色々なIF集   作:超人類DX

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続き。

魔改造しちゃう回


乗り越えると結構チョロい執事

 

 

 

 出会す女が例外無く頭おかしいとしか思えない。

 

 普通喋ろうともしない野郎なんぞ気になるのか?

 明確に拒否られて、ガン無視されてるって解ってる癖に何故構うのかが理解できない。

 

 俺がその立場だったら、俺みたいな野郎となんぞ二度と関わろうとなんて思わないのに……。

 

 悪魔のアイツ等といい、ここの女共といい、未だに何が奴等を駆り立てて居るのかがサッパリわからない。

 

 

 

 

 

 以前一度だけ若干機嫌が悪かった一誠に『地味女その1と取り巻き共』呼ばわりされて以降、一切のコミュニケーションが無い孫家の次女こと孫権――真名を蓮華と甘寧こと思春は目の前の光景が割りと信じられなかった。

 

 姉か妹か母……そして少々の重鎮達としか口を一切聞かない変人男こと日之影一誠が、自分達と同じようにガン無視の対象であった筈の太史慈――梨晏と挨拶やら会話を交わしていたのだから。

 

 

「やー日之影! 昨日はごめんねー? つい取り乱しちゃって……」

 

「………」

 

「? どうしたの?」

 

「アンタは昨日、俺にあれだけの事を言われた筈だろ。

それなのに何でそんなあっけらかんと出来るんだ……? 俺には理解ができない」

 

「いやー……ははは。

いくら私でも普通の相手だったら関わろうとは思わないけど、日之影って基本口悪いのは知ってたからかな? それに昨日言ったあの言葉はその内取り消させてあげるし?」

 

「……」

 

「という訳で私の事は梨晏って呼んで欲しいけど、出来れば私も日之影を真名で呼びたいなー……なんて?」

 

「……。チッ、真名なんてものは俺にはないが、強いていうから一誠が真名に相当する。

呼びたくば勝手にしやがれ」

 

「やったー!! やっと一誠から真名を授けて貰えたー!」

 

「………………。やはり理解できない……何故そこまで俺に拘るんだ」

 

 

 

 

 

 

「え、え? え??? は???? はぁ!????」

 

「い、一体奴と梨晏の間に何が……!!?」

 

 

 偶々一誠と梨晏が会話をしている場面に遭遇してしまった見てしまった蓮華と思春は、別に隠れる必要は無いのに何故か物陰に隠れて、犬みてーに一誠の回りをウロウロとしては全身で喜びを表現する梨晏いつの間に過ぎるゴールにただただ驚くしかなかった。

 

 

「わ、わからないわ。

私達の知らない間に彼と梨晏の間に何があったのかしら……?」

 

「よ、読めなさすぎますあの男だけは……」

 

 

 蓮華や思春だけではなく、孫家に終結している他の武将やら文官といった数多くの『一誠と会話どころか目すら合わせられない』人達も、同類だと思っていた梨晏が一誠と話をしている姿を見てしまい、ショックやら疑問やらで背に宇宙的なものが展開されている。

 

 

「それでね一誠? 私も一誠の鍛練に付き合わせて欲しいのだけど……」

 

「なに?」

 

「いやさぁ、出会った時は敵同士で一応互角の腕だったんだけど、最近めっきり雪蓮との模擬戦に勝てなくなっちゃって……。

聞いたら一誠の鍛練に付いていったり、教えて貰ったりしてるとか……」

 

「要は雪蓮に負けっぱなしは嫌だと?」

 

「うん。

それと折角一誠とこうして仲良くなれたし、雪蓮や冥琳が言ってる『一誠が立っている領域』というのがどんな意味なのかも知りたいからかな?」

 

 

 

 

 

 

「なんだと!?」

 

「ちょ、落ち着いて思春!」

 

「はっ!? も、申し訳ございません蓮華様。

つい我を忘れてしまって……」

 

「雪蓮姉様や母様や小蓮が異様に強くなっている理由は間違いなく彼にあるという噂は前々から聞いていたけど……やっぱり本当だったのね」

 

「奴の立つ領域というのは想像できませんが、間違いなく己の限界を超えられる気はします。

……そうすれば私は何物からも蓮華様をお守りできます」

 

 

 武人としては一誠の戦闘力は異次元の領域であり、その異次元の領域に何人かが片足を突っ込んでいるという事実は武官達の間では周知されている。

 そして彼が引き上げたという噂も。

 

 

 だからこそ武官である思春としては気になって仕方ない話題であり、思わず身を乗り出す勢いで実は城のお掃除中の一誠と、何か普通に手伝い始めた梨晏の会話を聞き逃さんと神経を尖らせる。

 

 

「この掃除が終わったら適当な訓練場を借りるからそこで先ずは現状のアンタがどれ程なのか見る。

アンタのことは劉耀ってのの配下だった時期しか知らないからな……」

 

「…………」

 

「? なんだよ?」

 

「自分から言っておいてなんだけど、普通に断られると思ったから驚いちゃって、ひょっとしたらこれは夢なんじゃないかなって思っただけ。

でも夢じゃない夢じゃない……えへへ♪」

 

「おい勘違いするな。

昨日みてーにギャーギャー良い年した女に泣かれんのが面倒だからだ」

 

「なんでも良いよ! よーし、そうと決まったら一誠のお仕事を手伝うぞー!」

 

「けっ! ……本当にわけわからん女共め」

 

 

 

 

 

 

「」

 

「」

 

『』

 

 

 むすっとした顔で自作したモップでモップ掛けをする一誠の掃除をニコニコによによしながら手伝う梨晏がとてつもなく幸せそうであり、何故かは解らないがイラッとしてしまう『一誠にガン無視され続ける被害者の会』の会員さん達なのであった。

 

 

 

 

 

『オメーなんぞで勃たねぇんだよアホ』

 

 

 最初はただ一誠と普通に話が出来る様になればそれで良かったつもりだった。

 それが炎蓮が実に炎蓮らしい事を言い出した事で一誠は自分に向かってあまりにもハッキリ言うものだから、別に自分だってそんなつもりなんて無いし考えてもなかったけど、それでもかなり傷つき、不覚にも全力で泣いてしまった。

 

 しかし泣いたら割りとスッキリするという切り替えの早さが梨晏にはあったので、明くる日は早速――無視されたらどうしようという恐怖は若干あったものの、自分らしく一誠に突撃した。

 結果としては昨日一誠が言っていた通り、頑なになりすぎていた態度をある程度は軟化させてくれたし、挨拶だって返してくれた。

 

 それだけで梨晏は昨日言われた暴言の事の数々の全てを水に流せてしまった。

 何せ、雪蓮や冥琳が言っていた通り、見えない壁さえ乗り越えた時の一誠はとてもお喋りだし、どこか面倒見も良い。

 

 断られると思った上で鍛練を見て欲しいと言ってみれば、拍子抜けする程に呆気なく了承してくれたのだから。

 

 

「せ、戦場で何度か見てたけど、見ていた以上に強いね一誠はやっぱり……」

 

「俺にはそれぐらいしか価値が無いからな。

これ以上一般人に負けてられねぇ」

 

 

 一度牙城を崩せば、それまでの態度が嘘みたいに変わると雪蓮達が言っていたのはこういう事なんだと、自らが多少のデレを見せ始めた一誠のギャップを体験する梨晏は、約束通り鍛練を見てくれる一誠との遠すぎる差を体感中であった。

 

 

「最初の頃の雪蓮よりは時間が経っている分、今のアンタの方が少し上程度。

一般人の範疇で言えばそれなりではあるが、今の雪蓮どころか小蓮相手にすらやり合えば負けるだろう」

 

「しぇ、雪蓮どころか小蓮に……? う、うん……一誠が言うのなら間違いないんだけど落ち込むなぁ……」

 

 

 基本的な武具の扱い心得ているが、槍のような武器が得意である梨晏は、妙に洗練された構えを取る素手の一誠に全て捌かれ、子供扱いで組伏せられてしまった。

 しかも模擬戦用ではなく、実際に己が使う得物であるというのに、一誠にはかすり傷どころは触れることもできなかった。 

それだけの差である一誠が言うのだから、間違いなく今の自分は小蓮にも負ける程度の力なのだと素直に納得する。

 

「ちなみに炎蓮様は……?」

 

「……。あのババァは俺が見てもかなり特殊だ。

知ってるだろうが、あのババァは俺と殺り合う度にほぼ自力で進化しやがる……」

 

「あ、やっぱり。

一誠に殆ど力負けしないもんねぇあの人……」

 

「全く性格は違うのに、何故かヴェネラナのババァとかグレイフィアを思い出すぞあのババァは……」

 

「……? だれ?」

 

「……いや、何でもない。

取り敢えず話を戻すとだ、この世界のある程度覚えのある人間程度の下地はあるから、そのまま伸ばしていけば良いんじゃなかろうかと思う」

 

「んー……そうじゃないんだよなぁ?」

 

「あ?」

 

 

 

 一誠をして『特殊で例外』と評される炎蓮に対して苦い顔で語る一誠に梨晏は、今まで見たこと無い一誠のコロコロと変わる表情が見れて嬉しく思いながら持っていた槍を杖代わりにしながら立ち上がる。

 

 

「私が知りたいのは、私ってどこまで行ける――うぅん、どうやったら一誠に近づけるのかな?」

 

 

 事故でも偶然でも、そしてお情けでも、やっと少しだけ一誠に近づけた梨晏は真剣な顔で問う。

 一度戦場に出れば、炎蓮と共に誰よりも前に出て敵を蹴散らすその姿を見ているだけで付いていけなかったから。

 

 

「わかってるよ? きっと一誠がそこに立つまでに壮絶な鍛練を積み重ねたんだろうなって事ぐらいは。

でも一誠と深く関わる人達はそんな一誠の居る所に近づけている。

だから私も知りたい……一誠が見えている景色ってやつが」

 

 

 化け物、妖怪、怪物、人の皮を被った獣だと揶揄されても構わず孫呉の敵となる者達を倒し続けた無口で、無愛想で――

 

 

「アンタもそれを言うのか……。ここに居る連中通りの馬鹿だな」

 

「やっぱりってどういう意味~? 本気だよ私は?」

 

「雪蓮や冥琳も……小蓮までも同じような事を言って、『此方側』に強引に突っ込んで来たもんでな」

 

「そうなんだ……。

じゃあますます私も早く追い付かないとね……!」

 

 

 きっと、戦う事でしか自分を表現できない不器用な人なんだ。

 一誠との会話を果たせたことで、急激にその中身を知っていく梨晏の心は求めるのだ。

 

 

「覚悟はしている。

だからその領域(バショ)に行く方法を私にも教えて一誠?」

 

 

 もっと一誠を知りたいと……。

 空の上に海が広がるような大きなナニかを感じる一誠の全てを……。

 

 

「構えを」

 

「っ! う、うん……。(今一瞬だけ一誠が笑った……?)」

 

 

 そんな梨晏の覚悟を。

 元の時代におけるおかしな悪魔達と同じ覚悟を示した梨晏に、ほんの一瞬だけ笑ってしまった一誠は、次の瞬間にはその笑みは消え、構えを取る梨晏に向かって執事としての一礼をする。

 

 

「そこまでお望みあればこの一誠、僭越ながらご教授させて頂きましょう」

 

「お、お願いします……?」

 

 

 その突然の切り替えに、少し動揺する梨晏。

 しかしその動揺も、一礼を済ませて顔を上げた瞬間に消し飛び、息を飲まされる。

 

 

「しかし――――もし途中で投げ出したら、その時点でお前を絶対に殺す」

 

 

 先程までの模擬戦の時とは違い、洗練さを感じさせる小綺麗な構えから、背筋を伸ばし左腕は自然体で下げながら、右腕のみを構える独自の構えへと切り替える。

 

 

「警告だ。

さっきまでの『お遊び』とは思わずに、寧ろ今自分(テメー)が持てる全てを引っ張り出し、俺を殺す気で来い」

 

 

 その構えは相手を徹底的に叩き潰す――暴力を全面に押し出すという、それまでの相手の力を利用した戦闘スタイルとは正反対の、ただ圧倒的な暴力で敵をぶちのめす―――『力でねじ伏せる』スタイル。

 

 

 

「うっ……!(か、構え方が変わっただけで、雰囲気や殺気の質も変わった……!?)」

 

 

 先程までのスタイルがただの執事(バトラー)スタイルだとするならば、今の一誠はそう――

 

 

「ガッカリさせんなやァ!!!」

 

 

 ――悪魔の執事(ディアブルバトラー)――

 

 

 

 

 

「し、死ぬかとおもった……と、というか痛いところしか無くて逆に痛くなくなって来た気がしなくもない……」

 

「話は聞いてたけど、一誠の鬼畜鍛練から生還できて良かったじゃない?」

 

「だな。見たままに死にかけてはいるが、喋れるだけ上等だと思うぞ梨晏? 私達も実は密かに通った道だ」

 

 

 容赦の欠片も慈悲の欠片もなく、徹底的に八つ裂きにされた梨晏。

 下手をすれば本当に死んでいた可能性しかなかった訳だが、彼女は全身を謂わば『前が見えねぇ……』状態に魔改造されても尚生き残ることが出来た。

 

 

「イッセーの浮気者~!!」

 

「なんの話だ……」

 

「母様は殆ど独力だから仕方ないと思ってたけど、雪蓮姉様や冥琳に始まって、あれだけ無視ばっかりだった梨晏にまで!! なんでシャオだけのイッセーになってくれないの!!」

 

「何の話だ、戦力は多いに越した話では無いだろ」

 

「そうじゃないよっ!!」

 

 

 こうしてまた一人、外史の理の壁を乗り越えんとする者が一人増えるのであったとか。

 

 

「その辺にしておけ小蓮。

次はオレの番だからな」

 

「むー……!」

 

「……。オメーは最後だ。

その前にババァ2号――あーもうめんどくせぇな。

次は雷火、アンタの番だ」

 

「む、儂か……儂はあまり武に自信は無いのじゃが……」

 

「今のアンタはその他連中を全員纏めて相手どれる程度には壁を越えてる。

……狂暴ババァ共々何でか知らないがな」

 

 

 それもこれも、学歴が幼稚園中退な執事のせいなのが悪いのだ。

 

 

「verセラフォ――のがっ!?」

 

「一々切り替える時に他所の女の名前を出すなってんだ」

 

「そうだよイッセー! 聞くだけで頭に来るから!」

「て、テメェババァ、鼻に入ったぞ今……!

べ、別に良いだろ。口に出すと切り替えやすいんだよ……」

 

「……。うむ、出来れば儂も口には出してほしくはないの」

 

「本音を言えばその女を基にした妖術も封印してほしいくらいだし」

 

 

終わり




簡易人物紹介


日之影一誠(兵藤一誠の残骸)


 訳あって赤龍帝でも兵藤一誠でもなくなった青年。
 悪魔の家族に引き取られて以降、日之影一誠という人生を確立させた悪魔の執事。

 そんな執事が意味不明の変態のせいで外史に飛ばされ、悪魔の家族ばりに強引な肉食系女子達に拉致られ、なんやかんや元の時代に戻るまでの間に世話になっている。

 外史に飛ばされた影響か、現在の全力が元の30%程度しか引き出せず、更に体力もかなり落ちている。

それでも外史からすれば破格過ぎて異次元の戦闘力を持ってはいるので、気付けば戦場に出る度あり得ない戦果を残す彼を江東の虎ならぬ、孫家の狂犬と呼ばれてるとかないとか。

 ちなまに、我が別ベクトルで強すぎる女性陣に色々な意味で圧されて負ける事は多い。

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