガロロロロロロロロロロロ・・・・・・・・・・・・・
大量の弾がばらまかれ、そのすべてが絡繰に迫る。
「・・・・・・」
それを、上へ飛び、砲台を引きつけておきつつ一気に下へ降りて弾の軌道から逃れる。砲台が弾の軌道をおろして再び絡繰を狙うと、今度は、近くにある建物を盾にしつつ弾丸を躱す。
そんな訳で、ある程度離れてしまい射程距離からでてしまったので砲を止める。
「お見事、と言うしか無いな。周りの地形やこっちの射程範囲を冷静に分析して動き方を決めているぜ・・・・・・・恐るべし絡繰の頭脳、と言った所か」
これはまずいよね・・・・・・・弾丸は擦らず、あちらからの攻撃はギリギリにしか躱せない。
おまけに、あちらは昼であろうと深夜であろうと活動可能なガイノイド。
こちらは活動時間に限界と言う物がある。それも考えるとあんまり時間をかけてるとこちらに負ける未来しか見えない。
なら・・・・・どうするか。
このままでは負ける・・・・・その未来を覆すためにいかなる方法をとるか。
・・・・・ん?そう言えば今日はアレを持って来てたんだっけ。
・・・・・・・一八で試してみるか!!
このままじゃ負けだ。ならやってやる!!
「それじゃあいくぜ!!」
そう言ってブースターを全力で噴かし、再び絡繰と並走する。
「おらいくぜ!!モデルガンをぶっ放すぜ!!」
「回避行動に「・・・なんてな」・・・え?」
絡繰の声を遮り、持って来ていたある兵器を使う。
「くらえ!!特製ランチャー!!」
ズドン!!
グレネードランチャー型のモデルガンを両手で持ちぶっ放す。
飛んでった大きな弾丸は、空中で割れ・・・・・・・
バッ!!
でかい網を吐き出した。
「くっ、これは・・・・・」
「これは躱せねーだろ。近距離、範囲も広大、おまけに包み込む様に退路を断つ。逃げられねーぜ!!」
そうして網は、すっぽりと絡繰を覆った。急いで脱出しようともがくが・・・
「・・・・・脱出は不可能そうですね。この網、電子機器を狂わせる素材が施用してあるようです」
「そのとーり」
このロケットランチャーは試作品で、偶然このポーチに入っていたのだが、このロケットランチャーは電子工作を行う装備を身につけた敵を無力化するために造ったんだが・・・・(何でそんな物を造ったかって?学園に居る頃は学園の機密情報を手に入れようとする奴らが居て、それを無効化する装置を教員方に頼まれたのだ)
こんな時に役に立つとはな。
「そんな訳で、おれの勝ちだな。残念、絡繰」
「申し訳ありません、マスター。敗北してしまいました」
今回も、俺が勝つ事が出来た。
そうして
「かろうじて勝ったぞー!!さて、次はお前か!?」
俺は恐らくこの後くるであろう相手にビシッと指を立てた。
「エヴァンジェリン!!」
「・・・・・・・」
エヴァンジェリンは、ただ悪い笑みを浮かべていた。
どうも。作者の天魔雅犯土です。
さて今回は少しアンケートをしようかと思います。
今回の戦闘シーンや今までの戦闘シーンを見て・・・・・
1:淡々としすぎている
2:ちょうどいい
3:しつこい
の三つのうちどう思ったでしょうか。
ご回答いただけると幸いです。