「うわぁ、ほとんど無いや」
目の前にあるのはほとんど中身のなくなったお皿とグラスだけだった。
そばでは大人が大量に酔い潰れている。
そばに来たテイルスが申し訳なさそうな顔をした。
「ごめんね、アキヒサ 君が見つかるってわかったらタッパー詰めるとかしておいたんだけど」
「いいって、僕も合流できるって思ってなかったし」
ソニックが大統領主催のパーティーに呼ばれているなんて思わなかったし。
それよりも先にこんなことになっているとは。
「チップお腹がすいたよー」
「残ってるの全部食べていいよ。そこまでお腹減ってないし」
ぎゅるるるr 僕のおなかが鳴った。
「あ」
「お腹減ってるじゃない」
エミーもそばに来た。普段とは違う服装だ。それよりも、
「エミー、君が居たことには割とびっくりしてるんだけど」
「アタシだってテイルスと一緒にトルネード乗ってたんだからね!」
外の様子なんて全然知らなかったからなぁ。
そうだ、
「他に誰が居るの? クリームとチーズはわかってるけど」
後はエッグマンとブレイズの二人くらいか。
「うーん、アタシが知っているのはナックルズにエッグマン」
ナックルズ助けに来てくれたんだ。
「それからブレイズさんが見つかってません!」
「チャオチャオー」
「ブレイズはいたから覚えているけど、他には?」
「うーん、シャドウは居なかったわよね」
テイルスに確認を取るエミー、あれ? 今なんか叫び声が聞こえた?
周りを見渡しても何もない……気のせいか。
「うん、居なかったよ。シルバーは居たかな」
「じゃあ、二人で行動しているから大丈夫だね」
シルバーとブレイズは絶対コンビだし。
「後……誰かいたかな?」
みんなが頭をひねる。そこにソニックがヘレンの車椅子を押してやってきた。
「んじゃ、帰るか」
僕の腕を取ってヘリへ向かおうとする。
「ソニックストップ、ヘレンを送るなら僕を連れていく必要性は無いよね」
「つれねーなー」
ふてくされないでよ。
「とりあえず、またねヘレン」
「ええ、またね。アキヒサ」
☆
「はー、豪華なリムジンだね」
僕こんなのはじめてみたよ。
「ひろーい」
チップが楽しそうに飛び回っている。それにしてもこのシート気持ちがいいなぁ。
「ふぁー」
「あれ? アキヒサ眠いの?」
「ふぁーへ(まあね)」
「アキヒサずぅっと皆を探して歩いていたもんね」
チップのその言葉に全員が固まった。
「ごめんね。早く見つけられなくて、なるべく探してたんだけど」
「ありが……」
そこで僕の意識が切れた。
★
「あ、寝ちゃった」
テイルスの尻尾に顔をうずめてアキヒサがゴロゴロと小さく唸っている。しかし、それもすぐに収まった。
「ねぇねぇ、アキヒサって人間?」
クリスがテイルスに聞いた。見た目は普通の人間だ。髪の色が純白なのを除けば。
「ん? そうだよ。ボクたちの世界には普通に人間も暮らしているって前に言ったよ?」
「でも、何か信じられなくって。でもアキヒサは普通に人間だね」
クリスが笑うがアキヒサを知っているメンバーはちょっと思案顔だ。
「普通?」
「うーん、それはどうなんだろう」
「? どうかしたの」
「何でもないよ」
テイルスは笑ってごまかした。
☆
「………んー」
知らない天井だ。そう思って起き上がって周りを見渡せば見慣れた青色が目に留まる。
「おはよ」
ソニックだ。いつものとおりの朝。
「ふぉあよ、ソニック。朝食当番って……」
「ここではエラが作ってくれるから平気さ」
「そーなんだ……?」
え、ちょっと待って。
「ここどこ?!」
部屋を見ればまったく見覚えのない部屋だ。それに昨日までは野宿だったし。
「クリスの家」
「クリスって……あー、あの子か」
自己紹介してくれた茶髪の彼を思い出した。
確か名前はクリストファー・ソーンダイク? だったはず。
「起きたなら朝飯食いに行こうぜー」
「んー、了解。着替えてからね」
久々にまともな食事が食べれる。そう思うと胸がわくわくしてきた。