色々なIF集   作:超人類DX

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続き。

多分シリーズ史上一番子供っぽい


末っ子天然気質な白龍皇くんのモーニングルーティン

 

 

 人であり、そして魔でもある。

 

 聞こえは良いのかもしれないが、要するにオレという存在はどこまでも半端者だ。

 

 

 幼き頃の記憶は、オレを恐れた父親に殴られ続ける日々だけだ。

 そんな父親も、――呼びたくもそう思いたくもない祖父に当たる純粋悪魔に殺された。

 つまり、オレの過去なんてものは誰かに語れるような笑い話でもなければ、自慢するものですらない。

 

 だからオレは『今』を生きようと思う。

 

 

 過去が何であったとしても、オレの過去を知っても変わらなかったトモダチと、馬鹿をやって笑い続けることこそがオレの生きる意味。

 

 何が正しくて何が間違っているのかわからない世界で、誰よりも楽しく、誰よりも狂った生き方をしてやろうと三人で決めたあの日から、オレは人でも魔でも無い、ただその日を面白おかしく生きるヴァーリになれたのだから。

 

 

 

 

 三馬鹿の中では誰よりも戦闘好きであり、寝ても覚めても強さを求めるのがヴァーリであり、一時はあまりにも戦いにしか興味が無さすぎて、親友の二人と保護者からEDなんじゃなかろうかと心配されていた。

 そんなヴァーリは三馬鹿において末っ子気質な面が多く、そして天然でもあった。

 

 

「………」

 

 

 神牙と一誠の二人に負けたくないという負けん気を持つヴァーリは、例の変態そのものにしか見えない褌オカマによってパラレルワールドの過去にぶっ飛ばされた影響なのか、元の時代よりも大幅に力を失っている。

 だからこそ、群雄割拠な時代を生還する為には力を少しでも取り戻そうと暇さえあれば修行に打ち込む。

 

 

「むー……」

 

 

 今回は、そんなヴァーリ君のモーニングルーティン的なお話である。

 

 

「すぴー……すぴー……」

 

 

 最初に自分を拾ってくれたアザゼルが、同じような傷と過去を持つイッセーと神牙の二人を連れて来た事で始まった繋がり。

 そのせいかどうかは不明だが、それ以降のヴァーリはイッセーと神牙にナチュラルに甘える末っ子気質を持つようになった。

 

 故に朝が来ても誰かに起こして貰うまでスヤスヤ眠り続ける訳であり……。

 

 

「タワーブリッジィィッ!!!」

 

「みぎゃぁぁぁぁあっ!?!!!?」

 

「きゃあ!?」

 

「な、なにごとですかぁ!!?」

 

 

 ヴァーリの朝はイッセーのマッスル超人技による目覚ましから始まるのだ。

 

 

 

「げほげほっ!?」

 

「おー……やっと起きたかこの野郎」

 

 

 妙に機嫌悪そうな顔で噎せているヴァーリを見下ろすイッセー

 それもその筈、本来ならヴァーリを起こすのはイッセーの役目ではなく、この異世界においては一番仲良くなった少女達が起こす筈だった。

 しかし起こしに向かわせて――いや、その金髪少女達か立候補したので頼んだというのに何時まで経っても来ない。

 

 なので様子を見に行ってみればヴァーリはスヤスヤ寝ているし、起こしに向かわせた少女二人に至っては役割を放置して眠っているヴァーリを挟み込むように抱きつきながらスヤスヤしてのだ。

 

 これにはイッセーも『イラッ』としてしまうわけで……。

 

 

「ちょっと一誠さん!? 勝手に入ってきておきながらヴァーリさんになんてことを!?」

 

「だ、大丈夫ですかヴァーリさん? 骨の嫌な音が聞こえましたけど……」

 

「あ、ああ……良い目覚ましだったよ」

 

 

 そんなイッセーに食って掛かる金髪少女その1曹洪こと真名を栄華と、反対に痛そうな顔をしているヴァーリの腰付近を擦っている金髪少女その2曹純こと真名を柳琳。

 二人はヴァーリ達が華琳の暫定配下となった時期からの仲であり、見事なまでにヴァーリの天然末っ子気質にぶち抜かれた被害者(?)達でもあった。

 

 

「しかしオレは一人で寝ていた筈だが、何で二人が……?」

 

「オメーが起きてこねぇから起こしに行こうとしたら、二人が行くって言い張るから頼んだんだよ。

でもそれから待っても戻ってこないし、様子見に行ったら三人仲良く寝てやがった」

 

「ああ……なるほど」

 

「だ、だって実に心地良さそうに眠ってらしたので、起こすのはどうかなって……」

 

「そうしたら段々私達も眠くなっちゃいまして……」

 

「………」

「何でそんな悔しそうな顔で睨むんだイッセーは……」

 

「うるせー! ちくしょー!!」

 

 

 照れながら話す栄華と柳琳に、あまり意味を理解していないが納得するヴァーリと、そんな様子を前に嫉妬めいた何かを爆発させたイッセーが捨て台詞と共に部屋を飛び出していく。

 

 

「まったく、なんて粗暴な男なのでしょう!」

 

「程度で言えばオレも大差ないぞ」

 

「取り敢えず部屋を出ましょう」

 

 

 こうしてヴァーリの世界情勢とは真逆なのほほんとした一日は幕を開けた。

 

 

 

 

「クソッ! 今日も拉麺が美味いぜ!!」

 

 

 本日の朝食――というより毎日の朝食はわざわざ前日から出汁を取って仕込んでいた自作の拉麺であるヴァーリは、まるでどこかの『寿司を食べなきゃ死んでしまうくらいの寿司好き男』のように絶叫していた。

 

 

「わ、わかりましたから落ち着いて食べてください」

 

「この時だけは変になるんですよねヴァーリさん……」

 

 

 普段はのほほんとしつつもキリッともするヴァーリの、この拉麺を食べる時だけにしか見せない異様なテンションには、作って貰った拉麺をつるつるとお行儀よく食べている栄華と柳琳にとってもまだ慣れないらしく、既に10杯目に突入しているヴァーリのハイテンションさ加減を眺める。

 

 

「拉麺! 美味すぎておかしくなりそうだぁ!!」

 

 

 こうして実にカロリーの高い朝食を済ませたヴァーリは、食後のお茶を飲みながら本日の予定を立てる。

 

 

「今日は何をしようか……」

 

 

 基本的にヴァーリの魏軍の立ち位置はイッセー以上に実はあやふやであり、あやふやが故に実は三馬鹿では一番異世界での自由を満喫していたりする。

 

 

「イッセーと神牙との定期喧嘩までまだ日はあるし……」

 

「それでしたら――」

 

 

 華琳によって任された街の警備隊の隊長業務をやっている神牙や、華琳の直属配下として護衛やら身の回りのお世話だの喧嘩相手だのをやらされている一誠とは違って手持ち無沙汰であるヴァーリが難しそうに唸るのを見計らった栄華が、声を掛けようとしたまさに同じタイミングで声大きめに柳琳が話しかける。

 

 

「それでしたら今日は私の隊の訓練の教官をして頂くなんてどうですか?」

 

「教官?」

 

「はい。

神牙さんが警備隊の皆さんを訓練したことで隊全体の練度が凄く高まっているようですし、私達も負けてはいられません」

 

 

 ふふふと微笑む柳琳にヴァーリは少し乗り気になっている。

 それを見た栄華はムッとなってヴァーリの背中越しに柳琳を睨むが、柳琳はそんな栄華の視線を微笑んで流すのであった。

 

 

 

 

 一般の兵隊さん達から見る三馬鹿は、良い意味でも悪い意味でも目立つ存在だった。

 そして自軍における最高戦力者達だ。

 それはそうだろう、普段は妙に気の抜ける姿であるものの、一度戦いとなれば数千の軍勢すら笑いながら単独で殲滅してしまう。

 

 たった一人で国をも相手に出きると評される戦力が三人も曹操と名の下に集結しているのだが、一般の兵隊さんからすればそんな三人を従わせている主――つまり華琳はすげぇって認識なのである。

 

 

 

「構えー!」

 

『おぉぉぉっ!!』

 

「突けー!」

 

『イェェェア!!』

 

 

 そんな話はさておき、柳琳の親衛隊なる部隊は確かな武勇を持つ部隊であり、所属するする者全員がもれなく柳琳に対して心酔する。

 だからこそ、既にそれなりの時は経っているとはいえ、心酔する曹純様の側を勝手にうろうろしている野郎――つまりヴァーリの存在はまあまあアレなのである。

 

 

「足並みは揃っているな、何時見ても」

 

「全員が柳琳を心酔していますからねぇ」

 

 

 今にしてもそうだ。

 隊の訓練が始まる際、柳琳が何故か栄華と―――例のあんちくしょーことヴァーリを連れて来た時は反射的に殺気立ってしまった。

 現代的に言えば、癒し系的なアイドルである柳琳に横に何か居るお邪魔虫――それが柳琳の率いる虎豹騎の皆さんの認識である。

 

 

「今日はヴァーリさんに教官をして貰います」

 

『い、イぇア……』

 

「………。おい、露骨に嫌そうな顔だぞ皆が」

 

 

 そんなお邪魔虫に対してとても可愛らしく微笑む我らが曹純様が、よりにもよって今日の訓練の教官役だと紹介された兵隊さん達は、声こそ何時も通りの掛け声なのだが、顔が露骨に嫌そうなそれだった。

 そのあからさまな変化にはヴァーリですら流石に『やっぱり歓迎はされてない』と察するレベルだ。

 

 

「そんな事はありませんよ? ねぇ皆さん?」

 

『イッ!? ……い、イェェェア!!』

 

 

 しかしそんな兵隊さんも、曹純様のほんわかとした笑顔―――の背付近から最近出現するようになった寒気のする黒めなオーラに圧倒され、呆気なくその態度を翻すわけで……。

 

 

「ではヴァーリ隊長、ご指導の程よろしくおねがいしますね?」

 

 

 ヴァーリを知り、ヴァーリのことが気になるようになってからの柳琳は何気に強かな子になったのである。

 

 

 

 さて、そんな調子で始まったヴァーリ式の訓練は……基本的にはのんびりしてそうな顔をしている彼とは思えぬ程に鬼畜であった。

 無理としか思えない原始的な筋トレをやらされかと思ったら、隊の全員がヴァーリの組手の相手にさせられ、日が高く昇る頃には全員が訓練場の地面に横たわっていた。

 

 

 

「まあ、こんな所だろ。

最初の頃を思えば気絶していないだけ成長した」

 

『い、イェア……』

 

「はぁ、はぁ……」

 

「ぜぇ、ぜぇ……な、何故私まで……」

 

 

 しかし隊の誰もが立てなくはなっていても意識までは失っておらず、ただ一人『ウォーミングアップは終わりだぜ』的な出で立ちのヴァーリは、非戦闘員側である栄華を含めた全員の成長を誉める。

 

 

「というわけで今から休憩だ」

 

『』

 

 

 そうのほほんと言うヴァーリの底無しさ加減に、基本あんちくしょー認定する隊の皆さんも、この時ばかりは素直に尊敬の念が生まれるのであった。

 

 

 

「神避!」

 

「っとぉ!? 冗談半分で教えたのに、マジで使えるようになったのか華琳!?」

 

「す、凄いっす、華琳ねぇの武器が真っ黒になったかと思ったら残撃が飛んだっす!」

 

「ふっ、当然よ」

 

 

 

 その頃、別の訓練場では元の時代で読んで覚えていた某海賊漫画に登場する海賊王の奥義を冗談半分で教えたら本当に武装色的な覇気やら見聞色の覇気に加えて、覇王色的な覇気まで体得した華琳に華侖と共に驚く一誠が居たり……。

 

 

 

「連続!」

 

『C!』

 

『Q!』

 

『C!!!』

 

 

 更に別の場所では、隊の長を任された神牙が任された警備隊の面々が、どこぞの天国の外側部隊が体得していた近接格闘術の訓練をしていたとか。

 こうして其々が未来を生きた三馬鹿による戦闘技術を体得することで、異次元の戦闘集団に魔改造されることになる。

 

 

「さっき休憩中にイッセーと神牙の様子を見に行ったところ、どうやら自分の知っている技術を教えているらしい。

というわけで今からオレが知る『戦闘術』をアンタ達に教えようと思う」

 

『!』

 

「戦闘術とはいったい?」

 

「ヴァーリさん? その訓練は私は出なくても……」

 

「む、出来ればキミにも教えたいのだが……。

言われてみれば確かにキミは戦闘タイプではないな……。

本音を言えばイッセーや神牙だけではなく、キミ達にも同等のレベルに上がって貰って、オレと戦ってくれたらなぁ……なんて思っていたのだが」

 

『イェア!?(無理だろ!?)』

 

「わ、私達がヴァーリさん達と同等ですか……?」

 

「そうすれば嬉しいしなと思うし、オレの修行にも付き合って貰えそうだなと……」

 

「!? その修行は二人きりでしょうか!?」

 

「え? ああ、それはそう――」

 

「やります! やってやりましょう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 元々財務担当である栄華は、普通に非戦闘員だ。

 そんな彼女がヴァーリという天然に振り回され、気付けばヴァーリが気になって仕方ない女の子へと変わった事が果たして良いのか悪いのかはわからない。

 

 

「うぅ、ついヴァーリさんの言葉に乗せられてしまいましたわ……」

 

 

 栄華の三馬鹿への当初のイメージは当然ながら最悪だった。

 

 手当たり次第年の行った女に声をかけようとする一誠なんかが最たるものであるし、一見澄ましたような顔をする神牙なんて見かける度に女性を所構わず押し倒してる。

 

 男なんてやはり獣だと思っていた栄華からすれば、どうせこのヴァーリなる変わった名前の男も獣だと思っていた。

 

 しかし蓋を開けてみれば、こっちの嫌味な言葉に対してもわかってなさそうに首を傾げて犬みたいに後をついてくるわ。

 文字の読み書きができない彼を、割りとスパルタで教えれば普通に素直にお礼を言われてしまうわ。

 

 果てには色々あって落ち込んでいた時に、ヴァーリから『元気を出せ』と花を差し出され。

 

 

「大丈夫か栄華? つい舞い上がってしまったが、やはりキミには……」

 

「い、いえ……。

私が自分でやると言ったのですから、お気になさらないでください」

 

 

 ここで漸く栄華は、ヴァーリの性格を把握し。

 良くも悪くも妙に子供っぽい彼を放ってはおけなくなってしまった。

 普段は戦うだの、強くなることだの、拉麺のことしか頭に無いくせに、此方の様子を機敏に察知してくれ、そしてイザとなれば誰よりも前に出てこの国の為に戦ってくれる。

 

 だからこそ栄華は……。

 

 

「そ、そんな事より身体を洗いたいですわ」

 

「ん? ああ、確かに……」

 

 

 何物にも縛られぬ少年に惹かれたのかもしれない。

 

 

「お、おほん! それでなのですが折角ですので一緒に入りませんこと?」

 

「は?」

 

「い、いえ深い意味は全く! これっぽっちもありませんわ! ほ、ほら! お背中とか洗いにくいかなーと……」

 

「ああ、確かに何時もは一誠か神牙に髪も背中も洗って貰っていたからな」

 

「え!? そ、そうでしたの?」

 

「ああ、二人して『お前は洗い方が雑だ』って……」

 

「はぅわ!?」

 

「え? ど、どうした栄華?」

 

「な、なんでもありませんわ。

そ、そういう事でしたら今回は私が洗って差し上げます!」

 

「??? 良いのか? それなら頼むけど……」

 

「っしぃ!! い、行きますわよ!! 今すぐ! そして特に柳琳さんには絶対に悟られずに!!」

 

 

 それ以降、栄華は基本的にヴァーリに対しては妙に甘やかすような態度になったのであった。

 そして今回の様に、意味は知っても深くは知らんを素で行くようなヴァーリに思いきって提案した事がこれまたすんなり通った事でかなりテンションが上がった栄華は、そそくさとヴァーリをお風呂に連れていったのだが……。

 

 

「このお背中の傷は……?」

 

「ん? ああ、これはこの前の喧嘩の時に神牙に背後から貫かれかけた時のだな」

 

「ではこっちの傷は?」

 

「それはイッセーからのだ」

 

 

 

「……………」

 

 

 何故か現場に行ったら普通に柳琳がニコニコしながら待っており、そしてさも当然のように普通に一緒になって入ってきた。

 それこそ笑顔だけど、『抜け駆けなんてさせない』と云わんばかりに。

 

 

「やっぱり、お強いですねヴァーリさんは……」

 

「ちょ、柳琳!! 然り気無くヴァーリさんに引っ付かないでくれますか!?」

 

 

 基本的に自己主張が薄めだった柳琳も、ヴァーリと知り合ってからは妙に強かになったというか、ちゃっかりするようになった事をある意味一番把握し、そして何度か痛い目にもあってきた栄華は、のほほんと湯に浸かるヴァーリに身を寄せ始めたので、そうはさせんと声を張り上げる――と同時に負けられるかとばかりに反対側から密着する。

 

 

「なあ二人とも、ちょっと近い――」

 

「そ、そもそもヴァーリさんと二人きりの筈だったのに邪魔をしたのはそっちですわ!」

 

「あまり意味を良くわかっていないヴァーリさんを騙して連れ込んでるのを聞いてつい……ふふふ」

 

「きぃー!」

 

「…………」

 

 

 気付けば本人をサンドイッチにしながら言い合う二人の金髪少女に、ヴァーリはどうしたものかと時折二人の胸に顔面を潰されながら考えていると、何やら外で騒ぎの声が。

 

 

「おい栄華、柳琳、何やら外が騒がしいようだが……」

 

「「?」」

 

 

 先に聞こえたヴァーリの言葉で漸く気付いた二人も言い合いというか取り合いを止めて耳をすませてみれば、確かに外から何かしらの爆発音と怒声が聞こえるので、そのまま三人して木製の換気的な窓から身を乗り出してみると……。

 

 

 

「ちくしょー!! 神牙テメーこの野郎! テメーの立場利用して部下の女の子と入浴タイムなんぞ許せるかぁ!!」

 

「お前じゃあるまいし、そんな訳あるかぁ!!」

 

 

 腰に手拭いを巻いた裸の男性二人が、取っ組み合いの殴り合いをしていた。

 

 

「な、なにをしているのですかあの獣二人は!?」

 

「華琳様に知られたらお叱りどころでは済まなくなりますね……」

 

「………」

 

 

 お察しの通り、ほぼ全裸で殴り合ってるのは一誠と神牙であり、そのあまりの品の無さに栄華はドン引きし、柳琳は華琳が雷を落とすだろうと苦笑いを浮かべながらふとヴァーリを見てみると……。

 

 

「あ、あの二人……狡いぞ!」

 

「ちょ!?」

 

「ヴァーリさん!?」

 

 

 二人の喧嘩を目の前に火がついてしまったヴァーリが、深海を思わせる蒼い瞳をこれでもかとギラギラさせると、二人が止める暇も無く外へと飛び出してしまった。

 

 

「随分と楽しそうじゃないか二人とも。

オレを除け者にするつもりか?」

「あ? って、ヴァーリかよ。

オメーも風呂か?」

 

「まあな、今栄華と柳琳に洗って貰っ―――うわっ!?」

 

「判決ゥ!! テメーも死刑だヴァーリィィッ!!」

 

 

 そしてそのまま正直に言ってしまったことで一誠の嫉妬パワーにガソリンが投下され、気付けな三つ巴のほぼ全裸バトルが開催されるのであった。

 

 

「何事――って、な、なんて格好してるのよあの三人は!?」

 

「おおっ! 一誠もついに裸の気持ち良さに目覚めたっすー!」

 

 

 当然こんな騒ぎなので続々とギャラリーがやって来るし……。

 

 

「裸でもアホみたいに強いなぁ……」

 

「いやー、凪が全然勇気を出さないから冗談で隊長を誘ってみたのを一誠に聞かれてたなんて思わなかったのー」

 

「い、言ってる場合か!? は、早く止めないと華琳様にも知られてしまったぞ! ………あ、でも神牙様の身体……」

 

 

 ある意味元凶となる少女達も遅れて馳せ参じて……。

 

 

「はぁ……なんでこうなるのよ」

 

「そうね。

あと少しでヴァーリさんに『女の子』を教えられると思ったのに……」

 

「……。やっぱりそういうつもりでしたのね――あ!? ヴァーリさんのヴァーリさんが丸見えに!?」

 

「っ!? お、思ってたより凄いですね……」

 

 

 

 こそこそと着替えを済ませてなに食わぬ顔でやって来た栄華と柳琳が居たりする中、ついに隠しに使っていた手拭いすら風に靡いて飛んでいってしまってすっぽんぽんとなっても尚殴り合う三馬鹿達に、あるものは悲鳴をあげ、ある者は両手で顔を隠しつつ指の隙間から見ていて……。

 

 

 

「……………」

 

「い、一誠の一誠が丸見えっすね華琳ねぇ?」

 

 

「あわわわっ!?」

 

「お、おぉう……想像してたより良いもん持っとるんやな神牙隊長……」

 

「あれで貫かれたら凪が裂けちゃうのー」

 

 

 

「……。時に相談なのですが、今夜ヴァーリさんと眠ろうと思っているのですが、一人だとアレですので柳琳もどうかしら?」

 

「………。それはもう、喜んで」

 

 

 

「「「ウハハハハァ!! 勝つのは俺だァァァッ!!」」」

 

 

 

 一誠と神牙と一緒に何かをする時が一番楽しそうだと感じた栄華と柳琳は、小競り合いをしている場合では無いと思うのだった。




補足

簡易人物紹介


一誠

三馬鹿の突撃男。
年上おっぱいフェチが故に、その属性が殆ど存在しない魏の人達に肩を落とす。

だというのに、華琳様のパシり位置にされるわ、相変わらずちびっこにだけは懐かれるわ、口調が元の事態に居たロリ堕天使の子に近い娘さんにも懐かれるわ、ナンパしようとしてもその子等に死ぬほど邪魔されるしで、ぐぬぬ度が絶賛上昇中。

とはいえ、元の時代に帰る条件である『ご主人様とやらの手助け』が完全に破綻している今、今更彼女達を裏切る気にはなれないので、なんやかんや仲良くはしている模様。


華琳様

ご存じ金髪少女な曹操さん。

異次元の戦闘力(それでも本来の10%)を持つ三馬鹿を当初は口先で勧誘し、理由を付けては留めさせていたのだが、気付けば三馬鹿の一人であり、まな板だのド貧乳呼ばわりしてくる一誠と今まで押さえ込んでいた『素の感情』むき出しなファイトを繰り広げていく内に、本当の意味で手放せなくなってしまった。

 上記の通り、一誠とは生の感情むき出しバトルだの口喧嘩だのをしょっちゅうやるのだが、それを踏まえても自分の知らなかった領域へと引っ張ってくれた事や、他人が自分の悪口を言うと途端に狂犬みたいにキレ出してその者を半殺しにしてしまうといった側面がかなり気に入っている。

 現在、一誠との喧嘩やら冗談で教えられた事により、どこぞの海賊漫画のような覇気使いに覚醒している。

当然覇王色の覇気にも到達しているとか。


華侖
曹仁である少女。
口調から性格に至るまでほぼ初対面の時点で一誠と気が合い、普通に仲良くなった少女。

 彼女もまた華琳様に続いてナチュラルに一誠の戦闘技術を学んでおり、実は既に華琳様が先に到達していた領域への扉の前には立っていたりする。

 最近従姉妹の華琳様に入れ知恵されまくっているらしく、隙あらば一誠を全裸にひんむいて拉致ろうとするらしい。

 
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