プロローグ
「僕はさ、世界中の人を助けるなんてできないよ。でもね、目の前に居る人は助けたいんだ」
そう笑った。あいつの顔は酷く晴れやかだった。
「それってわがままかな?」
その苦笑が今も脳裏に焼き付いて離れない。
少なくとも今、あたしは生きている理由があるとするならばこいつが理由なんだなって思っている。それくらい、あいつが大けがをしながらも信念を貫く姿は印象的なんだ。
★
「じゃ、よろしくね」
彼は僕に驚きもせずにそう笑った。
「あ、あんたいいんかい? 宇宙人だよ?」
「え、別にいいじゃないですか。仲良くなれそうだし」
僕の形状は人間には驚きを与えるようで出会った頃のカヲルですら心底不審げな目線をしていた。それなのに目の前に居るこの少年は僕のことをなんとも思わずに普通に接してくる。随分と出会った人間の中では珍しいと感じた僕は驚いた。珍しいと思うこと自体が通常にはないことだ。もしかしたら彼がそうなのかもしれないと感じたのだった。
★
「だいじょーぶだって。人間不幸で死なないよ?」
そう笑ってくれたのは後にも先にもこいつだけだった。自分の不幸体質には慣れ切っていた俺だったが
「案外僕も不幸だからさ。かけて割ったら少しはマシになるんじゃない?」
★
「別に、君いい人じゃん」
白い髪の少年に茶色の髪の少年は笑う。
「アァ?」
「威圧感たっぷりだけど別に殺されそうもないし。なんだかんだで優しいよねぇ。そうだ君のことをさ、あだ名で呼んでもいい?」
「勝手にしろォ」
「うん、よろしく。――」
★
これは一人の少年を中心にしたオハナシ。
それぞれの明久の印象。キャラについては内緒ってことで。モロわかりだろうなぁ。