色々なIF集   作:超人類DX

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タイトル通りです。

もうめちゃくちゃや


ヤバイ方向にぶっ飛んだ

 

 

 

 

 その男はまさに恐怖でありトラウマだ。

 

 妹を取り込んでいた悪魔連中がバカをやらかしてくれた事で誕生してしまった『怪物』。

 

 非人間族に対して『見てるだけでイラついて仕方ない』という理由だけで簡単に殺してしまう制御不能の怪物。

 

 

 

『へー? あの暴食バカ猫に姉がねぇ? くっくっくっ……それで? そのバカ猫の姉が一体俺に何の用だ?』

 

 

 憤怒、殺意、憎悪、嫌悪を煮詰めたような破綻した目をした赤龍帝。

 戦闘こそ好きだが、他への思いやりを密かに持っている白龍皇とは正反対の男。

 

 

『待てよ、今思い付いた実験に付き合えよ? あのバカ猫にテメーの死体を投げつけてやったらどんな反応をするか気になってきちまったわ』

 

 

 悪魔達によって――そして妹のせいで破綻してしまった憐れな男。

 

 

『そもそもよぉ、この俺が畜生をみすみす逃がす訳ねーだろう? さっさと殺してやるから、とっとと死ねや!!』

 

 

 非力な人間が力ある種族に対抗する為だけに生み出されたかとすら思える最悪の男は今でも恐ろしい。

 

 

 

 

 

 

 

 無神臓とそれに惹かれし同類達が、懇願する人間達を引き上げている頃。

 

 そして、無限の食欲を持つ白い猫が、無神臓への報復心を抱く者達を『肥えさせんと決めた』頃……。

 

 

 世界に、神に超戦者せんとする者達もまた彼等の裏で密かに来るべきその瞬間に備えて行動を起こしていた。

 

 

 

「んー……暇」

 

 

 南雲ハジメ達が迷宮攻略をしている頃、グリューエンの大火山の遥か上空では、白い竜の背に乗る一組の男女が居た。

 

 

「はー……今ごろヴァーリはカトレアを鍛えているだろうなー」

 

 

 一人は黒い和服を着崩した黒髪の女であり、白い竜から下を真剣な眼差しで見下ろしている浅黒い肌の赤髪の男の背中を退屈そうにつっついている。

 

 

「ねー、暇だからしりとりでもしない?」

 

 

 彼を崇める者が見たら暴動でも起きかねない行為だが、背中をつっつかれている男は火山へと落としていたその視線を、自信の背後に居る女へと向ける。

 

 

「わかった、後で飯でもなんでも奢る。

だからもう少し私に付き合ってくれ」

 

 

 部下でも無ければ同族ですら無い――されど彼自身はヴァーリという青年と同様に全幅の信頼を置いている相手である女に困ったような顔を向ければ、暇そうにしていた女も取り敢えず突っつくのをやめる。

 

 

「それより、例の他の迷宮から神代魔法を手にして居る連中が最奥まで辿り着いたようだぞ」

 

「この前ヴァーリ達に喧嘩売ったかと思ったら、鬼畜あんちくしょーの赤龍帝にループで殺されまくった奴等のこと? へー? 話だけ聞いてたら相当殺られたのに、まだ折れてなかったんだ?」

 

「そのようだ。

赤龍帝も当然だが、やはり奴等も野放しにはしておくわけにはいかなくなった」

 

「ふーん? じゃあどうするのよフリード?」

 

「まずは確かめる……それに付き合ってくれ黒歌」

 

 

 そう言いながら使役している白竜に下降せよと命じるフリードと呼ばれた男に、黒歌と呼ばれた女は『りょーかいにゃー』とおどける。

 

 しかし黒歌もフリードもまだ気付いていない。

 神代魔法を持つ南雲ハジメ達の中には、神代魔法をも喰らうであろう白い猫が潜んでいる事を……。

 

 

 

 

 

「は? 白……音……?」

 

「……………。そうか、姉さまのスキルのせいで気配が感知できなかった訳か……やっぱり勘やその他も鈍ってるな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 灼熱の迷宮攻略も佳境へと進んだハジメ達は、襲いかかるマグマの魔物を蹴散らした直後に白い竜と共に現れた浅黒い肌を持つ男と黒髪の女と相対していた。

 しかし、何よりも驚かされたのは黒髪の女に対して白音が発した言葉だった。

 

 

「ね、姉さま? 小猫どういう事だ? あそこに居る女を知ってるのか?」

 

「以前チラッと話したことがあると思いますけど、あの人が私の姉です」

 

「お、お姉さんだったとは……」

 

「でも、あの魔人族と一緒に居るのは……」

 

 

 驚くハジメ達は目を見開きながらこちらを見下ろす黒髪の女を見る。

 確かにその目元なんかは白音に似ているし、何より小猫を真名で呼んでいた。

 

 

「な、なんということだ……!

確かなのか黒歌?」

 

「ま、間違いないわフリード。

まさか生きていたなんて……」

 

 

 同様に黒歌とフリードも白音の生存に動揺が隠せない。

 何故ならフリードは以前からヴァーリと黒歌から話だけは聞いていたのだ。

 

 赤龍帝同様に『話が通じない』白い猫の事を……。

 

 

 

「ど、どうする黒歌? 話が本当ならヴァーリを呼び寄せなければならないのではないか?」

 

「仮にヴァーリと私が同時に戦っても白音を押さえ込む事は無理よ。

良い? アンタには癪な話かもしれないけど、白音を刺激するような真似はダメ

気を抜けば一瞬で喰われるわ」

 

「ぬぐ……。し、しかしこちらには神代魔法が……」

 

「通じる保証が無いわ。

白音の仙術は私の仙術とは根本的に違う。

それこそアンタ達が集めてる神代魔法のような事が今の白音には可能なの……!」

 

 

 まだ戦っても居ないのに、形勢が不利だと言い切った黒歌にフリードは焦った。

 ハジメ達もハジメ達と白音の姉が魔人族と居る事にどうすべきかわからずにじーっと見上げている白音の様子を窺う事しか出来ずに居る様子であり、早い話が空気がグダグダになりかけていた。

 

 

「お、おい……なんか揉めてないか?」

 

「明らかに小猫さんに対して怯えてるような……」

 

「もしかしてこれはチャンス……?」

 

「………………」

 

 

 

 どういう訳か異様に白音に対して警戒をしているらしく、攻撃をしてくる気配が無い。

 ならばその隙を突けば良い気もしないでもないのだが、あの男の方はともかく黒歌と呼ばれた女の方は、絶縁したと聞いていたとはいえ白音の身内だ。

 

 故に奇襲をするのも躊躇ってしまうハジメはじーっ……とものっそいじーっと黒歌を見ている白音のがどう行動するかを待つ事にした。

 

 そして……。

 

 

 

 

 

 

 

「その、なんだ……お互いにわからないことが多いようだ。

故にお互いに情報を整理する場を儲けたいのだが、どうかね?」

 

「お、おう……。

別にオレ達は何もされてないし……」

 

 

 

 互いのツレが互いの抑止力となったお陰で、割りと平和的な方向に進んでいくのであった。

 

 

 

「ま、まずは名乗らせていただこう。

私はフリード・バグアー……ご覧の通りただの魔人族だ」

 

「な、南雲ハジメだ」

 

「ユエ……」

 

「シア・ハウリアです」

 

 

 取り敢えず場所を移動したフリードとハジメ達は、実にシュールな空気を漂わせながら互いに名乗る。

 

 

「そして彼女は黒歌。

魔人族ではないが、我々の協力者だ」

 

「どうもー……」

 

「「「………」」」

 

 

 フリードの紹介を受け、手をヒラヒラさせる黒歌に取り敢えず三人も軽く会釈をしつつ今度はこちらの番だとじーっと黒歌にメンチ切ってるかのようにガン見している白音を紹介する。

 

 

「オレ達は小猫と呼んでるが、彼女の真名は白音だ」

 

「え、小猫? 白音はまだ悪魔に付けられた名前を使ってるの?」

 

「ええまあ……。

しかし、ふむ……やはり本物なんだね黒歌姉さま」

 

 

 小猫と呼ぶハジメ達に、まだ塔城小猫の名前を使っていることに驚く黒歌に白音は適当に頷きつつ、突然黒歌に向かって腕を伸ばす。

 

 

「っ!?」

 

「にゃ!?」

 

「ぶっ!?」

 

 

  その速度に反応が遅れたフリードは背筋を凍らせるが……。

 

 

 

「本当に相変わらず嫌味なもんぶら下げてくれるよねェ……? 黒歌姉さま~?」

 

「いだだだだだ!? 痛いって白音!? お姉ちゃんのおっぱいちぎれちゃうから!?」

 

「ちぎって少しは軽くしてあげるよ……!」

 

「痛い痛い痛い痛い痛い!?!!?」

 

 

 直後に伸ばした手が黒歌の胸を鷲掴みにし、実に低い声でひきちぎろうとしているせいか、肩の力が抜けてしまうのだった。

 

 

 

「お見苦しいところをお見せしてしまいました。

姉がお世話になっているようで……」

 

「あ、ああ……」

 

「な、なあなあ……お前の姉さん泣いてるぞ?」

 

「雑に扱う程度でちょうど良いんですよあの人の事は」

 

 

 

「い、痛かったにゃん……」

 

「う、うわー……くっきりと小猫さんの手の痕が残ってます」

 

「小猫って胸が小さいのがコンプレックスなの……?」

 

 

 涙目になっている黒歌をユエとシアが心配そうに見てあげている様子を背に、ハジメとフリードはふんと機嫌が悪そうな白音にどう声をかけるべきか迷う。

 

 

「貴様の事は黒歌とヴァーリから聞いている。

一体何時から彼等と行動を……?」

 

「つい半月前ですよ。

偶々この人達と出会しましてね」

 

「ヴァーリ……? あの白龍皇と名乗った男の事だな? やっぱり魔人族側のやつだったのか……」

 

「ああ……貴様等はどうなのだ? ヴァーリの報告によれば赤龍帝の男と同じ異世界から召喚されたようだが……」

 

「けっ! 確かに同じ世界から召喚はされたが、あのヤローやあのヤローに与している奴等とは全く関わっちゃいねーよ」

 

「なるほど……」

 

 

 赤龍帝の名前を出した瞬間、嫌悪感を丸出しにするハジメを見てそれがブラフではないと理解したフリードは内心ホッとする。

 

「それで? アンタと黒歌は何故ここに? 一応魔人族(アンタラ)の立ち位置的にオレ達は敵になるんじゃないか?」

 

「あ、うむ、確かに貴様達が他の迷宮から神代魔法を手にしているという情報を掴んでいたので、ここで待ち伏せをしていたのは事実だが……」

 

「……? なんだよ?」

 

「………。戦うという空気ではないとは思わないか?」

 

 

 

 そう言いながらフリードはちょうど何か言ったせいか、絶賛白音に胸をもがれかけているシアが悶絶し、それを黒歌とユエが必死になって止めようと騒いでいる光景を見ながら戦闘の意思が無くなっていると吐露する。

 

 

「そ、そうだな。

よくよく考えたら別にまだ何もされちゃいないしな……」

 

 

 ハジメもその光景を見てしまったので、今更ここまでのやり取りを無かったことにして、はい殺し合いをしましょう――という気分にはなれない。

 

 

「しかし真面目な話だが、本当にあの赤龍帝の男の仲間ではないのなら、貴様達は独自の勢力となるわけなのか?」

 

「勢力という訳じゃねーがな。

ただ、あの野郎を殺すには神代魔法が必要だと考えている」

 

「赤龍帝を殺す、か……」

 

 

 随分と大層な目標だな……と、ヴァーリの強さを身をもって体感しているフリードは、大層で無謀にも思えるハジメの意思に対して複雑な気分だ。

 

 

「アンタこそどうなんだ? 迷宮にわざわざ来た理由がオレ達に会いに来ただけとは思えないが?」

 

「我々も訳あって神代魔法を集めているのだ。

一応我々もいくつか保持をしている」

 

「………へぇ?」

 

 

 既に複数の神代魔法を保持していると話すフリードにハジメは目を光らせた。

 

 

「オレ達の持つ神代魔法を手に入れたいという訳か?」

 

「そのつもりであった。

しかし、まさか貴様達が黒歌の妹を連れているたは思わなかったのだ。

私もバカではない、このまま貴様達と戦った所で勝ち目があるとは思ってはいない」

 

「……。そんなに小猫は強いのかよ?

確かに小猫は砂漠にすら巨大な森を作るし、水の無いところに疲弊無しで大量の水を生成したりするけど……」

 

「モノが違いすぎるのだ。

かつてはヴァーリと黒歌の二人と殺し合いをしたが、私は手も足も出せなかった。

そんな二人をして、彼女は『別次元』と評している」

 

「…………」

 

 

 シアへの八つ当たりから、今度は自分よりあると認識したユエに矛先を向け始めた白音の実力を前に戦う前から負けを認めているフリードに、ハジメは自分じゃないのにちょっと得意気な気分になる。

 

 

「ふ、流石小猫だ……」

 

「ユエサンモワタシヨリアルノガムカツク……!」

 

「チョ,ソンナノタダノヤツアタリ――」

 

「寧ろ貴様等はよく平然と黒歌の妹と行動を共にできるな? ヴァーリや黒歌曰く、彼女は一度スイッチが入ると『まったく話が通じなくなる』との事だが……」

 

「センポウ・ラントンコウガ!!」

 

「ギョエー!? ヤメテクダサイコネコサン! イマノマホウ? デグリューエンノカザンガマップタツニ!?」

 

「人伝の話なんてそんなもんだろ。

小猫はオレ達を襲ったりなんてしないし、なんならオレを助けてくれたんだ」

 

「オ、オチツクニャ――」

 

「リクドウ・チバクテンセイ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……私の見間違いか? 黒歌の妹が火山地帯を真っ二つに割ったり、大地を破壊しながら巨大な岩の球体を作り上げているのだが……」

 

「わ、わんぱくで可愛いだろ?」

 

「……。わんぱくで済まないだろう。

完全にここ一帯の地図を書き直さなければならなくなったぞ?」

 

「ひ、貧乳にコンプレックス持ってるなんて可愛いだろ?」

 

 

 気がつけばコンビニ感覚で地形を破壊しまくっている白音を前にしても、尚可愛いだなどと宣うハジメに、フリードは軽く引いてしまうのであった。

 

 

「その、正直言うと貴様達を敵に回したくはないのだ。

なので我々と組まないか?」

 

「は? それはオレ達に魔人族側に付けってのか?」

 

「そうではない。

貴様達はこのまま自由に行動しても良い。

停戦協定のようなものだ」

 

 

 しかし互いの心証はこの変な空気のお陰で緩和しちゃったさいで、話の流れは妙な方向に進んでいくことに……。

 

 

「オレ達にはなんのメリットが?」

 

「ヴァーリと黒歌……そして私が確実にお前達を全員『引き上げる』事を約束しよう。

我々としても神代魔法を巡って小競り合いをしている場合ではない状況だからな」

 

「…………」

 

 

終わり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁっ!? せ、先輩ってあのヤローの事だったのか!? だ、だって小猫は兵藤の野郎とは別人みたいな感じで喋ってたぞ!?」

 

「聞かれてませんからね。

それに、私の知っている先輩と、この世界に居る先輩――兵藤さんは『別人』のように思えますからねぇ(大嘘)」

 

「……」

 

「まあ、見た目に関しては私の先輩とまったく同じなので、正直好みど真ん中――――」

 

「よっしゃあ! フリード・バグアー! その条件を飲んでやる! 確実に兵藤はぶち殺す!!」

 

「……どんだけ恨まれてるのよあの鬼畜男は?」

 

「子供にすら嗤いながら手に掛ける程度には残虐な人間だった……」

 

 

終わりったら終わり

 

 

 




補足

面子だけで考えたら圧倒的にイッセー側が不利となる今日この頃。


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