プロローグ
とある空間に一人たたずむ少年が居た。
少年の顔もうつむいていて表情は見えない。
少年の服装は縦襟の白いだぼっとした服に黒のインナー、ズボンはどこででも見るジーンズだ。
少年が顔を上げた。無表情、ただ無表情だ。それを助長するのが鈍い色をした目だ。
少年は口を開く。
「ある訳の分からない少年の話をしよう」
当然現れた額縁に少年そっくりな、しかし何故か別人だと断言できてしまう絵が現れる。
「少年にとって、現実は不幸せだった」
絵の中の少年が見る見る間にやつれ、全身にけがを負い始める。
「少年にとって、絵が幸せだった」
絵の中の少年の背景が急に変わり、少年も見る見る間に回復していった。
「少年はある日知った。自分の描いた絵の世界があることを」
何かはよくわからないが扉……のようなものだろうか。そこに絵の中の少年は入っていこうとする。
「少年は自分の描いた絵の世界に居座ることを決めた」
絵の少年が南京錠を手に扉に鎖をかけている。
「少年は外に身代わりを置くことにした」
反対側と思われるところには少年そっくりの少年が呆然とした表情で座り込んでいた。
「……それがぼく…いや、僕だった」
額縁は消え、少年の手には薔薇が一輪現れた。
「ここに一本の薔薇がある。純粋に真っ黒な悪趣味な薔薇だ。黒薔薇の花言葉は『貴方はあくまで私のモノ』『憎しみ』『恨み』 散々な花言葉だけどこれが『僕』にはぴったりかな」
少年が肩をすくめた。表情は相も変わらず無表情だ。少年の背後に少年真そっくりな、今度は雰囲気まで一緒な絵が現れる。反対側には別の黒薔薇が活けられた花瓶が置いてある。
「この一本の薔薇が『僕』の命だ。この薔薇が萎れれば僕の存在は無かったことになる」
急に花瓶の薔薇が枯れた。すると少年の絵は色褪せ、ついには消えてしまった。
「ご覧のとおり『僕』は人間じゃないんだ。何度そのことを恨んだことか」
そういう割には目が笑っていた。
「そんなわけで僕こと人外の一人語りでお送りする。そんなオハナシだよ」
★
少年が失せた空間に一人の少女が現れた。
「全く、彼は言いたいことだけ言ってすぐに逃げるとは……まあ、いいか。彼らしいし」
少女がこちらを向く。その表情は柔和な笑みだった。
「読者の諸君、初めましてと言っておこうか。僕は彼の友人だ。そんなわけで、ぬるめのシリアスにつかりつつお送りするドタバタなんてあるわけもない糖分控えめのラブ?コメディ、それがこの話かな。では」
少女が方向転換して去ろうとする……そのちょっと前に彼女が振り向いた。
「そうそう、僕のことは親しみを込めて
少女がにやっと笑ったままその場から姿を消した。
えー、すみません。うっかりやらかした。
人外明久&安心院さんです。
(自称)人外さんの試召戦争
大体そんな話。
そういえばにじファンでどなたか安心院さん×バカテスとかやってましたよねー。アレ結構面白かったなぁ。