色々なIF集   作:超人類DX

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986話から始まったルートの続きみてーなもんです


緩めモードの奴
壊れる前だったらルートの話


 

 

 

 生き残ってしまう奴と死ぬ奴を分けるものが何なのか、それは今でもわからない。

 だが死というものは何時か必ず、誰にでも訪れる。

 

 それは俺とて例外ではない。

 けれど、死という結末をねじ曲げ、俺を庇って死んでしまったのは、親友と呼べたアイツだった。

 

 きっとあの時、世界の神に『害』と見なされた俺は大人しく死んでしまった方が楽だったのかもしれない。

 

 でも俺は生き残っている。

 

 死んだ者の借りは帳消しになる。後を継ぐのは生き残った者だ。

 

 だから俺は今を生きる。

 生まれた世界を追われても、神にとっての駆除の対象と成り果てても……。

 

 みっともなくとも、汚ならしくとも生き続けることこそが親友(ギャスパー)の生きた証になるんだと信じて……。

 

 ビビりの癖に、誰よりも勇気を持っていたアイツの死を無意味のものにはしないために。

 

 

 

 

 

 神に見放された青年が、神にとっての盤上である世界に流れ着く事で変質した物語。

 害である青年の存在が、世界にとってどのような方向へと進む事になるのかは誰にも彼にも―――神にすら読めない。

 

 

 

「シア、フューレンの方向はこっちだっけ?」

 

「間違いありませんよイッセー」

 

 

 ひょんな事から異世界に流れ着いた、神にとっての猛毒である青年ことイッセーは今現在、ここ数日に起こった紆余曲折な展開に一区切りを付けると、先に行っている仲間達と合流する為にウルの町からフューレンの街を目指して出発をした。

 

 

「やっとあの泥棒教師からイッセーを引き剥がせてホッとしてます」

 

「まー、ある程度自分の力のコントロールを覚えさせられたからな。

後はあのまな板教師次第だな」

 

 

 テクテクと特に急ぐ様子もなくのんびりとフューレンの街を目指して簡素な田舎道を歩くイッセーと兎人族の少女こそシア・ハウリアは、一旦仲間達と別行動をする理由となった人物について話をしている。

 

 

「炭になったはっつぁんのクラスメートの小僧とは違って、あれから拒絶反応的なものも見当たらなかったしな。

死にはしないだろ多分……」

 

「私は腸が煮えくり返ってますけどね今も。

あんなポッと出の人がイッセーの血に適応出来るのが」

 

「俺もまさか自分の血にそんな効能があるとは思わなかったよ。

もっとも、ドライグが言う通り毒性ってのが強すぎて誰に対してもって訳じゃないからなぁ……」

 

 

 イッセーとは別の方法でこの世界にやって来た―――否『召喚』をされた元はただの人間の学生達の社会科教師である見た目少女の女性教師が、色々あって猛毒の刃を受けて少々死にかけたイッセーに薬を無理矢理飲み込ませる為に取った行動により、常人が取り込めば灰と化す赤龍帝の血を取り込み、そして適応をしてしまった。

 

 

「だから余計に腹が立つんですー!」

 

 

 

 勿論その結果に関してはイッセー本人だって予想だにしていなかったものであり、結果として血を取り込んで適応してしまったその社会科教師こと畑山愛子は急速に進化してしまった自身の力を制御できず、仕方なくその制御を身体に直接叩き込む為に暫く彼女の傍に居る羽目になった。

 

 

「まあまあ、街ついたら飯奢ってやるからさ?

神殿騎士ってのからカツアゲした金もあるし、なんでも食わせてやるぞ?」

 

「食べ物で釣られる程私は子供じゃありませんよーだ!」

 

 

 一応愛子自身がコントロールをする事が可能になった事で漸く先にフューレンへと向かった仲間達や相棒と合流する事となった訳だが、まともに歩いていけばそこそこ時間が掛かる訳で……。

 

 

「てかそろそろ走らないか? こんなペースで普通に歩いてたら何日掛かるか……」

 

「仕方ないでしょう? ハジメさんがわざわざ私達の為に置いてくれていた乗り物をイッセーがぶつけて壊しちゃうから……」

 

「いや、元の世界に居た時も免許なんて取ってなかったし、あんな口頭だけで運転操作の説明されてもちんぷんかんぷんだっての」

 

 

 その理由は二人の会話から出た通り、仲間であり錬成師のスキルを持つ南雲ハジメが置いて行ったジープタイプの車をイッセーが破壊してしまったからである。

 

 

「ドライグが居たら禁手化してから飛んで行けたんだがなぁ……」

 

「こうなっては仕方ありませんよ。

のんびり行きましょう」

 

 

 ぼやくイッセーの腕に自身の腕を絡ませて密着するシア。

 

 

「やっとあのぽっと出教師さんからイッセーを取り返せましたし、考えてみたらここ最近はこうして二人でのんびりすることも出来なかったですからね!」

 

 

 この世界の住人に限れば一番に自分に近しい存在であるシアの言葉に『言われてみればはっつぁん達と出会ってからはこうしてシアと二人でのんべんだらりって時間は無かったかもな』と思いながらフューレンの街への道をトボトボと歩くのだった。

 

 

 

 

 ………という出来事から約二日後。

 

 本当に徒歩のみでフューレンの街に到着したイッセーとシアは、街の門の前で自分達を待っていたらしいハジメ達と無事に合流出来た。

 

 

「お前ら歩いて戻ってきたのか? 車はどうしたんだよ?」

 

「あー……あの車はすまん。

間違えて急加速させて壁にめり込ませておしゃかになっちまったんだ。

いや俺もとの世界で免許とか取ってなかったし……」

 

 当然置いて行ったジープ型の車で来るのかと思いきや、徒歩だったことを疑問に思ったハジメからの質問に、やや言いにくそうにジープ型の車の末路を語るイッセーは、当然弁償をすると切り出すが、ハジメは首を横に振る。

 

 

「理由はわかったが、別に弁償はしなくて良い。

それより歩きで戻ってきたばかりで悪いが、すぐにギルドに向かうぞ?」

 

「ああ、ウィルさんの件ですね? 彼はどこに?」

 

「親元へと帰ったよ。

二人によろしくだと」

 

 

 出迎えたハジメの案内で街へと入るイッセーとシアは、ウィルが無事に親元へと帰ったと聞き、それは良かったと思っていると、仏頂面の極な人型に変化中のドライグが、これまた不機嫌そうな声でイッセーに話しかける。

 

 

「戻ってきたのならオレをお前の中に戻せ。

やはりオレはお前の中に居る方が楽で良い」

 

「え? 折角の自由なのにか?」

 

「別にお前の中に居ても不自由は感じぬ。

寧ろ今こうしているとこの砂利が鬱陶しいのだ」

 

 

 そう苦い顔をするドライグの真後ろには、つい先日テンション高めのドライグによる圧倒的なパワーでぶちのめされた竜人族の少女ことティオ・クラルスの姿が……。

 

 

「ドライグについていくって……」

 

「「ああ……」」

 

 

 一方的にぶちのめされ、砂利呼ばわりまでされ、竜人族としての誇りすら鼻で笑われたというのに、ドライグを絶対視するようになったティオがドライグに付いていく形で旅に同行するというユエからの説明に、イッセーとシアは納得と理解をしながら何とも言えない視線をドライグに向ける。

 

 

「そこまで邪険にしなくても良いんじゃないのか?」

 

「ええ……大まかに言えば同族のようなものですし」

 

「下等の竜族とこのオレを一緒にするな」

 

「相変わらず妾をそこら辺の雑草のように扱う……あへぇ……♪」

 

「「うわー……」」

 

 

 ドライグからの辛辣な言葉をエネルギーにしてるようにくねくねとするティオに、イッセーとシアはなんとも言えない顔だ。

 ましてやイッセーからすればティオの声は、親友の主である赤髪の悪魔の少女の声にかなり似ているので、ちょっぴりだけ複雑だ。

 

 

「ギャスパーが部長と呼んでた彼女に似た声のせいで、なんか複雑かも……」

 

「こんな砂利とあの小娘を同列にするのかお前は?」

 

「や……そういう訳じゃないけど」

 

 

 ドライグの言う通り、いくら声が似ているとはいえ容姿も種族も全く違うティオをリアス・グレモリーと重ねるのはどちらにも失礼なのは確かなのだが、後ろからドライグの背中に飛び掛かるティオに対してカウンターでアームロックをかけるドライグに対しても、それはそれでどうなんだ? と思ってしまうわけで。

 

 

「い、痛いのじゃあ~!!!? お、折れるのじゃあー!!」

 

「黙れ砂利が。

砂利の分際でこのオレの身に触れるなぞ頭が高いわっ!!」

 

「よ、よせドライグ! それ以上はいけない!」

 

「流れるような関節技ですね……」

 

「でも痛がってるティオの顔はにやけてる……」

 

「……おい、遊んでないでそろそろ行くぞ」

 

 

 何故かティオにだけ塩な対応ばかりなドライグをなんとか宥めながら合流したハジメチームなのだった。

 

 

 

 

 結局『戻るのはイルワとの契約を終わらせてから』というハジメの言葉に渋々従う事になったドライグは引き続き分離したまま、イルワの待つ部屋へと訪れる。

 

 

「キミ達の事は既に彼から聞いているよ。女神の剣」

 

「「は?」」

 

 

 会うや否や、全く身に覚えのない呼ばれ方をされたイッセーとシアはふいと顔を逸らしたハジメを一瞥しつつイルワに『なんの事だ?』と返す。

 

 

「彼等にも説明はしていたのだが、長距離連絡用のアーティファクトがあるんだ。

あの現場に居た部下から大まかな内容しか聞いてはいないが……」

 

「ああ、貧相まな板なのに豊穣の女神だなんて呼ばれてるまな板先生が居たからか?」

 

「そういえば住人を落ち着かせる為にハジメさんがアイコさんをスケープゴートに使ってましたねぇ……」

 

「…………」

 

 

 どうやらウルの町での出来事のある程度は伝わっているらしく、詳しく話を聞きたがるイルワにハジメが『その前に約束を果たせ』とせっつく。

 

 

「ユエとシアとイッセーのステータスプレートを作る事と、その内容についての他言無用を約束することだ。

忘れてはないよな?」

 

「当然だ。

しかし良いのか? そちらの二人の分も用意はできるが……」

 

 

 イルワの視線が、懲りずに口の形を3の形にしながら飛び付こうとするティオと、そんなティオをアイアンクローで迎撃するドライグに向けられる。

 

 

「ティオとドライグの分も作るか?」

 

「む、ハジメの判断ならば頂いて――いたたたたた!?」

 

「オレはどちらでも構わん」

 

「だ、そうだ。ティオとドライグの分も頼む」

 

「しょ、承知した……」

 

 

 突っ込んだら負けな気がしたのでずっとスルーしていたイルワも、頭部の骨が軋むような音をさせられているのにニヤニヤしているティオと、無表情でティオの顔面を破壊しようとしているドライグに引きながら、人数分のステータスプレートの用意をすると、ユエ、シア、イッセー、ティオ、ドライグのステータスがプレートに反映される。

 

 

 

ユエ

level75

 

天職・神子

年齢・323歳

 

筋力・120

体力・100

耐性・60

敏捷・120

魔力・6980

魔耐・7120

 

ティオ・クラルス

level89

 

天職・守護者

年齢・563歳

 

筋力・770(竜化状態時+4620)

体力・1100(+6600)

耐性・1100(+6600)

敏捷・580(+3480)

魔力・6980

魔耐・7120

 

 

 

 と、この様にゲームを彷彿とさせる個人の能力が数値化されたものがプレートに浮かび、その数値にイルワやその側近の男性は驚愕するのだが……。

 

 

 

シア・ハウリア

level・可変

 

天職・占術師

年齢・16歳

 

筋力・2000(最大強化値+0~10000)

体力・2000(+0~9998)

耐性・980(+0~8600)

敏捷・8600(+0~10200)

魔力・4800

魔耐・4200

 

 

 

Y Ddraig Goch(ア・ドライグ・ゴッホ)

level・不透明

 

天職・守護者(イッセーにのみ)

年齢・無始無終

 

筋力・不明(龍化形態+測定不能)

体力・不明(+測定不能)

耐性・不明(+測定不能) 

敏捷・不明(+測定不能)

魔力・不明

魔耐・不明(+測定不能)

 

 

イッセー・ハウリア

level・解析不可

年齢・19歳

 

天職・赤龍帝

 

筋力・2200(赤龍帝状態+測定不能)

体力・1600(+測定不能)

耐性・999(+測定不能) 

敏捷・1800(+測定不能)

魔力・2(+測定不能)

魔耐・999(+測定不能)

 

 シア、ドライグ、そしてイッセーのプレートに浮かんだ表記はほぼ意味が不明だった。

 

 

「こ、これ程とは思わなかった。

しかし亜人がなぜ魔力を? という疑問以上に、この三名の数値表記には前例が無い……。level表記が可変だの不透明……果てには解析不能?」

 

「なんだ、危険因子として教会につきだすか?」

 

「いや、それこそあり得ない。

個人としともギルド幹部としても考えない選択肢だ」

 

 

 ハジメの問いにそう返すイルワが、可能な限り後ろ楯になることを約束する中、自身のプレートを眺めていたイッセーが疑問を口にする。

 

 

「これプレートが壊れてるとかないの?」

 

「? なぜだね?」

 

「だってこれ、俺の名前間違えてるし……」

 

「なんだって?」

 

 

 そんなバカなとイッセーから渡された意味不明単語だらけのプレートを受け取ったイルワは注意深く名前の欄を見るが、特におかしな点は見受けられない。

 

 

「キミの名はイッセー・ハウリアではないのか?」

 

「イッセーは合ってるけどハウリア姓は違っ―――」

 

 

 ハウリアの姓ではないと返そうとしたその瞬間、すぐ横に居たシアが即座にイッセーの顔面に飛び付き、そのメロンで口どころが顔面を塞ぐ。

 

 

 

「一切の間違いはございません! イッセーは私のお婿さんですから!」

 

「もががががが!!!??!?」

 

 

 イッセーのステータスプレートを覗いた時、何故か姓が自身の姓と同じであることには即刻気付いていたシアは婿だから姓が同じなのだと、これでもかと暴れるイッセーを押さえ込みながら訴える。

 

 

「あー……まあ、そうだな。

間違いじゃねぇわな」

 

「うん」

 

「ちなみに妾の義息子でもあるのじゃ」

 

「この砂利の発言はただの戯言だが、ハウリアの姓に関しては実質的にそうだから気にするな」

 

「は、はあ……」

 

 

 何かとてつもなく複雑な事情に思えて、単純な気もしたイルワはそのまま納得することするのであった。

 

 

 

 

 

 

「な、なんで俺がシアの婿扱いなんだよ……!?」

 

 

 シアのメロンに封殺されたせいで、勝手にハウリアの婿扱いされてしまったイッセーは、イルワが用意したタワーホテルのような宿の最上階の大部屋にて、一人納得いかないとぼやく。

 

 

「ふっふっふっ、納得しなくとも世界がイッセーは私のお婿さんと認識されているのですよ!」

 

「ドライグやシアの親父から聞いた話から統計すりゃあ、そう認識されてもおかしくはねぇだろ」

 

「世界もイッセーは責任を取るべきだと思ってるということ」

 

「別に構わんだろ? お前だってシアの事は好いているだろう?」

 

「妾はてっきりお主とシアはそういう関係だと思っておったぞ?」

 

「ばっ!? ち、ちげーわ! そりゃあ好きか嫌いかで言うなら好きだよ! だがそれは妹分的な意味合いで――」

 

 

 この期に及んでまだそんな事を言うイッセーだが、ハジメもユエもドライグも……果てにはティオですらその目線は生暖かい。

 

 

「ああ、故郷の皆に報告する時が待ち遠しいです……」

 

「お、俺の理想はお色気ムンムンの年上のお姉さんなのに……」

 

 

 密かに埋められていた外堀を一気に見せつけられた気がしてならないイッセーは実に複雑な顔をしながら頭を抱える。

 

 

「こ、こうなったら今すぐ街に居る人妻をナンパして爛れた一夜を―――」

 

「ダメです! イッセーは私とここで本当の『初夜』を迎えるんです! 構いませんよねハジメさん!?」

 

「おう、ちょうど部屋も余るしな。

オレとユエ、シアとイッセー、ドライグは――」

 

「無論妾となのじゃ! それで妾はドライグ様にめちゃめちゃに――ごべっ!?」

 

「オレはイッセーとシアが事を済ませてからイッセーに戻るつもりだ」

 

 

 はしゃぐティオに引くほど綺麗な投げっぱなしジャーマンを喰らわせて黙らせたドライグは冷静に告げると、イッセーとシアに『さっさと済ませるんだな』と若干意地の悪い笑みを向ける。

 

 

「では行きましょうイッセー? 大丈夫です、以前酔っ払ったイッセーにあれこれされた時の事はしっかり覚えてますから!」

 

「れ、冷静になれシア! よーく考えろ!? 俺だぞ!? 亜人の国に居る人妻達を片っ端からナンパ仕掛けてたせいで兎人族全体まで巻き込んで追放させちまった奴だぞ!?」

 

「イッセーは神に消される運命だった私達を、自分の力を棄てでも助けてくれました。

けれどそれが理由ではないんです、私はただイッセーが好きなんです」

 

「……っ」

 

 

 そう言って絶妙に歯切れの悪い顔をしているイッセーを引きずって別のお部屋へと入っていくシアを、ユエとハジメは『頑張れー』と爽やかに見送るのであった。




補足

このルートの場合、元の性格にちょい近いです。

が、凄まじく外堀が埋められている感は否めない。


その2

かなり弱体化しているので、単体のイッセーは逆に既に魔改造状態のシアに力負けする程度には弱ってます(神器解放時はその限りではない)
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