色々なIF集   作:超人類DX

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続き。

特性発動回


どんぶらこどんぶらこ

 

 

 

 頭を鷲掴みにして物理的に脳みそを揺らして自分達に関する記憶の全てをシェイクして消去した者の一人である園部優花が、まさか過去の先輩と後輩のプロデュースにより、二代目魔王少女化し始めている事等当然知るよしも無い元イッセーこと現南雲ハジメはといえば、別にこの世界の行く末も神の思惑にも興味なんて無いので、今日も今日とてニート生活を目指す宛無き放浪を続けていた。

 

 

「準備は良い雫ちゃん?」

 

「何時でも良いわ香織」

 

 

 イッセーとしての頃の情熱はハジメとして生まれ変わって以降の人生においてほんの一瞬……自分のあとを追う形でオルクスの大迷宮の下層地点に落ちてきた二人のクラスメートを一旦は守らなければならなくなった時の一瞬だけしか燃えることも燃やすことも無いが故に、現在のハジメの思考回路は基本的にかなり腑抜けている。

 

 故にかつての様に自分を受け入れてくれた人達の為だけに化け物になることすら厭わないという覚悟という名の情熱も皆無であり、当然のように進化する意欲も無い。

 

 

「ふっ!」

 

「疾ッ!!」

 

 

 無いのだが、そんな怠惰なハジメの理由と事情を『穴倉』のような世界で共有し、イッセーとしての仲間の魂を継承した白崎織と八重樫雫はそれでも意思を変えること無く、真の意味でハジメの立つ領域に立たんと継承した力を高めようとしている。

 

 

炎の蕾(ボッチョーロ・ディ・フィアンマ)!!」

 

 

 イッセーの頃の友人(イッセー本人は友人だと思っている)であるレイヴェル・フェニックスの魔力の攻撃力を高める為、ハジメによって作成された特殊二丁拳銃により、太陽を思わせる炎を発射して攻撃する香織は、剣を構える雫の周囲を高速で旋回しながら連続で発射することで、まるで炎の華が咲いているかのようだ。

 

 

「ハッ!!」

 

 

 そんな迫り来る炎を雫は両手に持った剣を超高速で振るう事で炎を斬り落としていく。

 

 

 

 

 

 

「今日も張り切ってるなぁ、あの二人」

 

「そうだね……ふん」

 

 

 そんな端から見れば本気の殺し合いにも見える闘争劇を繰り広げている香織と雫を少し離れた場所にてのんべんだらりとした顔をしながら見ているハジメは、最近二人の鍛練を見る度に何故か悔しそうな顔をしているユエに気付くのだが、わざわざ聞くこともせずに居る。

 

 

「さっすが雫ちゃん……!」

 

「香織もね……!」

 

 

 理由は所々焦げつつ擦り傷だらけのユエの姿にある。

 実の所ほんの一分程前まではユエもあの二人の殺し合いに近い修行の輪に入ってバトルを繰り広げていたのだが、スタートしてすぐに二人から袋叩きにされたことで早々にリタイアしてしまったのだ。

 

「いきなり二人がかりなんて卑怯……」

 

 

 理由は現在三人の中ではユエのフィジカルを含めても厄介だからというのが香織と雫の共通認識らしく、この試合に勝った際の『ご褒美』の事を思えば早々に潰しておくべきであるという考えが二人の中で一致してしまったからに他ならないのだが、いきなり二人かかりでエンジンが掛かる前に押しきられてしまったユエからすれば納得がいかないのだ。

 

 

「ハジメ、無効試合には――」

 

「なるわけないだろ。

どんな形にせよ敗けは敗けだ」

 

「…………」

 

 

 だが納得する以前にハジメの一言はこの場においては絶対的な為、ぐずろうが何をしようが今回の試合はユエの敗けで決定してしまい、ご褒美も貰えないというのが確定してしまった。

 

 

「最近、カオリとシズクと比べると私の扱いが雑に感じる……」

 

「雑ねぇ……」

 

 

 二人の力がぶつかる度に周辺を破壊する程の衝撃波を間近で浴びても平然としているハジメの扱いに不満をぶつけるユエだが、ハジメはそんなユエを鼻で笑う。

 

 

「不満に思われたところでな」

 

「むー……」

 

 

 そう言いながらユエの頭を軽く叩くハジメの怠惰はまだ続く。

 

 

 

 

 

 

 ご褒美目的の殺し合いに近い訓練は熾烈を極めたのだが、基本的にステータスに差異はあれど総合的な戦闘力はほぼ互角だったりする香織と雫は力を使い果たす形で同時にぶっ倒れた。

 

 

「あちゃー両者同時にノックアウトか。

こりゃあ引き分けだな」

 

「ふぅ、ふぅ……」

 

「はぁはぁ……」

 

 

 そんな二人がこれ以上戦いを続けるのは不可能と悟ったハジメは、今回の戦いは引き分けだと告げると、立てない二人にお手製の回復薬を渡す。

 

 

「うーん、今後のモチベーションの事も考えたら引き分けとはいえ、褒美無しってのもアレだし今回は特別に二人に何か……」

 

 

「え!? ほ、ほんと!?」

 

「や、やったわ……!」

 

「ちょ、ハジメ! 私は!?」

 

 

 正直ここまでかつての友人達の力を使いこなしている点に関しては素直に感嘆していたりするハジメは、今後の訓練のモチベーション維持という意味を込めて特別に二人に褒美を与えると言った瞬間、回復薬を飲み干した香織と雫が、疲労なんて嘘ですとばかりに顔を輝かせ、一番始めに脱落したユエだけが焦ったような顔をしている。

 

 

「は? ユエはすぐに脱落してるだろ」

 

「そ、そんな……ま、また私だけ……」

 

 

 自分の油断が招いた話とはいえ、流石に本気で傷ついた顔をするユエ。

 

 

「……。わーったわーった、二人も三人も変わんない。

ドライグとティオも今二人でどっか行っちゃったしな」

 

「は、ハジメ……!」

 

 

 

 そんなユエに対して、ちょっとだけ悪いような気がしてきたハジメはあくまでもここでモチベーションを落とされても困るのでという意味でユエにも何か褒美をくれてやると言う。

 

 

「で、何が欲しいんだ金か? 食い物か?」

 

 

 結局、時間と共に身内への甘さが復活し始めているハジメなのだった。

 

 

 

 

 

 こうして三人にご褒美を求められる形となったハジメだが、思っていたものとは違うものを要求されたのでちょっと肩透かしだった。

 

 

「つーかドライグとティオはまだ帰ってこないつもりなのか?」

 

「私達と同じように、相当修行に打ち込んでいるみたいよ?」

 

「らしいな。

なんやかんや自分に近い種族なのもあるのか、面倒見良いよな」

 

「どれだけドライグが厳しくても、ティオだから耐えられる」

 

「そういう所はハジメくんに似てるよね」

 

 

 四人は現在、修行として使ってた荒野から程近い河の畔からのほほんとしていた。

 何故かと言えば、三人が求めたご褒美が金品ではなくこれだったからであり、ハジメとしては『え、本当にこんなんで良いのか?』と逆に疑いたくなるくらいなんてことのないものだったのだ。

 

 

「なあなあ、本当にここで一緒にくっちゃべるだけで良いのか? もっとこう無いのかよ? 服が欲しいとかデケー宝石が欲しいとか……」

 

「そんなの要らないわよ」

 

「うんうん、ハジメくんとこうしてゆっくり出来る事自体ご褒美だし」

 

「一番のご褒美であり、一番の贅沢」

 

「なんか違う意味で泣けてくるんだけど。

本当に何も欲しくないのかよ? 金なら割りと余裕あるんだぞ?」

 

 

 あまりにも何て事が無さすぎるので、思わず訊ねるハジメに香織も雫もユエもこれが良いのだと笑う。

 人の価値観は人各々というのはよく聞く話だが、ハジメはそんな三人の発言に首を傾げるしかできない。

 

 

「本音を言ってしまえば、少し大きな街なんかで一緒に観光してみたりしたいというのはあるよ?」

 

「けどこの前のウルの町での時のように、私達を知る人達と鉢合わせでもしたらまた面倒でしょう?」

 

「そりゃあそうだが……」

 

 

 この意味があまり無さげな旅において、なるべく人気のある場所に赴くのを避けている事を充分承知しているからこそだと話す二人に、ハジメは内心『そこまで俺に合わせる事も無いだろうに……』と思う辺り、やはり鈍い――いやまだ『避けている』のだろう。

 

 

「そんなに疑うなら、もうひとつだけお願いしても良い?」

 

「お、やっぱりなんか欲しいのか? 良いぞ、何が欲しい? 成金が着けてそうなデカい宝石付いた指輪か?」

 

 

 無意識に避けるからこそ……。

 

 

「えっとね、ハジメくんを膝枕させて欲しいなぁ?」

 

「……………は?」

 

 

 こう言った話になると固まってしまうのだ。

 

 

 

「それは……なんのために?」

 

「意味なんて無いよ。

ただ、私がハジメくんにそうしたいからじゃダメ?」

 

 

 金目の物を買い与える事こそがご褒美だろうが……という、少々ばかり歪んだ価値観を持つハジメからすれば、これまだ斜め上を行く要求だった。

 しかし断ると妙に居たたまれない空気になりそうだったので、取り敢えず言われた通りに、ウェルカムしている香織の膝に頭を乗せてみる。

 

 

「…………」

 

「ふふふ……♪」

 

「15分交代よ香織?」

 

「思わぬ収穫……」

 

 

 誰かの膝に頭を乗せるだなんて事はイッセーの頃以来無かったハジメは、嘘とは思えないくらい嬉しそうに微笑みながらこちらを見る香織に居心地の悪さから目を逸らす。

 

 

「元の世界から思ってたけど、やっぱり変な奴だなキミ達は……」

 

「これが変だと言うのなら、私は一生変人で構わないよ」

 

「…………」

 

 

 皮肉にも微笑みながら返す香織の手がハジメの頬を撫でる。

 その手を振り払う――ということも何となく出来なかったハジメが暫くされるがままになりながら10分が経過した頃か……。

 

 

「ん?」

 

 

 緩やかに流れる河を捨てられた粗大ゴミ――とは思えない何かが流れていく事に気がついたハジメは香織の膝を枕にした体勢のまま目を凝らす。

 

 

「なあ、あそこに何か居ないか?」

 

「え?」

 

 

 どこからか流された倒木――でもない何かがどんぶらこと流れているその場所を指差すハジメに香織達もその方向へと視線を移すと……。

 

 

「人だわ」

 

「人だね」

 

「うん、人」

 

「だよな?」

 

 

 そこには人らしき何者かが意識の無い状態で流れていた。

 

 

「えーっと、見なかった事にするか?」

 

「でも子供みたいだよ?」

 

「ええ、意識もあの様子ではなさそうだわ」

 

「早く助けないと流されていく」

 

「チッ……だよな」

 

 

 一瞬嫌な気配を感じたのでそのままスルーするかと言うハジメだが、皆の言うとおり子供だったということもあったので、取り敢えず陸へと引き上げてあげることに。

 

 

「この子、人間じゃない?」

 

 

 引き上げた子供は女児であったのだが、人間には無い特徴があることに香織が気付くと、ユエが思い出したように口を開いた。

 

 

「この子はきっと海人族」

 

「海人族?」

 

「その海人族の子供が何故流されていたのかしら……」

 

 

 海人族なる種族らしい女児が何故こんな辺鄙な河に流れていたのか? そんな疑問はあれど、取り敢えず意識が戻るまで放っておく訳も、ましてやそのまま河に逃がす訳にもいかないため、一旦この女児を保護する事にしたハジメ達は、昨晩キャンプを張った際に作成した簡易ツリーハウスまで戻る。

 

 

「取り敢えず意識戻るまでそのまま――って訳にもいかないから、手当てをしてやろう」

 

 

 というハジメにしては割りと珍しい発言に少々驚かされつつも頷いた三人はベッドに寝かせた少女の手当てを行うのであった。

 

 

 続く。

 

 

 

 

 七大迷宮の制覇なんてする気も無いし、なんなら元の世界へ帰還する意思も割りと薄かったりするが故に、本来の時空軸とは違って出会う事なぞ無いと思われた海人族の少女との邂逅と、その事情を聞くことになったハジメ達。

 

 

「ミュウ…。

ほんとはエリセンって場所にいたの……」

 

「エリセン……てーと」

 

「地図によるとこの砂漠地帯を越えた先にある海人族の町ね」

 

「ここからだと何十日って掛かるけど、ミュウちゃんはどうしてあそこに居たの?」

 

「ミュウね……」

 

 

 

 どう考えても子供一人で砂漠地帯を越えるには無理があると、更に深く話を聞いてみると、早い話が親とはぐれた所に人間に拉致されたらしく、更に聞いてみると気分の良くはない話を聞くことになる。

 

 

「それってもしかして……」

 

「奴隷商人という奴ね」

 

「………」

 

 

 奴隷商人に捕まり、売られかけた所を必死になって逃げてきたと話すミュウに香織達の表情は嫌悪に染まる。

 

 

「どうするハジメくん?」

 

「エリセンならば私達を知る人達と出会す可能性はかなり低い筈よ」

 

「ちょうど私達の旅も行き先が決まってない」

 

 

 事情を聞いた以上は、流石にこの海人族の子供にお達者でとは言えないと香織達はミュウをエリセンまで送り届けてあげようと提案すると、ハジメはベッドに座りながら不安そうに此方を見ていたミュウへと近づく。

 

 

「っ……」

 

 

 その突拍子がないといえばないハジメの行動にミュウは若干怯えるのだがそれもすぐの事であり、次の瞬間ハジメはミュウの目線に合わせるように膝を付き、ポンポンとその頭を軽く撫でる。

 

 

「ち、ガキじゃなければほっといてたけど、見たまんまガキだしな。

仕方ない、親元に返してやるか」

 

 

 このミュウが見た目詐欺の実年齢がユエかティオ並に高ければほっといたのだが、表情や目を見る限り本当に子供そのものな以上、放ってはおけないとハジメはミュウを送り届ける事を宣言する。

 

 

「取り敢えずドライグとティオが戻るのを待つが……。

その間はお前達が面倒見ろよな。

俺はガキが嫌いなんだ」

 

 

 こうして旅の目的がひとつ増えたのだが、ツンケンしながらさっさとミュウから離れるハジメはそれまでの面倒の全てを香織達が見ろとだけ言いつつ子供嫌いを公言するのだが……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど、事情は分かったが……」

 

 

 日が暮れた頃になり、ズタボロ――されど悦に入りまくった表情をしたティオを雑に引きずりながら帰ってきたドライグが香織達から昼間あった出来事を聞きながら向ける視線の先は――

 

 

「うるとらびっぐばん・どらごんはー!!」

 

「よォ~し! よしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよし! よく出来たぞミュウ~!」

 

「えへへ♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………。お前らとその陰鬱な顔を見る限り、あの小娘とイッセー――いやハジメの波長が思っていた以上に噛み合っている事に不満がある訳か」

 

「「「………」」」

 

 

 

 どこぞのゲスなカビスタンド使いとその相棒みたいなやり取りをしているハジメとミュウが居た。

 

 

「んぉ? やっと帰ってきたかドライグ?」

 

「ああ……そこのガキに関する事情は今聞いた。

相変わらずガキからの好感度は高いなお前は」

 

「いやー、冗談半分でドラゴン波のやり方教えたらすぐ覚えちゃってさぁ。

天才だぜこの子」

 

「こ、こんにちは……」

 

「………」

 

 

 わずか数時間でミュウから鬼懐かれているハジメに、イッセーの頃から子供からの好感度だけは速攻カンストさせる事を思い出すドライグは微妙な顔だ。

 

 

 

「そのせいでアイツ等の機嫌が悪いのだがな……」

 

「ああ、なんか段々口数減ってきたとは思ってたけど、なんでだ?」

 

「…………」

 

 

 本人はただ普通に子供を相手にしていたつもりなだけに、自覚は全く無いのだが、ドライグは知っているのだ。

 

 

「そいじゃあドライグも帰ってきた事だし、エリセンに行くのは明日からにして今日は寝るぞ。

ミュウは香織か雫かユエかティオの誰と一緒に寝たい?」

 

「ミュウ、ハジメお兄ちゃんとがいい」

 

「え?」

 

「「「!?」」」

 

 

 

 子供受けが良すぎて、女児からガチられる事が過去に多々あったことを。

 

 

 

「だめ……?」

 

「あー……別にミュウがそれで良いってんならそれで良い――」

 

「「「ダメー!!!!」」」

 

「だ、ダメだからねミュウちゃん!」

 

「そ、そうよ、ミュウちゃんが危険だわ!」

 

「ハジメは獣……」

 

「おい」

 

「やだ! ミュウはハジメお兄ちゃんと寝る! これからずっと!!」

 

「ハジメくん!?」

 

「こ、こんな幼い子になにしたのよ!?」

 

「……へんたい」

 

「何もしてねーわ! オメー等も見てたろうが! ドラゴン波教えてただけだわい!」

 

「教えてただけでこうならないよ!」

 

「教えてただけでこんなに幼い子が女の顔するわけないでしょう!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……」

 

「一体ハジメはあの海人族の子供になにをされたのじゃろうか旦那様?」

 

「何もしていない。

ただ、アイツは自然とガキと同じ目線になれるせいか異様に好かれるのだ」

 

「なるほど……。

うむ、やはり旦那様に似ている。何せ小娘である妾が旦那様の虜になってしまっているからのぅ……ふふふ」

 

「……………」

 

 

 終了




補足


ちょっと進展したかと思ったら幼女(出会って僅か数時間でガチ化)の出現で色々と拗れるの巻




ミュウ

海人族の幼女。

なんか河を流れていたので拾って一時保護したら、数時間でハジメ(イッセー)にガチになってしまった悲劇な子。

 子供故の飲み込みの早さと適正の高さが奇跡的に合致した事で、ミュウ版ドラゴン波を既にぶっぱ可能に魔改造された。


ミュウ本人に自覚は無いが、テンション上がったハジメによって習得した『うるとらびっぐばん・どらごんは』は都市ひとつを消し飛ばせる威力らしい。

 ついでにミュウ版『りゅうけん』も覚える模様


ぅゎょぅι゛ょっょぃ
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