色々なIF集   作:超人類DX

110 / 1033
これで終わりにする。

ので、結構はっちゃけます


全ての始まり

 イッセーを兵藤一誠たらしめる無神臓。

 感じた知識、技術、環境全てを最適な状態で吸収し、己の糧として自身を永遠の進化へと導く兵藤一誠の異常性。

 

 かつて片鱗を伺わせていた際、両親から奇形児と見なされ、挙げ句捨てられた経験を基に『二度とあんな惨めになりたくない』という、生への異常すぎる執念が燻っていたソレを肥大化・爆発させる事により、彼が師と仰ぐ者から教えられた様々な技術とお伽噺がより異常を更に異常へと進化させる事となったのは果たして良いことなのか悪いことなのか。

 

 それはまさに……神ですら予想できない。

 

 

 

 あれから俺を悪魔が殺しに来るという事も無かった。

 どうやらある程度奴等もバカでは無いという事なのか……どっちでも良いが、そうと解ればそろそろ俺も『人間に戻る』時なのかもしれないな。

 

 

「は? 補強工事?」

 

 

 人に戻るか……それともこの転生悪魔としての自分を取り込み、そこから進化をしてみるかで迷う今日この頃。

 最近やけにクラスの奴等からの視線がウザいと感じる様になりつつも普通に……というか最終学歴が幼稚園中退の俺が高校生やってるのも変な話だけど、とにかく学生生活ってのをやりつつ、リアス・グレモリー達から離れるタイミングを計っていたとある放課後の事だった。

 何か知らんけど、部室に使ってる旧校舎が老朽化の為に補強工事と全体清掃を業者に依頼して執り行うとかで、暫く部室が使えないんだとか何とか。

 

 オカルト研究部なんて吟っちゃいるが、結局部活らしい部活なんてしてるのを見たことがない俺としては、だからどうしたんだという気分で聞いていたのだが、コイツ等にしてみれば『活動』という体が欲しいみたいだしな。

 

 

「だから暫く部室の代わりを探さないといけないのだけど、今日はその前にすることがあるの」

 

「すること?」

 

「ソーナって名前……覚えてる?」

 

 

 で、そんなこんなで立ち入り禁止看板とテープで周囲を覆われた旧校舎前にて集まる俺、塔城、木場、姫島、アルジェントの4人は、部長で王様のリアス・グレモリーから今日の部活内容を聞いていたのだが、唐突に俺に対してそんな質問を投げ掛けてきた。

 

 ソーナって名前を覚えているかと言われた訳だが、正直俺はバカにされているのかと一瞬思った。

 

 

「俺は痴呆じゃねーよ、それくらい覚えてる。

アレだろ、監視人で生徒会の……」

 

「そうです先輩……凄いですね」

 

「………。お前、一発殴っていいの?」

 

 

 リアス・グレモリーよりは頭数を揃えてるらしい、もう一人の王様とその下僕共が今、この前の騒動を境にリアス・グレモリー達……いや、俺を遠くから監視してる悪魔集団の名前なんてのは流石に一度聞けば覚える。

 それを一々大袈裟に驚く塔城は俺をぶっちゃけバカにしてるとしか思えず、一発殴ってやろうかとすら思うのだが、リアス・グレモリーが苦笑いしながらまぁまぁと言ったので、取り敢えず矛だけは納め、そのソーナだかハーナだかよく知らん悪魔が何なんだと話をリアス・グレモリーに振る。

 

「一度お互いに顔見せしましょうって言われてね。

イッセーとアーシアはソーナやソーナの眷属と会った事が無いでしょう?」

 

「はい」

 

「俺も無いが、興味もねーな」

 

 

 全校集会か何かで何度も見てるが、その面子が悪魔だろうが何だろうが興味なんて沸きもしなかったな。

 安心院なじみばりに強いってんならあったが……そんな気配も無い只のそこら辺に居そうな悪魔なんだろ? どうでも良いぜ。

 

 

「ま、まぁそう言わずに、取り敢えずソーナ達が待ってる生徒会室に来て欲しいのよ。

ほら、多分顔合わせの理由って……」

 

「俺か」

 

 

 そんな興味の欠片も無い連中と顔合わせして何になるのやらと思っていたが、理由が理由なだけに俺は渋々リアス・グレモリーに従う事にして生徒会室とやらに行く。

 

 

「来たわよソーナ」

 

「来てくれたのねリアス」

 

 

 新校舎にある生徒会室まで来た俺達は、リアス・グレモリーを先頭に中に入ると、生徒会として見る面子をバックに従えた眼鏡の女がリアス・グレモリーの来訪を歓迎してます的な笑みを浮かべている。

 アルジェントは思いの外悪魔の数が多くて内心びびってる顔だが、俺には関係ないので一番後ろで適当に話が終わるのをボーッとしながら待つことにする。

 

 

 

 

 サーゼクス様達の任により始まったリアス達の監視は正直貧乏くじを引かさせた気持ちで嫌だった。

 何せリアスとは昔からの仲であり、そんな彼女を監視する真似なんて……と思っても悪くない。

 

 しかししなければリアスは私の知るリアスから離れていく。

 リアスは気付いて無いのかもしれないけど、今彼女は以前とあきらかに違っているのだから……。

 

 

「新しく入った私の仲間。

アーシア・アルジェントと……えっと、兵藤イッセーよ」

 

「ど、どうぞよろしくお願いします……!」

 

「………………………」

 

 

 この、怠そうに生徒会室の扉に背を預けてる茶髪の少年のせいで。

 

 

「あ、うん……今のイッセーはちょっと声を出す気分じゃないみたいなの」

 

「……………」

 

 

 私と椿姫の二人だけで見たリアスとライザー・フェニックスのレーティングゲームの内容。

 それはライザー・フェニックスの勝利で確かに終わったのだけど、その直後に見せた彼の莫大な力。

 

 ライザー・フェニックスの下僕に苦戦していたとは思えない程の危険きわまりない力はサーゼクス様を叩き潰し、あろうことか真正面から堂々とリアスを拐った。

 

 今は形式上リアス達は戻っている事にはなっているけど、この私達を前にどうでも良さそうにしている兵藤一誠が居る限り、実質リアスは人質にされている様なものだ。

 だからサーゼクス様はリアスと同じ学校に通う私達に監視の任を与えてくださったのだけど、アレ程の力を保持している彼が黙って私達に監視されている事が却って不気味だったりする訳で……。

 

 

「ソーナ・シトリーです。

お二人とも、どうぞ宜しくお願いしますね?」

 

「は、はい!」

 

「………………」

 

 

 今日は彼の真意を探れるだけ探ろうと思――っ!?

 

 

「お前! 何会長を無視してんだ!!」

 

 

 返事が全く無いのは予想していた事だったが……此処で失敗した。

 もっと私の眷属達に彼の詳細を教えておけば良かったと……。

 

 

「やめなさい匙!」

 

 

 兵士の匙がよりにもよって兵藤一誠に突っ掛かった瞬間、私と椿姫は生きた心地がしないまま匙を咎める。

 その気になれば今すぐにでも私達を皆殺しに出来る程の力を持つ彼の機嫌を損ねたらどうなるかなんた解ってる……。

 

 

「ですが会長!」

 

「私はやめろと言ったのよ匙。申し訳ありません兵藤君……彼にはよく言って聞かせますから」

 

「……」

 

「っ!? テメェ、さっきから何で会長を――」

 

「匙!!」

 

 

 バカ……! 余計な事なのよ匙!

 

 

「イッセー……あの……」

 

「あ? 俺がキレるかと心配でもしてるのか? ねーよバカらしい」

 

 

 リアスの助け船があって何とかこの場は収まったけど……今一つ解ったわ。

 

 

「加工される運命の家畜にわざわざ怒りなんて抱くかよ……くだらねぇ」

 

「なっ……!」

 

 

 兵藤一誠は元々私達の事なんてそこら辺に生えた雑草程度にしか思っていないという事。

 だから匙の失礼にも何にも感じない……ざって雑草だから。

 

 

「ふざけんなよお前……今何つった?」

 

「コレはヤケに突っ掛かるな? 俺に親でも殺されたか?」

 

「いい加減になさい匙!! それ以上勝手にするなら出ていきなさい!」

 

 

 

 匙を黙らせたソーナは気を取り直してリアスと互いの眷属の紹介を再開する。

 

 

「彼が兵士の匙です。兵藤君と同じですね」

 

「俺は嫌ですけどねこんな奴」

 

 

 しかし本来の力を保持してる一誠の事をミリも知らない匙が思いの外嫌っているらしく、あれだけ言ってもまだ一誠に対しての悪態が止まらない。

 

 

「よく聞け、俺は兵士の駒を四個も使って転生したんだ。テメーとは格が違うんだよ!」

 

「………………」

 

 

 挙げ句のはてには駒消費量がどうと言って対向意識を燃やす匙。

 ソーナは今度こそ焦りながら一誠の顔色を伺うけど、本人はガン無視しており、ホッとしたものの、この匙という兵士の今までにも何度もあった余計な真似をそろそろ本気で黙らせなければならないとソーナは思うのだった。

 

 

(チッ、一誠の性格が原作と違うじゃねーか……。

まさか俺と同じ憑依転生者か? だとしたら邪魔になる前に……)

 

 

 匙の心の底にあるどす黒い欲望を見抜けずに……。

 

 

 

 

 

 そんなこんなでソーナ・シトリーとその眷属達を間近で見た一誠。

 しかし一誠の評価はかなり厳しいようで……。

 

 

「話にならんな」

 

『まあ、そう言ってやるな』

 

 

 家に帰り、そのまま樹海まで飛んでドライグと修行をしながら一誠はソーナ・シトリーもそうだが、あの匙という兵士に対して嫌悪感を露にしていた。

 

 

「あのカス。昔からちょくちょく出てくるカスに似た目をしてやがった」

 

『あぁ、転生者だったか? あの女の言っていた』

 

「あぁ、まるでこの世をテメーの思い通りに出来るって目をしてたカス共とまんま同じだ」

 

 

 そう……一誠は見抜いていた。

 かつて一誠を殺そうとし、逆に返り討ちにしてやった不明な者達と似ている事を。

 

 

「五年前を最後にもう居ないと思っていたんだがな……。

ゴキブリの様にわらわらとうざったい」

 

『力を取り戻してからで良かったな。

失ってたままなら殺られていたかもしれん』

 

「あぁ……まったくだぜ」

 

 

 進化を止めず、更に力を付けている一誠はこの日も更なる進化を遂げながら、自分を蔑むような目を向けていた匙という男をどうすべきかと考えながら、この日の修行を終え、帰宅しようと街に戻り……ノロノロと歩く。

 

 

『覇龍の先を二人でやってみるか? 歴代の思念を破壊したお前ならその先を掴めると思うぞ』

 

「先……ねぇ」

 

 

 とはいえ匙が牙を剥こうが負ける気が全く無い一誠は、それよりもドライグと二人三脚で歴代の赤龍帝を遥かに超越する形態を模索する事が先決であり、電灯が照らす住宅街の道をテクテクと歩いていると……。

 

 

「はぁ……はぁ……く、苦しいよぉ……」

 

「……む」

 

 

 自分の家まで後数百メートルという所の道の角で、誰かが蹲っているのが目に止まった。

 何やら苦しんでいるその姿に、無視する程薄情でも無い一誠は駆け寄り、呻いてる……女性に話しかける。

 

 

「大丈夫っすか? どうかしたんですか?」

 

 

 割りと普通の人には普通に対応できる程度のコミュニケーション能力はある一誠は、うーんうーんと唸ってる女性の様子を探ろうと丸まってる背中に軽く触れる。

 

 

「……………。転生悪魔だと?」

 

 

 そこで一誠は気付いた。

 この苦しんでる女が転生悪魔である事に。

 しかしリアスの眷属でも今日見たソーナの眷属の顔触れには無かったと思い返した一誠は、チッ……と舌打ちしながらも取り敢えずリアスにでも押し付けてやるつもりで、転生悪魔の女に声を掛けてたら背負い、そのまま自宅に連れ帰る事にした。

 

 

「はぅ!?」

 

「っ!? な、なんだ……!?」

 

「はぁ、はぁ……な、何でも無いです……」

 

「何でも無い訳無いだろ、アンタ一体どっから――まあ良い、急ぐぞ!」

 

「あっん! そ、そんな激しく揺らさないで……! お、おかしくなりゅう……!」

 

「な、なに?」

 

 

 ……。ぶっちゃけかなりヤバイもんを拾ったのかもしれないと後悔しつつだが。

 そして……。

 

 

(にゃ……ぁ……ん……♪)

 

(な、何だか背中が湿っぽいが……汗か?)

 

 

 拾った謎の女転生悪魔がとてつもない地雷だったことに気付くまで後少し……。

 

 

 

 

 それは突然だった。

 それは突風のようだった。

 

 それは――ヒーローだった。

 

 

『チッ、この程度なのかよ……つまらない』

 

『………』

 

 

 私は見た。

 私の追っ手を簡単に吹き飛ばしたヒーローを。

 自由をくれたヒーローを。

 

 

「はぁはぁ……」

 

「チッ、熱か?」

 

 

 追いかけた、探した……そして見付けた。

 大きくなった私のヒーロー……。

 妹の仲間になっていた私の恩人。

 

 

「おい、蒸しタオルで自分の身体を拭けるか?」

 

 

 もっと強くなった……私の全て。

 

 

「はぁ……はぁ……う、うぅ……」

 

「………。チッ、かなり重症というか――何だ? この女どっかで似たようなものを見た感覚が……」

 

 

 勇気を出して白音に会い、彼が一緒なのを知って。

 我慢できずに彼の家の周りをウロウロしてたら近くまで帰って来たのが見えて……身体が熱くて胸が苦しくなって……。

 私は今、そんな状態で彼にお持ち帰りされてる。

 

 偶然と奇跡とはまさにこの事だと今程思った事は無い。

 白音には悪いけど……。

 

 

「手、と、届かないから……」

 

「……………。まさか俺にやらせるつもりか女?」

 

「だ、ダメ?」

 

「……………………。チッ、背中だけならまぁ……」

 

 

 私を知って貰う為に、何でもする。

 困った様な顔を一瞬浮かべたイッセーに身体を拭いて貰いたいから仮病を使った私は、着ていた服を脱いで背中を向ける。

 

 

「んっ……んんっ……♥」

 

「……………」

 

「あ……そ、そこぉ……❤」

 

「……………………………………」

 

「き、気持ちいい……にゃぁ――あぁんっ!❤」

 

「………………。アンタ、頭の病気か何かか?」

 

 

 予想以上にイッセーから触れられている事に快楽を覚えた私は、火照る身体を抑えられずに声を漏らしてしまう。

 するとイッセーは急に胡散臭そうな声で私の頭の中を心配しだすけど、そんなものは決まってるよ。

 前からずっと私は頭の病気だもん……そう、アナタの事しか考えられない病気。

 

 

「……前は出来るだろ」

 

「う、うん……でも、やって欲し――」

 

「テメーでやれ」

 

「はぅ!? …………ひゃ、ひゃい……えへへ♪」

 

 

 ああ、お腹が熱い。

 イッセーの蔑んだ声が気持ちよくて堪らない。

 

 

「………………っ!? リアス・グレモリーに続く『同類』だと……?」

 

 

 ベッドに寝かされた私を後ろから見てるイッセーがちょっと驚いた顔をしてるけど、私は逢えて振り向かずに身体を拭き終えると、そのままはだけていた服を着直してから振り向く。

 

 

「ありがとう……助かったよ」

 

「…………。あぁ」

 

 

 大人になったイッセーの顔は昔以上に男らしくなってて、見てるだけで全身が焼ける様に熱くなる。

 何か私をジーっと目を細くさせながら見てるんだけど、その視線だけでイッちゃいそうだ……何がとは言わないけどね。

 

 

「アンタ、名前は?」

 

「黒歌。キミは?」

 

「………………。一誠」

 

 

 本当はもう知ってるけどね……ふふ、初めて会った様にしないと。

 

 

「イッセー……そっか、イッセーか、良いお名前だね?」

 

「名前を誉められたのは地味に初めてだが……どうでも良いな」

 

「ありゃ……」

 

 

 うーん……掴みを失敗したかな。

 何だか壁を感じる気がする……。

 あ、そうだ。

 

 

「ねぇイッセー……ちょっと近寄って欲しいな?」

 

「……。何の為にだ? 言っておくが、俺はアンタをかなり怪しいと思ってるんだぞ?」

 

「うんでも今の私は具合も悪いし、何も出来ない。

何かしたところでアナタに組伏せられちゃうよ」

 

 お礼……うん、お礼は大事だよ。

 私を運んでくれて、看病してくれたお礼はしないとダメ。

 怪しむイッセーに私は無力だと主張して警戒心を抑え込み、近寄ってくれたイッセーに私は。

 

 

「…………。忘れてるかもしれないけど、私は昔アナタに救われたの……これはそのお礼」

 

「……!?」

 

 

 一瞬を突き、告白しながらイッセーの唇と――

 

 

 ゴチン!!

 

 

「いだっ!?」

 

「何してるんですか黒歌姉様?」

 

 

 重ねる前に拳骨された。

 何故か此処に来てる白音に。

 

 

「塔城? お前どっから……いや良い。

今お前、この女の事を姉って……」

 

「私と二人きりの時は塔城小猫じゃなくて白音と呼んでください先輩。

ええ、この人は私の姉で……その、はぐれ悪魔です」

 

「……何?」

 

 

 そしてバラされてしまった。

 

 

「気を付けてください。この人、イッセー先輩のストーカーですので」

 

「は?」

 

「ちょ、恥ずかしいからやめてよ白音~!」

 

 

 私の正体を……。

 

 

「常時発情期、対象は一貫してイッセー先輩ですので色々と気を付けてくださいね?」

 

「意味がわからない。何故俺?」

 

「先輩は覚えてないでしょうけど、昔姉様ははぐれ悪魔として追われていた時に先輩に助けて貰ってたんです。

それでその時からイッセー先輩に……」

 

「………………。全然記憶に無い」

 

「別に良いよ覚えてなくても! 大事なのはこれからだし!」

 

「……………。アンタ、それより俺を見て何か感じることは――」

 

「いっぱいあるにゃ!

まずはイッセーを見てるとお腹がきゅんってして堪らなくなるでしょ? イッセーに見られてるだけで気持ちよくてなるのと、イッセーの声を聞いてるだけでお股が……えへへ♪

でも一番はイッセーから乱暴にエッチな事を――」

 

「…………。あ、うんそうだね。お前等姉妹だわ」

 

 

 でも結果オーライかも。

 

 

終わり

 

 

 

オマケ

 

 それは……修羅場だった。

 

 

「は? は? はぁ? 何アンタ、アンタがイッセー君の何を知ってるの?」

 

「あ、い、いや……」

 

「アナタこそ知らないじゃないですか」

 

「煩いわよこの寸胴」

 

「あ?」

 

 

 それは……復讐だった。

 

 

「僕はキミ達が憎い!」

 

 

 それは……悲劇だった。

 

 

「僕達を一人守ってくれたバルパーお爺さまを馬鹿にした教会(アナタたち)を許さない! バルパーお爺様を殺したアナタ達が憎い!」

 

 

 それは……試練だった。

 

 

「お前がイッセーか……ふふ、()ろうか?」

 

 

 それは……

 

 

「こんな場所で馬鹿な事はやめなさい二人とも!!」

 

「ぐっ、だがガブリエル……」

 

「だがもヘチマもありません! 人間界を消滅させるつもりですか!」

 

 

 平和なやり取りだった。

 

 

「ひゃっはろー! 俺っちフリード! ボスの右腕目指してるぜぇ!」

 

「ひゃ、ひゃっはろー……!

わ、私ルフェイ・ペンドラゴン! フリード様の為に何でもする覚悟があります!」

 

 

 そしてそれは……。

 

 

「覚えろリアス・グレモリー! 俺の模倣じゃない……アンタ自身でな!!」

 

「うん……わかったわ、私自身でね!」

 

 

 

 

正心翔銘(オールコンプリート)……イッセーモード!!」

 

 

 覚醒の刻だった。

 

 

 そして世界は――

 

 

「俺達は全てを棄てる!」

 

「互いの故郷を棄て、この惑星と一体となる!」

 

「そこには、種族の違いも、思想も、イデオロギーもない!」

 

「俺達は必要とされている場所に行き、俺達の為だけに戦う!」

 

「種族の未来の為でも、誰の為でもない!」

 

「俺達は必要とされているからこそ戦い、持てぬモノ達の抑止力となる!」

 

「俺達は……只自由の為に戦う」

 

「その為には様々な事をしなくてはならない」

 

「そうだ……俺達は全員……地獄へ堕ちる」

 

 

「だが俺達にこれ以上の居場所があるか?」

 

「此処は俺達にとって、唯一無二の家」

 

「天国でも無ければ地獄でもない」

 

 

 

 

 

「そう、それが俺達の望んだ自由……世界の外側だ!!」

 

 

 世界の全てを敵に回すチームを生み出す。

 

 

 

終章『世界の外側への自由』

 

 

 

と、いう嘘で締めくくります




補足

まあ、うん……可愛ければ変態だろうがね……うん。
猫姉妹はレイヴェル的ポジションが彼に存在してないのでもうグイグイ来ますよ。
姉妹丼? 超上等だぜ! 的な。


その2

チラっとやりましたが、この世界線ではバルパーじーさんを木場きゅんは『知ってます』そして聖剣というよりは彼を追いやった教会側が憎いという感じです。


その3

最後の元ネタは某ビッグボスのED演説っすね。

つまり、禍の団以上にヤバイ組織が出来上がる的な。
メンバー? コカビー、ガブリー、イッセーが揃ってる時点でお察ししてください。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。