色々なIF集   作:超人類DX

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迷走して出来たネタ


あくまで悪魔の執事・魔王少女の章
悪魔の執事だった男と魔王少女だった悪魔


 

 

 

 友達でもあり戦友が連れてきた人間の男の子。

 

 身寄りが無いと知り合いから預かったとその時は聞いていただけど、私が気になったのはその小さな――それこそ妹と近い年の頃と思われるその男の子の放つ雰囲気と目だ。

 

 何かに怯える心を、必死に隠そうと誰に対しても威嚇する野良犬のような目。

 悪魔である私達ですら『狂気』にも思える力への渇望。

 

 

 子供とは思えないくらいに荒んでいた男の子に一体何があったのか……その時の私はまだわからなかった。

 

 最強の悪魔と呼ばれる戦友を超える事を目的にただひたすら力を渇望し続ける男の子。

 

 何にしたいしても負けず嫌いな男の子。

 

 私の事をおくびもなくアホ女だとバカにしてくる生意気な男の子。

 

 人の身でありながら、狂気めいた鍛練をし続ける事で異次元の成長を遂げてみせた凄い男の子。

 

 余程慣れた相手とじゃないと緊張しちゃってまともに喋れなくなるコミュ障な男の子。

 

 イザという時は、簡単に自分の命を捨ててでも私達を守ってくれた男の子。

 

 数年で私達の前から居なくなるのかと思った男の子は、確かに種族も違えば血の繋がりもないのかもしれない。

 だけど、あの子を知る人達の誰もがあの子を『家族』と思っていた。

 

 人見知りが強くて、素直じゃなくて、お酒に凄く弱くて……他人以上に自分に厳しすぎる所があったとしても。

 

 私はそんな彼が大好き。

 

 どこまで行こうとも……地獄に堕ちても。

 

 腕がちぎれも、脚がもげても、目を失って見えなくなっても、それでも私を守ろうとし続けてくれた事もあった私の『いーちゃん』がどうしようもなく……。

 

 

 

 

 

 

 

 かつて、ある出来事が理由でコミュ障になり、基本的に他人には絶対に懐かない野良犬のような性格となってしまったのが、あくまで人間で悪魔の執事である日之影一誠。

 

 赤龍帝という本来持って生まれる筈だった力と、その力と共に歩む筈だった人生から外された事で生誕したイレギュラーによって生まれたイレギュラーが日之影一誠。

 

 イレギュラーによるイレギュラー化によって己の精神に根付いたのは、女性への興味ではなく、永遠に乾くことのない『進化欲』であり、本来持っていたような欲は殆ど消え失せてしまっている。

 

 故に日之影一誠は美少女だの女性の胸だのを前にしても顔色を変えることも無い。

 寧ろ敵であるのなら容赦なく顔面を殴り抜いて殺す程度には容赦がない。

 

 言ってしまえばかなりお堅い性格になってしまった訳だが、そんな彼にも彼が『身内』と本能的に見なしている者達に対してだけは態度ががらりと変わる。

 

 特に、幼少の頃流れでその者の服を消し飛ばして爆笑してやったという割りと酷い出会いをしたとある女性悪魔への態度は――今現在もそんなに変わってはないらしい。

 

 

 

 

 

 あくまで悪魔の執事だった青年が、何の因果かその道へと進む理由となる存在が文字通り『存在しない』世界において生まれ変わって十数年。

 

 親も名前も――そしてかつては敵として破壊した龍の力をも奪われてない『兵藤一誠』としての生を再び歩める事を本当ならば喜ぶべきなのかもしれない。

 

 だがあくまで悪魔の執事であった日之影一誠としての自我を確立させていた身が故に、今更奪われた人生を再び歩んでも何の喜びも無ければ、寧ろ心の中にぽっかりと穴が空いてしまった。

 

 超えるべき最強(サーゼクス)は存在するけど、自分の知る最強とは程遠い。

 ウザいくらい構い続けた悪魔の家族達とは当然何の関わりもないまま生きたのでただの他人。

 

 日之影一誠としての人生の方が長かったからこそ、今更本来の自分の人生を歩まされても違和感しかなく、そして何よりも―――退屈だった。

 

 

 兵藤一誠へと戻った日之影一誠は、そんな陰鬱とした幼少期を暫く送っていた。

 だがしかし、ちょうど兵藤一誠としての人生を再スタートさせて約5年程が経過した頃。

 

 奪われなかった両親から、不気味な程手が掛からないどころか、どこで覚えたのかもわからない家事を手伝ったりするせいで、どこかおかしいと疑われ始めたある日の事だ。

 

 生きる目標を失ったとはいえ、己の精神に根付いている『欲』は変わらない為、友達も作らず、公園で遊びもせず、人が寄り付かない廃棄された倉庫に出向いては『鍛練』をし続けていたイッセーは、思わぬ再会を果たしたのだ。

 

 

『この誰にも懐かなさそうな野良犬みたいな目。

人間が扱える筈の無い悪魔の魔力――なにより私と同じその氷の魔力……!』

 

『セラフォルーだと? くっ……くくくっ! ついにオレもヤキが回ったか。

こんな幻覚まで見るようになるとはな』

 

 

 当初は過去の思い出に浸りすぎて幻覚を見てしまったのかと、思いの外女々しい己に嫌悪したイッセーだが、目の前に居る女性はいくら自分の頭を振ろうが、目をゴシゴシと擦ろうが消え去ることはなく、寧ろ泣きそうな顔をしている。

 

 

 

『な、なーにつまらないボケ言っちゃってるのさ! 本物の私だよいーちゃん!』

 

 

 

 つまりそれは過去に浸りすぎたが故の幻覚でもなければ、妄想でもない正真正銘の―――日之影一誠を知るセラフォルーだったのだ。

 

 

『皆いーちゃんの事知らないし、覚えてるの私だけで頭がおかしくなりそうだったんだよ?

でも……よかった、いーちゃんがいーちゃんで……っ!』

 

『………』

 

 

 自分より年上の癖に、縮んだ自分の身を泣きながら抱き締めてくるセラフォルーもまた『本当の自分すら誰も知らない世界』を生きてきた事が苦痛だったのだろうと、イッセー本当の自分をさらけ出せる相手が居ることへの安心感を噛み締めながら、不器用ながらもセラフォルーの背中をちょっとだけ撫でるのであった。

 

 

『ぐすん……いーちゃんがいーちゃんで本当に良かった。

ということで今からスキルと魔力を全部使っていーちゃんと同い年くらいに戻るね? それから人間界に住んでいーちゃんと一緒に居る』

 

『ああ…………―――――――――は?』

 

 

 もっとも、30分くらい経って落ち着いたセラフォルーは、涙を指で拭いつつ笑顔で言い出した言葉のせいで、色々と台無しにされた感が否めないとイッセーは思うのだったとか。

 

 

 

『ふふん、成功した。

これで私もいーちゃんと同じだよ☆』

 

『……』

 

 

 

 そして12年前の再会を経て現在。

 

 

 日之影一誠としての人生もそうだったが、兵藤イッセーとしての人生においても死ぬほど『めんどくさくて嫌な』学生を、健在な両親から『せめて高校くらいは卒業しろ』と言われたので、嫌々――されど『悪魔達』が存在するあの学園だけは避けつつやることになった訳だが……。

 

 

『うーん、学生をやるならやっぱしソーたんやリアスちゃん達と同じ学校にしないとねいーちゃん☆』

 

 

 12年前の再会以降、何をトチ狂ったのか自分の異常をフル稼働させて、イッセーと同い年相応の年齢まで『戻してしまった』セラフォルーのやらかしのせいで、リスクがあまりにも高すぎる駒王学園へ入学してしまうことになってしまったのだ。

 

 

『昔は魔王やってたし、人外(スキル)を掴む前だったから出来なかったけど、いーちゃんと同じ学校に通えるぜ☆』

 

『………』

 

『冥界には私の『影』を置いてあるし、誰もがあの影を私だと思ってるから、いーちゃんの傍にずっと居られるからね!』

 

 

 日之影一誠の頃、一誠との日々によって後天的に自分の精神を理解したことで発現させたスキルをセラフォルーは持っている。

 そのスキルを12年前の再会時に躊躇いなく使ったセラフォルーは、年齢自体を完全にイッセーに合わせてしまった。

 

 そして引っ越してきた一家として兵藤家の隣の家に住み着き、以前よりも軽く5倍増しでイッセーに引っ付き続け、なんと小学校も中学校も一緒に通ってきたのだ。

 

 いきなり四大魔王の一人が冥界から消えたのだから、今頃冥界は大騒ぎになってやしないのかと当然イッセーは思ったが、見た目が自分と同じくらいの少女に戻ったセラフォルーが言うには、自身の大半の魔力を使った分身体を作って代わりをさせているとの事らしい。

 

 自身の大半の魔力を代償にしたという事はつまり、それだけセラフォルーは魔王としての力を手放しているといえるのだが、本人は『またいーちゃんと鍛えて元に戻るから大丈夫』と全くの後悔が無さそうに笑っていた。

 

 イッセーからしたら自分が積み重ねてきた進化の証を捨ててまですることなのかと理解出来なかったが、昔からこの子供趣味の女はやることも言うことも突拍子が無かった事を思い出して、これ以上言うことはしなかった。

 

 

『一応髪型も変えて、伊達眼鏡をかけておくけど―――いたい!? な、なにするのいーちゃん!?』

 

 

 それはそれとして、わざわざバレたら大騒ぎにしかならない場所に自分から行こうとする事にイッセーは、駒王学園の制服を着て勝手にはしゃいでるセラフォルーの頭を一発ひっぱたいてやったのは丁度一年前の事だ。

 

 

 

 中学時代にセラフォルーが勝手に自分の分の進路書まで提出してしまったのを流してしまったという落ち度もあるし、そもそもこの世界のリアスやソーナ達とは一切関わらなければ良いと、なんとか自分の中で前向きに考えることにした。

 

 そもそもの話、この世界のリアスやソーナ達の事は他人だと思ってしまっている以上、まともに会話なんて出来そうにも無いし、現在に至るまでコミュ障は全く治っちゃいないのだから。

 

 

「…………………」

 

 

 結局日之影一誠として生きていた頃と同じ学校に通い、二学年へとなったイッセーはといえば、悪魔としてではない人生を腹立つくらい満喫しているコミュ強のセラフォルーとは正反対の超陰キャコミュ障として当たり障りのない学生をやっていた。

 

 当初は例の転生者のような存在が居るかもしれないと、警戒をしていたのだが、探ってもその手の存在は居らず、そこそこ平和た日々を送っている。

 

 

「………………」

 

 

 そんなイッセーは『誰も来ないし落ち着く』という理由でしょっちゅう来るようになった学園の屋上から、下でこの世界のリアスと彼女が率いるオカルト研究部の面々達が一般人の生徒達から黄色い声援を送られているのを見てるか、学園の見回りをしているソーナとソーナが率いる生徒会の面々の様子を見下ろす形で眺めている。

 

 

「………………」

 

 

 壊された自分の人生に巻き込まれなかった場合のリアスとソーナ達は―――悪魔としてなら平均的なそれだったというのがイッセーの評価だった。

 スキルを持つ訳でもない、強さとしても悪魔の域の範疇。

 

 つまりは普通(ノーマル)というカテゴリーに分類されるこの世界のリアスとソーナ達への関心は正直云って薄い。

 というかそれよりも、偽名まで考えてわざわざ学校に通ってるセラフォルーの事がバレやしないかという心配の方が寧ろ勝っているくらいである。

 

 

「お待たせいーちゃん☆」

 

 

 その心配の種たるセラフォルーはといえば、自分より寧ろ学生身分を満喫しているらしく、ぼーっとしていたイッセーのもとに当然だが、学園の女子制服の姿でやって来た。

 

 

「あー、もしかしてまたリアスちゃんとソーナちゃんの事ここから見てたんでしょー? もー、妬けちゃうなぁ☆」

 

「オメーの正体がバレたら大騒ぎになるのが目に見えてるからだ。

誰のせいだと思ってんだこのアホ女」

 

「大丈夫だよ、学校に居る時はこうやって変装してるし、わざと二人の前を素通りしてもバレなかったでしょ?」

 

「万が一ってこともあんだろ」

 

 

 一々楽観的な事しか言わないセラフォルーに悪態を付きつつ下へと向けていた視線を切ると、髪型をポニーテールにし、牛乳瓶の底のような分厚いレンズの伊達眼鏡を掛けたセラフォルーの為に旧校舎の教室から持ってきておいた椅子に座らせると、これまた旧校舎から持ってきた机の上に、自作した弁当を広げる。

 

 

「チッ、この格好じゃあ締らねぇ」

 

 

 日之影イッセーとしての経験もあり、一応主の一人でもあったセラフォルーに対しては、執事のように振る舞ってしまうらしい。

 

 

「んー☆ 今日も美味しいよいーちゃん」

 

「お褒めに預かり光栄ですセラフォルーお嬢様―――――チッ、やっぱ格好がこんなんなせいであんまり締らねぇな」

 

 

 日之影イッセーにとっての戦闘服――つまりは燕尾服ではなく学生服であることに悪態付くイッセーに、もぐもぐとイッセー作のお弁当を食べながらセラフォルーは思う。

 

 

(昔は燕尾服すら着るのを嫌がってたのに、ホント律儀だよねいーちゃんは)

 

 

 口は悪く、コミュ障。しかも自分に対しては苦労して自作した『勝負服』を吹き飛ばして素っ裸にしてはゲラゲラと指差して大笑いする癖に、イザとなったら何がなんでも守ろうとしてくれる。

 

 

「ふふ……」

 

「なんだよ……?」

 

「べっつに~? 幸せだな~って思っただけ☆」

 

 

 そんなイッセーが今は『自分だけの執事』である。

 不謹慎かもしれないが、セラフォルーはそれが幸せだった。

 

 

 

 兵藤イッセー(元あくまで悪魔の執事)

 

 

 赤龍帝(永続封印)

 

なんか自分の中に存在してるということは認識したが、これまで一度も使った試しはないし、一生使うつもりもない

 

 

 悪魔の魔力(消滅・水流・氷結)

 悪魔の執事時代に、対サーゼクスの為の鍛練により人の身でありながら体得した魔力。

 

 無意識に好んで使うのは氷結系の魔力

 

 

 無神臓

 日之影イッセーとしての己の核そのもの

 

 

 

 世羅 誠(セラフォルー・シトリー)

 

 氷結系魔力

 極限まで鍛えた結果、世界そのものを『凍結』させて自転すらも止められる。(現在そこまでの行使は不可能)

 

 

 無芽夢中

 0ではない限り、『不可能』を『可能』にさせるスキル

 

 

 

 終わり

 

 

 

 

 

 

 

「あ、そうだ。

今夜はいーちゃんと寝るからね?」

 

「は? ふざけんな、またかコラ?」

 

「だっていーちゃんの無神臓と私のスキルって死ぬほど相性が良いから、いーちゃんのアレを直接貰った方が魔力の回復が早いんだもん」

 

「……………」

 

「ホントだってば!☆ 初めてした時だって凄く回復したでしょ?」

 

「納得行かねぇんだよ。

回復するだけならまだわかるが、オメーは一々素っ裸になってひっついて来やがるだろが、それの意味がわからねぇんだがな?」

 

「そりゃあもうそろそろ、昔みたいに犬のようにいーちゃんにめちゃくちゃにされたいって意味もあるけど? 別に良くない? 酔っぱらったいーちゃんにめちゃくちゃにされた過去もあるんだし?」

 

「何時の話を蒸し返すんだよ……」

 

「何時だろうと事実は事実じゃん?☆」

 

 

 

 終わりったら終わり

 

 

 

 

 




補足

執事シリーズにおいてトップメイン位置だと思われるセラフォルーさんと実は内心安心してる執事の道草話……みてーな?


続きは知らん
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