短編集。   作:亜莉守

2 / 50
『とあるバカと魔法少女』
プロローグ


 

「僕はさ、世界中の人を助けるなんてできないよ。でもね、目の前に居る人は助けたいんだ」

 

そう笑った。あいつの顔は酷く晴れやかだった。

 

「それってわがままかな?」

 

その苦笑が今も脳裏に焼き付いて離れない。

少なくとも今、あたしは生きている理由があるとするならばこいつが理由なんだなって思っている。それくらい、あいつが大けがをしながらも信念を貫く姿は印象的なんだ。

 

                    ★

 

「じゃ、よろしくね」

 

彼は僕に驚きもせずにそう笑った。

 

「あ、あんたいいんかい? 宇宙人だよ?」

「え、別にいいじゃないですか。仲良くなれそうだし」

 

僕の形状は人間には驚きを与えるようで出会った頃のカヲルですら心底不審げな目線をしていた。それなのに目の前に居るこの少年は僕のことをなんとも思わずに普通に接してくる。随分と出会った人間の中では珍しいと感じた僕は驚いた。珍しいと思うこと自体が通常にはないことだ。もしかしたら彼がそうなのかもしれないと感じたのだった。

 

                     ★

 

「だいじょーぶだって。人間不幸で死なないよ?」

 

そう笑ってくれたのは後にも先にもこいつだけだった。自分の不幸体質には慣れ切っていた俺だったが他人(よそ)にまで迷惑をかけたときにはかなり慌てる。今回とて迷惑かけたことを詫びたのだったが、こいつは気にしないと笑ってくれた。他人が一歩離れた立ち位置から見ようとする俺のことを一番近くにまで来てくれたのも、中学時代にはこいつくらいだった。

 

「案外僕も不幸だからさ。かけて割ったら少しはマシになるんじゃない?」

 

(マイナス)(マイナス)かけたら(プラス)でしょ。とわけのわからないことを言っていた。まあ、励ましてくれていたんだなとつくづく思った。

 

                     ★

 

「別に、君いい人じゃん」

 

白い髪の少年に茶色の髪の少年は笑う。

 

「アァ?」

「威圧感たっぷりだけど別に殺されそうもないし。なんだかんだで優しいよねぇ。そうだ君のことをさ、あだ名で呼んでもいい?」

「勝手にしろォ」

「うん、よろしく。――」

 

                     ★

 

 

これは一人の少年を中心にしたオハナシ。





それぞれの明久の印象。キャラについては内緒ってことで。モロわかりだろうなぁ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。