短編集。   作:亜莉守

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※まさかの戦勇。とのコラボ
※無課金時代に流し読みした程度なので設定が違ったらすみません
※キャラ崩壊注意
※一応バカテスキャラもちゃんと出す予定


見習い、帰宅する。

 とりあえず最終下校時間も過ぎそうだったので帰ることにした。帰り道に八百屋と肉屋に寄って、野菜と肉を買う。確か切らしてたはずだし、何より今日は週一で人が来る日だったはずだから余計に買っておかないと。

 

「どうせ二人ともウチで食べてくんだよね」

 

 今、僕は兄さんと二人で暮らしている。兄さんの名前はアルバ、この世界では平均的な名前でかなり昔には大勢いたそう。そのまた昔には勇者レッドフォックスの本名がそれだったなんていう由来がある。基本的に気さくで誰からも好かれるいい兄さんだ。後ちょっと不憫、親友だっていうシオンさんにはいつもいじられているし、基本的にとばっちりに遭いやすい。まあ、これは僕にも言えたことだけどね。

 ちょうど家についた。それなりにある平屋の一軒家だ。ここは元貸家で現我が家、父さんと母さんが僕らが二人暮らしするときに買ってくれた。その代わりに生活費は貰っていないので贅沢な暮らしとかはできない。まあまあ平均的な暮らしができればいいかなぁとは思ってるんだけど………。

 

「またか………」

 

 帰ってみれば食卓机が真っ二つに切れていた。この前、家具店見に行って気に入ったから奮発して買ってきた新しいのだったのに、ちょっとは自重して欲しいなぁ。多分兄さんかシオンさん、もしくはクレアさんのせいだ。それがなかった場合には魔界から来た誰かのせいだろう、それだった場合にはどうしてくれようか。あ、なんか思考が飛んでた。目の前で今まさに切られかかってる兄さんと切りかかろうとしているシオンさんを見つける。あー、いつも通りか。

 

「あ、アキ……おかえり」

 

 兄さんの顔色が見る見る間に悪くなる。今回は兄さんのせいか。とりあえず買った食材を入れるために冷蔵庫の前に立ちながら聞いてみた。

 

「ただいま。ところでだけど食卓真っ二つになってたけど、理由は?」

「いや、うっかり魔力が」

 

 あー、うん。正直それは予想がついていた。兄さんは僕なんかよりも多い魔力を持っている。普段は暴走も暴発もしないんだけどシオンさんたちが来る日に限って暴発させる。大体は物が壊れる程度で済むからいいんだけど、たまにシャレにならないことやらかすから怖いんだよね。

 

「だよねー。はぁ……何で兄さんって魔力の使い方いつもは大丈夫なのにシオンさんとかクレアさんが来る日に限って暴発するんだか。兄さん頼むから食卓直して、ご飯作ったところで並べられないよ」

「はーい、ごめんね」

 

 まあ、魔法のおかげでどうにかなりそうだしいっか。

 

「いいって、ある意味いつも通りだから大丈夫。それからシオンさんもクレアさんもこんにちは」

 

 僕はようやくウチに来ていた二人に声を掛けた。

 

「こんにちは、アキ君相変わらずだねぇ」

「どうもです。クレアさん」

 

 兄さんの友達の一人のクレアさん、兄さんよりも少し年上で普段はのんきだけど頼れる兄貴分だ。普段は旅人をしているそうだけど一週間に一回ここに来てるってことは多分移動距離はかなり短いんじゃないのかな?

 

「こんにちは弟さん、相変わらず寝不足そうなアホ面で」

「どーも、シオンさん。アホ面は余計だと思いますよ」

 

 そんでもって親友(兄さん曰く)のシオンさん、この人を一言で表すなら多分ドSと言えばいいんじゃないでしょうか。主な被害者は物理面精神面共々なら兄さんとクレアさん、精神面とかだけだと僕も入ってくる気がする。

 

「あれ、寝不足は認めるんですか?」

「まあ、寝不足は寝不足なんで。今日のごはんは焦がしたらすみません、焦げたら全部あんたによそいますんで」

 

 僕としてはとりあえずやられたらやり返すってことで。下手にしょうがないなーとかやってると多分調子に乗りそうで怖い。てかすでに兄さんがそんな状態だから余計に警戒したい気分になるんだよなー。シオンさんが何か言いだそうとしたところで兄さんの声がした。

 

「アキー、食卓直ったー」

「そっかー。今日のごはんは和食だからお茶碗とか並べて置いて―」

「はーい」

 

 兄さんってこういう時にタイミングがいいんだよね。そんでもって……。

 

「いっだぁぁぁぁ。何でいきなりアバラ攻撃してくるんだよ!?」

「いえ、ちょうどそこにあったので」

「理不尽!」

 

 大体こんな感じで兄さんにとばっちりが行く。ごめんね、兄さん。でも僕としては流石に兄さんみたいにしょうがないで流せないんだよね。そりゃまあ、いつも関節技決められてたりするけど……思えば僕も兄さんと一緒かも?

 

「あはは、いつも通りだねー。シーたんもアキ君も、なんか手伝おうか?」

「あーじゃあ、冷蔵庫の小鉢出してください。昨日のうちに用意してあったんで」

 

 寝不足の原因、次の日の夕食を用意してたから。まあ、これだけじゃないけど。

 

「りょうかーい。それにしても寝ないとダメだぞ?」

「はい」

 

 眠いなぁとか思いながらグリルに魚を並べる。それから魔力を込めて、さんにいいち。はい、焼き魚の完成二匹焦げたけど、シオンさんと僕に回せばいいか。魔法って便利なところでは便利だけど面倒でもあるよなー。主に勉強面で

 

「よし、出来た。ふぁ……」

 

 絶賛眠いです。これは食べたら寝ようかな。ここ最近は調べもので遅くまで起きてたしなぁ。

 

「アキーやること……って何か眠そうだね?」

「うん……眠い」

「そっかー、夕飯食べたら寝る?」

「うん」

「じゃあ、今日は魔法の練習なしだね」

「う……うん」

 

 しまった。忘れてた。シオンさんが来てる時は魔法の練習が入ってたんだ。兄さんなんかより魔法の使い方の上手いシオンさんに僕は魔法を習うことにしている。ぶっちゃけ学校の勉強でも成績がいいのってシオンさんのおかげなんだよね。丁度炊き上がるように兄さんに頼んでおいたご飯とそれから簡単な味噌汁も並べ終えて、僕らは食卓に着いた。

 

「頂きます」

「ちょっと、弟さん。オレの魚若干どころかかなり焦げてるんですけど」

「うわぁ、真っ黒。これ食べれるの?」

「あれ、アキのも真っ黒だよ」

「僕のも焦げてるんだから文句言わないでくださいよ」

 

 切り身をほぐして口に運ぶ、うん食べれるからいいや。

 

「ちょ、アキ? 凄い寝ぼけてない?! 何その炭化した魚を普通に食べてるの?! ボクの魚あげるから食べるの止めて!」

「あ、いいんですか。貰いますね」

「お前には言ってないから!!」

 

 うるさいなぁ。とりあえず食べれるからいいじゃないか。

 その後の僕の記憶は定かではない、一応覚えているのはとりあえずご飯は食べきったことだけだ。

 

 

 

 ここで話をセーブしますか?▼

 

 はい▼   いいえ

 

 






「うわぁ、見事に頭打ちつけましたね。手に箸持ってる辺り食い意地張ってるのが丸わかりですよね」
「アキ君よっぽど眠かったんだね。目のクマ凄いことになってたもんねぇ」
「あ、血出てる。回復魔法しないと」




お疲れ様でした。絶賛眠いのは自分です。
メイン二人と元魔王登場でした。明久とシオンは微妙に仲が悪い設定、明久はしょうがないなぁで流せないイメージがあるので。例としては雄二との関係とか

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