プロローグ
「この先に君はすすむのかい?」
「……はい」
全身が黒く針金のような細さの男性とピンクの服に赤のスカートをはいたお下げの少女が真っ白な空間で話す。中にはピアノが一台あるだけだ。
「この先には君にとってつらいことがあるかもしれないのに?」
「……それでもです」
眠ったように閉じていた少女が目を開く。それはとても強い意志が感じられた。その腕の中にはモノクロの格子模様が描かれた卵がある。
「………君の決意は固いようだね。じゃあ、行ってらっしゃい」
「はい、行ってきます。そして、絶対に帰ってきますね。先生」
少女は扉を開いてその先へと向かった。
★
これはまた別の夢。おとぎの国のような優しい世界の中、ティータイムを楽しんでいた少女が立ち上がる。青いワンピースに白のエプロンドレス。全体的に『不思議の国のアリス』のような雰囲気を持っている。
「君はこの先に進むのかい? 君の悪夢は終わったのに」
彼女のそばに灰色の大きな猫が現れた。猫はにやにやと笑っている。
「ええ、この先にはかけがえのない友人がいるわ。あなた達と同じくらいにね」
にっこりと笑うがその顔には決意がみなぎっていた。そして、手には一振りのナイフが握られている。
「そうか、では行ってくるといいよ。一応、無事を祈ろう」
「じゃあ、行ってくるわ」
少女は扉を開けた。
★
荒廃した町の中。少年が二人立っていた。片方の少年の顔はフードに隠れて見えずその少年は黒い鉄製の棒を抱えている。
「相棒、本気でやるつもりか?」
「……ごめんね。巻き添えくらわして」
顔が見える方の少年が申し訳なさそうにする。
すると顔が見えない方の少年がにやっと笑ったような雰囲気がした。
「いーや、俺は楽しみだな。俺にも出番くれよ」
「うん、ありがとう。それから、やるよ」
「おう」
少年たちは荒廃した町へと飛び出した。
これは悪夢に立ち向かうお話。
悪夢に立ち向かう少年少女のお話です。