色々なIF集   作:超人類DX

1069 / 1131
続き……でもないかな。




いせかいくらしのさんばか!

 

 

 

 少女達は非現実を生きている。

 

 だがそれでも少女達は思う。

 

 

『これは夢なのだろうか?』

 

 

 

 周囲の異常な状況に目もくれず。

 

 

『Boost!』

「遠慮しないで死ねやァ!!!」

 

 

 どこまでも楽しそうに。

 

 

『Divide』

「お前がな!!」

 

 誰よりも狂いながら。

 

 

「二人まとめてごめんなさいさせてやる!!」

 

 

 その腕に、背に、両手に非現実的なナニかを持った三人の青年は、夢も希望も終わっている世界であろうとも―――異常だった。

 

 

 

 

 

 ハーゲンダ○ツひとつで大喧嘩をした結果、暫定的に『バ○オみてーな世界』で目覚めた三バカことイッセー、ヴァーリ、神牙(曹操)は、それが原因で大変な目にあっているというのに、またしても食べ物ひとつで大喧嘩となっており、拠点にしていた大型スーパーの近くにあった廃校の校庭にて、殴り合いをかれこれ半日以上やり続けた。

 

 

 結果だけを言えば、三人の拳が三人の顔面を同時に叩いたことで三人揃ってノックアウトという、引き分けなようなオチを迎えた―――早い話が何時も通りの結果となった。

 

 

「はぁ……しかし随分と暴れてしまったな」

 

「ああ、学校というものは通った事は無いにせよ、ちょっと悪いことをしてしまった……」

 

「校庭って奴をクレーターだらけにしてしまったぜ」

 

 

 喧嘩を終えると、大体賢者タイムに入るのか、それまでが嘘のように仲直りをするのが三バカの特徴である訳だが、そんな三バカは自分達のせいで見知らぬ学校の校庭を破壊してしまった事に対して妙な罪悪感を抱き、南無南無と穴ぼこだらけにしてしまった校庭に手を合わせるという、これまた妙にズレた行動をしている。

 

 

 

「校舎ってのは壊してないっぽいな……。

しっかし学校かー……結局行くこともなかったから地味に感慨深いって気分だわ」

 

「オレはあまり思わないが、日本人かつ人間であるイッセーは思うところがあるようだ」

 

「世間様から見れば、オレ達は立派な社会不適合者だからなぁ」

 

 

 

 少し荒れ果てている学校の校舎を見上げながら、うんうんと三人はこれまでの人生を振り返りながら、縁のなかった学生について話す。

 

 

「折角だからどういうものなのか見てみるか?」

 

「食料があるとは思えないぞ?」

 

「第一見てどうするんだよ?」

 

「テレビで肝試し系の企画をやる時は大体こんな感じの廃校でやるから少し気になったんだ」

 

 

 学生という概念とは無縁な生活をしてきたが故なのか、唐突に神牙が中を見てみないかと提案するのだが、どうやら単に肝試し的なものがしてみたいというだけらしい。

 

「ま、暇だし別に良いぞ。

まあ? 俺ってビビりじゃないし? 幽霊とか怖くねーし?」

 

「ああ、といってもオレはビビりではないから何があろうと驚いたりはしないがな……!」

 

「………。という割りには少し顔色が悪いぞ? まあ、お前達と違ってオレこそがビビりじゃないからな。あくまでムードが知りたいのさ」

 

「「足震えてる神牙にだけは言われなくない」」

 

 

 三バカの中では一応年長者な癖に、その実の趣味趣向が完全にはな垂れ短パン小僧みたいなそれだったりするというのは付き合いの長いイッセーとヴァーリはよく解っている上で、ここでこの提案を断ったらビビりだと煽られる気がしたので、仕方なく神牙の提案に乗ってあげる――――という建前の元、軽く荒れ果てながらそびえ立つ学舎を前にごくりと生唾を仲良く飲み込みながら………無意識にがっつりと三人仲良く腕やら肘やら掴みながら、中へと突入するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え、ど、どうしよう? な、中に入ってきたよ……?」

 

「ど、どうすると言われても、あんな意味不明な事をやってた人達がまともだとは思えないけど……」

 

 

 

 実は揃って普通に心霊系に対してビビりだったりする三バカが校舎に突入した頃、これまた実は校舎を根城にしていた少女達ががっつりと手からビームを出したり、背中に光る翼だして飛行してたりとか、何も無いところから槍を出していたりとかという、今の世の中よりも非現実的な光景を見ており、校庭をものの数秒でペンペン草すら生えなさそうなクレーターまみれにしたり、蔓延る死人達がその余波で吹き飛ばされていく様もしっかり見てしまっていた。

 

 

「も、もしかして購買に残っているものを全部持っていかれちゃうかも……」

 

「えー!? そ、それは困るよ! まだお菓子とか沢山残ってるのに!」

 

「こ、こっちから出向いてお話ができるか確かめてみましょうか?」

 

「だ、ダメですよ! 同性ならわかりますけど、全員男の人だし、何をされるか……」

 

 

 少女達は突如学校に現れた生物兵器じみた三人組の男にどう対応すべきか揉める。

 というのも、この学校には今自分達が居る場所より下の階に購買エリアが存在しており、まだまだ物品が残されているのだ。

 

 そうでなくても校舎全体を考えたら死人がどこからか侵入して危ない可能性もある。

 しかしこのまま彼等が去るまで息を潜めていても、物品の存在に気付いて根こそぎ持っていかれてしまう可能性を考えたら、リアルに命にかかわる。

 

 

「あ、アタシが様子を見に行きます」

 

 

 もしあの三人組が野蛮極まりなかったら、何をされるかわからない。

 しかし自分達の今後の生活を考えれば、購買の品を根こそぎ持っていかれるのだけは避けなければならないと考えた一人の少女が武器として扱うスコップを抱えながら、先程から何気なく――

 

 

『コノバカ!! キュウニデケーコエダスンジャネェ!』

 

『チガウ! ジンガガヘンナコエヲダシタカラダ!!』

 

『ムコウノホウデモノオトガキコエタカラツイ……』

 

 

 という三人の男子ボイスが物凄く聞こえる辺り、徐々に自分達の居る階に近づいているのがわかる。

 だからこそ少女はどうにかして彼等を外に追いやるように誘導をしなければならないと、殿のような真似をしようと手を挙げたのだ。

 

 

「さ、幸い人間みたいに喋ってるっぽいしさ……」

 

「一人じゃ危ないよ! もし見つかって、手からビームされちゃったら……」

 

「わ、わかってるよ。

でもやらなきゃいけない。せっかくここまで生活の基盤を整えられたのに、よくわからない奴等に壊されたくなんてない」

 

 

 スコップ少女の意思は固く、黒い耳のようなものがついたキャップを友人の少女が止めようとしても行こうという決意を変えないでいると、二人にとっては先輩と先生である少女と女性が口を開く。

 

 

「それなら皆で行きましょう……」

 

「ええ……もしそれで最悪な事になっても皆一緒だわ」

 

 

 

 一人で行かせるくらいなら、全員で地獄への穴に飛び込んでやるという意思を見せると、止めていた少女もうんうんとうなずき、結局全員で教室を出るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 実は生存者が居たりするし、完全に自分達を略奪者の類だと思われているとは知りもしない三バカはというと、実は揃いも揃って何故かこの手の類が苦手だったりするという本音を無理矢理隠しながら、荒れ果てた校舎内を探索していた。

 

 

「お、おぉぅ……思ってたよりスリルあるぜ」

 

「そ、そうだな。想像してたよりはちょっぴりだけな……」

 

「ふ、ふふふ……これでこそ肝試しだな」

 

 

 揃って強がり発言をしながらそろりそろりと歩を進めるものの、顔色の方は大分悪く、三人の内の誰かがうっかり足元に転がっていたモノを蹴飛ばして物音を立てるだけでビビってしまう。

 

 

「だ、だから気を付けろよな!? 集中してる時に音出されるとイラッとするんだっての!」

 

「お、お前だってさっき空バケツを蹴飛ばしてただろう!?」

 

「よ、よせ! 全員不可抗力なんだ!」

 

 

 それもこれも、自分達を幼少期に保護してくれた保護者の堕天使が意地悪でジャパニーズホラー映画を見せてきたからだったりするのだが……。

 

 

「っ!?!? お、おい……お、俺の勘違いならそうだって頼むから言ってくれよ? 近くに気配的なもんを感じるんだが……」

 

「ぅ……そ、それは勘違いだと言ってやりたいが、オレも確かに感じた気がするぞ」

 

「ぁ……ああ、残念なことにオレも感じる。

ま、まあお化けではなく、ゾンビかもしれないだろ!? は、はっはっはっ!!」

 

 

 ここに来て急に何かしらの気配を察知したイッセーとヴァーリは互いの腕をへし折る勢いで握りながらガタガタと震え、そんな二人と自分を鼓舞するつもりでゾンビだろうと無理矢理笑って誤魔化そうとする神牙は完全にその場から動けなくなってしまい……。

 

 

「あ、あのー………」

 

「「「ぎょぇぇぇぇ?!?!? ほ、本当に出たァァァッ!?!?!?」」」

 

 

 

 か細い少女のような声が聞こえたその瞬間、三バカは結界したかのような悲鳴を上げた。

 

 

「うぇぇっ!?」

 

「なっ!?」

 

「え、えぇ?」

 

「ちょ、ちょっと……?」

 

 

 その声の主はこの学校を根城にしていた少女達なのだが、そんな存在に全く気付いてない三バカ言えば……。

 

 

「オンジッチャマ、バッチャマ、ヤヤコニ、トッツァマ!!」

 

「エロイムエッサイム! エロイムエッサイム!!」

 

「テクマクマヤコン! テクマクマヤコン!!!」

 

 

 

 それぞれが思い思いの無意味な徐霊詠唱を半泣きで叫び散らしながらお祈りのポーズをとっていたのだった。

 

 

『……………』

 

 

 そのあまりにもシュールというか間抜けというべきか―――いやバカとしか思えない三人の謎の男の行動に、少女達はお互いに顔を見合わせながら実にしょっぱい顔をするのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「申し訳ありませんでした」」」

 

 

 

 気が狂ったように喚き散らし続ける三バカが落ち着くまで可哀想な人を見るような目で見ながら待っていた少女達は、約1時間かけて漸く落ち着いてくれたタイミングを見計らい、とにかく頼むから落ち着いてくれと、自分達が生身の人間であることをアピールすることで漸く話し合える場をもうける事が出来た。

 そして三人の謎男達の最初の行動は、世紀末のモヒカン男のような『ヒャッハー!』的な行為ではなく、それはそれは綺麗な土下座だった。

 

 

 

「まさか生きてる人が居るとは思わなくて……」

 

「もう普通に幽霊かと……。ゾンビなら余裕だったのですが……」

 

「呪○の伽○子かリ○グの貞○的な存在がついに出てきたのかと思った次第でございまして……」

 

「「「「………」」」」

 

 

 半日以上も周辺を破壊しながらのぶん殴り合いを繰り広げていた男達とはとても思えない態度に、少女達は逆に困惑はするものの、どうやら悪意だけは無いということだけは理解し、ほっと胸を撫で下ろす。

 

 

「と、取り敢えず顔を上げてくれませんか?」

 

「「「……」」」

 

 

 黙っていたら永遠に床に額を何度も叩きつけながらの土下座を止めないし、さっきから額を床に叩きつける度に学校全体がガタガタと震えるので、これ以上は勘弁して欲しいという意味で声を掛けると、三人の青年は恐る恐る顔を上げた。

 

 

「えーと、何時までもこうしている訳にもいきませんし、自己紹介をしませんか?」

 

 

 そう切り出したのはグループ内では最年長である女性教師だった。

 何にせよ、まずは素性を知らないことに始まらないと判断してでの事なのだが……。

 

 

「じ、自分はイッセーともうします! お、お姉さんのお名前を是非知りたいっす!」

 

 

 突然茶髪の青年が、その教師に対して初対面だろうがわかるレベルに鼻の下を伸ばし出したのだ。

 

 

「「「えぇ……?」」」

 

「え、ええっと……」

 

 

 その変わり身の早さにまたしても引く少女達だが、ヴァーリと神牙は『また発作か……』とあきれた様子だ。

 

 

「お願いします! 土下座でもなんでもするし、なんなら持ってる食料とか全部お姉さんに差し上げますので、どうかお姉さんのお名前を! そしてスリーサイ―――ずきょ!?!?」

 

「……。このバカの言ってる事は流してくれ。

発作みたいなものなんだ……。ああ、オレの名はヴァーリだ」

 

「このバカはイッセー、そしてオレは神牙だ」

 

「」

 

(なんか聞いちゃいけない音がしたけど……)

 

(ずきょ? ずきょってなんだろ……?)

 

(白目剥いて泡吹いてるけど大丈夫なのかしら……?)

 

 

 こうして三バカは邂逅をすることになるのだった。

 

 

 

終了

 

 

 

 

 学校を拠点にしている女性陣から色々と情報を得た三バカは、校庭をぶち壊したり驚かせてしまったお詫びに、自身等が根城にしていた大型スーパーから物品を引っ張り、彼女達に差し上げた。

 

 なんなら周辺に蔓延るゾンビ達を殲滅させてあげた。

 

 

「これであの世に送ってやる! ウルトラビッグバンッッ―――

 

「バカ! 星ごと消し飛ばす気か!?」

 

「彼女達まで消す気がアホめ!」

 

 

 何故か張り切ってるイッセーがうっかり世界まるごと消し飛ばそうとしたところを止めたり。

 

 

「うるせー! 佐倉先生の為なら修羅にでもなんでもなるぜ俺は!!」

 

「はいはい、どうせ相手にもされんだろうが……」

 

「よくもまあ懲りん奴だよ……」

 

「へん! 最近ちょっと笑いかけてくれるようになったしー! 脈あるしー!!」

 

((それはお前の行動に引いて苦笑いして誤魔化されてるだけだろ……))

 

 

 年上女教師という理由だけで、無報酬でなんでもかんでもやったり差し上げてしまうイッセーにただただ呆れたり。

 

 

「おーい! イッセーくーん!」

 

「んぁ? なんだ丈槍か……佐倉先生どこだよ?」

 

「なんだってなにさー? めぐねぇなら居ないよ、一人で来たから」

 

 

 三人揃ってパワーはヤベーのに根がアホの子なせいか、割りと早めに少女と打ち解けたり。

 

 

「ねぇねぇ、本当にイッセーくん達は学校に通ってなかったの?」

 

「あー……まぁ色々あったんだよ色々ね」

 

「そっかぁ……じゃあさ! 私が学校がどんな所なのかイッセーくんに教えてあげるよ!」

 

「いや、キミより佐倉先生に手とり足とり教わりたいというか、保健体育の授業されたいというか――ちょ、おい!?」

 

「ほらほら! 早く行こ! 最初は理科の授業のこと教えてあげる!」

 

「な、なんつーマイペースな奴」

 

 

 なんかやっぱり正反対な気質にむっちゃ懐かれてしまったり。

 

 

「神牙ァァァァ!!!」

 

「ぐげぇぇっ!? ち、違う!? わざとじゃない! ちょっと転びそうになっていた佐倉教諭を助けるつもりだっただけだ! そうしたらああなってしまっただけ――ぎぇぇぇっ!?」

 

「また神牙くんがめぐねぇにやっちゃったんだ……」

 

「思いっきり胸鷲掴みにされながら押し倒されてたね……」

 

「その後真っ青な顔をした神牙さんが必死に土下座をしてたけど、イッセーさんにバレちゃったみたいで……」

 

「昔から神牙はああだからな……よくある事だ」

 

 

 リト神モードの神牙が例によってやらかしたり……。

 

 

「ふっふっふっ、屋上でキミが育てた野菜を使った特製のラーメン。

うーむ、悪くない……」

 

「ラーメンばかり食べていると身体に悪いわよ?」

 

「ふっ、柔な鍛え方はしてないんでね。

それよりキミにも少し食べさせてやろう」

 

「……………」

 

「ぬ、なんだ急に? オレの頭に何かついてるのか……?」

 

「いえ、なんとなく……?」

 

「……変な奴だな」

 

 

 末っ子気質天然白龍皇も平常運転であり……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「悪いけど、彼女達は『友達』なんだ」

 

「ああ、そしてオレ達は友達の為なら世界だろうが神だろうぶん殴る……!」

 

「そういう訳だ、これ以上ちょっかいかけるつもりなら、オレ達が相手になろう……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「禁手化!!」」」

 

 

 

終了

 




補足

段々ヘビーな展開になるのが原作なんだけど、三バカが居るせいでそこら辺のフラグが踏み潰されるのは間違いない。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。