色々なIF集   作:超人類DX

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んなアホな


ギャグみてーな継承

 

 

 ドライグが私に言う。

 

 

「あー……なんだ、イッセーの奴が大分お前を戸惑わせてしまったようだ」

 

 

 戸惑わせているというのはここ最近――いや、多分修学旅行の途中辺りからのイッセーの私に対する態度や行動の事だ。

 

 いや、別に決して私は戸惑っているだとか動揺させられているとかなんてことは断じて無い。

 無いのだが、確かにドライグの言うとおりここ最近までのイッセーの言動は一々こちらのペースを崩してくる。

 

 

「アイツはガキの頃に親や友や恩人を目の前で喪った事がトラウマとして今も残っている。

加えて当時は友や恩人以外の全てから生きることを否定され続けていたせいか、お前の様に最初こそ損得勘定だったとはいえ、自分に親切にしたと感じた者へはそれこそ犬みたいに懐くのだ」

 

 

 私が作った人形に意識と魂を移動している赤い龍ことドライグ はイッセーが生まれた時からイッセーを内から見てきただけあって、それこそ喪った両親以上にイッセーを知っているので、その言葉に嘘偽りはない。

 

 

「zzz……」

 

 

 修学旅行以降せがむようになったこの状況。

 恐れ多くも『悪の魔法使い』だ『闇の福音』なんだと呼ばれ来たこの私を恐れもせず、子供そのものの寝顔を晒し、私の身に抱き付きながら眠りこけるイッセーについて改めて語るドライグに私は、ものっそい抱き着かれてるせいで動けない状態のまま耳を傾ける。

 ……おい、別に好き好んでこんな状況になってる訳じゃない。

 イッセーがあの日以降しつこく頼み倒してくるから仕方なく嫌々応じてやっているだけなのだから、チャチャゼロも茶々丸も表情に乏しいはずなのに何故かほっこりしてそうな顔してこっちを見るんじゃあない。

 

 

「イッセーはガキの頃に両親から与えられる当たり前の情操教育を碌に享受できずに成長した。

だから、好意を抱いた相手への距離感が普通の人間よりも大分外れているのだ」

 

「過去の事は聞いている。

過去の友人共にもこうだったのかこいつは?」

 

「概ねな。

もっとも、友はほぼ同性しか居なかったからここまで距離感を詰めたりはしなかったが……」

 

「ヘェ? ツマリイッセーノ昔ノダチ共ヨリ御主人二ナツイテルッテカ?」

 

「どちらが上という訳ではないが、程度で言えば最早同等に等しいかもな。

そうでなければこいつがこんなに無防備を晒せるわけがない」

 

「………」

 

 

 アホ面晒してぐーすかと寝ているのを見れば実に納得する話ではある。

 

 

「常人や一般的な感覚を持った者にしてみたら、イッセーが向ける情はかなり『重い』し、コイツ本人もそこは自覚している。

前にも言っただろうが、お前にもしもの事があれば今のイッセーは間違いなく躊躇いなくこの世界全てを破壊し尽くすまで止まらなくなるだろうな」

 

 

 つまりイッセーは一度起爆したら甚大な被害を周辺に撒き散らす災厄そのものだというわけだ。

 最悪に災厄な最後の赤龍帝と、イッセーの生きていた世界ではそう呼ばれて忌み嫌われていた事も過去に聞いている身としては割りと笑えん話ではある。

 

 

「私にどうして欲しいんだ?」

 

「別にオレから言うことは無いし今まで通りにしてやれ。

そうだな……お前に掛けられた呪いを突破する為に掛けられた新たな呪いとでも思えば良いさ。

――――逃げようが何しようが地獄の果てまでイッセーに追いかけられて捕まる呪いとでもな?」

 

「ケケケ、登校地獄ヨリタチガワリーナァ?」

 

 

 ナギのボケに掛けられ、15年放置された呪いを解く代償として降りかかった新たな呪い……か。

 

 

「うへへ……人妻ハーレムしゃいこー……zzz」

 

「………」

 

 

 まったく……私に拾われて運の良い奴だなイッセー? いや、この世界そのものがかな?

 

 

「しかしイッセー様の女性の好みはマスターとは正反対であるのは依然としてますが……」

 

「オ子様体型ダカラナァ」

 

「五月蝿い!!」

 

 

 

 

 

 世界にとって害悪。

 そう『更に他所の世界から来た存在』によって揶揄され続けた青年にとって皮肉な話なのかもしれないが、流れ着いたこの世界においても行動次第では世界を破壊しかねない災厄だ。

 

 全てを糧に無限に進化し続ける、異界の龍の帝王の力を宿すという爆弾だらけの特性。

 一度キレると躊躇いという感情のブレーキがなくなる攻撃性。

 

 

『Boost!』

「ドラゴン波ァ!!!」

 

 

 かつてはそのブレーキ役にもなっていた友を喪ったイッセーは、喪失の怒りと哀しみを他にぶつけるだけのモンスターに変貌してもおかしくはなかった。

 しかし運の良いことにその喪失の穴を埋めるかのようにイッセーとドライグの前に現れたのがエヴァンジェリンだった。

 

 

「お?」

『ほう、以前より更に強度が増したのかこの『別荘』とやらは』

 

 

 京都での修学旅行の時はそれが特に発揮されており、もしもエヴァンジェリンが精神的な意味でブレーキ役になりきれていなければ、今頃とっくにこの世界の日本の地図から京都という地域は消え去っていただろう。

 

 

「お前という存在と、お前が私に見せた『領域』を知ったからこそ改良に改良を重ね続けたからな。

もっとも『全力』の一撃にはまだ耐えられんだろう」

 

 

 ある意味では世界の命運を握っている悪の魔法使いことエヴァンジェリンは、登校地獄の呪いの克服とそれに至るまでに何度もイッセーの血肉を取り込んだ事で、過去の全盛期よりも更にあきらかな強化――いや新たな領域への進化を果たしていたりするけであり、最早イッセーとの定期的なトレーニングを現実世界で行う事も危険であるが故に、使わなくなって暫くだった『別荘』の改良とテストを繰り返していた。

 

 

『Welsh Dragon Fusion!』

 

 

 一番に目指すはイッセーの放つ攻撃に耐えきるだけの強度。

 久し振りに出した際のテストでは一撃で内部から破壊されてしまったが故に、帰来の負けん気を刺激されたエヴァンジェリンが改良に改良を重ねたネオ別荘内にて、修学旅行の際に鬼神を粉砕した際に一瞬だけ解放した力を解放したイッセーは、既に人形からイッセーの意識へと戻っていたドライグと精神的な一体化という、歴代の赤龍帝達とは異なった進化へと至っている。

 

 

「『それなら、コイツはどうかな?』」

 

 

 焦げ茶色であった頭髪は燃えるような赤い頭髪へと変色し、上半身は龍の赤い鱗に覆われたかのような皮膚へと変わり、おまけに龍の尾まで生えている。

 

 

「『ファイナル!』」

 

 

 全身から発せられる異次元の気とも取れるエネルギーを炎のよう様に迸らせながら、両手を大の時に広げて正面で合わせる。

 

 

「『ドラゴン――』」

 

 

 

 続けたそのまま何時ものドラゴン波と同じ溜めのモーションに移行。

 

 

 

「『波ァァァァっ!!!!!!』」

 

 

 そして何の躊躇いもなく上空に向かって超極大のエネルギー波を発射すれば―――

 

 

「やっべ、壊しちまった……。悪いエヴァ」

 

『一応あの形態になったとはいえ、かなり加減はしたのだがな……』

 

「構わん、想定内だし改良の余地はまだまだ残っているからな。

お前の『欲』を満たす為にも手は抜かんさ」

 

 

 10回の改良と改造を施しても別荘はまたしても破壊されてしまうのだった。

 

 

「それにしても、ヴァーリが生きててこの別荘の特性知ったら小躍りするくらい喜んだだろうなぁ……」

 

「ヴァーリ? ヴァーリ・ルシファーか。

ドライグと対になる白い龍を宿した半人半魔の男……だったか?」

 

「ああ……」

 

 

 

 永遠に物事を極める事は出来ない。

 ゴールが永遠に無い。

 永遠に止まることは許されない。

 

 永久に未完成であることが運命付けられしこの精神(アブノーマル)こそが最後の赤龍帝の真骨頂。

 

 

 

 

 思っていた以上なラブコメ的空気を間近で浴びさせられたネギ達は、とにかくフィジカルを鍛えなければ永久に魔法使いとしての本格的な修行が出来ないので、絶賛脳筋トレーニングに精を出していた。

 

 そんなネギ達は先日、クラス委員長であり、実はほぼ一方的に副担任であるイッセーを『教師以前に人としての理性が終わってる男』と、用務員時代から毛嫌いしている雪広あやかからのお誘いによって、どこかの南の島でバカンスをした。

 エヴァンジェリン――そしてイッセーの領域に辿り着く事を第一の目標としていたネギは当初丁重にお断りしようとしたのだが、『息抜きくらいしたら?』というアスナ達の言葉もあり、それなら『イッセーとエヴァンジェリンも誘おう』と、名前を出したその瞬間、露骨に嫌そうな顔をしたあやかに気付かずに誘ってみたのだが……。

 

 

「私はやることがあるから行かん」

 

「南の島っつーのには興味あるけど、その島にギャルは――あ、雪広の実家パワーで貸し切りにしてるかは居ないだ? じゃあパス。

お色気たっぷりのお姉さんの水着姿を拝めるのなら行きてーけど、小娘共それ見てもちっともわくわくしやしねぇ。

え? 那波ならギリギリ該当するかもしれないだと? ……………まあ、見てくれはそうだがガキはガキだろ」

 

 

 エヴァンジェリンはやることがあるからと、イッセーは行っても年上ギャルが居ないからと言って断られてしまった。

 決して誘ってきたネギや古菲や楓達の後ろであやかが『テメーが来たら殺す』みたいな目付きでメンチを切ってきたからとはでは無い。

 そんなわけでネギ達は南の楽園でゴールデンウィークの連休を楽しんで帰ってきたのだが、せめてお土産くらいは渡そうとエヴァンジェリンのログハウスへとやってきたのだが……。

 

 

「おかえりー。楽しかったかー?」

 

「……………」

 

 

 出迎えた時の絵面がかなりシュールだった。

 具体的には首を傾けながらやって来たネギに軽く手を上げながら出迎えるイッセー

 そんなイッセーの首筋に思いきり歯を突き立て、若干エロイ顔をしながらグビグビと血を飲みまくるエヴァンジェリン

 

 テーブルの上で口喧嘩をしながらチャチャゼロに馬乗りされている人形状態のドライグと、そんな四人の姿を無表情な筈なのにワクワクしてそうな様子で録画中の茶々丸。

 

 

「おいエヴァ、ネギ先生達が来たからそろそろ止めろ」

 

「ん……んっ……」

 

『…………』

 

「おい、ガキ共が来たからいい加減――」

 

「ケッ、ダッタラ力付クデドカシテミナ!」

 

『……………』

 

 

 若干頬を紅潮させ、惚けた表情のエヴァンジェリンの口元からイッセーの血が少しだけ垂れているのが変にアクセントをつけているし、イッセーはイッセーで首筋に付けられた傷口がものの2秒で塞がっているし、売り言葉にイラッとして逆に馬乗りになったドライグは、何故かマウントを取られたら突然黙り始めるチャチャゼロに首を傾げたりする中、取り敢えずネギ達は買ってきたお土産を渡すのであった。

 

 

「あー、血がちと足りねぇ。

前にも言ったけど吸い過ぎはあんま良くねぇぞエヴァ?」

 

「お前の血があまりにも『上物』過ぎるのが悪い。

それにお前の特性のせいもあってから、お前の血自身取り込むだけで私の力はより強く強化されるのだ……ふふふふフハフハフハフハ!」

 

 

 軽く頭をトントン叩きながら言うイッセーに、絶対に素面じゃないエヴァンジェリンは言うなればラリッていた。

 

 

「エヴァンジェリンちゃんが変なんだけど……」

 

「吸血するだけでああなるものなんですか?」

 

「俺の血だけらしい―――」

 

「ンッン~ 実に清々しい気分だ~! 歌でもひとつ歌いたいイイ気分だ~フフフフハハハハ!」

 

「―――――――まあ、こうなる」

 

「い、何時ものエヴァンジェリンさんじゃないわ……」

 

 

 妙にテンションも高いし、身振りも大袈裟であるエヴァンジェリンが逆に怖いアスナ達はドン引きしている。

 

 

「登校地獄の呪いを解く為に初めてイッセーの血を飲んだ時もそうだったが……」

 

「ひぇ!?」

 

「な、ななな、なにやってるんですか!?」

 

 

 あまりにもテンションがぶっ飛び過ぎて、遂にはどこぞの石仮面産の吸血鬼と同じように、自分のこめかみに人差し指を貫通させてぐりぐり回し始めるエヴァンジェリンは、それこそイッちゃってる目だ。

 

 

「忌々しいとさえ思っていた吸血鬼としての私が此程晴れ晴れとした気分になるとはなァ……! イッセーの血は本当に良く『馴染む』……!

最高に『ハイ』ってやつだなァ!!! アハハハハハー!!!」

 

「………。5分したら何時ものエヴァに戻るから安心しろ」

 

「あ、安心できないわよ! こんなグロい光景見せられるなんてー!! 見なさい! ネギがショックで気絶しちゃったわ!!」

 

 

 とうとうショックで気絶してしまうネギをアスナが支えながら怒るのだが、イッセーからすれば『何で俺が怒られなきゃならないんだよ……』と思いながらハイテンションなエヴァンジェリンを見る。

 

 

 

 

「WRYYYYYYYーーッ!!! リク・ラク・ラ・ラック・ライラック! 」

 

 

 

と妙に上体を逸らしながら奇声を発して何故かエヴァンジェリンが魔法を行使するさいのキー詠唱を口に出し……。

 

 

「来たれ! そして我が眼となれ! ―――時空を支配する邪眼王(アイオーン・バロール)!!!」

 

 

 さすがのイッセーも一切予想していない事をやらかしたのだ。

 

 

「なっ!?」

 

「なんだと!?」

 

「え……?」

 

 

 イッセーの過去の親友の一人が世界に抗う者の一人として辿り着いたその力を。

 

 

「よせエヴァ! ドライグゥ!!!!」

 

「チッ! 退けチャチャゼロ!!!」

 

「エ……オ、オウ……。

ドライグガハジメテオレノコトヲ名前デ呼ンダ……」

 

「ちょ、ちょっとちょっと!? あきらかにやばそうなんだけど!?」

 

「やばそうじゃねぇ! 実際ヤバイんだよ! 一体いつのまに……てかなんでエヴァがギャスパーの力を……!」

 

「ギャスパーって、確かその名前は昔アンタと一緒に居た……」

 

「赤龍帝・禁手化!!」

 

『Balance break! Welsh Dragon Fusion!』

 

 

 毎日のようにデザート感覚でイッセーの血をゴクゴクしまくった事で、その血に引き上げられ続けたエヴァンジェリンは先に逝った過去の友から知らずに託された『力』をも取り込んでしまったのだった。

 

 

「『まずはエヴァを別荘に送り込む! 茶々丸とチャチャゼロはその二人を連れて出来る限り遠くに離れろ!」』

 

「か、畏まりました……」

 

「一体ドウシタンダヨ? 確カニ急ニ御主人が見タコトネェ力ヲ使イ始メテルケド…」

 

「『説明は後にしてやる! さっさと行け!!』」

 

 

 ただでさえ闇の魔法使いとして強力なエヴァンジェリンが、時と闇をも支配するまでに到達したギャスパーの神器の真の力を解放し、しかもコントロールすらできないとなれば、現実世界は一瞬にして闇になる。

 

 だからこそイッセーは一瞬で全力となり、時間の流れが現実世界とは異なる別荘へと飛びかかるようにしてエヴァを抱きながら入り込み、即座に構える。

 

 

「『今のお前なら全力でやっても死なないだろうからな。

悪いが、気絶して貰う……!!』」

 

 

 そうむくりと立ち上がるエヴァンジェリンに向かって強大なエネルギーの塊を生成する。

 

 

「『行くぜエヴァ……! ウルトラビッグバン・ドラゴン波ァァァッ!!!!』」

 

 

 別荘は崩壊するだろうが、世界が壊れるよりかはマシだと現実世界で放てば下手をすれば星を破壊しかねない一撃のドラゴン波をエヴァンジェリンに向かって放つ。

 こうして危うく、そして密かに世界崩壊の危機は極大のドラゴン波を喰らって丸焦げとなって気絶したことで回避されるのであった。

 

 

 

 エヴァにゃん・新神滅具使いなってしまうの巻。

 

 




補足

多分この時点でイッセー以外でエヴァにゃんを止められなくなった。

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