色々なIF集   作:超人類DX

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一部アレな描写に注意


区別主義者

 

 

 駒王学園に通う生徒の内、主に彼と彼女のクラスメートやら二人を知る者は思わず二度見した。

 

 一人は常々声大きめに『カッ! オレは高校生だの大学生だのといったお子さまなんぞに興味はねぇ! オレが好きなのは三十路を越えのお姉さまだけだぜ!!』と、年上の女が好きだと公言する男子。

 

 そしてもう一人はそんなうるさめな男子の『親友』であると公言する眼鏡を掛けた女子。

 

 その二人を知る者達からすれば、普段の二人は気色が悪いレベルで仲が良いという認識であるのだが、本人達が言うには別に付き合ってなんてない―――という話の筈だった。

 それがどうだ、そのよくわからん仲で通っている二人組が今朝、恋を知ったばかりの中学生のように堂々と手なんて繋いで登校してきたのだ。

 

 これにはエロ男子で名を馳せつつ二人のクラスメートである元浜と松田もどういうことだと気になるわけで……。

 

 

 

「何もないが……?」

 

「別に何時もと変わらないでしょ?」

 

「「………」」

 

『………』

 

 

 手を繋いだまま教室まで来て、席も隣同士なのでそのまま手を繋いだままのイッセーと藍華に元浜と松田は何があったのだと訊ねるが、本人達は何時もの通りだと惚けている。

 

 んな訳あるかと元浜も松田も――そして他のクラスメート達も何かあっただろと内心思う。

 

 

 

「昨日イッセーが桐生を抱き寄せながら帰っていく姿を見たという情報があちらこちらから出てるんだが、それとなんか関係あるのか?」

 

「おう、キリキリ吐け。

ぶっちゃけ今までも付き合ってないってのが嘘だろってレベルで距離感が一々お前らは近かったが、今日はその距離感があからさまになってるのは誰の目からも明らかなんだよ」

 

「元からこんな感じだってのアタシとイッセーは。

アンタ等が気づいてなかっただけよ」

 

 

 めんどくさそうに話す藍華の言うとおり、大半のクラスメート達の目線から見た二人の距離感は元からそうに見えなくもないのだが、それでも明らかに昨日までの二人と今の二人は違うのだ。

 具体的に言葉にはできないが、なんかこう……昨日まではサラサラしてたのが今はベトベトとドロドロというべきか。 

 

 それを一番近くで二人を見ていた元浜と松田は他のクラスメートよりも余計に強く感じ取れる訳で……。

 

 

「さ、さてはお前等、昨日辺りアレしたのか……?」

 

「アレって何よ?」

 

「アレはアレだ! 貫通式的なもんだー!!」

 

 

 流石エロ男子なだけあって、女子相手だろうがドストレートに聞いてのけた瞬間、この時ばかりはクラスメートの男女達はよくぞ聞いたと拍手を心の中で送った。

 

 

「そうなんだろイッセー!? 何時ものお前なら『そんなわけ無いだろ』と即座に否定するのに、全然しやしねぇ!」

 

「どうなんだイッセー!?」

 

 

 最早クラスの全員が聞き耳を立てる中、それまで黙っていたイッセーが藍華の顔を見つつ首を横に振った。

 

 

「いや、そういうことは別にしてないけど、なんというかな。

オレは思ってたよりも藍華が好きだったらしい――てのに気付かされただけだ」

 

『……………』

 

「そういうこと。残念ながらアンタ等の好きそうなネタにまでは発展しちゃいないわ」

 

 

 そう言いながらヘラヘラと笑ったイッセーに元浜と松田を含めたクラスの全員が何も言えずに黙ってしまうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 霧島一誠――かつて兵藤という姓の元生まれた少年は、思っていたより親友の一人である桐生藍華が自分を好いていたという事実に対して、掛け値無しの安堵と嬉しさがあった。

 

 

「という訳で、今日からオレは今まで集めていた三十路以降をモデルにしたエロ本だのなんだのを処分しようと思うんだわ」

 

「やっとそこまで来たんすねぇ。

遅いくらいっすよまったく……」

 

「別に捨てることまでしなくて良いんじゃないの?」

 

「いや、もう興味がなくなった」

 

 

 

 そして霧島イッセーは考え方も行動も一々極端な少年だった。

 藍華……そしてミッテルトの二人がただの冗談半分ではなく自分に対して本気の好意を抱いてくれているという事実を昨晩二人から『みっちり』と刷り込まれたイッセーは、それまで興味津々だった年上女性への興味を完全に無くしており、今まで集めたその手のコレクションを処分すると宣言するまでになっていた。

 

 

 

「先言うけど、アタシとミッテルト以外の女が寄ってきても断ってよ?」

 

「そーっす、ウチとアイカは浮気は許さない主義なんで」

 

「心配しなくてもオレは神牙やヴァーリと違ってモテやしないってのは二人が一番知ってるだろ?」

 

 

 その極端さが区別主義者の理由であり、極端が故に自身の身内の為ならば平気で強大な権力だのに中指を立てながら喧嘩を売ってしまう。

 

 

「それよりミッテルトはここに来て平気なのか? 例のはぐれの堕天使共に悟られたりは……」

 

「そこまでドジじゃないっすよウチは。

まあまあ上手く溶け込んでるし、あのレイナーレってのが何の目的でここに来たのかも大体わかったっす」

 

「流石アザゼルさんの隠し懐刀だわ」

 

 

 それが兵藤という姓を捨てし霧島イッセーの真骨頂のひとつなのだ。

 

 

「どうもレイナーレは何をどこで聞いて勝手に勘違いしたのか、回復系統の神器使いから神器を奪って、アザゼル様に献上したいらしいっす」

 

「神器を抜かれた人間は死ぬのを承知って訳か……」

 

「アザゼルさんが聞いたら直にカチコミかけそうな話というか、そのレイナーレってのから見たアザゼルさんはどう見えてるのやら……」

 

「まあ、グリゴリでも下層の構成員達は幹部クラスの方々とは直接話せませんからねぇ。

出回ったイメージで勝手に想像しちゃったんだと思うッス」

 

 

 

 極端思考の結果、性癖に関してもリセットしてしまったイッセーは、例のはぐれ堕天使の情報を潜入調査しているミッテルトから仕入れつつ自宅のベッドでゴロゴロしている。

 当然その左右隣には藍華とミッテルトが居て、一緒になってゴロゴロしながらはぐれ堕天使達についての話をしている。

 

 

「多分コカビエル様なんてあの怖い顔のせいで、血の滴るステーキを喰らうヤバイお方とか思われてるッス――てか、然り気無くレイナーレとその部下的な堕天使のカラワーナやドーナシークにコカビエル様の印象を聞いてみたら全員目を逸らしながや言葉を濁してたッス」

 

「末端構成員から見ればそんな感じなんだな、コカビーさんって……」

 

「天使のガブリエルさんに拉致されては搾り取られてるなんて言っても信じられないでしょうね……」

 

「実際のコカビエル様は結構面倒見の良いお方なんすけどねぇ……。

まあ、話を戻すとっす、レイナーレは回復系の神器をアザゼル様に献上すれば、アザゼル様の寵愛を受けられると、マジで信じて教会を追われたばかりの無知な見習いシスターを引き込んでるっす」

 

 

 

 思ってたよりアザゼルの意向というか、アザゼルの地雷をタップしながら踏みまくるムーブしかしてないレイナーレの目的を知ると同時に、何故自分の前に現れたのか事にも納得をするイッセー

 

 

「てっきり神器使いを単に殺して回ってるだけなのかと思ったが」

 

「多分イッセーのとこに行ったのは、隙突いて殺す気だったみたいっすよ? まあイッセーが全然相手にしてなかったのと、デートすらすっぽかされたと勝手にキレ散らかしてからは、最後に殺す事にしたらしいっすけど」

 

「は? キレてるって、確かにそれっぽいことは言われたけど、刹那で断った筈なんだがな……」

 

「向こうはそう思ってなかったんじゃない? まあ何にせよ、その見習いのシスターさんはどうするの?」

 

「え? あー……アザゼルさんなら取り敢えず神器を引っこ抜かれる前になんとかしろとでも言うだろうし、なんかこれ以上泳がせても余計な地雷しか踏みそうもないし――――」

 

 

 

 『今夜にでも殺っちまおう』

 そう死刑宣言をしたイッセーに藍華は頷き、ミッテルトはそれならウチが手引きするッスと一緒に頷く。

 

 

「悪魔の皆さんはどうするの? 多分こっちが動けば黙ってはないと思うけど……」

 

「理由なんて適当で良いだろ。

例えばそうだな――また寄ってきてしつこく誘ってきたのを断ったら逆ギレして襲ってきたから返り討ちにしたついでにカチコミかけて全滅させてやった―――とかな」

 

「まあ、向こうが納得するかは別に妥当っすね。

それならウチがアザゼル様に連絡して口裏を合わせて貰えるよにしてもらうっす」

 

 

 

 レイナーレ達が余計な事をして三大勢力のトップの一人であるアザゼルが他のトップ達につつかれないようにするために迅速に排除する為に簡易的な作戦を立てながら身体を起こしたイッセーは、左右の指と首の関節をパキパキと鳴らす。

 

 

「久々の喧嘩だぜ」

 

「ヴァーリと神牙が留守で良かったわ。

あの二人まで居たらレイナーレが町ごと吹っ飛んでたわ」

 

「イッセーとヴァーリと神牙がカチコミかけると派手に破壊しまくるっすもんねぇ……」

 

 

 外国でバカンス中の、イッセーとほぼ互角こ戦闘能力を持つヴァーリと神牙の事はよーく知る藍華とミッテルトはちょっとやる気気味のイッセーを見ながら苦笑いを浮かべるのであった。

 

 

「あ、そうだ! イッセーの性癖がめでたく『戻った』事だけはヴァーリと神牙に教えておくのはどうっすか?」

 

「そうね。

まあ、多分あの二人の事だから腹立つニヤケ顔でイッセーを煽りそうだけど……」

 

「ふっ、心配しなくてもあのラーメン&バーガーバカ二人が煽ってきた瞬間、赤龍帝の鎧+硬度10#ロンズデーライトパワーによる地獄の九所封じの刑に処してやらぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 『護衛もなんも要らないし、もしそれでも無視するなら、オレは何があろうともアンタ等の仲間とやらにはならない』

 ハッキリとそう言われてしまった以上、下手に機嫌を損ねたくはなかったリアスとしても、多少の引っ掛かりは感じつつもその意を汲むつもりだったし、眷属達にもそう命じた。

 

 当然眷属達は王であるリアスの命令に従ったのだが、その眷属の一人が、『護衛ではなく、ただの散歩のついでに偶々家の前を通っただけ』というか屁理屈を内心抱きながら、彼が住む安アパートの周辺を何周も回りながら、彼の住む部屋の窓を見ていた。

 

 

(…………。本当に桐生先輩の声がきこえるし、他の知らない女の声すらも聞こえる)

 

 

 何故主の命令に軽く背いてまでそんな真似をしているのかと言えば、先日その彼――つまりイッセーが口にした言葉に自分でも自覚が無かった程の多大なショックを受けたからだった。

 

 霧島イッセー、人間でありリアスが駒を使って眷属にすることが不可能な程の実力を持った赤龍帝というのは既に調査済みであり、また少女も知っていたが、実を言えば少女はイッセーとただの一度も向かい合ったこともなければ、話をしたこともない。

 

 それは少女自身があまり主張するような性格でもないのもあるし、イッセーの方も少女に対して興味も関心も無いからに他ならない訳で……。

 

 なので一度も言葉を交わした事は無く、されど気になる男性(ヒト)として、遠くから様子を伺う様になった少女は、そのイッセーの傍にほぼ常に居る女のことは当然認識していたし、一々距離感が近いことも知っていた。

 

 だが他の生徒の話を聞く限り、距離感は近いもののそんな仲では無いらしい――という話を信じていたからこそ別に気にしなかった。

 だが先日、イッセー本人が自分達の護衛を拒否する理由を聞いてから、殆ど気にもならなかった桐生藍華に対して、自分でもよくわからないくらい『気にくわない女』という認識へと切り替わった。

 

 イッセーに抱き寄せられた際に、それまで無言だった藍華の表情が嬉しそうに緩んだのも、それを見て言い知れぬ怒りを抱いた自分に向かって煽るような笑みを浮かべてきた事も……何もかもが気にくわない気分にさせられた少女は、こうして主の命令を無視してイッセーの自宅までやって来て様子を探ろうと、転生悪魔としてと元の種族としての聴力や嗅覚をフルに駆使して、イッセーの居る部屋の中の様子を探っているという訳だ。

 

 

 

(霧島先輩と桐生先輩の匂いは覚えているし、声も聞こえるから今間違いなく部屋の中に居るのはわかる。

でも他にも知らない女の匂いと声が中から聞こえる……)

 

 

 冷静になれば、『自分は何をやっているのだ?』となるのだが、どうにも今の少女――というか白髪と金色の猫のような眼が特徴の美少女こと塔城小猫は、藍華に煽られたせいもあって意固地のような気持ちになってしまっている。

 

 

 

(何故か知らない、自分でもなんでこんな事をやってるのかわからない。

でも……ムカつく、納得ができないような気分になる……)

 

 

 

 加えて藍華に加えて謎の――ちょっとしゃべり方的に喧しそうな女声まで聞こえるせいで、余計になぞの苛立ちに苛まれる小猫はそのままイッセーの住む部屋の様子を引き続き探っていると……。

 

 

(? 『匂い』が変わった?)

 

 

 突然自分の嗅覚から感じ取った匂いの種類が変質した事に気が付いた小猫は、聴力を研ぎ澄ませて聞き耳を立てるものの、よく聞こえない。

 

 

(くっ、よく聞こえない……。

こうなったら……!)

 

 

 何かに邪魔をされているかのようにそれまでクリアに聞こえていた声が聞き取りにくくなった小猫は、質の変わった匂いのせいもあって妙に落ち着かない気持ちを抱えながら、こうなったら窓から直接中を見てやると、彼女らしくもないことを考えながら、猫のような素早さでイッセーの住む部屋の窓の前まで近づくと、閉められているカーテンの隙間からこっそりと中を覗き―――

 

 

 

「……っ!?!?」

 

 

 

 ―――――匂いの質が急激に変化した理由を知ってしまい。

 

 

「え、そ、そんな……あ、あんなこと……」

 

 

 

 部屋の中には確かにイッセーと藍華が居るし、体型は自分に近いなぞの金髪少女が居る。

 恐らくこれが見知らぬ気配と匂いの正体なのだろうが、小猫は最早それどころではなかった。

 

 

「き、霧島先輩が……」

 

 

 ぽつりと、顔を真っ赤にさせながらイッセーの今の苗字を口にする小猫は一体何を見てしまっているのかについては残念ながら描写不可能だ。

 

 しかし少しずつ呼吸を乱れさせながらも覗き続ける小猫の様子からして、あまり教育に良いものではないのかもしれない。

 

 

「は……はっ…………は……ぁ……!」

 

 

 フルフルと震えながら覗き続けるその先では何があるのか。

 それを知る者はまさに当人達だけであるのだから。

 

 

 

 

 

 

 そして……。

 

 

 

「………………」

 

「は、やっぱりね。

外に出歯亀みたいな真似してるのが居ると思ってたけど……」

 

「げ、アレって確かリアス・グレモリーのところの下僕っすよね?」

 

「え? ……あ、そうなの?」

 

「そうなのって……覚えてないんすか?」

 

「あー……? あー……そう言われたら居たような居ないような」

 

「本当に記憶すらしてないんすね……イッセーらしいっす」

 

 

 そろそろカチコミをしようと外に出たら、何故か自身の胸に手を置き、顔を真っ赤にしながら呼吸荒めに藍華を睨み付ける小猫が通せんぼをしてくるのだが、イッセーはそもそもリアス・グレモリーか、ハーフ堕天使だったりする姫島朱乃くらいしかグレモリー一派の事は記憶してなかったので、小猫の事は殆ど認識しておらず、ミッテルトは悪魔に自分の存在がバレたらややこしくなると慌てながらイッセーの背中に隠れ………。

 

 

「不潔です」

 

「出歯亀しておきながら開口一番がそれとはね。

逆に感心してきたわホント」

 

 

 藍華は自分を睨みながらいきなり不潔呼ばわりしてきた癒し系で通ってる小猫に対して鼻で笑っていた。

 

 

「そもそもグレモリー眷属の貴女がなんでここに来てるのかしらね? 記憶が正しければ、貴女達はイッセーに『近づくな』と言われた筈よね?」

 

「べ、別に霧島先輩の件とは関係ありません。

ここは私の散歩のコースで、偶々通りかかっただけです」

 

「散歩のコースねぇ? そのコースには人様の家の中を覗くってのも含まれてるのかしら?」

 

「っ……!」

 

 

 いつになく相手を煽り倒す藍華の後ろでは、イッセーとその背中にコソコソと隠れているミッテルトが『え、さっきの覗かれてたの?』とお互いに顔を見合わせている。

 

 

 

「ふむ、これは貴女の主様に『どういう了見』なのかを聞く必要がありそうね」

 

「っ!? か、勝手に聞けば良いでしょう!?」

 

「あらら? 何をそんなに興奮なさって―――ふっ、ウチのクラスに居る元浜と松田と同じというか、それがまさか貴女とは意外だったわ。え、癒し系マスコットの小猫ちゃん?」

 

「う、うるさい!! 私はそんな呼ばれ方を望んでる訳じゃない!!!」

 

(おぉ……藍華が珍しく煽り倒してらぁ)

 

(そのまま心をへし折ってくれると楽なんすけどねぇ……)

 

 

 

 逆ギレのように声を荒くする小猫をこれでもかと煽り倒す藍華―――のやり取りを物珍しげに見ているイッセーと、そのまま小猫の心をへし折れと思いながら見てるミッテルト。

 

 

「不潔です! 貴女も、霧島先輩の後ろに居るよくわからない人も不潔です!!」

 

「あ?」

 

 

 しかし藍華とミッテルトを妙に敵視して罵倒してくる辺りで、それまでただ見ていただけのイッセーのスイッチがここに来てONに切り替わってしまうと、何かを言い返しかけていた藍華のの肩を優しく掴み、自身の背に下がらせる。

 

 

「き、霧島先――――――ひっ!?」

 

「なあ、そろそろ黙って消え失せないと殺しちまうぞコラ?」

 

 

 そしてそのまま敵に対して向ける殺意そのままを小猫一人に叩き付けることで一瞬にして小猫を恐怖の底に沈めた。

 

 

「ひ……ひっ……!?」

 

 

 『それ』か『それ以外』でしか考えられないイッセーにとって、それ以外の存在が邪魔をしてくる以上は宣戦布告と見なすので、退かすつもりで殺意を剥き出しにすれば、小猫はその場に恐怖に戦いた表情と共に腰を抜かしたように座り込んでしまい、動けなくなる。

 

 

「がはっ!?」

 

 

 

 しかしイッセーはそんな小猫に慈悲なぞ皆無だとばかりに上空へと蹴り上げる。

 

 

 

「がふっ……が……ぁ……!!」

 

「死ね!!」

 

 

 

 小柄な小猫の身体は上空へと投げ出され、やがて重力の法則に従うように落下し始めるのを確認したイッセーは、落下してくる小猫に向かって人差し指と中指を向けると見えない力を小猫に向けて放ち、小猫を中心に強烈な閃光と爆発が巻き起こった。

 

 

「へ、きたねぇ花火だ」

 

 

 簡単に言えば小猫を内側から爆発させたのだが、その元凶であるイッセーの顔には一切の罪悪感は無く、どこぞの尖ってた時期の王子のような台詞と共に締め括るのであった。 

 

 

「……んのやろう、そういう事か」

 

 

 

 が、その笑みはすぐに引っ込み、今度はチッと舌打ちをする。

 

 

「あのガキ、爆発させる寸前に転移して逃れやがった。

多分主か誰かが強制的に転移させたな。妙に手応えがないと思ったが……」

 

「相変わらず他人への容赦のなさに脱帽っすわぁ」

 

「そもそも出歯亀して興奮しちゃった女の子なだけなのに」

 

「ごちゃごちゃうるせぇし、邪魔だから退かしただけだよオレは……まったく。

ほら行くぞ、今ので奴らに気づかれた可能性がある」

 

 

 徹底的な区別主義者のスイッチの切り替わり方も――極端なのである。




補足

フラグは自分で勝手にぶち壊すスタイル。

アザゼルさんの自称女を名乗る人外さんから見せて貰ったドラゴソボールにそっくりなアニメの影響により、どこぞの王子みたいな戦い方を好むのがこのイッセー。



その2
出歯亀したらきたねえ花火にさせられかけた小猫さんに祝福を……
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