色々なIF集   作:超人類DX

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ついに素面でやらかした執事……


行くも地獄・戻っても修羅場が確定する執事

 

 

 後々の歴史の中でも、単純な戦闘能力に関しては最強との呼び声の高い武将が居る。

 

 性別やら何やらの全てがチグハグでありはするものの、当時の日之影一誠が『本気で殺す』という意思を全開にさせるまでの武を持ったその武将の名は呂布。

 

 先の戦争において最強の盾であり矛として連合軍の進軍を阻み続けた少女は己の盾を砕き、矛を粉砕した謎の青年との戦いの果てに散っていった筈だった。

 

 しかし彼女は辛くも生存していた。

 

 当時己の力を今より更に上手く引き出せずに居た青年の背景やら色々な偶然が重なった結果、彼女は守るべく主や友と共に劉備の下へと姓と名を隠して降る事で命を繋ぎ止めたのだ。

 

 

『チッ、ここまで落ちぶれるとはな。

多少やるとはいえ、ただの人間の女相手によォ……』

 

 

 荒れ狂う獣のような剥き出しの怒りと殺意。

 武器も持たず、ただひたすら己の身一つで自分を追い込む青年の姿はまさに『異常』だ。

 矢で身体を貫かれても、仲間の兵達の槍で一斉に貫かれても倒れず、血に染まろうと自分を喰らわんとするその執念のような激情。

 今まで数々の相手を屠ってきた呂布だって、当然このような存在とも戦った経験はある。

 しかしこの青年は――

 

 

『お前の魔力を借りるぞセラフォルー……!』

 

 

 怨念のような強い執念を糧に自分達を押し潰そうとする。

 

 

『verセラフォルー……氷河の世界(フリーズ・ザ・ワールド)ォ!!!』

 

 

 灼熱のような強い意思と、全てを凍てつかせる不可思議な妖術を扱う青年に殴り抜かれた――それが呂布にとっての青年との最初で最後の記憶。

 

 

 

 そして現在、異様な速度で軍備を整え、まるで未来が見えているかのような無駄の無い動きと一手であっという間に勢力を拡大させた曹操等に追い込まれた劉備達と共に逃れた先である江東において、呂布は彼と再会を果たすことになる。

 

 

『あ? 呂布? 誰だそれは?』

 

『…………』

 

 

 もっとも、本人はとっくに自分の事なんて記憶にもなかったようで、ちょっとだけ悲しかった訳だが……。

 

 

『前の戦争の時の……? ああ、あの女か。

全身の骨をぶっ壊してから河に投げ捨てたのにくたばってなかったのか……』

 

 

 彼の視線の先は常に誰でもない先にだけ向けられているのだから。

 

 

 

 

 

 先日、迷子になっていた幼女の母親を男女平等張り手でぶちのめしてやった日之影一誠は、曹操側から派遣されたらしい使者からの書状の内容について炎蓮達――そして一応無関係ではないので劉備達と共に『どう返答するか』についての話し合いをやっていた。

 

 

「曹操からの書状の内容をまとめると、無条件の降伏に対する『最終通告』だ。

この返答を期間内に返答しない場合は此方へ軍を進軍させるらしい」

 

『……』

 

「………」

 

 

 あくまで曹操は戦わずに越したことはないというスタンスで居るらしく、代表して全員に話す冥琳にその場の全員はむっつりとした顔をしている。

 

 

「それで降伏の条件は―――日之影一誠を捕縛した状態で曹操側に引き渡すということらしい」

 

「…………」

 

 

 劉備達の話を聞いた上での話、真正面から戦争をするのは厳しいというのが現実。

 しかし降伏の条件があまりにも炎蓮達からしたら『ありえない』のだ。

 

 

「向こうとしても一誠の事は伝わっているのだろう。

曹操としては一誠の力を取り込むことでこの大陸の統一を不動のものとしたいと考えているのだろうけど……」

 

「違うな。

そこの劉備共の話が本当のことだと仮定すれば、奴等は俺の異常の大半を実に有効活用している。

だからオリジナル――あーえっと、力の元となっている俺の存在が奴等には邪魔で排除したいんだろうよ」

 

「でしょうね……末端の兵達ですら呂布並の強さって面倒過ぎるわ」

 

 

 勿論炎蓮達はこんな条件を飲む気なぞ更々なく、何時でもやったるぜ精神である。

 ましてや相手は一誠の精神の力の大半を理由は不明ながらも持っている軍団なのだ。

 

 

 実に気に入らないという点では炎蓮達も同じなのである。

 

 

「問題は既存の罠や策を強引に突破できる雑兵達だ」

 

「はい……。

進軍を防ぐ為に可能な限り立てた策や罠を強引に突破してきました……」

 

「気付いた時にはあっという間に包囲されてしまい、逃げる事しか我々には出来ませんでした」

 

「全員が一誠の側に踏み込んでいるともなれば、大袈裟な話ではないだろうな」

 

 

 抵抗する意思はあるが、まともに戦えば勝ち目はかなり薄いというのが現状であり、半端な策や罠程度では足止めにもならない。

 ただの劣化模造の集まりとはいえだ。

 

 

「『降伏』のフリをして一度日之影さんの身柄を曹操さん側に引き渡し、日之影さんが内部から崩していくと考えましたが……」

 

 

 真正面からやり合うのではなく相手の意表を突いて戦力を削るべきだという諸葛亮の意見も感情論を抜きにすれば有用なのは間違いない。

 問題はそれを言ってる本人やら友人のチビ娘達が挙ってグラサンを掛けてコミュ障モードを中和している一誠に対して罪悪感たっぷりな申し訳なさそうな顔をしている事ぐらいなだけで。

 

 

 

「………」

 

「あ、ち、違いますよ!? あ、あくまでこれは策の一つといいますか……!」

 

「……。いや、逆にありかもしれない。

要は向こうの条件を飲むフリをして俺が曹操の所に行って、時期を見て連中の何人かを殺れば良いんだろう?」

 

「ま、まあ……。幸い曹操さん側は日之影さんを生きたまま引き渡せと言ってますので……」

 

 

 意外と普通に話を聞いてくれている一誠に、ちょっとドキっとする諸葛亮こと朱里。

 

 

「確かに一誠の実力なら曹操の所の内部を引っ掻き回してから逃げおおせるくらいは出来るな……」

 

「指揮系統を内部から破壊すれば、此方の時間も稼げるしな……」

 

 

 他の呉の面々達も一誠の実力を踏まえた上で、意外とアリなコメントを出すので、言った当人が寧ろ驚いている。

 

 

「へ、下手をすれば日之影さんが殺されてしまうという此方の戦力の大半を失う可能性もありますよ……?」

 

「そこは賭けだな。一誠はどうだ?」

 

「まあ、人様の心の中のもんを土足で踏み荒らした挙げ句盗みまでやってくれたクソッタレ共の不意を突けるのは気持ちの良さそうな話だから俺は構わない。

運が良ければ天のなんたらと曹操をまとめて粉々にしてやれるかもしれないしな……。

もしそれが出来たら指揮系統は崩れるだろうし、待機させてるアンタ等もやり易くなる筈だ」

 

 

 『まあ、失敗して殺されたら完全に詰むけど』と付け足しながら、策に乗る事自体は否定しない一誠。

 一応、曹操が指定したタイムリミットまでまだ時間はあるので一誠の身柄を敢えて引き渡すという策に関しては一旦保留とすることで会議はお開きとなるのだった。

 

 

「あ……」

 

「? どうしたの一誠?」

 

「あー……いや、何でも無い」

 

「???」

 

 

 

 

 

 

 話し合いが終わりとなる直前、突然何かを思い出したような顔をした一誠に気付いた冥琳と雪蓮は、終わったと同時に蜀のチビ娘達に見せつけるかの如く一誠に飛び付いた小蓮と共に出ていこうとする所を呼び止め、冥琳個人の執務室的な部屋へと招く。

 

 

「先程の話なのだが……」

 

「あ? ああ、無条件の降伏をすると見せかけて俺が曹操ん所に潜入して内部を引っ掻き回すって話か?」

 

「ええ、正直言うとその策を使わなくても曹操達に勝てれば良いのだけど……」

 

「仕方ないだろ。

正直今目の前に居たら一人ずつ内臓でも引きずり出して口の中に捩じ込んでやりたい程度にはムカついてはいるが、紛いなりにも奴等は俺の劣化模倣の集まりなんだ。

そんな簡単に皆殺しに出来ると思えるほど自惚れられるだけのものが今の俺には無いくらいわかってる。

ならば、敢えて奴等の言うことに従うフリをかまして懐に潜り込むのが一番現実的だろう?」

 

 

 異常性の大半を失い、全てを取り戻す事は不可能だと受け入れたからなのか、以前よりも大分周りに合わせるような発言が多くなった一誠は、冥琳と雪蓮に向かってニヒルに笑っていると、合同軍義に居なかった小蓮が、三人の会話の内容から大体を察したらしく、ありえないといった顔をしながら一誠を見る。

 

 

「なによ……それ? なんで一誠が曹操なんかの所に行くの?」

 

 

 まだ子供故に小難しい話等には参加させて貰えなかった小蓮からしたらまさに寝耳に水であり、その内容も一誠が敵の軍勢に降るというのだから、当然大反対だ。

 しかし一誠はといえばそんな小蓮の頭に頭を乗せて落ち着かせると、その目をしっかり合わせながら口を開く。

 

 

「俺は別に奴等の味方になるつもりはない。

向こうの降伏の条件が生きたままの俺の身柄を寄越せって話だからな。

だから、敢えてその話に乗って俺が暫く奴等に捕まっていれば少しは時間も稼げるだろう? その間に俺も可能なら奴等の勢力を引っ掻き回して弱体化させるつもりだ………って、あくまで一つの策ってことで話に出ただけだ。

まだ決まった訳じゃあない」

 

「でもさっきの言い方だと、一誠はそのつもりなんでしょう?」

 

「……。現状、それが奴等と五分の戦争に持ち込める方法としては最適だからな」

 

「や、やだよ! 一誠が私達から離れるなんてやだ!」

 

 

 そう言いながら離すものかとばかりに一誠に抱き着く小蓮。

 冥琳と雪蓮達とて自分達が曹操の軍勢に対抗できる領域に到達さえしていれば、一誠にこんな真似をさせるつもりなんて無かった。

 しかし一誠が言う通り、相手は劣化模倣とはいえ一誠の無限に進化する精神を持つ軍勢だ。

 

 真正面からやりあったらまず間違いなく負ける。

 

 

「我等がもう少し早くお前と肩を並べられれば良かったのだがな……」

 

「悔やんでも仕方ないだろ。

それこそ個人差ってのもあるし、アンタ等はかなり早い速度で殻を破ってると思うぞ?」

 

 

 一昔前の一誠ならまず言葉にすることなんて無かった、フォローの言葉に嘘は無い。

 実際炎蓮を筆頭に、異常の存在を認識させて以降の彼女達は個人差はあれど各々を包む殻を自力で破り始めているのを感じるのだから。

 

 だからこそ、彼女達が殻を破った末に掴んだ領域に興味がある一誠は、その機会を失わせない為に己のやれる事をしようと考えている。

 それが敵の勢力に捕虜として潜入する事になろうとも、全ては自分の力不足なのだからと受け入れている。

 

 そして恐らくはこの作戦しか無いと思っている一誠は覚悟をしているのだが、そんな一誠に対して雪蓮が口を開く。

 

「じゃあ、終わり間際に何か思い出したような顔をしてたのは何? 何か別の策を思い付いたように感じたけど?」

 

「え? そうなの一誠?」

 

「お前と話をしようとしたのは、そのことを聞いておこうと思ったのだ」

 

 

 ほんの一瞬だけ過去からあることを思い出した一誠に気付いていた雪蓮の質問に同じく気付いていた冥琳は頷き、小蓮は一誠が去らないのならとすがるような目付きで一誠を見る。

 

 

「………………。いや、もう忘れた――」

 

 

 そんな三人の視線に対して一誠はさっと目を逸らしながら忘れたと誤魔化そうとしたのだが、咄嗟の嘘が割りと下手な部類に入るせいか三人にはあっさりと見抜かれた。

 

 

「お願い一誠。シャオ、一誠を曹操なんかに渡したくない」

 

「個人的な感情では私も小蓮と同じよ」

 

「ああ、お前をむざむざと敵に渡さないで済む方法があるのなら炎蓮様達も納得なされる事だろうからな」

 

「……………」

 

 

 じーっと……そんな台詞と共に見つめる三人に、暫く黙っていた一誠もやがて観念でもしたのか、ガシガシと頭を掻きながらゆっくりと口を開く。

 

 

「俺の異常についてはわかってるな?」

 

「うむ、際限無く成長し続ける……だな?」

 

「その過程で俺が魔力を得た話も知ってるな?」

 

「ええ、悪魔の力……よね?」

 

「……。そうだ、俺はガキの頃その悪魔の中でも平気で神を半笑いでぶちのめせる人外悪魔に勝つ為に死ぬ気で鍛え続けた。

鍛えた結果、俺の身体はただの人間としての限界を完全に越えたんだよ。

例えば俺は人より怪我の治りが早いとかな」

 

「「「………」」」

 

 

 確かにと三人は一誠の台詞に思い当たる節があるように頷く。

 

 弓矢で射られても、剣で身体を切り裂かれても、果てには腕が切り落とされても数日もすればその傷は完全に塞がるし、失った腕等は蜥蜴のように生え変わったりする。

 

 初めの頃はそんな一誠に薄気味悪いものを感じてしまったりもしたのだが……それと何の関係があるのだろうか? と雪蓮、小蓮、冥琳の三人が首を傾げている中、実に言いにくそうに一誠は口を開く。

 

 

「俺の身体の一部も『進化』の元になり得る――と、ガキの頃の俺に異常性について教えた人外女が言ってたのを思い出したってだけだ」

 

「「「…………」」」

 

 

 それだけを言ってからチビチビとお茶を飲む一誠に、三人は互いに顔を見合わせる。

 

 なるほど、つまり一誠が言いたいのは一誠の身体の一部を取り込めば、一誠のような成長が出きるかもしれない――という事なのか。

 ご都合主義レベルに理解力が高い三人は、揃って『なるほどー』とだけ言うと、一誠に訊ねる。

 

 

「一誠の身体の一部って、例えばどういうの?」

 

「あーそうだなー……血とかか?」

 

「「「血……?」」」

 

「簡単に体外に出せるものといえばそれくらいだからな。

でも確証はねーぞ? 何にもならないって結末で終わる可能性の方が寧ろ――」

 

「し、しかし試す価値はあるのだろう?」

 

「え? ああ……そりゃあな。

奴等に対抗できるまでのパワーに仕上げるまで時間も無いし、可能なら一気に別の対抗策とかが……」

 

「そ、それなら試しましょうよ!? ねっ! ねねっ!!?」

 

「……自分で言っておきながらなんだがよ、お前等だって嫌悪感とか普通はあるだろ……? 他人の身体の一部を取り込むて」

 

「全然! 一誠の血なら寧ろシャオは欲しい!」

 

「うむ、それにお前は他人ではないしな」

 

「取り敢えずこの話はここだけの話にして、特に母様達には内密にまずは私達だけで試しましょう!」

 

 

 

 嫌悪感どころか寧ろ爛々と目を輝かせる三人に、一誠は『わ、わからん……』と彼女達の嫌悪の基準が分からずに困惑する。

 

 

「それでもし一誠の言う通りなら母様達にも報告しましょう」

 

「んー、でも雪蓮お姉様ー? 何となくなんだけど、母様や祭とか粋怜と雷火……後は梨晏くらいまではシャオ達くらいまで殻を破ってるとは思うけど、その他――蓮華姉様辺りは一誠の血では変わらない気がしない?」

 

「む、確かにそうね……。一誠はどう思う?」

 

「……。そういやひとつまた思い出したけど、碌に鍛えてない――練度が足りてないやつが俺の細胞を取り込んだら逆に細胞に殺されるみたいな事を聞いたことがあった……」

 

「つまり、資格の無い者には危険が伴うか分け与えられないと?」

 

「ああ、大雑把に言えばな……。

それを踏まえたら小蓮の言った通りの面子なら可能性はあるだろう」

 

 

 気付けば取り込む確定で話を進めていく三人を見てるだけしか出来なかった一誠を尻目に、三人は更に話し合う。

 

 

「今言った者達全員に対して一気に一誠の血をとなると一誠の身体が持たなくなって『薄く』なりそうじゃない?」

 

「うん、いくら一誠の身体がすごく頑丈でもそれはありえるかも」

 

「つまりまずは私達が試す事に変わりはないというわけだな?」

 

 

 ひそひそと三人が顔を付き合わせながら話し合い、やがて納得したように頷き合うとぼけーっとしていた一誠に視線を移す。

 

 

「「「…………」」」

 

「なんだよ? 結局試すのか?」

 

 

 その表情からして試してみたいのを察した一誠も、突貫的で確証はないが試す価値はあると思っているらしく、準備をしようと早速嵌めていた白い手袋を外し、そのまま掌に傷を付けようとしたのだが……。

 

 

 

「よいしょ……」

 

「一誠も意外とせっかちなのだな……」

 

「は? なんのこ―――ぶっ!?」

 

 

 自分の掌に視線を落としていた一誠の耳に、絹が擦れる音が飛び込み、なんだ? と思って視線を上げると何故か着ていた服をその場で脱ぎ始めようとしている三人が居たので思わず吹いてしまう。

 

 

「な、なにしてんだ!?」

 

 

 元々の服装がセラフォルー並に珍妙であるし、妙に露出も多いのは慣れていたので今更だったが、脱がれるとなると話は変わってくる。

 

 というか何故脱ぐ必要があるのかさっぱりわからない一誠は三人に止めろと声を張り上げるのだが、寧ろその三人こそが目を丸くしているではないか。

 

 

「え、だって一誠の血を取り込むのでしょう?」

 

「もしかして服は着たままの方が良いのか?」

 

「と、当然だバカ! そもそも何故脱ぐ必要がある!?」

 

「? 勿論一誠の血をシャオ達の中に取り込む為だけど? 一誠の赤ちゃんのもとを……」

 

「……………………………はぁっ!? ば、バカ言え! 俺はそんなつもりで言った訳じゃあねぇわ! 血って赤い方だバカ!!」

 

 

 どうやら三人的には『血』を別の意味に解釈していたらしく、ここにきてそれに気付いた一誠は勿論赤い方の意味だと焦りながら説明した。

 

 

「………」

 

「…………」

 

「……………」

 

 

 その説明に一瞬固まった三人だったが、そこは肉食女子達。

 勘違いであったとはいえ、もはや血じゃない方の『血』に完全にロックオンしてしまったばかりか、火まで着いた雪蓮、小蓮、冥琳の三人は犬みてーに逃げ出そうとする一誠を後ろから前から、頭から羽交い締めにする。

 

 

「そうか、勘違いだったか。

しかし一誠よ、わざわざお前が傷を付けなくとも『血』はだせるだろう?」

 

「そっちの方が濃そうだし?」

 

「シャオもこっちの血が良いー」

 

 

 ある程度自力で『成長』したせいか、実は単純な身体能力に関しては三人同時で一誠を押さえ込めるまでに至っている雪蓮、小蓮、冥琳は妙ににんまりしながら逃げようとする一誠を押さえ込む。

 

 

「そもそも前に酔っぱらった一誠に色々されてるのに、覚えてないの一点張りで責任取らないのはどうなのかしら~?」

 

「ぐ! そ、そんなの事故みてーな……」

 

「劉備達との最初の会合の際にお前に協力した礼がまだだったな? だから今それを行使する」

 

「き、汚ぇぞ!?」

 

「大丈夫だよ一誠? シャオ、精一杯頑張るから……」

 

「そもそもお前はまだガキだろが!!」

 

 

 割りと割りとマジで暴れようとするも、三人同時に押さえ付けてくるせいでまともに動けず、こうなったら魔力を使ってでも――とある意味今世紀最大のピンチとなった訳だが……そこは一誠も執事補正が働く訳で。

 

 

「なーにしてんの三人して一誠を床に押さえ付けちゃって?」

 

「「「む……」」」

 

「り、梨晏か……!? て、手ェ貸せ!」

 

 

 執務室で大騒ぎする声が聞こえ、覗きに来た梨晏の登場により一誠は助かったと思うと同時に即座に助けを求める。

 

 

「手を貸すって、そもそもなんで三人は一誠を押さえ付けてるのさ? よく見たら半裸だし……」

 

「ちょっとした言葉のすれ違いって奴だ。

とにかく手を貸してくれたら礼を――」

 

「実は一誠の血を身体に取り込むと、一気に強くなる可能性があるって聞いて実践しようと思ったのよ」

 

「ああ、とはいえ一気に全員に施すと一誠の負担もあるし、そもそも半端な実力で取り込むのは逆に危険らしいからな」

 

「だからまずはシャオ達で試す事にしたの」

 

「血……?」

 

 

 ここまで来て逃がすかとばかりに一誠の声を掻き消す勢いで事情を説明する雪蓮、小蓮、冥琳に梨晏はなんのこっちゃと一度首を傾げながら改めて四人の体勢を見る。

 

 半裸の女と、ちょっと脱がされてる男……。

 

 

「あ、え……? まさか……そういうこと?」

 

 

 それはつまり……そういう事だと無駄に勘が鋭く働いた梨晏はちょっと恥ずかしげに頬なんて染めながら状況を理解した。

 

 

「言っておくが俺は――」

 

「せっかくだから梨晏もどう?」

 

「後一人までなら一誠も大丈夫だろう」

 

「ただし、内緒にしてて欲しいけどね?」

 

 

 果てには口封じのつもりか、お前も入れ的な事を言われる始末。

 

 

「え、わ、私も良いの?」

 

「お、おいゴラ!? 良かねーわバカ! アホ! 俺を助け――もぶ!?」

 

 

 当然、あっさり雪蓮達側に付きかけているのを察して騒ぐ一誠だが、雪蓮のスイカに顔面を押し付けられて声がだせなくなる。

 

 

「えっと、どうすればいいの?」

 

「まずは一誠の服を脱がすわよ」

 

「そして私達も脱ぐ」

 

「えへへ~ 一誠~♪」

 

「むがー!!!? むごごがががぁっ!!?!?」

 

 

 チョロすぎる程に懐柔されてしまった梨晏までもが一誠を抑える側に回ったことで今度こそ八方塞がりとなり―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

【以下、規制により描写不能】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うー……まだ股に何か挟まっている感じがするわねぇ……ふふふ」

 

「ああ、話には聞いていたが、まだ異物感が残っているな……ふふふふ」

 

「あははは♪ シャオの中に一誠の血がこんなに沢山……あはははは♪」

 

「えへへへ、ふわふわして気持ちいいなぁ……♪」

 

「………」

 

 

 

 執事、行くも地獄・戻るも地獄の輪廻に飛び込むの巻。

 

 

 




魔力で四人を凍結させてやろうとしたら、そうはさせんと大、大、大、小に挟まれて魔力を練る為の集中力を削がれたとかなんとか。

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