色々なIF集   作:超人類DX

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一応続きだけどぐだぐだ


覚えなんてあるわけない元執事

 

 

 

 何か怪しい。

 別にどうしても知りたいとかではないけど、どうにも怪しい。

 

 いーちゃんが『他人』と一度は割り切った相手の一人である匙元士郎君。

 

 前の時代と同じくソーナちゃんの眷属であり、他の子達と同じように、前の時代の事を知らない、この時代の存在なのはまず間違いないのだけど、それが逆に怪しい。

 

 普通の悪魔や人間は、人でありながら狂気の執念の果てにひとでなしに到達したいーちゃんに対して、本能的な『恐怖』や『嫌悪感』を抱く筈。

 

 

 現にこの時代を生きるソーナちゃんとかリアスちゃん等は、いーちゃんがほんの少しだけ『素』を晒しただけで、口には出してないけど顔や表情からありありと恐怖と嫌悪がまざったような感情が出ている。

 

 だというのに、この匙君というのは一度いーちゃんに叩きのめされた子達の一人だというのに、折れもしなかったし、恐怖も少なく、嫌悪の感情も無く―――寧ろ素のいーちゃんの放つ異常性に惹かれている。

 

 この時代においては激レアな精神力をしていると言えなくもないのだけど、だからこそ怪しい。

 

 いーちゃんの立つ領域を渇望するその理由にしても、自分の欲の為というよりかは誰かの為みたいだし、その誰かの自由の為にはどんな手段も厭わないという意思が匙君には確かにあった。

 

 まあ、だからいーちゃんも匙君を鍛える気になった訳なんだけどね?

 泥臭くても、みっともなくても、先に進もうとするという意思をしっかり持っている子はいーちゃん好みだし。

 

 

 でもなー……。

 

 匙君の言っていた、自由にしてあげたい人って誰なんだろ?

 あの言い方からして間違いなくソーナちゃんや他の眷属の子達じゃあなさそうだし、かと云って他に思い当たる節は――

 

 

「なあなあ、ただの世間話だと思って欲しいんだが、兵藤と世羅って付き合ってるのか?」

 

「あ? そんな訳――」

 

「いやー! 残念ながらそういう関係じゃあないのよねー?」

 

「そうなのか? 学校とかだと何時ももう一人の眼鏡かけた女子と一緒に居るから……」

 

「いーちゃんはこういう感じだからねぇ。

私かアイちゃんくらいしか友達も居なくて……」

 

「………………おい」

 

「いーちゃんが好きな人は何を隠そう、セラフォルー様だったりするんだなこれが?」

 

「え!? そ、そうなのか!?」

 

「ふざけるなボケ、だからそんな訳―――」

 

「わかる! わかるぞ兵藤っ!! 年上って良いよな!? はっはっはー! ちょっと兵藤と仲良くなれそうな気がしてきたぜ!」

 

「あ、あぁ……?」

 

 

 あるような……無いような。

 前の時代の元士郎ちゃんが送った人生を思い出したら、『彼女』なんだけど。

 昔、かなり荒れてた頃の私がやっちゃったんだよなぁ……。

 

 今にして思えばちょっと悪い事したかもとは思うけど、その後の彼女はかなり酷い仕打ちを同胞達にされた挙げ句死んじゃったって聞いたし……。

 

 

「確かに年上だし、大人の女性って感じるけど時折見せる甘えた仕草にグラッと来るよな?」

 

「だから違う!

というか、あの主は素でアホ――じゃなくて、単にガキっぽい……」

 

「じゃあ逆に普段は子供っぽいのに、ふとした事で年上だと思わされる仕草や行動を見たら、思うところはあるだろ?」

 

「そんな輝いた目をしながら力説されても困るし別に……」

 

 

 なんでか年上の女の人談義してる匙くんを見てると……どうも彼女の事が思い浮かんでしまうような気がするんだよなー

 

 

 

 

 

 

 勝手に年上好き者同士――という意味での同志扱いをされたイッセーには幼馴染みという概念は存在しない。

 元の時代と現在を含め、幼少期からの付き合いがあるという事を考えれば、それはきっとセラフォルーが該当することになるのだが、逆を言えばセラフォルー以外にそのような概念は存在しない―――と、本人は思っている。

 

 

 

「暫くうちの騎士である木場祐斗が行方をくらませているのだけど、何か知って――――」

 

「知りません」

 

「右に同じく」

 

「―――そ、そうよね? い、一応きいておきたかっただけだから、あ、あははは」

 

 

 

 つまるところ、本来の人生を歩む『兵藤一誠』ではなく、あくまで悪魔の執事であった日之影一誠はどこまで言ってもその性格と根にある精神が違いすぎるという訳なのである。

 

 

「ついでに一応アナタ達の耳に入れておくべきだと思うから勝手に喋るけど、つい先日堕天使のコカビエルが聖剣を強奪して潜伏中という話を教会から来た悪魔祓いの遣いから聞いたのよ」

 

「へー」

 

「そうですかー……」

 

 

 道端で人が困っていたとしても、他人と認識している以上ガン無視するのが日之影一誠。

 顔見知りだとしても『他人』と認識してしまえば、目の前で誰かに殺されかけても平然と見てるだけなのが日之影一誠。

 

 最早『他人』と割り切った相手であるリアス達への情は皆無であり、其れ故に彼女達が何やら困っている様子であろうが、日之影一誠は何もしない。

 

 

「いや、そんな他人事みたいな反応だけど、状況次第では他人事では済まなくなるかもしれないのよ? それに、兵藤君は悪魔祓いと知り合いみたいだし……」

 

「…………あ?」

 

 

 最近すっかり精神的にも凹んだままであるリアスにどうしてもと言われて仕方なく話を聞く場を設けたイッセーとマコトは、空き教室にて最近また堕天使の某が入り込んでいる的な話を、完全に聞き流していた。

 しかしその流れで発したリアスの言葉には、全くもって覚えがないが故に、さしものイッセーも反応をしてしまう。

 

 

「悪魔祓いと知り合いだぁ? なんの話ですかそれは?」

 

「うん、私も初耳ですねそれ」

 

 

 それまで適当に聞いていたイッセーとマコトの目が同時に自分へと向けられ、若干びくっとなるリアス。

 

 

「え、し、知らないの? だってその彼女はアナタを名前で呼んでたわよ? ええと名前は確か紫藤イリナって……」

 

「全然知りませんね。一応聞くけどマコトは知ってるか?」

 

「さぁ? 私もぜーんぜん。

でもいーちゃんを名前呼びするってことは、いーちゃんをある程度知ってるって事になるんじゃない?」

 

 

 紫藤イリナなんて名前の女には前の時代を含めても覚えが無いイッセーだが、マコト(セラフォルー)の言う通り、どうやら向こうは自分の存在を認識しているというのだけは間違いない。

 

 

「幼い頃よく遊んだって言ってたような……」

 

「はぁ? 尚更ありえないんですが」

 

「うん、いーちゃんこんなんだからまともにお友達なんて作れなかったし、遊び相手って私だけしか居なかったし」

 

 

 途中で思い出したようにその紫藤某が言っていた事を話すリアスに、ますます怪しいと警戒心を抱くイッセーとマコト。

 

 

「まあ、私達もアナタの性格から考えてありえないとは思ってたわ。

けれど、なんのつもりでそんな事を言ったのかしらね……」

 

 

 そう呟くリアスに内心『確かに……』と同意するイッセーとマコトは、無駄に紫藤イリナなる悪魔祓いに対して警戒心を強めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 最近の会長―――というよりは悪魔上での俺の主であるソーナ・シトリーさんは明らかに腑抜けている。

 

 

「会長、そんなに食べては太りますよ?」

 

「いーのよ、食べても太らない体質だし私」

 

「い、いやー……そうだとしても限度ってものが世の中にはあるような気がするんですけど?」

 

「限度を越えても私はスレンダー体質を維持できるから問題ないの」

 

 

 実の姉が自分に黙って将来的に眷属となる者を抱えていたばかりか、その片割れは会長がとても気にくわない男だった。

 そればかりかその男の力は実の姉に酷似した魔力を自在に操り、強さもまだ駒による転生さえしていない身でありながら、自分達の上に立っていた……。

 

 

「………。なによ匙?」

 

「あ、いえ……一応与えられた仕事は終わったんですけど、他に何かやることはないかなー……と」

 

「他? そうね……最近駅前のケーキ屋さんで新作のいちごケーキが発売されたらしいから、買いに行ってきてくれる? ついでに週刊紙と飲み物も」

 

「は、はあ……」

 

「飲み物はアナタのセンスに任せるわ」

 

 

 余程ショックだったのだろう、あれからの会長は相当に怠惰になってしまった。

 まあ、下と見ていた相手に片手間にぶちのめされた挙げ句、どこまでも『無関心』な目をされたともなれば、わからない話ではないのだけど……。

 

 

「か、会長……そんなパシりじゃないんですから」

 

「だって他に仕事なんて無いもの。

はぐれ悪魔に関しても放っておいてもリアス達がなんとかするでしょうし? なんとかならなくてもあのドスケベ男がなんとかするのでしょう?」

 

「そんな事は……。

第一なんですかそのドスケベ男って?」

 

「ドスケベ男はドスケベ男よ。

この私を『ド貧乳眼鏡』呼ばわりした兵藤一誠よ」

 

 

 すっかりヤサグレてしまった会長に、他の人達も頭を悩ませているらしい。

 というか兵藤の奴、会長にそんな事言ったんだな……。

 

 

 

「そ、そんな酷い事まで会長に言ったのですか彼は?」

 

「ええ、はっきりとね。

まったく、誰が貧乳よ……!」

 

「それはかなり酷いですね……」

 

 

 

 それにしてもド貧乳眼鏡か。

 全く意識に無かったから気づかんかったけど、言われてみたら確かに会長って……。

 

 

 

「あ゛? なによ匙、その気にくわない目は?」

 

「な、なんでもありませんけど!?」

 

 

 つい会長の、言われて初めて気付いたあんまり無い――んんっ! 慎ましい胸への視線に気づいた会長から血走った目で睨まれてしまった。

 

 

「し、新作のケーキと週刊紙と飲み物っすね!? ただちに行ってきまーす!!」

 

「あ、元ちゃん!?」

 

 

 触らぬ神ならぬ、触らぬ悪魔に祟り無しだと思った俺は逃げるように生徒会室を出る。

 そういうのは気にしないタイプだと思ってたし、今後はその手の事は言わないように気を付けようと思いながら学園を出て駅前に向かう。

 

 

「そにしてもケーキか。

安かったらお土産としてカテレアさんの分も買っとこうかな」

 

 

 今頃家で夕飯を作ってくれているであろうカテレアさんのことを想いながら、スタスタと店までの道を歩いている俺は、気付いたら某嵐を呼ぶ五歳児アニメのOP曲を熱唱している。

 

 

「パニックパニック みんながあ~わてて~る~

オーラはすごいぞ 天才的だぞ おーおーおーおー♪」

 

 

 ガキの頃から現在に至るまでそうなんだが、俺が好きなアニメのひとつなもんで、しょっちゅうカテレアさんとDVDとか観てる。

 おかげで気分が乗るとついつい歌っちまう訳で……。

 

 

「パワフルパワフルパワフル 前回 なぁみ○え~

おバカな1日げーんきだゾ~♪」

 

 

 ここだけの話、最初は『くだらない』と一蹴していたカテレアさんも観てる俺の横で一緒に観ている内に普通に観るようになったし、なんならこうして主題歌を一緒に熱唱したりする。

 

 

『ママ~、あそこで変なお兄ちゃんが大声で歌ってるー』

 

『しっ! 見ちゃだめ! 指をさしちゃだめ! ほら行くわよ!』

 

 

 いやー、周囲からの可哀想なものでも見るような視線がグッサグサ刺さるが、俺のテンションは下がらんのだ!

 

 

「や、ご機嫌だね匙君?」

 

「……。お前のメンタルってどうなってるんだ?」

 

 

 知り合いと鉢合わせしても俺は気にしねぇ!!

 

 

 

 

 

 リアスからコカビエルだの謎の悪魔祓いの女だのといった話を聞き終えての帰り道、一人で歩きながら音程外し気味に大熱唱をしている元士郎と鉢合わせしたイッセーは、一瞬本気で他人のフリをしたかったのだが、同じような性質を持つマコト(セラフォルー)的にはツボに入ったらしく、寧ろ面白がって声を掛けてしまった。

 

 

「おー、兵藤と世羅。帰りか?」

 

「うん。

そっちは一人みたいだけど……?」

 

「おう、会長からおつかい頼まれてな」

 

「………」

 

 

 すれ違う人々全員から変人を見るような目をされるかクスクス笑われてるというのに、本人は全く気にした様子もなくケラケラと一人で居る理由を話している。

 正直言うとその無駄に強いメンタルだけは別の意味で尊敬してしまうイッセー

 

 

「ふーん? おつかいねー……なんの?」

 

「駅前のケーキ屋で新作のいちごケーキとか週刊紙とか飲み物とかだが……」

 

「ふーん……?」

 

 

 この時代の妹の命令で要はパシりに使われてると理解したマコトは否定はしないが微妙な気分になるのだが、当然顔には出さずにうなずく。

 

 

 

「そういや会長が大分根に持ってたぞ? お前にド貧乳眼鏡呼ばわりされたこと。

いつの間にそんな事言ったんだなあの人に?」

 

「……鬱陶しいからつい言っただけだ。

別に謝る気は無いぞ」

 

「はは、だと思った」

 

「最近この町に起こった話は聞かされてないの?」

 

「ん? ああ、もしかしてお前達も聞いたのか? なんか町に聖剣強奪した堕天使が入り込んだみたいな話」

 

「まあね。

それでその聖剣を取り返す為に悪魔祓いも入り込んでるらしいけど……」

 

「ああ、それならこの前見たぞ。

年のころは俺達に近めの女の子二人だったな」

 

 

 然り気無く元士郎から情報を引き出そうとするマコトの意図を察してないのか、それとも自分の不利益にはなり得ないと思っているのか、割りと簡単にペラペラする元士郎。

 

 

「その悪魔祓いの二人組ってどんな子だった? 見た目とか」

 

「見た目? あー……フード被ってたからどんな顔してるのかまではわからなかったな。

ただ声だけは覚えて――

 

 

 

 

 

 

「えー迷える子羊に天の恵みを~」

 

「えー天の父に代わって哀れな我々にお慈悲を~」

 

 

 

 

 

 

―――――そうそう、確かこんな声だったぞ」

 

 

 ペラペラと話してくれる元士郎からもっと話を引き出してやろうと、一緒に駅前まで歩いていたイッセーとマコトは遠くから聞こえる少女の声二つに反応する元士郎に釣られるように、その方向へと視線を向ける。

 

 

 

「あーもー!まったく集まんないわ!」

 

「これが異教徒の国か。信仰の違いを感じるぞ……」 

 

「はぁ、なんでこんなことに……」

 

「お前がそんなわけのわからない絵を買ったからだろうが!

そんな贋作に騙されおって! だいたい、なんなのだその落書きは!?」 

 

「贋作とは何よ! 展示会の人も言ってたじゃないの! これはかの有名な聖人様のありのままの姿を描いたものだって!」

 

「じゃあいったいどなただというのだ!? 私には落書きにしか見えん!」

 

「えーと……このお姿から想像するに、多分ペドロ様?」

 

「侮辱するんじゃあない!!」

 

 

 

 そこには、自作の募金箱を抱えながら何やら揉めている明るめの茶髪をツインテールにしている少女と、前髪に多少の緑を残して全体的には蒼髪の少女が居た。

 

 

「まんまあんな声してたぜ?」

 

「へぇ? ……で、いーちゃん、見覚えは?」

 

「無い。

無いが……少し思い出した。

あの二匹、確か『成り代わり』の野郎にひっついてたメス共の中に居たな」

 

 

 

 実はリアスに言われた事を割りと真面目に気にしていたマコトは、即座に何やら揉めている二人組の女子を指してイッセーに覚えはあるかと確認させる。

 するとイッセーは親しくした覚えなんて無いと返ってきたのだが、別の意味で覚えがあると返ってきた。

 

 

「あ、そっち……」

 

「ああ……。

だが余計にわからねぇな、どっちが抜かしたのかは知らんが、何故オレを知ってるのかがな」

 

「??? なんだ、もしかして知り合いなのか?」

 

「あの二人組の内のどっちかが一方的にいーちゃんの知り合いを自称してるらしいのよね」

 

「へぇ? ……声でもかけてみるか?」

 

 

 こそこそと大きめの柱に隠れながら、人目も憚らず言い合いをしている悪魔祓いの二人組についての話を耳にしながら、元士郎が声でも掛けてみようかと提案する。

 

 

「あ、でも向こうは悪魔祓いで天界側の陣営だったな。

なら悪魔側の俺達が不用意に接触するのは良くないよな? 会長にも言われてたし……」

 

「そうなる……かな? 個人的には割りとそこら辺はどうでも良いとは思うけど。

いーちゃんはどうしたい?」

 

「どうするだと? ふん、決まってる。

何故か一方的にオレを知っている事への気色悪さはあるが、逆を言えばそれだけだ。

あんなのに近づきたくもねぇ」

 

 

 相変わらずバッサリとした物言いだが、慣れてるマコトは『そうだね』と頷き、元士郎も悪魔という立場もあるので同意する。

 こうして結局はスルー安定という方向性に落ち着いたイッセー達は、さっさとまだ喧嘩している二人に悟られないようにこっそり回れ右をしようとしたのだが……。

 

 

「ん? ………あ!? ちょ、待て! あの悪魔祓いの所に近づいてるのって木場じゃないか!?」

 

「え? ……あ、本当だ」

 

 

 その悪魔祓いの前に、何やら殺気だった顔をした悪魔が現れちゃったものだからそうは問屋が卸さない展開になるのであった。

 

 

 

「お、おいおい……!? 木場の奴、かなり殺気立ってるけどあの悪魔祓い二人と喧嘩やらかそうってんじゃないよな!?」

 

「あー……まさかとは思いたいけど」

 

「知るか。ほっとけ、その場で殺し合おうがオレ達には関係な――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あぁっ!!!? そ、そこに居るのはイッセー君でしょう!? イッセーくーん! イッセーくーーーーん!!!!!」

 

「っ!? い、イッセー君……だと……?」

 

「む……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……おい、思いきりお前の名前を指差しながら大声で連呼してるんだが」

 

「…………………………………」

 

「あーぁ……やってくれたねホント」

 

 

 

終わり

 

 

 

 

 

 元執事にとって他人は所詮他人だ。

 

 

「わ、私の事覚えてないの? 小さい頃一緒に遊んだりしたじゃない?」

 

「………」

 

「あのさ、それってキミの妄想なんじゃないのかなと思うんだけど? いーちゃんの性格を考えたら一緒に遊ぶとかまず無いし」

 

「っ!? い、イッセーくんをいーちゃんと呼ぶということはアンタは小さい頃のイッセーくんに勝手にひっついてた回ってた世羅マコト!?」

 

「あれ、私の事も知ってるんだ?」

 

「当たり前よ! 寧ろここで会ったが百年目だわ! アンタのせいで私はイッセーくんに近寄れもしなかったのよ!!」

 

「あ、今自分で自白したね? やっぱり小さい頃遊んでたなんてデマだったわけだ?」

 

「うぐ!? う、うっさいわ!! い、一回だけボールを拾って貰ったわよ!!」

 

「それでよく遊んだなんて言えたわねー? ねーいーちゃん?☆」

 

「あ゛ーー!!!? あ、アンタ気安くイッセーくんに抱き着いてんじゃないわよ!!!?」

 

「気安く? 何が? だって私といーちゃんはこういうこと気安くできる関係だもん?☆ ね、いーちゃん?」

 

「………………」

 

「っ!?!? 殺――」

 

「ぶっ!? ば、バカよせイリナ!? 一般人相手に聖剣を抜こうとするんじゃない!!」

 

「は、離しなさいゼノヴィア!! この泥棒猫だけは!!」

 

 

 

 

 

 

「おう、大丈夫か木場?」

 

「あ、うん……まさかキミ達に見られるとは思わなかったよ」

 

「まー……あの悪魔祓いを見つけたのはただの偶然だったんだけどな」

 

 

 何時もならヘラヘラしてるくせに、妙に人間の小娘相手に煽り倒すマコトに化けているセラフォルーだったり。

 

 

「クッハハハハ!! こんな所に腐れ悪魔と聖剣持ちの同僚はっけ――――」

 

「verセラフォルー―――アイス・タイム」

 

「っ!? い、一瞬でフリード・セルゼンの全身を凍結させた……!?」

 

 

 

 ごちゃごちゃやってる間に襲撃してきた神父を一瞬で氷像にして黙らせたりと、他人に対する元執事の対応は何時もの通りなのである。

 

 

 そして……。

 

 

 

 

 

「俺がまだ守れるだけの領域に立ってないことくらい、俺が一番わかってる。

だが、それでも敵わなくても、それでも俺は守ると決めた!」

 

 

 己の弱さを自覚した上で乗り越える事を覚悟した男は、愛する悪魔の女の身に危機が迫った事で『進化』をする。

 

 

 

「! その力は……!」

 

「元ちゃんが到達した暗黒騎士……じゃない?」

 

 

 元の時代の元士郎が到達した暗黒の黒狼とは違う。

 

 

「声が聞こえた……『守りし者となれ、そして強くなれ』ってな。

なってやるさ、カテレアを守し者に……!」

 

 

 この時代を生きる匙元士郎が掴んだ領域。

 

 

「我が名は牙狼! 黄金騎士だ!!」

 

 

 黄金のような精神を彷彿とさせる金色の狼へと……。

 

 

 

以上、嘘予告




補足

その人の為なら誰だろうと敵に回すという意思が同じが故に、妙に気が合う元ちゃんとイッセー


勝手に年上フェチ同盟組まされたけどね!
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