色々なIF集   作:超人類DX

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リクエスト通りかは分かりませんが、自分なりにやってみました。
故に設定が大幅に違います。




末端ちゃんと人妻とショタ
末端ちゃんとマイナス


 全く、俺はパシリじゃ無いんだよ。

 それなのにあの女ときたら……。

 

 

『暇だろキミ? そんなキミにゴスロリ美少女をプレゼントしてあげる。

フフフ、彼女も友達も居ないキミとしては喜ぶべきことだと思わないかい?』

 

『……………は?』

 

 

 毎度毎度の夢の中。

 何処かの教室を思わせる空間で、その女……安心院なじみは人差し指を立てながら笑みを見せてポカンとする俺に一方的にそう告げた。

 確かに友達も彼女も才能も何も無いけど、だからといって女の世話をされるなんて思いもしないし、大きなお世話だ。

 

 

『おいこら、そういうのを世間一般では大きなお世話――』

 

『じゃ、そういうことで』

 

『おい!?』

 

 だから断ると言ってやろうとしたんだが、見た目は華奢な美少女の癖して、この世に存在するありとあらゆる存在を『平等にカス』と言えちゃうだけの理不尽の権化なせいで断る事など勿論不可能であり、気がつけば謎の教室空間が消え、自室のベットの上で目を覚ましていた。

 

 

「ハァ。毎度毎度の事ながら悪平等(ノットイコール)でも無い俺に妙な事をしてくれるねぇ安心院さんは……」

 

 

 目覚めが悪いとはまさにこの事……。

 単なるカスな過負荷(マイナス)……しかも安心院なじみ曰くこの世に俺一人だけでしかない存在に、何故か毎度毎度変な事を夢の中で持ち掛けてくる訳だが、今回は一段と変な提案だぜ……とか思いながら上半身だけ起こし、時間を確認するとまだ深夜の3時だった。

 

 

「ったくもう……」

 

 

 中途半端に目が覚めちゃったせいで、二度寝の決行が困難になっちゃった俺は、小さく悪態を付きながら枕元に放置しておいたタブレット端末でも弄くろうと暗闇に目が慣れてない状態で手をまさぐる。

 すると一つ違和感に気付き、まさぐる手がピタリと止まる。

 

 

「なんだ……この温い感触?」

 

 

 何かこう……あるんだよね隣に。

 というか段々目が慣れてきて見えるんだけど…………これアレだよね?

 

 

「むにゃむにゃ……」

 

「早ぇよあのバカ女……」

 

 

 夢の中であの女が言ってた通りの、ゴスロリ美少女って奴が隣で寝ていたんだよ……めっちゃ気持ち良さそうにね。

 だから俺は、今頃どっかでほくそ笑んでる安心院なじみに対して睡眠妨害諸々の意味を込めた恨み言を漏らすのであった。

 

 

 

 

 

 

「ちーっす! 安心院さんに言われてイッセーさんの下僕になる事になりましたミッテルトっす!」

 

「声がデカイ。トーンを下げてくれないかな?」

 

 

 取り敢えず安心院さんの派遣したゴスロリ美少女の眉間に釘を刺して叩き起こしてやった俺は、彼女から詳しい説明を受ける為ベットに座らせて自分は床に座るという……あれ、冷静に考えたら立場逆だろってポジション展開をしていた。

 名前はミッテルトと言うらしく、したっぱ堕天使……と見せかけた悪平等の末端らしいのだが、喋り方が最近の若者に似ていた。

 ちなみに、眉間にぶっ刺した釘は彼女に気付かれないまま消しておいた。

 

 

「あ、すいません。何せ悪平等(ぼく)としては初めての事でテンション上がってまして」

 

「その割りには気持ち良さそうに寝てたけどね」

 

「いやぁ、この世で唯一の過負荷(マイナス)さんでるイッセーさんがあんまりにも気持ち良さそうに寝てたのでついついっす」

 

 

 てへへ……と後頭部に手を置きながら照れるミッテルトちゃんだが、だからといって男が寝てる隣に寝るのはどうかと思うんだけどね……あ、堕天使だから羞恥の基準が人間と違うのか? まあ良いか。

 

 

「で、ゴスロリ美少女のミッテルトちゃんは断らなかったのかい? あの気紛れアホ女のアホな提案に……」

 

「おお、安心院さんに対してその口の悪さ。

安心院さんの言ってた事はマジだったんすね……それに美少女とか照れるっすよぉ」

 

 

 何故か目をキラッキラさせてるミッテルトちゃん。

 いや、だって馬鹿らしいものを馬鹿らしいと言っても俺は悪くないんだし普通だろ。

 そんな事より質問に答えてくれんかね?

 

 

「? 別に断りませんでしたよ? そもそもウチ、安心院さんからイッセーさんの話を聞いて常々会いたいなぁとか思ってましたし……あ、別に洗脳とかもされてませんし、本気と書いてガチッス!」

 

「ふーん……」

 

 

 嫌では無いらしい…………。

 チッ、あの野郎――じゃなくてアマ……50兆程スキルわ使えなくしてやろうか?

 まあ、直ぐに半殺しにされちゃうんだけど…………っとと、話が逸れてしまうな。

 

 

「話は分かった。にしても変な子だねキミ。

悪平等(ノットイコール)の癖にカスな過負荷(オレ)の下僕とやらになるなんてさー」

 

「ノンノン、イッセーさんはご自分が如何に貴重か解っとりませんね!

この世に悪平等(ぼく)は沢山いますけど、安心院さんと同じ力……能力持ち(スキルホルダー)は居ないっすからね。

持ってる人は全部安心院さんから貸し出された人達ですから」

「そうだったっけ? 確か根底は違えど似た力はあるんじゃ無かった? 確か……神器だったか」

 

 

 あれも多種多様って聞いた気がするんだがな……随分前に。

 神も殺せる奴とかもあるらしいし……なんて考えてると、ミッテルトちゃんは再びノンノンと首を横に振る。

 

 

「それとは違いますよイッセーさん。

アレもアレで便利かもしれませんし、現にウチのチームのリーダー……あ、レイナーレって只の堕天使も人間から神器引っこ抜いて自分のモノにしてやろうとか無駄な事しようとしてますけど…………って、これカンケー無いっすね。

とにかく、安心院さんと同じ力……しかもご自身で発現させたのはこの世でイッセーさんしか居ないんです。

だからウチは憧れてるんすよ……負け犬の過負荷(マイナス)ですけど!」

 

「声がまたデカイ」

 

 

 なるほど、だから断らなかったのね。

 オリジナルの能力持ち(スキルホルダー)の俺に興味があったから、と。

 

 

「それに、雰囲気で皆騙されてますけど、イッセーさんカッコいいですからね……へへ!」

 

「あぁ、初めて人に誉められたよ。ありがとう」

 

 

 でもやっぱ変だわこの子。

 しかし……まあ……あの女の言った通り友達も居ないし彼女も居ないのは事実だし、こんなに普通の会話をしたのもかなり久しぶりでちょっと嬉しかったりするのもまた事実。

 うん、良いだろう安心院さんや……アンタの暇潰しに乗ってやるよ。

 

 

「オーケー分かったぜミッテルトちゃん。

キミみたいな可愛い子が傍に居てくれて普通の会話してくれるなんて喜ぶべき話であって突っぱねる事は無い……」

 

「それじゃあ?」

 

 

 期待を込めた目をするミッテルトちゃんに俺は笑顔を見せる。

 正直『しかし断る』とか言って反応を見たかったりするが…………それは気分じゃないんで素直に手を差し出す。

 

 

「よろしくミッテルトちゃん……。知ってるだろうけど俺は兵藤一誠……只の過負荷(マイナス)さ」

 

「ミッテルト、単なる悪平等(ノットイコール)で下級の堕天使っす! よろしくっすイッセーさん!!」

 

 

 差し出した手を握りながら、コイツ本当に末端とはいえあの性悪女と同じなのか? と思えるくらいの無垢な笑顔を見せてくれる。

 うーん……彼女云々は別にして話し相手としては丁度良いか――――

 

 

「では早速……恥ずかしいですが……」

 

「なにしとるんだキミ?」

 

 

 なー……なんて思って手を離した瞬間、ゴテゴテしたゴスロリ服の前ボタンをちょっと顔を紅くしながら急に外し始めたミッテルトちゃんに俺はちょっと面を喰らった。

 

 

「ナニって、ウチはイッセーさんの使い魔……下僕っすよ? 身の回りのお世話だって当然するっす。

で、取り敢えずお掃除とかは明日以降にして、今からイッセーさんのムラムラを解消しようかと……」

 

 

 子供みたいな顔しといて言ってる事が随分とアダルティーなミッテルトちゃんはスルスルと服を……………セイセイセイ!

 

 

「うへ? あ、あれ……もしかして脱がせたかったすか? ご、ごめんなさい……何分初めてなもんで……」

 

「違う……ていうか恥ずかしいなら止めろ。

確かにその使い魔だの下僕になるだのってキミ話を了承したが、それはキミの勝手な主観であって俺の主観じゃない。

取り敢えず服を着ろ……いや着てください」

 

 

 ミッテルトちゃんの華奢で白い両肩を掴んでキャストオフを阻止した俺は、久々にマジな顔して言ってやる。

 何が悲しくて会って1時間程度の見た目幼女にそんな真似をしなくてはならない。

 て言うか余計なお世話だ。

 

 

「む……この身体じゃ駄目っすか? 安心院さんが言うには、イッセーさんは女の子が大好きで、こうしたら凄い喜ぶって聞いたのに……」

 

「チッあのバカ女……5年は封印してやろうか……」

 

 

 ホントに余計なお世話だぞ安心院め。

 

 

「女の子は好きだがねキミ。だからといって会って僅かな子にそんな真似はしない。

それじゃあ過負荷(マイナス)じゃなくて只の最低(ゲス)だ」

 

「は、はぁ……」

 

「それにだねミッテルトちゃん。キミ等の種族じゃどうだか知らないけど、好きでも無い男にそんな事はするな。

少なくとも人間はそうだぜ?」

 

「う、うちだって誰彼構わずなんて事しないっすよ……」

 

 

 しないのなら尚更だぞ。

 

 

「なら止めろ。この家にゃあ悪魔に転生した兄貴だとか両親が居るんだ……こんな光景見られたら只でさえ嫌われてるのがゴミ扱いされちまうぜ」

 

「……」

 

「ん、わかってくれて何よりだ。

ほら、もう明け方だけどまだ寝られるし、キミはそのベッド使いなよ……俺は床で寝るから」

 

 

 取り敢えず納得してくれたミッテルトちゃんにベッドを提供して床にゴロンとねっころがるが、ミッテルトちゃんは慌てて首を横に振る。

 

 

「な……だ、駄目っすよ! 主さんを床で寝かせておいて自分はベッドなんて……イッセーさんがベッドで――」

 

「じゃあその主からの命令だ。

もう黙って寝ろ……起こしたら怒るぞ」

 

「ぅ……」

 

 

 ったく、急に現れておいて勝手なことばっか言うなとばかりなオーラで黙らせ、そのまま此方を見てる彼女に背を向ける。

 ハァ…………安心院め……ホントに安心院め。

 

 

 

 とまあ、こんな感じで奇妙な堕天使と知り合いになった訳だが……この後が大変だった。

 

 

『ええっとね……』

 

『この度イッセーさんの下僕になりましたミッテルトっす!』

 

『『『………』』』

 

 

 ミッテルトちゃんの事を両親に話した瞬間、300万円渡されて『手切れ金だ、どこへでも消えろ』と追い出され。

 

 

『おい一誠……お前放課後オカルト研究部の部室に来い……あの堕天使連れてな』

 

『は?』

 

 

 

 兄者が堕天使のミッテルトちゃん見てテメーの主に告げ口するもんだから、その主を説得しまくるのに時間を喰い……。

 

 

『堕天使レイナーレに彼女は付いてたみたいだけど?』

 

『あ、いや……ミッテルトちゃんは強要されただけで――』

 

『ミッテルトが貴様みたいな薄汚い人間なんかに心を許す訳がない!!』

 

『黙っててくれないかな、この痴女さんは! 頼むよ悪魔さん! 俺にとっちゃミッテルトちゃんは初めての友達なんだよ! お慈悲を、お慈悲をくださぃぃ!(幻実逃否(リアリティーエスケープ)……!)』

 

 

 

 敵意がないと分かって貰えた矢先にミッテルトちゃんのチームのリーダーが余計な真似してくれたせいで、一気に信用を落として殺され掛けたところを下手過ぎる演技かましながら、土下座しまくって庇い立てして何とかして貰い…………今は監視付きのボロアパートに半軟禁状態で生きている。

 

 

「……濃い数ヵ月だったぜ」

 

「あはは……ごめんなさいっす」

 

「いや別に良いけどね……キミと喋るのは好きだしね」

 

 

 ボロアパートの一室で俺とミッテルトちゃんはこうして生きている。

 危うく死にかけてたミッテルトちゃんを幻実逃否(リアリティーエスケープ)を使って無傷状態に逃避させた所を兄者含めた悪魔達に見られてからは、危険分子扱いされちゃったんだが……まあ別に後悔はしてないから良いっちゃ良いんだよね。

 学校は通わせて貰ってるし、生活費も支給してくれるし。

 でもね、強いて言うなら……

 

 

「あれ!? あわわわ、イッセーさんヘルプっす! フライパンが噴火しました!!」

 

 

 ――この子って何やってもドジ踏むんだよね。

 洗濯やらしても洗濯機爆破させるわ、こうして飯作らせてもダークマター量産させるわ燃やすわ……。

 

 

「いい加減覚えてよねもー……」

 

「てへへ、面目ないっす」

 

「キミが可愛く無かったから、串刺しにしてやってるぜ今頃……」

 

 

 まあ、それ含めて前の生活よりは充実してるから良いんだけどさ……。

 

 

「か、可愛いっすか? な、なら今夜こそウチと……」

 

「せめてCカップになってから出直したまえ、まな板」

 

「酷いっす! 泣いちゃうっすよ!?」

 

 

 そろそろ、あの悪魔共から逃げるかなぁ……。




補足

ミッテルト
ご存じ金髪ゴスロリちゃんの堕天使だが、実は安心院さんの末端でもあり、友達も彼女も居ないマイナス一誠の下に使い魔的ポジションで現れた。

実は安心院さんから一誠の話を聞き、密かに憧れていた為、今回の話を即答だったりする。
レイナーレさん関連で一度殺され掛けた所を一誠の幻実逃否(リアリティーエスケープ)で救って貰い、庇い立てして貰ってからは彼に惚れた。

ちなみにちょっとスケベなドジっ娘。

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