「ふひゃぁぁ!」
茂みから飛び出したのは・・・う、ウサ耳を付けた女の子?
それを見た瞬間、俺の頭によぎったのは怪盗848面相。
・・・つまりコスプレした俺。
いやっ、俺の趣味じゃねぇよ!?
兄ちゃんに無理やり着させられただけだから!
・・・兄ちゃんとは俺が子供のときからの仲だ。
俺と、俺の幼馴染たちをすっげぇ可愛がってくれたんだ。
そんな頃、俺たちの前に怪盗が現れたんだ。
そいつは怪盗416面相って名乗ってて・・・。
いや、マジで怪盗みたいな恰好してて
『私を捕まえてみろ』
って俺たちに言ってきたんだ。
で、その頃の俺たちは怪盗416面相を捕まえることができなかった。
実力的な問題はあったんだけど、一番の問題は・・・
俺と幼馴染の1人である藤守直(フジモリ スナオ)が誘拐されたのが一番の理由だ。
俺と藤守は長い間、相沢って奴に誘拐されていた。
相沢の・・・研究サンプルとして。
・・・。
ま、そんなわけでその時は怪盗416面相を捕まえることできなかった。
だけど、俺が高校生の時にまたそいつが俺たちの前に現れたんだ。
子供の時は分からなかったけど、実は怪盗416面相の正体は兄ちゃんだった。
怪盗416面相 → 416 → シン・イチ・ロウ
・・・安直すぎて、それに恰好が恥ずかしすぎてなんだか見てるこっちまで恥ずかしくなっちまったぜ。
で、まぁ結局俺たちは協力して怪盗416面相を捕まえることができた。
できたんだけど・・・。
何故か俺と藤守、そして幼馴染の本城祭(ホンジョウ マツリ)は兄ちゃんに無理やり兄ちゃんと同じような恰好(コスプレ)をさせられることになり・・・。
そして何故か俺にはウサ耳が装着され・・・。
・・・思い出して来たら泣きたくなってきた。
「何あれ、コスプレ?」
そう久遠が言った言葉はダイレクトに俺の心をえぐった。
やべぇ、心に刺さる(泣)。
「や、やだなあ4人様方、そんな狼みたいに怖い顔で見られると黒ウサギは死んじゃいますよ?ええ、ええ、古来より孤独と狼はウサギの天敵でございますよ。そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じてここは一つ穏便に御話を聞いていただけたら嬉しいでございますヨ?」
「断る」
「却下」
「お断りします」
返答早すぎじゃね!?
「あっは、取り付くシマもないですね♪」
そんな黒ウサギに手を伸ばす春日部。
その先には・・・。
「えい」
「フギャ!」
頭にあるウサ耳。
「ちょ、ちょっとお待ちを!まさか初対面で遠慮無用に黒ウサギの素敵耳を引き抜きに掛かるとはっ、一体どういう了見ですか!?」
「好奇心の為せる業」
「自由にも程があります!」
「へえ?このウサ耳って本物なのか?」
「じゃあ私も」
そう言ってウサ耳を引っ張りだす3人。
あのウサ耳本物なのかよ・・・。
というか、黒ウサギから''この問題児方を止めてくださいっ''って視線が痛い。
「あー、お前ら?そいつから色々と聞かなきゃならねぇことあるし、そろそろ離してやれば・・・?」
俺のその言葉に感動したような視線を向けてくる黒ウサギ。
ただ、実は俺もちょっと触ってみかった・・・。
「そうだな。おい、さっさと話せよ黒ウサギ?」
「仕方ないわね」
「・・・もっと触りたかった」
つづく
相沢:『すきしょ』におけるラスボス。
羽柴空や藤守直に対して様々な実験を行った。
藤守直:空の幼馴染。
空と共に相沢に囚われて様々な実験を受けた。
本城祭:空と直の幼馴染。
相沢に囚われなかったが、自分だけ助かったことに罪悪感を抱いている。