色々なIF集   作:超人類DX

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タイトルになんら意味はない。




二人のレヴィアタンの違い(色々)

 

 

 

 全くもって記憶にない女。

 

 頼んでもなければ、許可すらした覚えなんて無いのに、馴れ馴れしくオレを名前で呼んでくる悪魔祓いの女。

 

 覚えがあるとするなら、この二匹の悪魔祓いの女は前の時代においてはオレに成り代わった奴の後をついて回っていたメス共の中に居たということだけ。

 

 この時代ではそうではないのは解っちゃいるけど、それでもオレからすれば近寄りたくもなければ近寄られたくもない奴等でしかない。

 

 

 だから勝手にオレを名前で呼んでは、勝手に友人だの幼馴染みだのを自称してくる悪魔祓いの女に向かってハッキリ言ってやらないとならないのだ。

 

 

「…………………」

 

「え? なんで自分で言わな―――わ、わかったよ、この子に今お前が言った言葉をそっくりそのまま言えば良いんだろ?」

 

「……………」

 

「あー紫藤さんだっけ? 断っておくけど今からキミに伝える言葉は全部今兵藤から耳打ちされたからであって、俺が言ってるわけじゃあないからな?」

 

「な、なによ?」

 

「えーとだな……『頼んでもなければ、許可した覚えもねぇし、そもそもオレの記憶に存在してすらいないぎゃーぎゃーと騒ぐだけの雌猿が馴れ馴れしくするんじゃねぇ』―――――だって」

 

「」

 

「め、雌猿だと……?」

 

 

 

 過去も、今も、この先においても。

 オレが生きる上でこのメスは存在価値もなければ必要も無いとな……。

 

 

 

 

 

 

 

 二人組の悪魔祓い女子に向かって、元士郎経由であるとはいえ、ハッキリとした拒否言葉――というよりは完全なる暴言で切り捨てるイッセー

 

 

「お前って思ってた以上にコミュ障というか、内弁慶というか……」

 

「喋る価値の無い虫けら風情に声帯を使う必要性なぞない」

 

「拗れてんなぁ……。

家でもこうなのかコイツって?」

 

「んー……普通かな? 私は最早慣れきってるからなんとも思わなくなったけど」

 

 

 

 雌猿と元士郎を介して吐き捨てたイッセーは、真っ白な灰と化して動かなくなった紫藤イリナと、普通に戸惑ってしまったゼノヴィアを放置し、さっさとその場から去った。

 

 

「寧ろよく普通に話せるな俺……」

 

「見込みがある相手には敬意を持つからねぇいーちゃんは」

 

「そんなもんなのか? なあ、木場はどう思う?」

 

「え……? ええっと、僕はよくわからないかな……?」

 

「…………」

 

 

 その後あの悪魔祓い二人がどうなろうとどうでも良いイッセーは、元士郎のお使いを流れで手伝う為に駅前のケーキ屋へと歩を進めているのだが、その中には先程まで殺気だって悪魔祓いに喧嘩を売り掛けていた木場祐斗が居た。

 

 

(兵藤君の行動がまったく読めない以上、下手にさっきの悪魔祓いから聖剣を奪うというのはリスクが高すぎる……)

 

 

 本当なら悪魔祓い二人の持つ七つに別れた聖剣の内の二振りをを強奪し、復讐のために壊してやろうと考えていたのだが、そこに来て異次元の戦闘力を持つセラフォルー・レヴィアタンの眷属候補らしき二人組が、何故か接点なんて無さそうだったソーナの兵士である匙元士郎と共に現れたのだ。

 

 

「というか木場はなんで一人でふらついてたんだ? 悪魔祓いの二人に殺気立ってたみたいだけど……」

 

「個人的な事だよ。

あまり話したくはないけど」

 

「ふーん?」

 

「………」

 

 

 

 リアスと自分を含めたその眷属、ソーナとその眷属達、ライザー・フェニックスとその眷属達の全員をまとめてイッセー一人に半殺しにされた苦く、そして恐怖の思い出を強制的に植え付けられた身でもある。

 そんな理由もあり、主の意向に現在進行形で逆らっている真っ最中の木場としても、あの場面で下手な真似をすべきではないと思ってしまったのだ。

 

 

 

(あの悪魔祓いの片割れに対する態度を見るに、妙に毛嫌いしている様子ではあるけど、それでも彼の前で行動するのはマズイ)

 

 

 

 何せ、このイッセーという男のスイッチがよくわからないのだから。

 

 

 

「キミこそ、どうして兵藤君と世羅さんの二人と一緒なんだい?」

 

「ん? ああ、会長におつかい頼まれてる道中でたまたまな……」

 

 

 そんな軽いトラウマがある木場祐斗的には、同じくぶちのめされた匙元士郎が何故この二人と歩いているのかが疑問だったわけだが、返ってきた理由は妥当なので納得する。

 

 

「妙に気安いようだけど?」

 

「気安い? 気安いのがダメなのか? だって俺達は同い年だろ? 敬語使う方が変じゃねーか?」

 

「………」

 

 

 あれだけボロクソにされた一人なのに、あっけらかんとした様子の元士郎に、ちょっとした感嘆の気持ちになる木場。

 言われてみればいくら魔王の眷属候補とはいえ年は同じだし、変にへりだくるのは確かに違う。

 

 

「げっ!? 売り切れ……だと?」

 

「先程完売してしまいまして……」

 

「他のケーキじゃダメなの?」

 

「ダメ……なのかはわからんけど、機嫌が悪くなりそうではあるかもしれないしな。

仕方ない、隣町にも同じ系列の店があるから、そっちに行ってみるわ」

 

 

 確かに違うのだが、木場祐斗にとって兵藤一誠は『得体の知れない』存在なのだ。

 

 

 

 

 

 一度ぶちのめした事で、かなり怠惰な生活をしている―――ということを元士郎経由で知ったマコトは、思っていた以上にこの時代を生きる妹のメンタルが弱いのだと、ちょっとだけ残念に思う。

 

 

「皮は真似たが、味は直接試してないからわからないぞ」

 

「お、おぉう……すっげーな。

兵藤って料理もできたんだな……」

 

「さっすがいーちゃん!」

 

 

 そんなこの時代の妹の近況を聞いたマコトは、妹の求めるケーキとやらが売り切れだったので、そのケーキの写真を元にイッセーが作れば良いという提案を閃き、元士郎とついでに木場祐斗をイッセー宅―――の、隣である世羅マコトとしての自宅に招いた。

 

 

 

「サンプルとしてホール分作ってみた。食ってみろ」

 

「う、美味い……」

 

「ほ、本当に美味しいね……」

 

「でしょー? これならシトリー様にもバレないと思うよ?」

 

 

 かつて悪魔の執事として生きてきた日之影一誠の料理スキルは、無駄に高く、売り切れだったケーキとまったく同じケーキを作り上げる程度はお手のものだ。

 その証拠に、おっかなびっくりな態度でイッセー作のケーキを食べた元士郎と木場の二人は先程から食べる手が止まらない。

 

 

「こ、この紅茶も美味い……」

 

「副部長が淹れるものより温度もちょうど良いし、香りも……」

 

 

 受けとして出した紅茶ですら、文句のつけどころがないと絶賛する元士郎と木場は、珍獣を見るような顔で無表情顔のイッセーを見る。

 

 

「キミにこんな特技があったなんて……」

 

「どこで覚えたんだよ? 俺は素人だけど、プロ並だろこれ……」

 

「ガキの頃ちょっとな……。

そんな事より、それで誤魔化せそうなのか?」

 

「誤魔化せるもなにも、これ多分店で売ってるのより美味い筈だからな」

 

 

 

 寧ろこのケーキに嵌まってしまう可能性もあると呟く元士郎は、せっせとケーキを箱に詰めるイッセーに恐る恐る聞く。

 

 

「な、なあ? もし手間じゃなければ、会長の分とは別にもう一人分作れないか?」

 

「? まだ食いたいのか?」

 

「ま、まぁな。

家に帰って食いたいなぁと……」

 

 

 どこかぎこちない口調の元士郎に、若干の違和感を感じたイッセーとマコト。

 しかしあまり深くは聞くつもりもなく、そして別に手間でも無いのでご所望通り『二人分』のケーキを作る。

 

 

「え、僕の分も……?」

 

「……。要らんなら捨てるなり鳥の餌にでもしてくれ。

材料が余ったからついでに作っただけだからな」

 

「そ、そんな事はしないよ……!

あ、ありがたく頂くよ……!」

 

 

 久々に執事としてのスキルを使えて、内心ちょっとテンションが上がっていたが故に、終始暗い顔をしていた木場祐斗の分もわざわざ用意したイッセーを、マコトは楽しげに見つめるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 『あ、あのお店、パシティエが変わったのかしら? 前より異次元に美味しくなってるわ……!』

 

 

 そう、俺が持ってきたケーキを食べた会長が驚いていた訳だが、そのケーキを作ったのは実は兵藤でしたとは口が裂けても言うつもりはない。

 何にせよ会長の機嫌はある程度直ってくれたとほっとした俺は、終始暗い顔をしていた木場の事が気掛かりではあったものの、兵藤に作って貰ったケーキを持って家に帰り、カテレアさんにも食べて貰った。

 

 

「これをセラフォルーの眷属が……? 凄く美味しいわ……」

 

「カテレアさんの舌を認めさせるとなると、アイツやっぱ凄い腕してんだな……」

 

 

 驚きながら食べるカテレアさんを見て、無理言って作って貰って正解だったと俺は、学校に行っている間に何も無かったかの確認をする。

 

 

「大丈夫よ。

用が無い限りは不用意に出掛けたりはしてないもの」

 

「そうか……。

最近この町に聖剣パクった堕天使とその一味だのそれを追ってる悪魔祓いだの物騒だからな……」

 

「コカビエルだったかしら? 私は直接会った事は無かったけど……」

 

 

 窮屈な思いをさせているようでかなり申し訳無いが、ここ最近の町でのゴタゴタを考えれば、生存や存在すら知られるわけにはいかない身であるカテレアさんにはなるべく外出を控えて貰っている。

 

 もしカテレアさんの存在が知られたら、かなりマズイ状況になるし、どうなるかなんて想像したくもない。

 

 

 

「俺がもっと強かったら、こんな隠れるような真似することも無かったんだけど……」

 

 

 そうさせてしまったのはひとえに俺が弱いからだ。

 俺が誰よりも強ければ、カテレアさんの事が知られても開き直れるのに、今の俺には『我』を通せるだけの力はない。

 

 

「アナタは強くなっているわ。

……。私が『折れた』ままなせいよ」

 

 

 自然と焦りを表面化させてしまっている俺にカテレアさんは申し訳なさそうな顔で言う。

 

 カテレアさんの言う『折れたまま』というのは、心のことだ。

 

 セラフォルー・シトリーに為す術なく敗け。

 信じた仲間の奴等に見捨てられ。

 恋人だと思っていた男にも裏切られた。

 

 その精神的なショックが原因かはわからないが、今のカテレアさんは昔のような力を発揮できなくなってしまった。

 そんな状況でもしも連中にカテレアさんの生存を知られたら……。

 

 

「違う、これは俺のエゴだ。

力が欲しいのは、他の誰にもアナタを渡したくないだけだ。

親も兄弟も俺には居ない……でも『カテレア』が居るから俺は生きる事を諦めないと誓ったんだ。

何も見えてないガキの戯言なのかもしれない――けれど、それでも俺は諦めない」

 

 

 だから俺は力を欲する。

 どんな手を使っても、みっともなくても、汚くても、何があっても……。

 

 

「親や兄弟を喪った俺の傍に、それでも居てくれたカテレアが好きだから」

 

 

 好きだから。

 一緒に生きて欲しいから俺は強くなりたい。

 ただそれだけなんだ……。

 

 

「レヴィアタンですら居られず、悪魔としての力の大半を失ったただの役立たずな私にそこまで言ってくれたのはアナタだけよ元士郎……」

 

「背景や過去なんてどうだって良いんだよ俺は。

レヴィアタンでもなんでもない……カテレアが大好きなんだ」

 

 

 だから敵になるかもしれない奴だろうが、それが自分の力になるのであるのなら、自分のちっぽけなプライドなんぞ喜んで捨ててやる。

 いつか、二人で並んで堂々と表を歩けるようになるその日まで……。

 

 

「……。今日は久しぶりに膝枕をしながら歌ってあげるわ。

さぁ、おいで元士郎?」

 

「………」

 

 

 だからある意味感謝してるよ、セラフォルー・シトリー。

 そしてカテレアさんを見捨てた旧派のアホ共。

 何時かその『お返し』を1000倍にして返してやるから、首洗って待ってな。

 

 

 

 

 

 

 

 最初は再起と復讐の為に利用するつもりだった。

 カテレア・レヴィアタンとしての全てを壊した連中への報復の為の糧でしかないと思っていた。

 

 けれどこの子は、それを承知した上で――神器を宿しているだけのちっぽけな人間の子供でしかなかった元士郎は私に言ったのだ。

 

 

『それでも俺はアンタに傍に居て欲しい』

 

 

 利用しても良い。

 使い捨てても良い。

 下僕のように使っても良い。

 だから自分を傍に居させてくれ……。

 

 至極真面目に、他の誰からも言われたことがなかった言葉を人間の子供に言われてしまったあの日が、思えば私にとっての岐路だったと思う。

 その言葉どおり、力を失った私を守る為に貪欲に力を求め、種族としての寿命の差を縮める為だけに、リスクを承知で悪魔の下僕になった元士郎に対して、かつての頃の私では考えられなかったが、惹かれてしまった。

 

 

「ふふ、少し前までは私より小さかった子が、今では背も追い抜かれちゃったわね……?」

 

「まだまだ伸ばしたいんだけどね俺は。

例のクルゼレイ・アスモデウスよりはデカくなりてぇし……」

 

「あの男を意識する必要なんてないわ。

必ずアナタは実力も背もあの男を超えると信じてるもの」

 

 

 昔の私なら人間風情と見下していたし、触れさせるなんてありえなかった。

 いや、勿論今でもそこら辺の男共に触れさせる気なんて更々無いけどこの子だけは別。

 不器用な程に前しか――自惚れるような台詞なるけど、ただのカテレアに成り下がっても尚私だけを見てくれる元士郎だけは私の全てを委ねても良い。

 

 

黄金(きん)のシンバル鳴らすように 囁くのはお日様♪

一緒においで 木々の宴に 耳を澄ましましょう♪」

 

 

 かつての私が今の私を見たら何て言うだろうか……大体予想はできる。

 けれど今の私は私自身に後悔はしていない。

 

 

「シャボンの雲で顔を洗い そよそよ風と散歩

大丈夫きっと…羽根になるココロ ヒカリへと放してごらん~♪」

 

 

 辛い事もある。

 不便に思うこともある。

 だけど、私はそれでも今を『幸福』と胸を張って言える。

 

 

「虹を結んで空のリボン 君の笑顔へ贈り物よ♪

願いをかけましょう夢日和~♪

明日また しあわせで あるように~♪」

 

 

 幼い頃の元士郎にせがまれてよく観ていたタヌキ型ロボットアニメの映画の主題歌を歌いながら、心地良さそうに私の膝に頭を乗せて横になる元士郎の頬を撫でることこそ生きているという思いで心は満ちていくのだから。

 

 

「歌、上手くなったね。

最初の方は結構音程外してたのに」

 

「ふふん……家事をやりながら結構練習したもの。

ふふ、それで今日はどうするの元士郎? する?」

 

 

 元士郎は私が傍に居てくれさえすれば良いと言った。

 でもその気持ちは私も同じ。

 

 レヴィアタンの称号なんてもう要らない。

 悪魔としての名誉なんて欲しくもない。

 

 私が望むは元士郎と同じ……。

 

 

「元士郎も疲れてるでしょうから、今日は私が動いてあげ――あ……んっ!」

 

「現役男子高校生を侮るなよカテレアさん。

そんなしおらしい顔されたら猿よりやべーぜ……!」

 

「んっ……それならおいで? 元士郎……」

 

 

 ただ、この子との未来(サキ)の為に。

 この先もこの子とこの幸福の時を共有する為に。

 

 私は何をしてでも生き汚く生き続けるわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「む……」

 

「? どうしたセラフォルー?」

 

「や、何故かは知らないけど妙な敗北感というか、別の意味で誰かに先に行かれてるような気がしただけ」

 

「は? なんだそれは?」

 

「そんな気がしただけ。

ねーねー、それよりいーちゃん? せっかくいーちゃんの両親も田舎に帰って留守なんだし、ここは大人の時間をしてみない?☆」

 

「……嫌だよ」

 

「むー! なんでよー!? こっちは前の時代含めていーちゃんの為に処女守ってるんだよ!! いい加減いーちゃんのいーちゃんで貫通式して欲しいんだけど~!☆」

 

「ええぃ! まとわりつくんじゃ――っ!? こ、このバカ! どこ触って……っ!?」

 

「ふふふ~☆ よいではないかよいではないか~☆」

 

 

終わり

 




補足

あっという間に拒否って終わりました。

多分もう悪魔祓いさん達との絡みは無いです。


その2
何気に元執事作のケーキにて復讐心が少し浄化させられる木場きゅん


その3

あっちのレヴィアタンとこっちのレヴィアタンの違い……それは大人になってるか子供のまんまか
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